食物しょくもつアレルギー 治療ちりょうや検査けんさで９きゅう人にんが重おもい症状しょうじょうに

アレルギーの専門せんもんの医師いしでつくる日本にっぽん小児しょうにアレルギー学会がっかいは、全国ぜんこくの医療いりょう機関きかんを対象たいしょうに調査ちょうさを行おこない、食物しょくもつアレルギーの治療ちりょうや検査けんさに関連かんれんして、少すくなくとも９きゅう人にんの子こどもが自力じりきでの呼吸こきゅうが難むずかしくなるなどの重おもい症状しょうじょうを起おこしていたことがわかりました。

この調査ちょうさは横浜よこはま市しにある病院びょういんが行おこなった食物しょくもつアレルギーの臨床りんしょう研究けんきゅうに参加さんかした子こどもが、一時いちじ、心肺しんぱい停止ていしになるなどの重おもいアレルギー症状しょうじょうが出でたことが明あきらかになったことなどから、日本にっぽん小児しょうにアレルギー学会がっかいが緊急きんきゅうに行おこない、１いち９きゅう日にち、宇都宮うつのみや市しで開ひらかれた学会がっかいのシンポジウムで公表こうひょうしました。

調査ちょうさは食物しょくもつアレルギーの診療しんりょうを行おこなっている全国ぜんこく３さん４よん４よんの医療いりょう機関きかんを対象たいしょうに行おこない、８はち３さん％にあたる２に８はち７ななの施設しせつから回答かいとうを得えました。その結果けっか、食物しょくもつアレルギーの子こどもが自力じりきでの呼吸こきゅうが難むずかしくなるなど、重おもい症状しょうじょうが出でた事例じれいはこれまでに１いち８はち件けんあったということです。
このうちアレルギーの原因げんいんとなる食べ物たべものを間違まちがって口くちにしてしまう「誤あやま食しょく」が８はち人にんと最もっとも多おおく、この中なかの２に人にんは記憶きおく障害しょうがいなどの後遺症こういしょうがでたということです。

また、治療ちりょうや検査けんさに関連かんれんして起おきた事例じれいについても初はじめて調査ちょうさをしていて、食べ物たべものを口くちにしてアレルギーの診断しんだんを行おこなう検査けんさでは５ご人にん、アレルギーの原因げんいんとなる食べ物たべものを少すこしずつ食たべる「経口けいこう免疫めんえき療法りょうほう」と呼よばれる治療ちりょうでは４よん人にんが重おもい症状しょうじょうが出でたことがわかりました。

このうち、気道きどうに管かんを挿入そうにゅうするなどの緊急きんきゅうの対応たいおうを行おこなったケースもあったということです。学会がっかいでは追加ついかの調査ちょうさを行おこない、原因げんいんや対応たいおう策さくなどを探さぐりたいとしています。

調査ちょうさを行おこなった国立こくりつ病院びょういん機構きこう相模原さがみはら病院びょういんの海老えび澤さわ元宏もとひろ医師いしは「誤あやま食しょくについては改あらためて、食たべられる量りょうについて専門医せんもんいから適切てきせつな指導しどうを受うけ、アレルギー症状しょうじょうが出でた際さいの緊急きんきゅう的てきな対応たいおうについても確認かくにんをしてほしい。また、アレルギーの治療ちりょうや検査けんさの中なかでも重おも篤あつな事例じれいが初はじめて確認かくにんできたので、どうすればより安全あんぜん性せいを高たかめられるのかを調しらべ、医療いりょう機関きかんどうしで情報じょうほうを共有きょうゆうしていきたい」と話はなしています。

誤あやま食しょくや治療ちりょう・検査けんさの注意ちゅうい点てんは

今回こんかいの調査ちょうさ結果けっかで最もっとも多おおかったのは「誤あやま食しょく」でした。食物しょくもつアレルギーの問題もんだいに詳くわしい国立こくりつ病院びょういん機構きこう相模原さがみはら病院びょういんの海老えび澤さわ元宏もとひろ医師いしによりますと、自宅じたくではきちんと症状しょうじょうが出でないように食事しょくじができていても、外食がいしょくや宿泊しゅくはく先さきで提供ていきょうされた食事しょくじのほか、学校がっこうや保育園ほいくえんなどでの給食きゅうしょくで誤あやま食しょくが多おおく起おきているということです。

そのため、外食がいしょく産業さんぎょうや教育きょういく現場げんばに携たずさわる人ひとたちのさらなる知識ちしきの向上こうじょうが必要ひつようになるほか、患者かんじゃ自身じしんは緊急きんきゅう時じの治療ちりょう薬やくを常つねに携帯けいたいするよう改あらためて意識いしきし、おう吐おうとが続つづいたり、息いきがしにくかったりするなどの症状しょうじょうが一ひとつでもあれば、注射ちゅうしゃ薬やくを使つかうようにしてほしいということです。

また、医師いしの指導しどうのもとで行おこなう治療ちりょうや検査けんさに関連かんれんして重おもいアレルギー症状しょうじょうが出でていることについては、かぜやぜんそくなど体調たいちょうの悪化あっかによって、通常つうじょうよりも少すくない量りょうの摂取せっしゅで強つよいアレルギー症状しょうじょうが出でてしまうことがあるとしています。

どのような状況じょうきょうや量りょうで起おきるかは患者かんじゃそれぞれによって違ちがうということで、治療ちりょうの継続けいぞくや摂取せっしゅできる量りょうを自己じこ判断はんだんすることなく、少すこしでも悩なやんだら診療しんりょうを受うけている専門医せんもんいに聞きくことが重要じゅうようだとしています。

ソース：NHK ニュース