日馬くさま富士ふじ暴行ぼうこう問題もんだい 相撲すもう協会きょうかい 当初とうしょは重大じゅうだい事案じあんと判断はんだんせず

大だい相撲すもうの横綱よこづな日馬くさま富とみ士しが平幕ひらまくの貴たかノ岩いわに暴行ぼうこうした問題もんだいで、日本にっぽん相撲すもう協会きょうかいは当初とうしょ、力士りきしや親方おやかたなどから正確せいかくな情報じょうほうを得えることができず、重大じゅうだいな事案じあんではないと判断はんだんしていたことがわかり、八百長やおちょう問題もんだいなどをきっかけに整備せいびが進すすめられてきた危機きき管理かんりの在り方ありかたが、改あらためて問とわれています。

この問題もんだいは、大だい相撲すもうの横綱よこづな日馬くさま富とみ士しが、先月せんげつ２に５ご日にちに巡業じゅんぎょう先さきの鳥取とっとり市しに入はいった夜よる、飲食いんしょくの席せきで貴たかノ岩いわを殴なぐるなどしてけがをさせたもので、貴たかノ岩いわは九州きゅうしゅう場所ばしょを休場きゅうじょうし、１いち３さん日にち、頭あたまの骨ほねを折おるなどのけがで２に週間しゅうかんの治療ちりょうが必要ひつようという診断しんだん書しょを提出ていしゅつしました。

貴たかノ岩いわの師匠ししょうの貴乃花たかのはな親方おやかたは、先月せんげつ２に９きゅう日にちに警察けいさつに被害ひがい届とどけを提出ていしゅつし、警察けいさつは傷害しょうがいの疑うたがいで捜査そうさを始はじめました。

しかし相撲すもう協会きょうかいによりますと、巡業じゅんぎょうの責任せきにん者しゃの巡業じゅんぎょう部長ぶちょうでもある貴乃花たかのはな親方おやかたから危機きき管理かんりを担当たんとうする理事りじにこの問題もんだいの報告ほうこくはなく、相撲すもう協会きょうかいが把握はあくしたのは暴行ぼうこうからおよそ１いち週間しゅうかん後ごの今月こんげつ２に日にち、警察けいさつの連絡れんらくによるものだったということです。相撲すもう協会きょうかいは、翌日よくじつには貴乃花たかのはな親方おやかたに電話でんわで事情じじょうを聞ききましたが、貴乃花たかのはな親方おやかたは被害ひがい届とどけを出だしたあとにもかかわらず「暴行ぼうこうを受うけていたことは知しらなかった。『階段かいだんから落おちてけがをした』と聞きいていた」などと説明せつめいしたということです。

また日馬くさま富士ふじの師匠ししょうの伊勢いせヶ濱はま親方おやかたからも、暴行ぼうこうがあったという報告ほうこくはなかったということです。

相撲すもう協会きょうかいは、貴たかノ岩いわが最後さいごまで巡業じゅんぎょうに出で続つづけたことなどから、けがの程度ていどは軽かるく、重大じゅうだいな事案じあんではないと判断はんだんし、力士りきしから事情じじょうを聞きくことはありませんでした。ところが、九州きゅうしゅう場所ばしょの２に日にち目めになって、休場きゅうじょうした貴たかノ岩いわの診断しんだん書しょが提出ていしゅつされ、頭あたまの骨ほねを折おるなどのけがだったことがわかり、１いち４よん日にちになって初はじめて事案じあんを公表こうひょうしました。

これについて協会きょうかいの幹部かんぶは、「十分じゅうぶんな情報じょうほうがなく、休場きゅうじょうするほどのけがだとは思おもわなかったので詳くわしい経緯けいいの把握はあくが遅おくれた」と話はなしています。

日本にっぽん相撲すもう協会きょうかいは、平成へいせい１いち９きゅう年ねんの力士りきしの暴行ぼうこう死し事件じけんや、平成へいせい２に３さん年ねんの八百長やおちょう問題もんだいなど不祥事ふしょうじを受うけて、危機きき管理かんり委員いいん会かいを設置せっちするなど再発さいはつ防止ぼうし策さくを進すすめてきましたが、今回こんかい、危機きき管理かんりの在り方ありかたが改あらためて問とわれています。

ソース：NHK ニュース