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香港「国家安全法制」採択を前に抗議活動 緊迫状態続く
2020-05-27 09:47:41

中国の全人代=全国人民代表大会で28日、香港での反政府的な動きを取り締まる「国家安全法制」を導入する方針が採択されるのを前に、香港ではこれに反発する市民が各地で抗議活動を行いました。これに対し、警察の取締りも厳しさを増していて、緊迫した状態が続いています。

中国 北京で開かれている全人代では、最終日の28日、香港での反政府的な動きを取り締まる「国家安全法制」を導入する方針が採択される予定です。
香港では27日、これに反発する市民が各地で抗議活動を行い、このうち、香港島の商業施設では、数百人の若者たちが「香港独立」と書かれた旗を掲げながら、「独立するしか出口はない」などと声を上げていました。
香港では27日、これに反発する市民が各地で抗議活動を行い、このうち、香港島の商業施設では、数百人の若者たちが「香港独立」と書かれた旗を掲げながら、「独立するしか出口はない」などと声を上げていました。

これに対し、警察は、合わせて3500人を動員して取締りに当たり、これまでに違法な集会に参加した疑いなどで、少なくとも240人を逮捕したということです。
また、議会にあたる立法会周辺では、バリケードを設置して周辺の道路を封鎖し、一般の人たちが近づけないようにしているほか、各地の幹線道路や商業施設周辺でも市民の所持品を検査するなど、ものものしい雰囲気となっています。
香港ではSNSを通じて引き続き抗議活動が呼びかけられていて、緊迫した状態が続いています。
また、議会にあたる立法会周辺では、バリケードを設置して周辺の道路を封鎖し、一般の人たちが近づけないようにしているほか、各地の幹線道路や商業施設周辺でも市民の所持品を検査するなど、ものものしい雰囲気となっています。
香港ではSNSを通じて引き続き抗議活動が呼びかけられていて、緊迫した状態が続いています。
民主活動家「『一国一制度』になってしまう」

中国による「国家安全法制」の導入に向けた動きに対し、香港の民主活動家、黄之鋒さんが記者会見し「香港の『一国二制度』がむしばまれ、『一国一制度』になってしまう」と強く非難しました。
そのうえで、「アメリカだけでなく、イギリスなどヨーロッパの国々も中国に対する制裁の動きがある。中国政府が香港の独自性を壊そうというのなら、香港の反発だけでなく、国際社会からの反発に直面することに気付くべきだ」と述べ、国際社会に対し、中国への圧力を強めるよう訴えました。
そのうえで、「アメリカだけでなく、イギリスなどヨーロッパの国々も中国に対する制裁の動きがある。中国政府が香港の独自性を壊そうというのなら、香港の反発だけでなく、国際社会からの反発に直面することに気付くべきだ」と述べ、国際社会に対し、中国への圧力を強めるよう訴えました。
香港「国歌条例」の経緯
香港の議会で審議される「国歌条例」は、中国の国歌を侮辱する行為に刑事罰を科すものです。
中国で2017年、国歌の替え歌など侮辱行為を禁止する「国歌法」が成立したのに合わせて、習近平指導部は「一国二制度」のもと、高度な自治が認められている香港でもこの法律を適用させるため、独自の条例を制定するよう求めていました。
これを受けて、香港政府は、国歌を侮辱した場合、最高で禁錮3年と5万香港ドル、日本円でおよそ70万円の罰金を科すほか、学校やメディアを通じて、国歌についての教育を強化することなどを盛り込んだ条例案を去年、立法会に提出し、審議が行われてきました。
香港では、サッカーの試合で観客が国歌の演奏中にブーイングをしてたびたび問題になっていますが、条例が制定されれば、こうした行為も取締りの対象となる可能性があります。
条例案の審議は、去年6月に容疑者の身柄を中国本土にも引き渡せるようにする条例の改正をめぐり、市民による大規模な抗議活動が続いたことを受けて、一時中断しました。
その後、去年10月から立法会での審議が再開されましたが、本格的な議論ができないままとなっていて、立法会の会期末がことし7月に迫る中、早期に条例を成立させようとする親中派と、これに反対する民主派の議員が激しくもみ合ってけが人が出るなど混乱が続いていました。
一方、香港と同じく、「一国二制度」のもとで自治が認められているマカオでは同様の条例が去年6月から施行されています。
中国で2017年、国歌の替え歌など侮辱行為を禁止する「国歌法」が成立したのに合わせて、習近平指導部は「一国二制度」のもと、高度な自治が認められている香港でもこの法律を適用させるため、独自の条例を制定するよう求めていました。
これを受けて、香港政府は、国歌を侮辱した場合、最高で禁錮3年と5万香港ドル、日本円でおよそ70万円の罰金を科すほか、学校やメディアを通じて、国歌についての教育を強化することなどを盛り込んだ条例案を去年、立法会に提出し、審議が行われてきました。
香港では、サッカーの試合で観客が国歌の演奏中にブーイングをしてたびたび問題になっていますが、条例が制定されれば、こうした行為も取締りの対象となる可能性があります。
条例案の審議は、去年6月に容疑者の身柄を中国本土にも引き渡せるようにする条例の改正をめぐり、市民による大規模な抗議活動が続いたことを受けて、一時中断しました。
その後、去年10月から立法会での審議が再開されましたが、本格的な議論ができないままとなっていて、立法会の会期末がことし7月に迫る中、早期に条例を成立させようとする親中派と、これに反対する民主派の議員が激しくもみ合ってけが人が出るなど混乱が続いていました。
一方、香港と同じく、「一国二制度」のもとで自治が認められているマカオでは同様の条例が去年6月から施行されています。
菅官房長官「審議状況や情勢 強く懸念」

菅官房長官は、午後の記者会見で「わが国としても、全人代での香港に関する方針の審議状況や、香港の情勢を強く懸念しており、外交ルートを通じて中国にもしっかり伝えている」と述べました。
そのうえで、「香港は、わが国にとって、緊密な経済関係と人的交流を有する極めて重要なパートナーであり、一国二制度のもと、従来の自由で開かれた体制が維持され、民主的、安定的に発展していくことが重要だと考えている」と述べました。
そのうえで、「香港は、わが国にとって、緊密な経済関係と人的交流を有する極めて重要なパートナーであり、一国二制度のもと、従来の自由で開かれた体制が維持され、民主的、安定的に発展していくことが重要だと考えている」と述べました。
ソース:NHK ニュース