Show Furigana
ロシア「汚い爆弾」一方的懸念 ウクライナ側要請 IAEA査察へ
2022-10-26 03:14:06

ロシアが放射性物質をまき散らす爆弾いわゆる「汚い爆弾」をウクライナ側が使用する可能性について一方的に懸念を表明する中、IAEA=国際原子力機関はウクライナ側の要請に応じ査察官を派遣することにしています。
ロシアはこのところ、放射性物質をまき散らす爆弾、いわゆる「汚い爆弾」をウクライナ側が使用する可能性について一方的に懸念を表明しています。
これについて、IAEA=国際原子力機関のグロッシ事務局長は24日、ウクライナ側の要請に応じ査察官を派遣すると発表し、定期的に査察官が訪れている2つの原子力関連施設で査察を行うことを明らかにしました。
2つの施設がウクライナのどの施設なのか明らかにしていませんが、派遣の準備をしているということです。
査察についてはウクライナ側が、ロシア側の主張に根拠がないことを示すためとして、IAEAに求めていました。

一方、ウクライナの原子力発電公社「エネルゴアトム」は25日、南部のザポリージャ原子力発電所にある使用済み核燃料の貯蔵施設付近で、駐留するロシア軍が無許可の工事を行っていると明らかにしました。
工事はこの1週間秘密裏に行われていて、ウクライナ人の職員や現地に駐在しているIAEAの専門家が現場に立ち入るのは禁止されているとしていて「原発で貯蔵する核物質や放射性廃棄物を利用したテロ行為をロシア側が準備していることを示しているのではないか」との見方を示しました。
工事はこの1週間秘密裏に行われていて、ウクライナ人の職員や現地に駐在しているIAEAの専門家が現場に立ち入るのは禁止されているとしていて「原発で貯蔵する核物質や放射性廃棄物を利用したテロ行為をロシア側が準備していることを示しているのではないか」との見方を示しました。

こうした中、国連の安全保障理事会では25日、非公開の緊急会合が開かれ、会合を要請したロシアは深刻な脅威だとみずからの主張を繰り返しましたが、欧米各国は証拠は示されておらずロシアによる虚偽の情報だと非難しています。
松野官房長官「ロシアによる虚偽の主張 認められず」

松野官房長官は午前の記者会見で「政府として『ウクライナが“汚い爆弾”を使用する準備を行っている』とのロシアによる虚偽の主張は認められない立場だ。いかなる口実を用いたとしてもロシアによるさらなるエスカレーションは決して許されるものではない。引き続きG7=主要7か国をはじめとする国際社会と緊密に連携し、ロシアに対し即時に侵略を停止し、部隊をロシア国内に撤収するよう改めて強く求めていく」と述べました。
米 ロシアから核戦力の軍事訓練実施の通知受ける

アメリカ国務省のプライス報道官は25日、記者会見で、ロシア側から、毎年行っている核戦力の軍事訓練を実施すると事前に通知を受けたことを明らかにしました。
そのうえで「ロシアは不当な軍事侵攻を続け、核兵器の無謀な言い回しをしているが、こうした通知によって、われわれは不意を突かれることもなく、誤解のリスクは軽減される。これは重要なことだ」と述べ、ロシアがウクライナへの軍事侵攻を続ける中でも通知を受けたことで米ロの偶発的な衝突のリスク軽減につながると評価しました。
また、国防総省のライダー報道官も「この点においては、ロシアは軍備管理の義務と透明性の約束を順守している」と述べました。
そのうえで「ロシアは不当な軍事侵攻を続け、核兵器の無謀な言い回しをしているが、こうした通知によって、われわれは不意を突かれることもなく、誤解のリスクは軽減される。これは重要なことだ」と述べ、ロシアがウクライナへの軍事侵攻を続ける中でも通知を受けたことで米ロの偶発的な衝突のリスク軽減につながると評価しました。
また、国防総省のライダー報道官も「この点においては、ロシアは軍備管理の義務と透明性の約束を順守している」と述べました。
ソース:NHK ニュース