気象庁きしょうちょう 動植物どうしょくぶつ観測かんそくの9割わりを年内ねんないで廃止はいしへ 「さくら」は観測かんそく継続けいぞく

動物どうぶつの初はつ鳴なきや植物しょくぶつの開花かいかなど、気象庁きしょうちょうはおよそ70年間ねんかん続つづけてきた動植物どうしょくぶつの観測かんそくのおよそ9割わりをことしいっぱいで廃止はいしすることになりました。

気象台きしょうだい周辺しゅうへんの都市とし化かなどが進すすんで観測かんそくが難むずかしくなったためですが、「さくら」や「かえで」などは引き続ひきつづき観測かんそくが続つづけられます。

気象庁きしょうちょうは、季節きせつの移り変うつりかわりや気候きこうの変化へんかを伝つたえることを目的もくてきとして、70年ねんほど前まえの昭和しょうわ28年ねん以降いこう、動物どうぶつの初はつ鳴なきや植物しょくぶつの開花かいかなどといった「生物せいぶつ季節きせつ観測かんそく」を行おこない、公表こうひょうしています。

各地かくちの気象台きしょうだいの職員しょくいんなどが観測かんそくしている動植物どうしょくぶつは、「うぐいす」や「あぶらぜみ」「さくら」「うめ」など合あわせて57種類しゅるいで、中なかには「しおからとんぼ」や「とのさまがえる」などもあります。

しかし、近年きんねんは、気象台きしょうだい周辺しゅうへんで都市とし化かが進すすむなど生態せいたい環境かんきょうが変化へんかし、標本ひょうほんとする植物しょくぶつの確保かくほや対象たいしょうの動物どうぶつを見みつけることが難むずかしくなっています。

例たとえば「とのさまがえる」は、観測かんそくが開始かいしされた昭和しょうわ28年ねんには全国ぜんこく38か所かしょで確認かくにんされていましたが、去年きょねんは5か所かしょにとどまっています。

このため気象庁きしょうちょうは、全体ぜんたいのおよそ9割わりにあたる51種類しゅるいの動植物どうしょくぶつの観測かんそくをことしいっぱいで廃止はいしすることになりました。

一方いっぽう、全国ぜんこくの季節きせつや気候きこうの変化へんかを把握はあくすることに適てきした「さくら」や「うめ」「かえで」「いちょう」「すすき」「あじさい」については観測かんそくが続つづけられます。

気象庁きしょうちょうは、「季節きせつが感かんじられる身近みぢかな情報じょうほうとして、長年ながねん、多おおくの種類しゅるいで公表こうひょうしてきたが、やむをえず今回こんかいの判断はんだんとなった。一部いちぶの植物しょくぶつは今後こんごも観測かんそくを続つづけるので引き続ひきつづき参考さんこうにしてほしい」としています。

ソース：NHK ニュース