RCEP インド除のぞく15か国かこくで合意ごういへ 菅かん首相しゅしょう 関係かんけい国こく協力きょうりょく呼よびかけへ

RCEP＝東アジアひがしあじあ地域ちいき包括ほうかつ的てき経済けいざい連携れんけいは、15日にちの首脳しゅのう会議かいぎで、インドを除のぞく15か国かこくにより合意ごういすることになりました。この中なかで菅かん総理そうり大臣だいじんは、インドの将来しょうらいの参加さんかも含ふくめて自由じゆうで公正こうせいな経済けいざい圏けんを広ひろげるため関係かんけい国こくの協力きょうりょくを呼よびかけることにしています。

日本にっぽんや中国ちゅうごく、ASEAN各国かっこくなどアジア太平洋たいへいようの16か国かこくが参加さんかし自由じゆう貿易ぼうえき圏けんの構築こうちくを目指めざすRCEP＝東アジアひがしあじあ地域ちいき包括ほうかつ的てき経済けいざい連携れんけいは、離脱りだつを示唆しさするインドを除のぞく各国かっこくが協定きょうていの内容ないようを調整ちょうせいした結果けっか、インドを除のぞく15か国かこくで合意ごういすることになりました。

菅かん総理そうり大臣だいじんは14日にち、ASEAN＝東南アジアとうなんあじあ諸国しょこく連合れんごうと日にち中ちゅう韓かん3か国かこくによるオンラインでの首脳しゅのう会議かいぎで「RCEP協定きょうていの署名しょめい式しきが開催かいさいされることを歓迎かんげいするとともに、早期そうき発効はっこうに向むけ引き続ひきつづき協力きょうりょくしていきたい」と述のべました。

15日にちは、RCEPの首脳しゅのう会議かいぎがオンライン形式けいしきで行おこなわれ、菅かん総理そうり大臣だいじんはインドの将来しょうらいの参加さんかも含ふくめて、自由じゆうで公正こうせいな経済けいざい圏けんを広ひろげるという日本にっぽんの立場たちばを伝つたえるとともに、関係かんけい国こくの協力きょうりょくを呼よびかけることにしています。

RCEPをめぐっては、これまでの交渉こうしょうで、日本にっぽんに輸入ゆにゅうされるコメや牛肉ぎゅうにく・豚肉ぶたにく、乳製品にゅうせいひんなど重要じゅうよう5項目こうもくについては、関税かんぜいの削減さくげんや撤廃てっぱいの対象たいしょうから外はずれる一方いっぽう、中国ちゅうごくから輸入ゆにゅうされる冷凍れいとうの加工かこう野菜やさいなどの関税かんぜいは段階だんかい的てきに撤廃てっぱいされる見込みこみです。

一方いっぽう、日本にっぽんからの輸出ゆしゅつでは、輸出ゆしゅつ量りょうが多おおい中国ちゅうごく向むけのほたて貝かいや、中国ちゅうごくや韓国かんこく向むけの日本にっぽん酒しゅや焼酎しょうちゅうなどの関税かんぜいも段階だんかい的てきに撤廃てっぱいされる方向ほうこうです。

このほか工業こうぎょう品ひんの分野ぶんやでも関税かんぜいの撤廃てっぱいや削減さくげんが進すすむ見通みとおしで、貿易ぼうえきの促進そくしんや投資とうしの拡大かくだいにつながると期待きたいされています。

RCEPの意義いぎ

自由じゆう貿易ぼうえきを進すすめる日本にっぽんにとってRCEPは、重要じゅうような意味いみを持もちます。

今回こんかいは、インド抜ぬきの15か国かこくでの合意ごういとなりますが、日本にっぽんにとって最大さいだいの貿易ぼうえき相手あいて国こくである中国ちゅうごくや3番目ばんめの相手あいて国こくの韓国かんこくを含ふくむアジア太平洋たいへいよう地域ちいきで世界せかいの人口じんこうやGDPのおよそ3割わりをカバーする巨大きょだいな自由じゆう貿易ぼうえき圏けんが生うまれることになります。

域内いきないで関税かんぜいが引き下ひきさげられたり、貿易ぼうえきに関にかんするルールが統一とういつされることで、貿易ぼうえきや投資とうしが活発かっぱつ化かすることが期待きたいされ、世界せかいで広ひろがる保護ほご主義しゅぎ的てきな動うごきに対抗たいこうしていくねらいもあります。

13億おく人にんの人口じんこうを抱かかえるインドは自由じゆう貿易ぼうえきを推進すいしんする上うえで重要じゅうような存在そんざいだとして、日本にっぽんは引き続ひきつづきRCEPへの復帰ふっきを働はたらきかけていく方針ほうしんです。

中国ちゅうごくの李り首相しゅしょう「地域ちいき経済けいざいの一体いったい化かの重要じゅうような一里塚いちりづか」

中国ちゅうごく国営こくえいの新華社しんかしゃ通信つうしんによりますと、中国ちゅうごくの李り克かつ強きょう首相しゅしょうはRCEPについて、ASEAN＝東南アジアとうなんあじあ諸国しょこく連合れんごうと日にち中ちゅう韓かん3か国かこくによるオンラインでの首脳しゅのう会議かいぎで「世界せかいで人口じんこうが最もっとも多おおく、メンバー構成こうせいが最もっとも多元たげん的てきで、発展はってんの潜在せんざい力りょくが最もっとも大おおきい自由じゆう貿易ぼうえき圏けんとして、RCEPは地域ちいき経済けいざいの一体いったい化かの重要じゅうような一里塚いちりづかになる」と述のべました。

そのうえで「多国たこく間かん主義しゅぎの精神せいしんを体現たいげんし、東アジアひがしあじあの国々くにぐにが団結だんけつし、ともに繁栄はんえいするという明確めいかくなメッセージを対外たいがい的てきに発信はっしんするとともに、この地域ちいきの発展はってんと世界せかい経済けいざいの回復かいふくに重要じゅうような貢献こうけんを行おこなうだろう」と述のべ、強つよい期待きたいを示しめしました。

“協定きょうてい発効はっこう後ご インドの参加さんか受け入うけいれる”声明せいめい文ぶんまとめる

RCEPに合意ごういする15か国かこくが、離脱りだつを示唆しさするインドに対にたいし、協定きょうていの発効はっこう後ご、参加さんかを受け入うけいれるとする声明せいめい文ぶんをまとめたことがわかりました。

NHKが入手にゅうしゅした15か国かこくの担当たんとう閣僚かくりょうがまとめた声明せいめい文ぶんによりますと、RCEPが地域ちいきの連携れんけいを深ふかめ、世界せかい経済けいざいの発展はってんにさらなる貢献こうけんをするためには、インドが参加さんかすることが戦略せんりゃく的てきに重要じゅうようだとしています。

そのうえで各国かっこくは、RCEPの発効はっこう日び以後いご、インドの参加さんかを受け入うけいれるとし、要請ようせいがありしだい直ただちに交渉こうしょうを始はじめることを確認かくにんしたとしています。

さらにインドはRCEPの会合かいごうにオブザーバーとして、参加さんかできるとしています。

インドは中国ちゅうごくに対にたいし、巨額きょがくの貿易ぼうえき赤字あかじを抱かかえていることなどから自国じこくの産業さんぎょうに悪あく影響えいきょうを与あたえるとして、RCEPに参加さんかするめどは立たっていませんが、声明せいめい文ぶんでは、インドに参加さんかを促うながす姿勢しせいを強調きょうちょうしています。

ソース：NHK ニュース