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北京で拘束 刑期終え帰国の男性 ほかの日本人との交流明かす
2022-10-25 15:03:41

中国の北京で拘束されスパイ活動に関わったとして非公開の裁判で懲役6年などの判決を言い渡され刑期を終えて、今月帰国した日中交流団体の男性がNHKの取材に「判決は、とても不満だ」と訴えました。さらにこの男性は、同じように実刑判決を受け、服役していた日本人男性と北京の刑務所で「私たちはいつ出られるんだろう」と話すなど、交流していたことを明らかにしました。
取材に応じたのは、民間の日中交流団体「日中青年交流協会」の鈴木英司さんで、訪問先の北京で中国当局に拘束され「スパイ活動に関わった」として非公開の裁判で懲役6年などの判決を言い渡され今月11日に刑期を終えて出所し、日本に帰国していました。
鈴木さんは「私はスパイをしたという動機もなければ、実態もないと思っている。逮捕も、判決も私は大変不満だ」と訴えました。
さらに鈴木さんは、2015年にスパイ行為に関わったとして北京で拘束され、懲役12年の判決を言い渡された男性と北京の刑務所などで交流があったことを明らかにしました。
鈴木さんはこの男性について「歴史に詳しい人だったので、そういう話を教えてもらった」と述べ「高裁の判決が出てからおよそ1週間たって、拘置所から第2監獄に移された。そのときに一緒に行った」と2人が刑務所に移されたいきさつを話しました。
また刑務所では「彼が3階、僕は2階でなかなか会うことはできなかったが、ときどき表で運動するので、そのときに会って、ちょっと世間話をした。だいたいが『私たちはいつ出られるんだろう』という話が中心だった」と話していました。
この男性は70代で、服役中に体調を崩してことし2月、死亡しました。
鈴木さんによると、この男性は以前北海道に住んでいたということで「彼は中国が好きだったし、中国にもしょっちゅう来ていた。中国と北海道の経済を結び付ける努力をしたいといつも言っていた」と振り返り「悔しいです」と胸の内を明かしました。
ソース:NHK ニュース