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中国軍初の海外基地 衛星写真を入手 東アフリカ
2017-11-17 12:38:46

アジアとヨーロッパをつなぐ海上交通の要衝にある東アフリカのジブチで、中国軍がこの夏、初めて海外に設けた基地を撮影した衛星写真をNHKは独自に入手しました。1000人以上が駐留できる兵舎や弾薬庫と見られる施設が確認でき、専門家はインド洋から地中海にかけて軍を展開するための足がかりとする狙いがあると指摘しています。
NHKは、中国軍がことし8月に海外で初めて東アフリカのジブチに設けた基地を、先月撮影した衛星写真を独自に入手しました。
画像には、長さ400メートルほどのヘリコプターの発着場をはじめ、弾薬を保管する弾薬庫と見られる施設や、燃料の貯蔵施設、さらに兵舎と見られる建物も10棟写っていて、1000人以上の隊員が長期駐留できると見られます。
基地があるジブチは、インド洋と地中海をつなぐ海上交通の要衝にあり、画像を分析した専門家は、アフリカや中東の沿岸を含むインド洋から地中海にかけて海軍を展開するための足がかりとする狙いがあると指摘しています。
この基地について、中国はジブチの隣国のソマリア沖での海賊対策や国連のPKO=平和維持活動を支援するための補給基地であると説明していますが、アメリカなどは、中国が今後、この基地を軍事拠点化していくのではないか警戒しています。
ジブチには、アメリカ軍もアフリカで唯一の大規模な基地を設けているほか、日本も海賊対策に当たるための自衛隊の拠点を設置しています。




画像には、長さ400メートルほどのヘリコプターの発着場をはじめ、弾薬を保管する弾薬庫と見られる施設や、燃料の貯蔵施設、さらに兵舎と見られる建物も10棟写っていて、1000人以上の隊員が長期駐留できると見られます。
基地があるジブチは、インド洋と地中海をつなぐ海上交通の要衝にあり、画像を分析した専門家は、アフリカや中東の沿岸を含むインド洋から地中海にかけて海軍を展開するための足がかりとする狙いがあると指摘しています。
この基地について、中国はジブチの隣国のソマリア沖での海賊対策や国連のPKO=平和維持活動を支援するための補給基地であると説明していますが、アメリカなどは、中国が今後、この基地を軍事拠点化していくのではないか警戒しています。
ジブチには、アメリカ軍もアフリカで唯一の大規模な基地を設けているほか、日本も海賊対策に当たるための自衛隊の拠点を設置しています。

NHKは、中国軍がことし8月に海外で初めて東アフリカのジブチに設けた基地を、先月撮影した衛星写真を独自に入手しました。
画像には、長さ400メートルほどのヘリコプターの発着場をはじめ、弾薬を保管する弾薬庫と見られる施設や、燃料の貯蔵施設、さらに兵舎と見られる建物も10棟写っていて、1000人以上の隊員が長期駐留できると見られます。
基地があるジブチは、インド洋と地中海をつなぐ海上交通の要衝にあり、画像を分析した専門家は、アフリカや中東の沿岸を含むインド洋から地中海にかけて海軍を展開するための足がかりとする狙いがあると指摘しています。
この基地について、中国はジブチの隣国のソマリア沖での海賊対策や国連のPKO=平和維持活動を支援するための補給基地であると説明していますが、アメリカなどは、中国が今後、この基地を軍事拠点化していくのではないか警戒しています。
ジブチには、アメリカ軍もアフリカで唯一の大規模な基地を設けているほか、日本も海賊対策に当たるための自衛隊の拠点を設置しています。
画像には、長さ400メートルほどのヘリコプターの発着場をはじめ、弾薬を保管する弾薬庫と見られる施設や、燃料の貯蔵施設、さらに兵舎と見られる建物も10棟写っていて、1000人以上の隊員が長期駐留できると見られます。
基地があるジブチは、インド洋と地中海をつなぐ海上交通の要衝にあり、画像を分析した専門家は、アフリカや中東の沿岸を含むインド洋から地中海にかけて海軍を展開するための足がかりとする狙いがあると指摘しています。
この基地について、中国はジブチの隣国のソマリア沖での海賊対策や国連のPKO=平和維持活動を支援するための補給基地であると説明していますが、アメリカなどは、中国が今後、この基地を軍事拠点化していくのではないか警戒しています。
ジブチには、アメリカ軍もアフリカで唯一の大規模な基地を設けているほか、日本も海賊対策に当たるための自衛隊の拠点を設置しています。
中国の基地建設の狙いは
中国は、アフリカ東部に位置するジブチを中東・アフリカ地域の海上交通の要衝として重視していて、中国が提唱する巨大経済圏構想、「一帯一路」では、海上輸送を通じて中国とアフリカやヨーロッパ市場を結びつける連結点と位置づけています。
中国はジブチでのインフラ建設に力を入れていて、隣国のエチオピアとを結ぶ長さ750キロの鉄道を中国企業が修繕して開通させているほか、大規模な貿易港も中国企業が整備して運用が始まっています。
中国軍の補給基地は、こうした動きに合わせるように建設され、ことし8月、海外で初めての基地として運用が開始され、中国の国営メディアも大きく伝えています。
中国政府は、基地の目的についてソマリア沖の海賊対策に参加する艦船への補給や、人道主義に基づく救援などの国際貢献に役立てるためだと説明しています。
その一方、国営メディアは、軍事協力や軍事演習などの拠点としても役立てるとしていて、ことし9月には基地の外にあるジブチの訓練場で装甲車や自動小銃などを使った初の実戦訓練も行っています。
中国共産党系のメディア、環球時報は基地について、「中国海軍のより遠くへの展開を支えるもので、意義は重大だ」と伝えていて、「将来的に人員や装備を増やし、実戦レベルを向上させていく」などとする中国の専門家の見方も伝えています。
中国としては、地域での軍事的な存在感を高めるとともに、ジブチでのインフラや基地の建設を足がかりに、「一帯一路」の構想を推進し、アフリカへの影響力を一層高める狙いがあるものと見られます。
中国はジブチでのインフラ建設に力を入れていて、隣国のエチオピアとを結ぶ長さ750キロの鉄道を中国企業が修繕して開通させているほか、大規模な貿易港も中国企業が整備して運用が始まっています。
中国軍の補給基地は、こうした動きに合わせるように建設され、ことし8月、海外で初めての基地として運用が開始され、中国の国営メディアも大きく伝えています。
中国政府は、基地の目的についてソマリア沖の海賊対策に参加する艦船への補給や、人道主義に基づく救援などの国際貢献に役立てるためだと説明しています。
その一方、国営メディアは、軍事協力や軍事演習などの拠点としても役立てるとしていて、ことし9月には基地の外にあるジブチの訓練場で装甲車や自動小銃などを使った初の実戦訓練も行っています。
中国共産党系のメディア、環球時報は基地について、「中国海軍のより遠くへの展開を支えるもので、意義は重大だ」と伝えていて、「将来的に人員や装備を増やし、実戦レベルを向上させていく」などとする中国の専門家の見方も伝えています。
中国としては、地域での軍事的な存在感を高めるとともに、ジブチでのインフラや基地の建設を足がかりに、「一帯一路」の構想を推進し、アフリカへの影響力を一層高める狙いがあるものと見られます。
「一帯一路」にとって大事な拠点

中国軍がジブチに基地を設けた狙いについて、中国政治や対外政策などに詳しい神田外語大学の興梠一郎教授は、中国とアフリカ、ヨーロッパをつなぐ巨大経済圏構想、「一帯一路」の実現に向けて軍事的な影響力を利用する狙いがあると指摘しています。
興梠教授は、ジブチについて、「インド洋に展開するのにとてもよい場所で、スエズ運河を通じて地中海にも入っていける重要なルート上にある。海の一帯一路を完成させるうえでは、中国にとって絶対に大事な拠点だ」と指摘しました。
そのうえで、「長期的に軍が駐留することで、中国の企業が多数進出しているアフリカでの権益を守ると同時に、国境問題などで対立するインドをけん制するため、インド洋にも展開できる。実は、海の一帯一路は、二面性を持っている」と分析しています。
そして、「習近平指導部は、中華民族の偉大なる復興を旗印に海の強国になるという意識は非常に強い」と述べ、今後も「一帯一路」のルート上にある国々で中国が軍事拠点化を進める可能性があると指摘しました。
興梠教授は、ジブチについて、「インド洋に展開するのにとてもよい場所で、スエズ運河を通じて地中海にも入っていける重要なルート上にある。海の一帯一路を完成させるうえでは、中国にとって絶対に大事な拠点だ」と指摘しました。
そのうえで、「長期的に軍が駐留することで、中国の企業が多数進出しているアフリカでの権益を守ると同時に、国境問題などで対立するインドをけん制するため、インド洋にも展開できる。実は、海の一帯一路は、二面性を持っている」と分析しています。
そして、「習近平指導部は、中華民族の偉大なる復興を旗印に海の強国になるという意識は非常に強い」と述べ、今後も「一帯一路」のルート上にある国々で中国が軍事拠点化を進める可能性があると指摘しました。
米国防総省の分析

中国がジブチに設けた基地について、アメリカ国防総省は国際的な影響力の拡大に向けて中国軍の活動範囲を遠方の海域へと広げる狙いがあると指摘しています。
ことし6月に公表されたアメリカ国防総省の年次報告書によりますと、中国は、東シナ海や南シナ海を越えてインド洋から地中海、さらに大西洋へと軍を持続的に派遣するため、利用可能な外国の港を増やし必要な補給支援能力を確保しようとしていると指摘しています。
そして、ジブチの基地はその能力を高めるもので、背景には、中国沿岸部からインド洋、そして中東へとつながる海上交通ルート=シーレーンの防衛のため、中国本土からより離れた海域で艦艇を運用する必要性が増していることなどがあるとしています。
中国は南シナ海では人工島の造成などにより拠点を確保する一方、インド洋では依然として補給地点の確保が課題となっていて、アメリカ国防総省では今後、中国がパキスタンなどの友好国に新たな基地や利用できる港を確保しようとする可能性があると分析しています。
ことし6月に公表されたアメリカ国防総省の年次報告書によりますと、中国は、東シナ海や南シナ海を越えてインド洋から地中海、さらに大西洋へと軍を持続的に派遣するため、利用可能な外国の港を増やし必要な補給支援能力を確保しようとしていると指摘しています。
そして、ジブチの基地はその能力を高めるもので、背景には、中国沿岸部からインド洋、そして中東へとつながる海上交通ルート=シーレーンの防衛のため、中国本土からより離れた海域で艦艇を運用する必要性が増していることなどがあるとしています。
中国は南シナ海では人工島の造成などにより拠点を確保する一方、インド洋では依然として補給地点の確保が課題となっていて、アメリカ国防総省では今後、中国がパキスタンなどの友好国に新たな基地や利用できる港を確保しようとする可能性があると分析しています。
専門家「超大国の始まり」

アジアの安全保障が専門のCSIS=戦略国際問題研究所のザック・クーパー氏は、中国がジブチに設けた基地について、「中国が近海だけでなく遠洋の海域へと動き始めたことを表している」と指摘しました。
そして、衛星写真から、ヘリコプターの発着場とともに部隊が持続的に駐留できる兵舎などのインフラが確認できるとしたうえで、沿岸部では港や艦艇の補修設備などを整備しようとしている可能性があると分析しています。
クーパー氏は、「部隊の駐留施設と艦艇の補給や補修を行う場所を造っていると見られ、完成すれば、艦艇を海外で継続的に展開することが可能になる。大きな基地ではないが、中国がインド洋からアフリカへと遠方の海域に出る動きとして非常に重要な意味を持つ」としています。そのうえで、中国がより長期にわたって艦艇を遠洋に派遣できる能力を備えるようになることから、「海外に派兵する能力の取得に向けた第1段階の、まさに始まりではないか」と指摘しています。
また、ジブチという場所については、「地中海に出て行くこともでき、さまざまな海洋につながっていることから理にかなっている」としたうえで、南シナ海の南沙諸島(英語名・スプラトリー諸島)に造成した人工島の拠点とジブチの間に広がるインド洋の沿岸に、今後、中国がさらなる拠点を確保しようとする可能性があるとしています。
そして、「中国はかつて超大国が歩んできた道をたどり始めている。超大国とはみずからの強さを見いだしたときに海外へと目を向け、経済的なものであれ政治的なものであれ、影響力を拡大しようとする。中国も世界に対してより大きな影響を及ぼし、世界各地での中国の利害を守ろうとしている。ジブチの基地の整備とはまさにその始まりなのだ」と述べ、今後、中国がさらに影響力を拡大させようとするだろうという見方を示しました。
そして、衛星写真から、ヘリコプターの発着場とともに部隊が持続的に駐留できる兵舎などのインフラが確認できるとしたうえで、沿岸部では港や艦艇の補修設備などを整備しようとしている可能性があると分析しています。
クーパー氏は、「部隊の駐留施設と艦艇の補給や補修を行う場所を造っていると見られ、完成すれば、艦艇を海外で継続的に展開することが可能になる。大きな基地ではないが、中国がインド洋からアフリカへと遠方の海域に出る動きとして非常に重要な意味を持つ」としています。そのうえで、中国がより長期にわたって艦艇を遠洋に派遣できる能力を備えるようになることから、「海外に派兵する能力の取得に向けた第1段階の、まさに始まりではないか」と指摘しています。
また、ジブチという場所については、「地中海に出て行くこともでき、さまざまな海洋につながっていることから理にかなっている」としたうえで、南シナ海の南沙諸島(英語名・スプラトリー諸島)に造成した人工島の拠点とジブチの間に広がるインド洋の沿岸に、今後、中国がさらなる拠点を確保しようとする可能性があるとしています。
そして、「中国はかつて超大国が歩んできた道をたどり始めている。超大国とはみずからの強さを見いだしたときに海外へと目を向け、経済的なものであれ政治的なものであれ、影響力を拡大しようとする。中国も世界に対してより大きな影響を及ぼし、世界各地での中国の利害を守ろうとしている。ジブチの基地の整備とはまさにその始まりなのだ」と述べ、今後、中国がさらに影響力を拡大させようとするだろうという見方を示しました。
ソース:NHK ニュース