「過労かろう自殺じさつ」60％は医療いりょう機関きかんの受診じゅしん歴れきなし ストレス早期そうき把握はあくを

ことしの過労かろう死し白書はくしょが30日にち、公表こうひょうされました。「過労かろう自殺じさつ」と認みとめられたケースを分析ぶんせきした結果けっか、およそ60％は医療いりょう機関きかんの受診じゅしん歴れきがなかったことがわかり、厚生こうせい労働ろうどう省しょうは仕事しごと上じょうのストレスなどを早期そうきに把握はあくし対応たいおうする体制たいせい作づくりが求もとめられていると指摘してきしています。

30日にち、閣議かくぎ決定けっていされたことしの「過労かろう死し白書はくしょ」では、平成へいせい22年度ねんどから8年間ねんかんに長時間ちょうじかん労働ろうどうや仕事しごと上じょうの強つよいストレスなどから脳のうや心臓しんぞうの病気びょうき、うつ病うつびょうなどになったとして労災ろうさいと認みとめられたおよそ5800のケースを分析ぶんせきしました。

このうち脳のうや心臓しんぞうの病気びょうきとなった要因よういんを労働ろうどう時間じかん以外いがいでみると
▽「拘束こうそく時間じかんの長ながい勤務きんむ」が30.1％、
▽「交代こうたい勤務きんむ・深夜しんや勤務きんむ」が14.3％、
▽「精神せいしん的てき緊張きんちょうを伴ともなう業務ぎょうむ」が11.4％などとなっています。

また、平成へいせい27年度ねんどから2年間ねんかんに「過労かろう自殺じさつ」と認みとめられた167件けんを分析ぶんせきしたところ、
▽51.5％は発病はつびょうから死亡しぼうまでの日数にっすうが29日にち以下いかで、
▽60.5％は医療いりょう機関きかんの受診じゅしん歴れきがありませんでした。

職種しょくしゅ別べつでみると、
▽専門せんもん的てき・技術ぎじゅつ的てき職業しょくぎょうが40.1％と最もっとも多おおく次ついで、
▽管理かんり的てき職業しょくぎょうが15％でした。

厚生こうせい労働ろうどう省しょうは、「精神せいしん的てきな緊張きんちょうを伴ともなう業務ぎょうむがほかの職種しょくしゅに比くらべて多おおい可能かのう性せいがあり、引き続ひきつづき分析ぶんせきを進すすめたい。仕事しごと上じょうのストレスを早期そうきに把握はあくし対応たいおうする体制たいせい作づくりが求もとめられている」と指摘してきしています。

また、新型しんがたコロナウイルスの感染かんせん拡大かくだいが労働ろうどう時間じかんに与あたえる影響えいきょうをことし3月つきから5月つきまで調査ちょうさし1週間しゅうかんに働はたらいた時間じかんが80時間じかん以上いじょうの労働ろうどう者しゃの割合わりあいをまとめました。

それによりますとすべての業種ぎょうしゅの平均へいきんではいずれの月つきも去年きょねんを下回したまわりましたが、「医療いりょう・福祉ふくし」と「運輸うんゆ業ぎょう・郵便ゆうびん業ぎょう」は3月つきと4月つきが去年きょねんを上回うわまわりました。

このうち、「運輸うんゆ業ぎょう・郵便ゆうびん業ぎょう」は3月つきは2.01％と去年きょねんの1.78％より増加ぞうかしていて、過労かろう死しラインと呼よばれる1か月かげつの残業ざんぎょうが80時間じかんを超こえるペースで働はたらく人ひとが増ふえたことがわかりました。

ソース：NHK ニュース