News
Show Furigana

野口のぐちさん搭乗とうじょう 民間みんかん宇宙うちゅうせん「クルードラゴン」きょう打ち上うちあげへ

2020-11-15 20:36:17

avatar
企業きぎょう開発かいはつした民間みんかん宇宙うちゅうせんとしては世界せかいはじめて運用うんよう段階だんかいはい「クルードラゴン」の1号機ごうきが、日本人にっぽんじん宇宙うちゅう飛行ひこう野口のぐちさとしいちさんら4にんせて、日本にっぽん時間じかんの16にち午前ごぜん9時半じはんまえにアメリカから国際こくさい宇宙うちゅうステーションにけて打ち上うちあげられます。宇宙うちゅう商業しょうぎょう利用りよう本格ほんかくする時代じだいはじまりとして注目ちゅうもくされています。
アメリカ民間みんかん企業きぎょう、「スペースX」の宇宙うちゅうせん、「クルードラゴン」の1号機ごうきが、日本人にっぽんじん宇宙うちゅう飛行ひこう野口のぐちさとしいちさんとアメリカじん宇宙うちゅう飛行ひこうわせて4にんせて日本にっぽん時間じかんの16にち午前ごぜん927ふんにフロリダしゅうのケネディ宇宙うちゅうセンターから打ち上うちあげられます。

NASA=アメリカ航空こうくう宇宙うちゅうきょくによりますと、発射はっしゃだい周辺しゅうへん天候てんこうは、にわか雨にわかあめ予想よそうされていて、打ち上うちあげられる可能かのうせいは50%としています。

「クルードラゴン」は、NASA=アメリカ航空こうくう宇宙うちゅうきょく支援しえんけて「スペースX」が開発かいはつしたもので、民間みんかん宇宙うちゅうせんとしては世界せかいはじめて運用うんよう段階だんかいはいり、アメリカと宇宙うちゅうステーションとの往復おうふくします。

「クルードラゴン」は17にち国際こくさい宇宙うちゅうステーションにドッキングする計画けいかくで、10ねんぶり、3かい宇宙うちゅう飛行ひこうなる野口のぐちさんは、宇宙うちゅうステーションにおよそ6か月かげつ滞在たいざいし、科学かがく実験じっけんなどおこなことになっています。

今回こんかいの1号機ごうきには、新型しんがたコロナの感染かんせん拡大かくだいなど困難こんなん状況じょうきょう打ち勝うちかという意味いみめて、野口のぐちさんらが英語えいごで「回復かいふくするちから」を意味いみする「レジリエンス」というふねめいをつけています。

「クルードラゴン」は一般いっぱんひとことが計画けいかくされていて、今回こんかい打ち上うちあげは、宇宙うちゅう商業しょうぎょう利用りよう本格ほんかくする時代じだいはじまりとして注目ちゅうもくされています。

野口のぐちさんこれまでに、「スペースシャトル」と「ソユーズ」に搭乗とうじょうしていて、今回こんかいで3つのことなるタイプ宇宙うちゅうせん搭乗とうじょうするはじめて日本人にっぽんじん飛行ひこうになります。

1号機ごうき打ち上うちあげは、先月せんげつ31にちおこなわれる予定よていでしたが、一部いちぶエンジン交換こうかんするため延期えんきされ、さらに天気てんき影響えいきょうで16にち延期えんきされています。

クルードラゴン 居住きょじゅうせいとデザインせい重視じゅうし

「クルードラゴン」はアメリカ民間みんかん企業きぎょう、「スペースX」の宇宙うちゅうせんです。

宇宙うちゅう商業しょうぎょう利用りようすすめるためにNASA=アメリカ航空こうくう宇宙うちゅうきょく支援しえんけて「スペースX」が開発かいはつしました。

世界せかいはじめて運用うんよう段階だんかいはいった民間みんかん宇宙うちゅうせんとして、アメリカ宇宙うちゅうステーションとの往復おうふくします。

宇宙うちゅうせん全長ぜんちょうは8メートルあま直径ちょっけいは4メートルで、飛行ひこう乗り込のりこ「カプセル」と機器きき貨物かもつ搭載とうさいされている「トランク」からなります。

宇宙うちゅう飛行ひこう最大さいだい7にんがカプセルに搭乗とうじょうできますが、今回こんかいは4にん乗り込のりこみます。

操縦そうじゅうは3つのタッチパネルでおこない、計器けいきスイッチほとんどなく、船内せんないしろくろ基調きちょう統一とういつしてデザインされるなど居住きょじゅうせいとデザインせい重視じゅうしされ、従来じゅうらい宇宙うちゅうせん船内せんないとはおおきくことなる印象いんしょうけます。

国際こくさい宇宙うちゅうステーションへの接近せっきんとドッキングを自動じどうおこなことができ、緊急きんきゅう事態じたいきなければ、船長せんちょうパイロットこまかい操縦そうじゅうをする必要ひつようはないとされています。

「カプセル」の容積ようせきは9.3立法りっぽうメートルで、まどが3つあり、そと様子ようすやすいほかトイレもあり、一般いっぱんひとって宇宙うちゅう旅行りょこうすることを念頭ねんとうつくられたとされています。

新造しんぞうされた宇宙うちゅうせんは、最初さいしょのクルーが名前なまえつける慣習かんしゅうに従にしたがって野口のぐちさんたちはこの1号機ごうきに「困難こんなん打ち勝うちか意味いみめて英語えいごで「回復かいふくりょく」を意味いみする「レジリエンス」と命名めいめいしています。

55さい野口のぐちさん 日本人にっぽんじんもっとたか年齢ねんれい宇宙うちゅう飛行ひこう

野口のぐちさとしいちさんは神奈川かながわけん出身しゅっしんの55さい

「クルードラゴン」1号機ごうき乗組のりくみいん4にんのうちの1にんえらばれ、今回こんかいは10ねんぶり、3かい宇宙うちゅう飛行ひこうになります。

野口のぐちさん東京とうきょう大学だいがく大学院だいがくいん修士しゅうしごう取得しゅとくしたあと、民間みんかん企業きぎょうでジェットエンジン設計せっけいなどたずさわり、1996ねん当時とうじのNASDA=宇宙うちゅう開発かいはつ事業じぎょうだん募集ぼしゅう応募おうぼして宇宙うちゅう飛行ひこう候補こうほ選抜せんばつされました。

そして、2005ねん7つき、スペースシャトルに搭乗とうじょうして14日間にちかんはじめて宇宙うちゅう飛行ひこうおこないました。

この飛行ひこうでは、2にん1くみおこなふねがい活動かつどうを3かいおこない、日本人にっぽんじんとしてははじめてふねがい活動かつどうのリーダーをつとめました。

この飛行ひこうは、飛行ひこう7にん死亡しぼうしたスペースシャトル「コロンビア」の事故じこからの飛行ひこう再開さいかいとなったため、世界せかいからおおきな注目ちゅうもくあつめました。

2かい宇宙うちゅう飛行ひこうは、2009ねん12つきで、JAXAの日本人にっぽんじん飛行ひこうとしてははじめてロシアの「ソユーズ」に搭乗とうじょうして宇宙うちゅうステーションにかい、5か月かげつかん長期ちょうき滞在たいざいおこないました。

日本にっぽん実験じっけんとう「きぼう」の建設けんせつ整備せいびたずさわり、この間このかんにスペースシャトルに搭乗とうじょうした飛行ひこう山崎やまざき直子なおこさん到着とうちゃくしたため、日本人にっぽんじん宇宙うちゅう飛行ひこうが2にん同時どうじ宇宙うちゅう滞在たいざいするはじめてケースになりました。

これまでの宇宙うちゅうでの滞在たいざい日数にっすうわせて177にちと、日本人にっぽんじんとしては若田わかた光一こういちさんの348にちいで2番目ばんめ記録きろくです。

今回こんかい宇宙うちゅう滞在たいざい日数にっすうは6か月かげつとされていて、ミッションを無事ぶじえると、若田わかたさんがもつ日本人にっぽんじん宇宙うちゅう滞在たいざい記録きろくえる可能かのうせいもあります。

また日本人にっぽんじん宇宙うちゅう飛行ひこうとしてはもっと年齢ねんれいたか55さいでの宇宙うちゅう飛行ひこうになります。

日本人にっぽんじんもっとたか年齢ねんれいでの宇宙うちゅう飛行ひこうは、土井どい隆雄たかおさんの53さいでした。

さらに、野口のぐちさんこれまでに、「スペースシャトル」と「ソユーズ」に搭乗とうじょうしているので、今回こんかいの「クルードラゴン」で3つのことなるタイプ宇宙うちゅうせん搭乗とうじょうするはじめて日本人にっぽんじん飛行ひこうとなります。

3つのことなるタイプ宇宙うちゅうせん搭乗とうじょうするのは、アメリカ伝説でんせつてき宇宙うちゅう飛行ひこう、ジョン・ヤングが「ジェミニ」、「アポロ」、それに「スペースシャトル」に搭乗とうじょうして以来いらい、39ねんぶりの記録きろくとなります。

打ち上うちあげから27時間じかんにドッキング

「クルードラゴン」1号機ごうきは、ファルコン9ロケット日本にっぽん時間じかんの16にち午前ごぜん927ふん15びょうアメリカ・フロリダしゅうのケネディ宇宙うちゅうせんセンターから打ち上うちあげられる予定よていです。

打ち上うちあげの当日とうじつ野口のぐちさんら4にん宇宙うちゅう飛行ひこう起床きしょうしたあと、打ち上うちあおよそ4時間じかんまえ準備じゅんびおこな専用せんよう建物たてものなか担当たんとうしゃから天気てんきについてのブリーフィングをけ、宇宙うちゅうふくます。

打ち上うちあおよそ3時間じかん20ふんまえ建物たてもの専用せんようくるま乗り込のりこみ、発射はっしゃだいかいます。

およそ30ふんしゃ移動いどうして39A発射はっしゃだいと、宇宙うちゅうせん乗り込のりこんで、通信つうしん機器きき宇宙うちゅうふくただしく機能きのうしていることを確認かくにんします。

打ち上うちあげ1時間じかん55ふんまえ宇宙うちゅうせんのハッチがじられます。

その後そのご宇宙うちゅうせんにつながる通路つうろはずされて関係かんけいしゃがロケットの周辺しゅうへんから待避たいひしたうえで、打ち上うちあおよそ40ふんまえからファルコン9ロケットへの燃料ねんりょう注入ちゅうにゅうはじまります。

この間このかんロケット宇宙うちゅうせん機器ききのチェックがつづけられます。

また天候てんこう重要じゅうようで、あめかぜくわえて半径はんけい20キロ以内いない雷雲らいうんがいないかなどさだめられた基準きじゅんたしていることがもとめられます。

そのなかにはフロリダおきうみなみたかさも基準きじゅんはいっています。

異常いじょう緊急きんきゅう脱出だっしゅつしてうみ着水ちゃくすいしたカプセルを回収かいしゅうするふねやロケットの1だん回収かいしゅうするためのふね出航しゅっこうできない場合ばあいには、打ち上うちあげをおこなわない規定きていになっています。

こうした項目こうもくがすべて問題もんだいがないことを確認かくにんし、打ち上うちあげ3びょうまえにエンジンが点火てんかされ、打ち上うちあ時間じかん午前ごぜん927ふん15びょうロケット発射はっしゃだいはなれます。

ロケットの1だんエンジン燃焼ねんしょうは2ふん37びょうわり、切り離きりはなされます。

そして、2だんエンジンは、打ち上うちあげ2ふん48びょうから8ふん50びょうまで6ふんあま燃焼ねんしょうつづけます。

打ち上うちあげから12ふん3びょう宇宙うちゅうせん「クルードラゴン」はロケットから切り離きりはなされ軌道きどう投入とうにゅうされます。

一方いっぽうロケットの1だんは、さい使用しようするためエンジン噴射ふんしゃして落下らっかする速度そくど制御せいぎょしながら着陸ちゃくりく地点ちてんもどり、打ち上うちあげから9ふん29びょう着陸ちゃくりくします。

今回こんかい打ち上うちあげでは、「クルードラゴン」はロケットから分離ぶんりされたあと、ドッキングの作業さぎょうはいまでにクルーは船内せんないで1就寝しゅうしんするとみられます。

その後そのご国際こくさい宇宙うちゅうステーションにドッキングするための手順てじゅん再開さいかいさせます。

「クルードラゴン」は、みずからのエンジン噴射ふんしゃして高度こうどげ、国際こくさい宇宙うちゅうステーションの後方こうほうからちかづいたあと、したから回り込まわりこように正面しょうめん移動いどうし、ゆっくりとドッキングポートにちかづきます。

そして打ち上うちあげからおよそ27時間じかん日本にっぽん時間じかん午後ごご1ごろ、「クルードラゴン」は国際こくさい宇宙うちゅうステーションとドッキングする計画けいかくです。

4にんのクルーはおよそ2時間じかんかけて空気くうきがないかテストおこななどしたうえでハッチをけ、宇宙うちゅうステーションに乗り込のりこみます。

搭乗とうじょうする4にん 国籍こくせき経歴けいれきなどことなり多様たようせい

「クルードラゴン」の1号機ごうきには野口のぐちさとしいちさんアメリカじん宇宙うちゅう飛行ひこうわせて4にん搭乗とうじょうします。

野口のぐちさんはクルーについて、アメリカ軍人ぐんじんアフリカけいアメリカじん女性じょせい日本人にっぽんじんなどと、国籍こくせき経歴けいれきそれ背景はいけいことなる多様たようせいんだ4にんで、この多様たようせいつよチームのちから生み出うみだしているとしています。

船長せんちょう
マイケル・ホプキンス宇宙うちゅう飛行ひこう(51)で、2かい宇宙うちゅう飛行ひこうです。
アメリカ空軍くうぐん大佐たいさで、空軍くうぐんのテストパイロットや国防こくぼう総省そうしょうエンジニアなどつとめたあと、2009ねんにNASAの宇宙うちゅう飛行ひこうえらばれました。

2013ねんにロシアの宇宙うちゅうせんソユーズで国際こくさい宇宙うちゅうステーションに滞在たいざいし、2かいふねがい活動かつどうふく166日間にちかん宇宙うちゅう滞在たいざい経験けいけんがあります。


パイロット
ビクター・グローバー宇宙うちゅう飛行ひこう(44)で、はじめて宇宙うちゅう飛行ひこうです。
アフリカけいアメリカじんとしてははじめてなる国際こくさい宇宙うちゅうステーションでの長期ちょうき滞在たいざいだということです。

アメリカ海軍かいぐんのテストパイロットで、日本にっぽん神奈川かながわけん厚木あつぎ基地きち勤務きんむしたこともあります。


〈シャノン・ウォーカー宇宙うちゅう飛行ひこう(55)〉
ミッションスペシャリストで、2かい宇宙うちゅう飛行ひこうです。
4にんなか唯一ゆいいつ女性じょせいで、宇宙うちゅう物理ぶつりがく博士はかせです。

ジョンソン宇宙うちゅうセンターでフライトコントローラーとしてスペースシャトルのミッションにかかわり、2004ねんにNASAの宇宙うちゅう飛行ひこうえらばれました。

2010ねんにロシアの宇宙うちゅうせんソユーズに搭乗とうじょう国際こくさい宇宙うちゅうステーションにかい、163日間にちかん宇宙うちゅう滞在たいざい経験けいけんがあります。


野口のぐちさとしいちさん(55)〉
ミッションスペシャリストの日本人にっぽんじん宇宙うちゅう飛行ひこうです。
10ねんぶり、3かい宇宙うちゅう飛行ひこうで、4にんなかもっと飛行ひこう経験けいけん豊富ほうふです。

野口のぐちさんは1996ねん宇宙うちゅう飛行ひこう候補こうほえらばれて、2005ねんにスペースシャトル、2009ねんにソユーズで宇宙うちゅうステーションにかい、わせて177日間にちかん宇宙うちゅう滞在たいざい経験けいけんがあります。

今回こんかい飛行ひこうで、3つのことなるタイプ宇宙うちゅうせんことになります。

日本にっぽん実験じっけんとう「きぼう」で実験じっけん

日本人にっぽんじん宇宙うちゅう飛行ひこう野口のぐちさとしいちさんら4にん国際こくさい宇宙うちゅうステーションに6か月かげつ滞在たいざいして、さき滞在たいざいはじめている3にん宇宙うちゅう飛行ひこうとともに「だい64長期ちょうき滞在たいざい」としてさまざまな科学かがく実験じっけんなどおこな予定よていです。

NASAによりますと、「だい64長期ちょうき滞在たいざい」では、飛行ひこうがみずからのからだ宇宙うちゅうでの免疫めんえきのうへの影響えいきょうや、大根だいこんたね栽培さいばいして栄養えいようわる調しらべるほか、NASAが開発かいはつちゅうあら宇宙うちゅうふく機能きのう試験しけんなどおこな予定よていです。

また日本にっぽん実験じっけんとう「きぼう」での実験じっけん予定よていされています。

たんぱく質たんぱくしつ結晶けっしょうつく実験じっけんなどこれまで継続けいぞくして取り組とりくんできた実験じっけんほか民間みんかん企業きぎょう連携れんけい宇宙うちゅうから番組ばんぐみ配信はいしんするあら事業じぎょうや、宇宙うちゅう空間くうかん老化ろうか加速かそくするメカニズムを解明かいめいする研究けんきゅうなどわせて20項目こうもく予定よていされています。

実験じっけんどの項目こうもくだれおこなかは作業さぎょうりょうなどにおうじて今後こんごまることになっているということです。

宇宙うちゅうステーションでは国際こくさいてき基準きじゅん時間じかんあるグリニッジ標準時ひょうじゅんじ時間じかん設定せっていされていて、あさ6きて仕事しごと午後ごご6ごろにえるスケジュールになっています。

基本きほんてきに1週間しゅうかんうち土曜どよう日曜日にちようびほか祝祭しゅくさいやすですが、運動うんどうをして重力じゅうりょくなか体力たいりょく低下ていかしないようにすることがかせないとされています。

シンプルな構成こうせいていコスト

「クルードラゴン」を打ち上うちあげるのは、「ファルコン9」とばれるロケットです。

アメリカ民間みんかん企業きぎょう、「スペースX」が開発かいはつしたもので、「クルードラゴン」を先端せんたん搭載とうさいして宇宙うちゅう打ち上うちあげます。

改良かいりょうかさねられ、現在げんざいのものは全長ぜんちょうは70メートル直径ちょっけいが3メートル70センチで、地球ちきゅう周回しゅうかいする軌道きどうに22トンものはこ能力のうりょくがあります。

ケロシンとばれる灯油とうゆ液体えきたい酸素さんそ燃焼ねんしょうさせる2段式だんしきロケットで、ことし7つき現在げんざい、91かい打ち上うちあげがおこなわれ、89かい成功せいこうし、2かい失敗しっぱいしています。

ロケット名称めいしょう映画えいがのスターウォーズにでてくる宇宙うちゅうせん、「ミレニアムファルコンごう」にちなんでいて、「9」は1だんにはエンジンが9取り付とりつけられていることをしています。

最大さいだい特徴とくちょうは、グリッドフィンとばれる4まいいたじょう装置そうちと、着地ちゃくちささえる装置そうちいていて、1だんまっすぐりてきて着地ちゃくちし、さい使用しようできるように設計せっけいされているてんです。

NASAの支援しえんけて開発かいはつおこなわれてきて、国際こくさい宇宙うちゅうステーションに物資ぶっしとどけるためのロケットとして使つかわれているほか有人ゆうじん宇宙うちゅうせんのクルードラゴンの打ち上うちあげにも使つかわれます。

打ち上うちあげはアメリカ・フロリダしゅうのケネディ宇宙うちゅうセンターで、アポロ計画けいかくのサターンロケットやスペースシャトルの打ち上うちあげがおこなわれた39A発射はっしゃだい改修かいしゅうして使つかわれています。

ファルコン9はさい使用しようできることと、シンプルな構成こうせいにすることでていコストにしていて、1かいたり標準ひょうじゅんてき打ち上うちあ価格かかくが6200まんドル、日本にっぽんえん換算かんさんするとおよそ64おくえんと、同等どうとう能力のうりょくあるほかロケット半分はんぶんほどにおさえられています。

価格かかくやすさからおお商業しょうぎょう衛星えいせい打ち上うちあげを受注じゅちゅうしていて、おととし世界せかい商業しょうぎょう衛星えいせい打ち上うちあ市場しじょうの58%をめたという調査ちょうさ結果けっかもあり、年間ねんかん20ほどのペースで打ち上うちあげています。

ファルコン9は、2015ねん6つきと2016ねん9つきに2かい打ち上うちあげに失敗しっぱいしていますが、宇宙うちゅう飛行ひこうせた試験しけん飛行ひこうはことし5つきおこな成功せいこうしています。

スペースX」は「テスラ」のマスク創業そうぎょう

「スペースX」は電気でんき自動車じどうしゃメーカー「テスラ」のCEOとしてられるイーロン・マスクが2002ねん創業そうぎょうした民間みんかん企業きぎょうです。

火星かせいへの移住いじゅう実現じつげん」という壮大そうだい目標もくひょうかかげ、アメリカ・カリフォルニアしゅう本社ほんしゃき、宇宙うちゅうせんやロケットの開発かいはつすすめています。

本社ほんしゃには、ロケット宇宙うちゅうせん工場こうじょうほか飛行ひこう訓練くんれん施設しせつ管制かんせいしつもあり、自社じしゃ工場こうじょうでの一貫いっかんした製造せいぞう意思いし決定けっていはやさで効率こうりつてき作業さぎょうし、コストをおさえる意識いしき徹底てっていされています。

創業そうぎょうした当初とうしょ実績じっせきすくなく、打ち上うちあげの失敗しっぱいつづこともありましたが、NASAや航空こうくう宇宙うちゅう産業さんぎょう大手おおてメーカーから人材じんざい技術ぎじゅつ取り入とりいれ、ロケットの1だんさい使用しようするこれまでにない技術ぎじゅつ実用じつよう成功せいこうするなどしてまばた成長せいちょうしていきました。

そしてそれまではアメリカやロシア、それに日本にっぽんヨーロッパ宇宙うちゅう機関きかんしかできなかった国際こくさい宇宙うちゅうステーションへの無人むじん輸送ゆそうによる物資ぶっし補給ほきゅうを、創業そうぎょうからわずか10ねんの2012ねん民間みんかん企業きぎょうとしてはじめて成功せいこうさせ、このあとも継続けいぞくてき補給ほきゅうおこなっています。

また、「スペースX」は、つき周回しゅうかいするあら宇宙うちゅうせん開発かいはつ発表はっぴょうしていて、日本にっぽん衣料いりょうひん通販つうはんサイトの当時とうじ運営うんえい会社かいしゃ社長しゃちょう搭乗とうじょうしゃになると公表こうひょうされて話題わだいにもなりました。

今回こんかい宇宙うちゅうせんは、アメリカ国際こくさい宇宙うちゅうステーションを往復おうふくするさい使つかわれることになり、「スペースX」は創業そうぎょうからわずか18ねんでアメリカの宇宙うちゅう開発かいはつ屋台骨やたいぼねささえるまでに成長せいちょうしたとわれています。

宇宙うちゅう商業しょうぎょう利用りよう本格ほんかくへ “映画えいが撮影さつえい”の報道ほうどう

「クルードラゴン」が民間みんかん宇宙うちゅうせんとして運用うんよう段階だんかいはいことで、宇宙うちゅう商業しょうぎょう利用りよう本格ほんかくする時代じだいはじまるとみられています。

これから宇宙うちゅう利用りようは、宇宙うちゅう空間くうかんを2つにけてかんがえられています。

1つは、国際こくさい宇宙うちゅうステーションがある地球ちきゅう周辺しゅうへんてい軌道きどうばれる宇宙うちゅう空間くうかんもう1つは、つき火星かせいなど、よりとお宇宙うちゅう意味いみするぶか宇宙うちゅうです。

NASAは、くに宇宙うちゅう機関きかんふか宇宙うちゅう開発かいはつ集中しゅうちゅうし、地球ちきゅうてい軌道きどう民間みんかん企業きぎょう主体しゅたいになって利用りようするというかんがです。

そのため、アメリカ宇宙うちゅうステーションを飛行ひこう往復おうふくするさいには、NASAは民間みんかん宇宙うちゅうせん顧客こきゃくとなって輸送ゆそうサービス購入こうにゅうして搭乗とうじょうさせることになり、民間みんかん商業しょうぎょう利用りようなが今後こんごつよまる見込みこです。

「クルードラゴン」は、すでにくに宇宙うちゅう飛行ひこうだけでなく、一般いっぱんひとことが計画けいかくされています。

ハリウッドスターのトム・クルーズさん宇宙うちゅう映画えいが撮影さつえいおこなという報道ほうどうがあり、NASAの長官ちょうかんたのしみにしていると公表こうひょうしています。

一般いっぱん利用りようすすと、宿泊しゅくはくやエンターテインメントなどサービス徐々じょじょ充実じゅうじつするとみられます。

野口のぐちさんはこうしたながについて、地球ちきゅうてい軌道きどう活動かつどうする宇宙うちゅう飛行ひこうは「水先みずさき案内あんないじん」のようなものだと表現ひょうげんしていて、民間みんかん利用りようしゃをガイドする役割やくわりわるだろうとしています。

宇宙うちゅうふく アメリカの有名ゆうめいデザイナーがデザイン

クルードラゴンに搭乗とうじょうする宇宙うちゅう飛行ひこう着用ちゃくようする宇宙うちゅうふくは、「スペースX」がNASAの基準きじゅんをクリアしながらあら開発かいはつしたものです。

しろ基調きちょうにしたすらりとしたシルエットは、ハリウッド映画えいがでも活躍かつやくするアメリカ有名ゆうめいデザイナーがデザインしました。

この宇宙うちゅうふくは「スペースX」の工場こうじょう一人ひとりひとりサイズわせてオーダーメイドでつくられています。

ヘルメットから胴体どうたい部分ぶぶんそれ手袋てぶくろまでふくめてすべて一体いったいになっていて、ふともも内側うちがわあるジッパーをひらいてあたまからかぶるようにして着脱ちゃくだつします。

一体いったいがたなので従来じゅうらい宇宙うちゅうふくのような金属きんぞくせい接続せつぞく部分ぶぶんがなく、かるくてやすいということです。

種類しゅるいちが生地きじで3そう構造こうぞうになっていて、火災かさい急激きゅうげき圧力あつりょく低下ていかきても、できるだけ飛行ひこうまもようになっています。

さらに、宇宙うちゅうせん座席ざせきすわったときに、酸素さんそ供給きょうきゅうラインや通信つうしんケーブルを接続せつぞくする部分ぶぶんみぎのふともものあたにあり、まとめてつなげることで、見た目みためそこなわれないようにするなどスタイル重視じゅうししているということです。

ボーイング 来年らいねんにも有人ゆうじん飛行ひこう計画けいかく

アメリカ民間みんかん宇宙うちゅうせんは、「商業しょうぎょうクループログラム」とばれるNASAの計画けいかくから生み出うみだされました。

アメリカは2010ねん宇宙うちゅう産業さんぎょう育成いくせい政策せいさく転換てんかんしたことにはじまります。

商業しょうぎょうクループログラム」という計画けいかくなかでNASAは民間みんかん企業きぎょうえらんで資金しきん技術ぎじゅつ提供ていきょうし、宇宙うちゅうせん開発かいはつ支援しえんしました。

アメリカから国際こくさい宇宙うちゅうステーションにさいにはNASAは顧客こきゃくとなって輸送ゆそうサービス購入こうにゅうし、飛行ひこう宇宙うちゅう飛び立とびたたせるのです。

NASAは最終さいしゅうてき経験けいけんあさスペースX」と航空こうくう宇宙うちゅう機器きき世界せかいてき大手おおてある「ボーイング」の2しゃえらんで競争きょうそうさせながら開発かいはつうながしてきました。

当初とうしょだい本命ほんめいは「ボーイング」でしたが、大方おおかた予想よそうはんして「スペースX」は「ボーイング」よりもさき運用うんよう段階だんかいはいりました。

NASAはくに主導しゅどうして開発かいはつした場合ばあいくらべて、2ちょうえんから3ちょうえんほど節約せつやくできたと説明せつめいしていて、つき火星かせいなど、よりとお宇宙うちゅう開発かいはつちからそそぐことができるとしています。

開発かいはつおくれた「ボーイング」もことしちゅうに2度目どめなる無人むじん試験しけん飛行ひこうおこない、成功せいこうすれば来年らいねん有人ゆうじん試験しけん飛行ひこう計画けいかくしていて、宇宙うちゅうせん種類しゅるいえることで競争きょうそう原理げんりはたらいてコストがさらにやすくなると期待きたいされいてるほか宇宙うちゅう手段しゅだんえることで宇宙うちゅう利用りようがさらに活発かっぱつになるとられています。

新型しんがたコロナウイルス 今回こんかい打ち上うちあげにもおおきな影響えいきょう

新型しんがたコロナウイルスの感染かんせん拡大かくだい今回こんかい打ち上うちあげにもおおきな影響えいきょうあたえています。

野口のぐち飛行ひこうは、3ねんほどまえからアメリカのヒューストンに滞在たいざいし「クルードラゴン」に搭乗とうじょうするための訓練くんれんつづけてきました。

しかしきびしい外出がいしゅつ制限せいげんつづなかで、おお訓練くんれん自宅じたくパソコン使つかってオンラインおこなわれるなど異例いれいともえる対応たいおうつづいたといいます。

さらに、専用せんよう施設しせつおこな訓練くんれん場合ばあいも、スタッフがべつ部屋へやからオンライン指示しじするなどひととの接触せっしょく極力きょくりょくらす感染かんせん対策たいさくられていたということです。

一方いっぽうで、クルードラゴン自体じたいはデジタルされた宇宙うちゅうせんでリモートの訓練くんれんいていて、野口のぐちさんは「ほぼ100%の訓練くんれん効果こうかられているとおも」とはなしています。

さらに、宇宙うちゅうせん搭乗とうじょうするほかの3にん飛行ひこうとは頻繁ひんぱん連絡れんらく取り合とりあい、宇宙うちゅうせんのシステム理解りかい意思いし疎通そつうすすめてきたということです。
ソース:NHK ニュース