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スピードスケート 小平こだいら奈緒なお有終の美ゆうしゅうのびこころ飛び出とびでてきそう

2022-10-22 08:28:17

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ピョンチャンオリンピックのスピードスケート女子じょし500メートルきんメダリスト、小平こだいら奈緒なお選手せんしゅが、現役げんえき最後さいごレースとしてのぞんだぜん日本にっぽん距離きょりべつ選手権せんしゅけん女子じょし500メートルで37びょう49をマークして優勝ゆうしょうし、大会たいかい8連覇れんぱ有終の美ゆうしゅうのびかざりました。

スピードスケートぜん日本にっぽん距離きょりべつ選手権せんしゅけんは22にち長野ながののエムウェーブで2にち競技きょうぎおこなわれ、小平こだいら選手せんしゅ女子じょし500メートル出場しゅつじょうしました。

現役げんえき最後さいごレースのぞんだ小平こだいら選手せんしゅは、最初さいしょの100メートル全体ぜんたいトップの10びょう44で通過つうかすると、持ち味もちあじ重心じゅうしんひくすべスピードり、37びょう49でフィニッシュし、大会たいかい8連覇れんぱたして有終の美ゆうしゅうのびかざりました。

フィニッシュした直後ちょくごにはこうタイムマークした小平こだいら選手せんしゅ会場かいじょうからおお拍手はくしゅおくられましたが、小平こだいら選手せんしゅ最終さいしゅうぐみのレースがのこっていたため、金メダルきんめだる獲得かくとくした2018ねんのピョンチャン大会たいかいのレースのあととおなように、観客かんきゃくせきしずにしてほしいと合図あいずおくりました。

そして最終さいしゅうぐみのレースをえてみずからの優勝ゆうしょうまると、ゆっくりとりながら声援せいえんこたえました。

最後さいごレース 両親りょうしん見守みまも

小平こだいら選手せんしゅ現役げんえき最後さいごのレースを会場かいじょう見守みまもった父親ちちおや安彦やすひこさん母親ははおや光子みつこさんが取材しゅざいおうじ、安彦やすひこさんは「無事ぶじわってよかった。こんなにたくさんひと会場かいじょうてくれて感謝かんしゃです。いいレースせてくれてありがとうつたえたい」とはなしていました。

また光子みつこさんは「笑顔えがお無事ぶじゴールしてほしいとおもっていた。大勢たいせい観客かんきゃくまえすべらせてもらってわたしもうれしい」と笑顔えがおはなしていました。

最後さいごレース大勢たいせいファン

小平こだいら奈緒なお選手せんしゅ現役げんえき最後さいごのレースをまえに、全日本ぜんにほん距離きょりべつ選手権せんしゅけん女子じょし500メートルおこなわれる長野ながののエムウェーブには開場かいじょうまえから大勢たいせいのファンがなら長蛇ちょうだれつつくっていました。

れつ先頭せんとうならんでいた愛知あいちけんの60だい男性だんせいは「午前ごぜん0いえて、4からならんでいました。最後さいごレース頑張がんばってほしい」とはなしていました。

小平こだいら選手せんしゅ卒業そつぎょうした茅野ちの小学校しょうがっこうかよい、地元じもとスケートクラブ所属しょぞくする小学しょうがく5年生ねんせい女の子おんなのこは、小平こだいら選手せんしゅからプレゼントされたジャージを応援おうえんにかけつけ「すべっているときはかっこいいが、リンクからがったときの笑顔えがおかわいいです。全部ぜんぶ一生いっしょう懸命けんめいなところがです。ベストタイムとかはにせず、最後さいごまで頑張がんばってほしい」と最後さいごレースたのしみにしていました。

また長野ながのけんの60だい男性だんせいは「ラストランをこの焼き付やきつけるためにました。すこさみしい気持きもある」とさみしげな表情ひょうじょうはなしていました。

日本にっぽんスケート連盟れんめいによりますと、22にち前売まえうのチケットは完売かんばいしていて、エムウェーブでおこなわれたスピードスケートの大会たいかいでは、1998ねん長野ながのオリンピック以来いらい満席まんせきなる見込みこだということです。

結城ゆうきコーチ本当ほんとうすばらしいレースだった」

小平こだいら奈緒なお選手せんしゅ大学生だいがくせいのころから指導しどうしている結城ゆうきただしけいコーチは「レースまえはいつもとおり、『主役しゅやくだぞってこい』とこえをかけた。半分はんぶんおやみたいなところがあり、小平こだいらスケートくつときにうるっときた。筋書すじががあってもこうはならないとおも本当ほんとうすばらしいレースだったとおもいます」と振り返ふりかえりました。

そのうえで、「生活せいかつすべスケートついやしてきたとおも。アスリートというわくえて、人間にんげんとしてのすごみ、やるめたときの覚悟かくご決意けついがすばらしい」とこれまでの競技きょうぎ生活せいかつ評価ひょうかしていました。

そして、「大学だいがくてくれてありがとうひと言ひとことです」と感謝かんしゃおもかたりました。

小平こだいら最後さいごた“あの景色けしき

鳥肌とりはだえてこころ飛び出とびでてきそうだった」

1998ねん長野ながのオリンピックがおこなわれた会場かいじょうで、満員まんいん観客かんきゃくから声援せいえんけてレースすべことは小平こだいら選手せんしゅにとってゆめ瞬間しゅんかんでした。

小平こだいら選手せんしゅスピードスケート世界せかい目指めざきっかけになったのが、地元じもと長野ながのけんのエムウェーブでひらかれた1998ねんのオリンピックでした。

当時とうじ小学しょうがく5年生ねんせいだった小平こだいら選手せんしゅ会場かいじょうことはできなかったものの、録画ろくがしたビデオ繰り返くりかえ再生さいせいして男子だんし500メートル清水しみず宏保ひろやすさん金メダルきんめだるにする姿すがたなどを焼き付やきつけました。

いつか自分じぶんあの景色けしきてみたい」とここからスケートのめり込のめりこんでいきました。

じつ小平こだいら選手せんしゅゆめていた“景色けしき”は2つありました。

1つは、オリンピックで金メダルきんめだる獲得かくとくそのとき会場かいじょう景色けしきです。これは2018ねんのピョンチャン大会たいかい金メダルきんめだる獲得かくとくしたことで達成たっせいしました。

そしてもう1つが、満員まんいんのエムウェーブでレースをするという景色けしきです。小平こだいら選手せんしゅのエムウェーブへの思い入おもいいひといちばいで、世界せかいトップレベル選手せんしゅになっても、長年ながねん練習れんしゅう拠点きょてんにしていました。

お気に入おきにい場所ばしょは、天井てんじょう長野ながのオリンピックのとき、男子だんし500メートルレースまえ清水しみず選手せんしゅ寝転ねころがって天井てんじょうたというエピソードをまえ、「あのシーンはすごい印象いんしょうてきでよくがいきます。これ宏保ひろやすさんていた天井てんじょうかっておもときはよくありますね」と興奮こうふん気味ぎみはなこともありました。

そのエムウェーブを現役げんえき最後さいごレースとしてえらんだ小平こだいら選手せんしゅ

関係かんけいしゃから前売まえうけん完売かんばい長野ながのオリンピック以来いらい満員まんいんなると「エムウェーブで満員まんいんお客おきゃくさんをリンクからことが、どういう状況じょうきょうなのかを体験たいけんしてみないとわからない。イメージどおりなのか、ちがった景色けしきられるのかたのしみ」とかたっていました。

ついに22にち、そのときむか予想よそうどお満員まんいん観客かんきゃくせき小平こだいら選手せんしゅは、レースまえ練習れんしゅうでは表情ひょうじょう変化へんかはありませんでしたが、レースには「一瞬いっしゅんでもみなさんかおればなみだがこぼれそうだった」とはなほど、感情かんじょうたかまっていました。

そして午後ごご0時半じはんすぎ、すべてのちから出し切だしきってすべえたあと、満員まんいん観客かんきゃくからの拍手はくしゅ声援せいえんつつまれたエムウェーブのリンクを1しゅうしました。

長野ながのオリンピックを画面がめんではつたわってこなかったひとのぬくもりを感じ取かんじとれました。人生じんせいはじめて鳥肌とりはだったのが、長野ながのオリンピックでしたが、鳥肌とりはだえてこころ飛び出とびでてきそうかんでした。本当ほんとう夢見ゆめみていた空間くうかんなかすべことができたのはオリンピックでメダルをとったときよりも、世界せかい記録きろく挑戦ちょうせんしたときよりも価値かちあるものだとかんじました。どのシーンにも置き換おきかえることのできないしあわ時間じかんでした」

思い描おもいえがいた景色けしきしっかり競技きょうぎ人生じんせい最後さいご見届みとどけた小平こだいら選手せんしゅしずにリンクをあとにしました。
ソース:NHK ニュース