ヒトのｉＰＳ細胞さいぼう作製さくせいから10年ねん 医療いりょう応用おうようへの動うごき本格ほんかく化か

京都大きょうとだい学がくの山中やまなか伸しん弥わたる教授きょうじゅの研究けんきゅうグループが、ヒトの細胞さいぼうからｉＰＳ細胞さいぼうを作り出つくりだしたと世界せかいで初はじめて発表はっぴょうしてから２に１いち日にちで１いち０ぜろ年ねんになります。ｉＰＳ細胞さいぼうを使つかった再生さいせい医療いりょうはすでに一部いちぶで始はじまるなど、医療いりょう応用おうようへの動うごきが本格ほんかく化かしています。

京都大きょうとだい学がくの山中やまなか伸しん弥わたる教授きょうじゅの研究けんきゅうグループは、１いち０ぜろ年ねん前まえの平成へいせい１いち９きゅう年ねん１１月じゅういちがつ２に１いち日にち、ヒトの皮膚ひふの細胞さいぼうに４よっつの遺伝子いでんしを導入どうにゅうしてｉＰＳ細胞さいぼうを作り出つくりだすことに成功せいこうしたと世界せかいで初はじめて発表はっぴょうしました。

これをきっかけに、ｉＰＳ細胞さいぼうを使つかって医療いりょうに応用おうようする競争きょうそうが始はじまり、日本にっぽんはこの分野ぶんやでリードしようと研究けんきゅうを支援しえんしてきました。

このうち、神戸こうべ市しにある理化りか学がく研究所けんきゅうじょなどのグループは３さん年ねん前まえ、ｉＰＳ細胞さいぼうを使つかった重おもい目めの病気びょうきの再生さいせい医療いりょうを世界せかいで初はじめて実施じっしし、すでに６ろく例れいが行おこなわれています。

また、ことし９月くがつには、京都大きょうとだい学がくなどのグループがｉＰＳ細胞さいぼうを使つかって筋肉きんにくの組織そしきが骨ほねになる難病なんびょうの薬くすりの候補こうほ物質ぶっしつを見つけ出みつけだし、現在げんざい、患者かんじゃに投与とうよする世界せかい初はつの臨床りんしょう試験しけんが開始かいしされています。

国内こくないではほかにも大阪おおさか大学だいがくや慶応けいおう大学だいがくで重おもい心臓しんぞう病びょうや脊髄せきずいを損傷そんしょうした患者かんじゃを対象たいしょうにした再生さいせい医療いりょうの臨床りんしょう研究けんきゅうが計画けいかくされるなど、医療いりょうへの応用おうように向むけた取り組とりくみが本格ほんかく化かしています。

この１いち０ぜろ年ねんについて、山中さんちゅう教授きょうじゅは「研究けんきゅう成果せいかが実際じっさいに患者かんじゃに届とどいて治療ちりょうになるためには、さまざまなハードルを越こえなければならず、ここからが正念場しょうねんばです。患者かんじゃの安全あんぜん性せいを最さい優先ゆうせんにしながら、１いち日にちも早はやく新あたらしい医療いりょうを届とどけたい」とコメントしています。

ソース：NHK ニュース