ウクライナの首都キーウの中心部で10日、複数の爆発音が聞こえ、ウクライナ内務省の高官は8人が死亡したと明らかにしました。
ゼレンスキー大統領は、ウクライナ全土でロシアによるミサイル攻撃が起きているとして非難しています。
ウクライナの首都キーウのクリチコ市長は10日午前8時半、日本時間の10日午後2時半、SNSへの投稿で「市内の中心部で複数の爆発があった」と明らかにしました。
キーウで撮影された映像では、街頭で複数の車が激しく燃え、消防隊員が消火活動を行っているほか、けが人が手当てを受けている様子が確認できます。
また、道路にはたくさんのがれきが散乱し、公園とみられる敷地に大きな穴があいて炎や煙が立ちのぼる様子も映っています。
クリチコ市長によりますと爆発があったのは市内の2つの地区だということで、そのうちの1つは大統領府から1キロほどしか離れていない地区です。
一連の爆発の被害についてウクライナ内務省の高官はSNSへの投稿で8人が死亡し24人がけがをしたと明らかにしました。
ウクライナのゼレンスキー大統領は日本時間の10日午後3時45分ごろ、自身のSNSに「彼らは、われわれの存在を消そうとしている」とロシアによる攻撃だとして非難したうえで「ウクライナ全土でミサイル攻撃が起きている。避難所から出ないでほしい。自分と家族を守り、持ちこたえてほしい」と呼びかけました。
キーウ市長「ロシアのミサイル攻撃 危険な状態続く」
クリチコ市長は現地時間10日の午前9時半ごろ、日本時間午後3時半ごろ、自身のSNSに「首都がロシアのテロリストに攻撃されている。市内の中心部などでミサイルが命中し、危険な状態は続いている」と投稿しました。
「中心部に住むすべての人に伝えるが避難所にとどまり、急用がないかぎり、きょうは街に出ない方がいい。キーウの中心部は警察官によって封鎖され、救助隊が救出活動を行っている」として市民に注意を呼びかけています。
ゼレンスキー大統領「死者やけが人出ている」
ウクライナのゼレンスキー大統領は現地時間10日の午前9時45分ごろ、日本時間午後3時45分ごろ、自身のSNSに「彼らはわれわれの存在を消そうとしている。南東部ザポリージャで寝ている人や東部ドニプロや首都キーウで通勤中の人たちを殺そうとしている。ウクライナ全土で防空警報が鳴りやまなく、ミサイル攻撃が起きている。残念ながら亡くなった人やけが人がでている。避難所から出ないでほしい。自分と家族を守り、持ちこたえてほしい」と呼びかけました。
西部リビウ州知事「州内のエネルギーインフラ施設に攻撃」
ウクライナ西部リビウ州のコジツキー知事は現地時間10日の午前9時50分ごろ、日本時間午後3時50分ごろSNS上で「州内にあるエネルギー関連のインフラ施設に攻撃があった。新たな攻撃のおそれがあるので市民は避難所にいるようにしてほしい」と投稿し、市民に注意を呼びかけました。
NHK取材班も爆発音と煙を確認
NHKの取材班が滞在するウクライナの首都キーウのホテルからも10日午前8時20分ごろ、爆発音が複数回、聞こえました。爆発音は少なくとも3回聞こえました。
ホテルからも市の中心部で煙のようなものが上がるのが確認できました。音とともにホテルの窓ガラスが揺れました。
およそ1時間後に再び爆発音
NHKの取材班が滞在するウクライナの首都キーウのホテルでは、10日午前8時20分ごろに続き、およそ1時間後の午前9時15分ごろ再び、爆発音が聞こえました。
煙などが見えたり窓ガラスが揺れたりすることはありませんでした。
キーウを含めウクライナでは全土で10日早朝から防空警報が出されています。
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