にしきごいを“ネットオークション”

近年きんねん、海外かいがいにも愛好あいこう家かが多おおいにしきごい。ことしの競せりは、新型しんがたコロナウイルスの影響えいきょうで中止ちゅうしになりましたが、そんな苦境くきょうを新あらたな試こころみで、乗り切のりきろうという養殖ようしょく業者ぎょうしゃがいます。

福岡ふくおか県けん久留米くるめ市しのにしきごいの養殖ようしょく会社かいしゃ。
さまざまな色いろや柄え、大おおきさをしたにしきごい、およそ50種類しゅるいが育そだてられています。

この会社かいしゃでは年間ねんかん3億おく円えんほどの取り引とりひきを行おこない、九州きゅうしゅう一いちのにしきごいの出荷しゅっか量りょうを誇ほこります。海外かいがいからの評価ひょうかが高たかく、出荷しゅっかのおよそ9割わりがヨーロッパや東南アジアとうなんあじあなどの外国がいこく人じんバイヤーです。

毎年まいとし10月つきは、成長せいちょうしたにしきごいの出荷しゅっかシーズン。例年れいねんは海外かいがいから訪おとずれたバイヤーたちが、食い入くいいるように、こいを見みて、色いろや形かたちを確たしかめ、落札らくさつしていました。

しかし、ことしは新型しんがたコロナウイルスの感染かんせん拡大かくだいを受うけ、外国がいこく人じんバイヤーが来日らいにちできず、競せりが中止ちゅうしになりました。

手塩てしおにかけて育そだてたこいを、なんとか販売はんばいしたい。社長しゃちょうの尾形おがた学まなぶさんが望のぞみをかけたのがネットオークションでした。

こいを直接ちょくせつ、見みせることができない中なかでも、より現物げんぶつに近ちかい姿すがたを見みてもらえるように、さまざまな情報じょうほうを伝つたえる工夫くふうを凝こらしました。
1匹ひき1匹ひき、正確せいかくに大おおきさを測はかるだけではありません。

柄えや艶つやがわかるように、こいをまっすぐに泳およがせて、写真しゃしんを撮影さつえい。動画どうがは、社長しゃちょうの尾形おがたさんがみずから撮影さつえいしました。

尾形おがた学まなぶ社長しゃちょう
「きれいに撮とってきれいな状態じょうたいをお客おきゃくさんに見みていただくのが基本きほんですから。お見合みあい写真しゃしんと一緒いっしょですよ」

完成かんせいしたオークションサイトです。こいの質しつや体からだつきの違ちがいなどを、星ほしの数かずで表あらわしています。外国がいこく人じんでも一目いちもくでこいの質しつの違ちがいがわかるように工夫くふうを凝こらしました。

そして迎むかえたオークション初日しょにち。開始かいし直後ちょくごから、カナダやシンガポールなど、17の国くにや地域ちいきから入札にゅうさつが相次あいつぎました。

開始かいしわずか1時間じかんで、入札にゅうさつは合あわせて600万まん円えん分ぶん。尾形おがたさんは、今後こんごのネット活用かつように手応てごたえを感かんじていました。

尾形おがた学まなぶ社長しゃちょう
「結構けっこう、皆みなさんの反応はんのうがよくて、やってよかったと思おもっています。いろんな状況じょうきょう状況じょうきょうに適応てきおうした販売はんばいのしかたですね、それを常つねに考かんがえて、お客おきゃくさんにとっても都合つごうがよい、われわれにとっても都合つごうがよい、そういう方向ほうこうにだんだん進すすんでいくと思おもいます」

今回こんかいのオークションで、最さい高値たかねだったにしきごいは、「昭和しょうわ」という品種ひんしゅで、入札にゅうさつ価格かかくは130万まん円えんだったということです。

ソース：NHK ニュース