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ロシア 東京五輪パラは条件満たした選手のみ個人資格で参加
2019-12-09 16:49:07

ロシアの組織的なドーピング問題でWADA=世界アンチドーピング機構は、ロシアに対し来年の東京オリンピック・パラリンピックを含む国際大会への参加を4年間、禁止するとともに東京大会には厳しい条件を満たした選手のみ個人資格で参加できるとする処分を決めました。
これは9日、スイスのローザンヌで非公開で行われたWADAの常任理事会で決まりました。
ロシアの組織的なドーピング問題で、WADAは隠蔽工作が行われたモスクワの検査所に保管されている選手のすべてのデータを提供することなどを条件に去年、ロシアに対する処分を解除しました。
しかし、ロシア側から提供されたデータに少なくとも数百か所の置き換えや消去があったことがわかり、調査を行ったWADAのコンプライアンス審査委員会は、「極めて深刻な規定違反だ」として常任理事会に対しロシアに厳しい処分を行うよう勧告していました。
関係者によりますと、常任理事会では出席した12人の理事全員が処分案に賛成しロシアに対して来年の東京オリンピック・パラリンピックを含む国際大会への参加を4年間、禁止するとともに東京大会には厳しい条件を満たした選手のみ個人資格で参加できるとする処分が決まりました。
このあと、WADAのクレイグ・リーディー会長が会見を行い処分の理由などを説明する予定です。
ロシア側はCAS・スポーツ仲裁裁判所に不服を申し立てることはできますが、処分が確定した場合にはピョンチャン大会に続いて東京オリンピック・パラリンピックでもロシアは国として参加できなくなります。
ロシアの組織的なドーピング問題で、WADAは隠蔽工作が行われたモスクワの検査所に保管されている選手のすべてのデータを提供することなどを条件に去年、ロシアに対する処分を解除しました。
しかし、ロシア側から提供されたデータに少なくとも数百か所の置き換えや消去があったことがわかり、調査を行ったWADAのコンプライアンス審査委員会は、「極めて深刻な規定違反だ」として常任理事会に対しロシアに厳しい処分を行うよう勧告していました。
関係者によりますと、常任理事会では出席した12人の理事全員が処分案に賛成しロシアに対して来年の東京オリンピック・パラリンピックを含む国際大会への参加を4年間、禁止するとともに東京大会には厳しい条件を満たした選手のみ個人資格で参加できるとする処分が決まりました。
このあと、WADAのクレイグ・リーディー会長が会見を行い処分の理由などを説明する予定です。
ロシア側はCAS・スポーツ仲裁裁判所に不服を申し立てることはできますが、処分が確定した場合にはピョンチャン大会に続いて東京オリンピック・パラリンピックでもロシアは国として参加できなくなります。
ロシアのドーピング問題とは
この問題は、2014年にロシアの陸上選手などが組織的なドーピング疑惑をドイツの公共放送で証言したことから始まりました。
当時の国際陸上競技連盟、今の世界陸連や、WADA=世界アンチドーピング機構が調査を進める中、2015年8月にはドイツの公共放送などが独自に入手した陸上選手の血液データを分析し、2001年から2012年の間にロシアが獲得した陸上のメダルの80%以上はドーピングが疑われる選手のものだったと伝え、前例のない大規模な薬物疑惑に世界の注目が集まりました。
WADAは、2015年11月に第三者委員会の調査で、モスクワの検査所の所長がドーピングを主導し、検体を意図的に破棄したことなどロシアの組織的なドーピングを認定し、RUSADA=ロシアアンチドーピング機構を不適格な組織としました。
さらに2016年7月には、ソチオリンピックでロシアのスポーツ省などが関与し、国家が主導したドーピングや隠蔽が行われていたことを指摘しました。
これを受けてロシアは、リオデジャネイロオリンピックで陸上を中心に100人以上が選手団から除外され、リオデジャネイロパラリンピックでは、すべての競技で参加が認められませんでした。
さらにピョンチャンオリンピック・パラリンピックでは、ロシア選手団自体の出場が認められず、厳しい条件を満たした選手については個人資格での参加にとどまりました。
WADAは、去年9月にRUSADAの適格性を改めて判断し、資格を回復する決定をしましたが、その際に隠蔽工作が行われたモスクワの検査所で保管される選手のすべてのデータを提供することなどの条件を付けました。
ロシア側は求めに応じて、ことし1月にデータを提供しましたが、WADAの委員会が精査する中で、データに少なくとも数百か所の置き換えや消去があったことが分かり、ロシアの主要な国際大会への参加を4年間禁止するとともに、東京オリンピック・パラリンピックについては、厳しい条件を満たした選手のみ、個人資格で参加できるとする処分案を常任理事会に諮っていました。
当時の国際陸上競技連盟、今の世界陸連や、WADA=世界アンチドーピング機構が調査を進める中、2015年8月にはドイツの公共放送などが独自に入手した陸上選手の血液データを分析し、2001年から2012年の間にロシアが獲得した陸上のメダルの80%以上はドーピングが疑われる選手のものだったと伝え、前例のない大規模な薬物疑惑に世界の注目が集まりました。
WADAは、2015年11月に第三者委員会の調査で、モスクワの検査所の所長がドーピングを主導し、検体を意図的に破棄したことなどロシアの組織的なドーピングを認定し、RUSADA=ロシアアンチドーピング機構を不適格な組織としました。
さらに2016年7月には、ソチオリンピックでロシアのスポーツ省などが関与し、国家が主導したドーピングや隠蔽が行われていたことを指摘しました。
これを受けてロシアは、リオデジャネイロオリンピックで陸上を中心に100人以上が選手団から除外され、リオデジャネイロパラリンピックでは、すべての競技で参加が認められませんでした。
さらにピョンチャンオリンピック・パラリンピックでは、ロシア選手団自体の出場が認められず、厳しい条件を満たした選手については個人資格での参加にとどまりました。
WADAは、去年9月にRUSADAの適格性を改めて判断し、資格を回復する決定をしましたが、その際に隠蔽工作が行われたモスクワの検査所で保管される選手のすべてのデータを提供することなどの条件を付けました。
ロシア側は求めに応じて、ことし1月にデータを提供しましたが、WADAの委員会が精査する中で、データに少なくとも数百か所の置き換えや消去があったことが分かり、ロシアの主要な国際大会への参加を4年間禁止するとともに、東京オリンピック・パラリンピックについては、厳しい条件を満たした選手のみ、個人資格で参加できるとする処分案を常任理事会に諮っていました。
過去の五輪では
ロシアの組織的なドーピング問題が発覚して以降、オリンピックでは「クリーン」と認められた選手のみが出場してメダルを獲得するなど、結果を残しています。
問題が発覚して最初のオリンピックとなった2016年のリオデジャネイロ大会では、女子棒高跳びの世界記録保持者、イシンバエワ選手など、陸上を中心に100人以上が選手団から除外されましたが、ロシアとしての参加は認められました。
各競技の国際競技団体が出場を認めた選手について、IOCの専門チームがロシア以外で行われたドーピング検査の結果や、過去にドーピングで制裁を受けていないかなどを一人一人チェックして「クリーン」と認定された選手が出場し、シンクロナイズドスイミングや新体操、柔道などの金メダル19個を含む56個のメダルを獲得し、アメリカ、イギリス、中国に次ぐ4番目の成績を残しました。
2018年の冬のピョンチャン大会では、国としての参加は認められませんでしたが、厳しい条件を満たしクリーンだと認められた選手が「OAR=ロシア出身のオリンピック選手」という個人資格で、168人の選手が参加しました。
国としての参加ではないため、入場行進では国旗の代わりに五輪のオリンピック旗を掲げ、表彰式でもオリンピック旗と、国歌に代わってオリンピック賛歌が用いられました。
日本のライバルとして注目された、フィギュアスケート女子シングルのザギトワ選手やメドベージェワ選手は、個人資格で出場が認められ、それぞれ金メダルと銀メダルを獲得しました。
また団体種目のアイスホッケー男子では、OARとして金メダルを獲得しました。
金メダルは2つと、ソチ大会からは大きく数を減らしたものの、合わせて17個のメダルを獲得しています。
一方で問題が発覚する前の夏のロンドン大会では、陸上とウエイトリフティングで15個のメダルが剥奪されたのをはじめ、北京大会や冬のソチ大会でも大会後に相次いでロシア選手のドーピング違反が発覚し、多くのメダルが剥奪されています。
問題が発覚して最初のオリンピックとなった2016年のリオデジャネイロ大会では、女子棒高跳びの世界記録保持者、イシンバエワ選手など、陸上を中心に100人以上が選手団から除外されましたが、ロシアとしての参加は認められました。
各競技の国際競技団体が出場を認めた選手について、IOCの専門チームがロシア以外で行われたドーピング検査の結果や、過去にドーピングで制裁を受けていないかなどを一人一人チェックして「クリーン」と認定された選手が出場し、シンクロナイズドスイミングや新体操、柔道などの金メダル19個を含む56個のメダルを獲得し、アメリカ、イギリス、中国に次ぐ4番目の成績を残しました。
2018年の冬のピョンチャン大会では、国としての参加は認められませんでしたが、厳しい条件を満たしクリーンだと認められた選手が「OAR=ロシア出身のオリンピック選手」という個人資格で、168人の選手が参加しました。
国としての参加ではないため、入場行進では国旗の代わりに五輪のオリンピック旗を掲げ、表彰式でもオリンピック旗と、国歌に代わってオリンピック賛歌が用いられました。
日本のライバルとして注目された、フィギュアスケート女子シングルのザギトワ選手やメドベージェワ選手は、個人資格で出場が認められ、それぞれ金メダルと銀メダルを獲得しました。
また団体種目のアイスホッケー男子では、OARとして金メダルを獲得しました。
金メダルは2つと、ソチ大会からは大きく数を減らしたものの、合わせて17個のメダルを獲得しています。
一方で問題が発覚する前の夏のロンドン大会では、陸上とウエイトリフティングで15個のメダルが剥奪されたのをはじめ、北京大会や冬のソチ大会でも大会後に相次いでロシア選手のドーピング違反が発覚し、多くのメダルが剥奪されています。
ロシア選手 問題の早期解決を求める声
東京オリンピック出場を目指すロシアの選手からは、問題の早期解決を求める声が聞かれます。
空手の男子組手のロシア代表として、去年のヨーロッパ選手権で優勝したエフゲニー・プラフチン選手(25)は、「個人資格での出場はとても残念なことだ。すべての選手にとって、表彰台の真ん中に立って母国の国歌を聞くことが目標であり、夢だ。国歌がないなんて考えられない」と述べ、ロシア代表へのこだわりを示しました。
そのうえで「解決するのは私たちではない。ロシアアンチドーピング機構やWADA、それにIOC=国際オリンピック委員会が話し合ってすべてを解決し、選手全員がオリンピックに出場できればいい」と、問題の早期解決を求めました。
一方、ロシア政府はこれまで、国家ぐるみのドーピングを認めていません。今回のデータ改ざん疑惑についても、コロプコフ・スポーツ相が先月「互いのデータにいくつか一致しない点が見つかったにすぎず、問題は純粋に技術的なものだ。改ざんはない」と反論しています。
またラブロフ外相も「何かに違反しているとか、西側に不利なことをしているなどとして、ロシアを被告にしたがる者がいる」と述べ、いわゆるロシア叩きの一環だとして反発しています。
空手の男子組手のロシア代表として、去年のヨーロッパ選手権で優勝したエフゲニー・プラフチン選手(25)は、「個人資格での出場はとても残念なことだ。すべての選手にとって、表彰台の真ん中に立って母国の国歌を聞くことが目標であり、夢だ。国歌がないなんて考えられない」と述べ、ロシア代表へのこだわりを示しました。
そのうえで「解決するのは私たちではない。ロシアアンチドーピング機構やWADA、それにIOC=国際オリンピック委員会が話し合ってすべてを解決し、選手全員がオリンピックに出場できればいい」と、問題の早期解決を求めました。
一方、ロシア政府はこれまで、国家ぐるみのドーピングを認めていません。今回のデータ改ざん疑惑についても、コロプコフ・スポーツ相が先月「互いのデータにいくつか一致しない点が見つかったにすぎず、問題は純粋に技術的なものだ。改ざんはない」と反論しています。
またラブロフ外相も「何かに違反しているとか、西側に不利なことをしているなどとして、ロシアを被告にしたがる者がいる」と述べ、いわゆるロシア叩きの一環だとして反発しています。
WADA 処分権限を去年大幅に強化
WADA=世界アンチドーピング機構は、去年4月に規定を改定し、組織的ドーピングなど重大な違反があった場合の処分について、その国や地域に対し、国際大会への出場停止などの厳しい処分を科せるようになり権限が大幅に強化されました。
新たに発効したWADAの規定ではIOC=国際オリンピック委員会や、IPC=国際パラリンピック委員会をはじめ、各国のオリンピック・パラリンピック委員会、それに国際競技連盟などの世界のスポーツ団体は、WADAの決定に従うことが義務づけられています。
これは、ロシアの組織的なドーピング問題をめぐって、3年前のリオデジャネイロオリンピックで、WADAがロシアのすべての選手を出場停止とするよう勧告したものの、IOCが条件つきでの出場を認めた結果、オリンピックとパラリンピックで対応が分かれて、WADAの役割が問われる形となったためでした。
WADAは9日の臨時理事会のあとに声明を発表し、クレイグ・リーディー会長は「WADAが新たな規定に基づき意味のある処分を下せる権限を得たことで、常任理事会は適切なタイミングで適切な決定を下した」とコメントし、権限強化の取り組みで一定の成果があったと強調しました。
新たに発効したWADAの規定ではIOC=国際オリンピック委員会や、IPC=国際パラリンピック委員会をはじめ、各国のオリンピック・パラリンピック委員会、それに国際競技連盟などの世界のスポーツ団体は、WADAの決定に従うことが義務づけられています。
これは、ロシアの組織的なドーピング問題をめぐって、3年前のリオデジャネイロオリンピックで、WADAがロシアのすべての選手を出場停止とするよう勧告したものの、IOCが条件つきでの出場を認めた結果、オリンピックとパラリンピックで対応が分かれて、WADAの役割が問われる形となったためでした。
WADAは9日の臨時理事会のあとに声明を発表し、クレイグ・リーディー会長は「WADAが新たな規定に基づき意味のある処分を下せる権限を得たことで、常任理事会は適切なタイミングで適切な決定を下した」とコメントし、権限強化の取り組みで一定の成果があったと強調しました。
東京オリンピックへの影響は限定的か
WADAが問題視したデータの改ざんは2016年に認定が取り消されたモスクワの検査所に保管されていたもので、多くは”過去”の選手たちのデータです。
現在、世界で活躍するロシアの選手たちはドーピングについて厳しい目が向けられるなか、クリーンであることを証明したうえで、世界選手権などの国際大会で数多くのメダルを獲得してきました。
東京オリンピックのプレシーズンとなったことしも、多くのロシア選手たちが、ほかの国や地域の選手と同様にドーピング検査を受けながら国際大会に出場し結果を残しています。
このうち、7月に韓国で行われた水泳の世界選手権では、アーティスティックスイミングを中心に金メダル12個、10月にドイツで行われた体操の世界選手権では、アメリカに次ぐ金メダル3個を獲得し、国としての出場を認められなかった陸上の世界選手権でも、「中立選手」として出場したロシアの選手が金メダル2個を獲得しました。
今回のWADAの決定では、選手個人の権利を守るため厳しい条件を満たした選手は個人資格で出場できるとしていて、世界選手権などトップレベルの国際大会に出場し、世界基準のドーピングコントロールのもと競技を続けている選手たちは、オリンピックへの出場が認められる可能性が高く、メダル争いなどへの影響は限定的になると見られています。
現在、世界で活躍するロシアの選手たちはドーピングについて厳しい目が向けられるなか、クリーンであることを証明したうえで、世界選手権などの国際大会で数多くのメダルを獲得してきました。
東京オリンピックのプレシーズンとなったことしも、多くのロシア選手たちが、ほかの国や地域の選手と同様にドーピング検査を受けながら国際大会に出場し結果を残しています。
このうち、7月に韓国で行われた水泳の世界選手権では、アーティスティックスイミングを中心に金メダル12個、10月にドイツで行われた体操の世界選手権では、アメリカに次ぐ金メダル3個を獲得し、国としての出場を認められなかった陸上の世界選手権でも、「中立選手」として出場したロシアの選手が金メダル2個を獲得しました。
今回のWADAの決定では、選手個人の権利を守るため厳しい条件を満たした選手は個人資格で出場できるとしていて、世界選手権などトップレベルの国際大会に出場し、世界基準のドーピングコントロールのもと競技を続けている選手たちは、オリンピックへの出場が認められる可能性が高く、メダル争いなどへの影響は限定的になると見られています。
大会組織委「万全の対策進めていきたい」
東京オリンピック・パラリンピックの大会組織委員会は、「すべての国と地域のアスリートが、アンチ・ドーピング規則を順守の上、オリンピック・パラリンピックに参加できることを望みたい。組織委員会としては、引き続き関係機関と連携し、ドーピング防止対策に万全の準備を進めていきたい」とコメントしています。
ガヌス会長「今後の対応を検討」
ロシアの組織的なドーピング問題に対するWADA=世界アンチドーピング機構の処分について、ロシアのドーピング検査機関、RUSADAのユーリ・ガヌス会長はモスクワで記者会見を行い「決定は残念だ」としたうえで、今月19日に会議を開き、今後の対応を検討する方針を明らかにしました。
ガヌス会長は先月、NHKのインタビューに対して、ロシアスポーツ省がWADAに提出した選手の検体のデータについて「大量の改ざんがあった」と指摘し、責任はスポーツ省とデータを保管していた捜査委員会にあるという見方を示していました。
記者会見でガヌス会長は「今後、ドーピング対策へのアプローチを変えることが極めて重要だ。旧態依然としたやり方をした人物を入れ替えなければならない」と述べ、スポーツ省と捜査委員会の関係者を改めて批判しました。
ガヌス会長は先月、NHKのインタビューに対して、ロシアスポーツ省がWADAに提出した選手の検体のデータについて「大量の改ざんがあった」と指摘し、責任はスポーツ省とデータを保管していた捜査委員会にあるという見方を示していました。
記者会見でガヌス会長は「今後、ドーピング対策へのアプローチを変えることが極めて重要だ。旧態依然としたやり方をした人物を入れ替えなければならない」と述べ、スポーツ省と捜査委員会の関係者を改めて批判しました。
ロシア首相「CASに提訴すべき」
ロシアの組織的なドーピング問題に対するWADA=世界アンチドーピング機構の処分を受け、ロシアのメドベージェフ首相は「ロシア嫌いが今も続いていることを示している」と述べ、いわゆるロシア叩きの一環だと批判したうえで、CAS=スポーツ仲裁裁判所に提訴するべきだという考えを明らかにしました。
WADAは9日に開いた臨時の常任理事会で、ロシアに対し、来年の東京オリンピック・パラリンピックを含む国際大会への参加を4年間、禁止するとともに、東京大会には厳しい条件を満たした選手のみ個人資格で参加できるとする処分を決めました。
ロシア側はこの決定に不満がある場合、3週間以内にCASに訴えることができます。
ロシアでは、国営テレビがWADAの常任理事会の会場から中継で伝えるなど高い関心が寄せられ、処分の内容が発表されると下院議員などからCASに訴えるべきだといった声が、次々と上がっています。
WADAは9日に開いた臨時の常任理事会で、ロシアに対し、来年の東京オリンピック・パラリンピックを含む国際大会への参加を4年間、禁止するとともに、東京大会には厳しい条件を満たした選手のみ個人資格で参加できるとする処分を決めました。
ロシア側はこの決定に不満がある場合、3週間以内にCASに訴えることができます。
ロシアでは、国営テレビがWADAの常任理事会の会場から中継で伝えるなど高い関心が寄せられ、処分の内容が発表されると下院議員などからCASに訴えるべきだといった声が、次々と上がっています。
ロシアに対する処分の具体的な内容
WADA=世界アンチドーピング機構はロシアに対して、4年間、オリンピックやパラリンピックを含む主要な国際大会への国としての参加を認めない処分を行いました。
そのうえで、ロシアの選手やスタッフは不正に関与していないと証明できた場合のみ、主要な国際大会に参加できるが、国を代表するものではないとして、東京オリンピック・パラリンピックへの参加は個人資格でのみ認めています。
このほかの具体的な処分の内容は以下のとおりです。
ロシアはいかなる主要な大会も開催と招致ができないほか、すでに招致した主要な大会の開催は認められず、代替の開催地で行うことになります。
この処分に基づき2021年にモスクワで行われる予定だったスポーツクライミングの世界選手権など複数の主要な国際大会のロシアでの開催ができなくなり、代わりの開催地を探す必要が出てきます。
また、2032年の夏のオリンピック・パラリンピックの招致ができないほか、ロシアのオリンピック委員会とパラリンピック委員会の会長や理事は主要な大会への参加や出席ができません。
さらに、ロシア政府関係者や代表者はオリンピック・パラリンピックや世界選手権など主要な大会に参加や出席ができないほか、WADAの規定に同意しているいかなる組織の理事などを務めることもできません。
このほか、主要な大会でロシア国旗の使用ができないとされています。
これらはいずれも4年間にわたって科される処分で、ロシアアンチドーピング機構に対しては、この問題でWADAが要した経費と罰金を支払うことを求めています。
そのうえで、ロシアの選手やスタッフは不正に関与していないと証明できた場合のみ、主要な国際大会に参加できるが、国を代表するものではないとして、東京オリンピック・パラリンピックへの参加は個人資格でのみ認めています。
このほかの具体的な処分の内容は以下のとおりです。
ロシアはいかなる主要な大会も開催と招致ができないほか、すでに招致した主要な大会の開催は認められず、代替の開催地で行うことになります。
この処分に基づき2021年にモスクワで行われる予定だったスポーツクライミングの世界選手権など複数の主要な国際大会のロシアでの開催ができなくなり、代わりの開催地を探す必要が出てきます。
また、2032年の夏のオリンピック・パラリンピックの招致ができないほか、ロシアのオリンピック委員会とパラリンピック委員会の会長や理事は主要な大会への参加や出席ができません。
さらに、ロシア政府関係者や代表者はオリンピック・パラリンピックや世界選手権など主要な大会に参加や出席ができないほか、WADAの規定に同意しているいかなる組織の理事などを務めることもできません。
このほか、主要な大会でロシア国旗の使用ができないとされています。
これらはいずれも4年間にわたって科される処分で、ロシアアンチドーピング機構に対しては、この問題でWADAが要した経費と罰金を支払うことを求めています。
専門家「国関与なら個人参加禁止を」
東京大会に国としての参加を禁止し、厳しい条件を満たした選手は個人資格で参加できるとしたWADAのロシアへの処分について、スポーツ倫理学が専門の早稲田大学の友添秀則教授は「個人の選手に連帯責任を負わせないという最近のIOCの路線が踏襲された妥当な判断だったと思う」と評価しました。
一方で「今回の判断は若干、甘さが残ると感じる。国がドーピングに関与した時には、個人参加の選手を認めないという明文化した規定を設ける時期に来ているのではないか」と述べ、組織的なドーピングを重く見てより厳しい対応が必要だという見解を示しました。
また、友添教授はデータの置き換えや消去を行ったロシアの対応について「真実はよく分からないが、わかってしまうにもかかわらず改ざんをやるのは、メダルを取った選手や入賞した選手たちの違反が明らかになることを恐れたのではないか」と話しました。
そのうえで「関係者が努力しても、たった1人の選手でもドーピングが生まれてくると大会そのものの価値を落としていくことにつながりかねない。東京大会ではドーピングが起こらない、本当にクリーンな大会になるように心から願うばかりだ」と述べ、ドーピング違反がオリンピックやパラリンピックという大会の価値自体を低下させるおそれを指摘しました。
一方で「今回の判断は若干、甘さが残ると感じる。国がドーピングに関与した時には、個人参加の選手を認めないという明文化した規定を設ける時期に来ているのではないか」と述べ、組織的なドーピングを重く見てより厳しい対応が必要だという見解を示しました。
また、友添教授はデータの置き換えや消去を行ったロシアの対応について「真実はよく分からないが、わかってしまうにもかかわらず改ざんをやるのは、メダルを取った選手や入賞した選手たちの違反が明らかになることを恐れたのではないか」と話しました。
そのうえで「関係者が努力しても、たった1人の選手でもドーピングが生まれてくると大会そのものの価値を落としていくことにつながりかねない。東京大会ではドーピングが起こらない、本当にクリーンな大会になるように心から願うばかりだ」と述べ、ドーピング違反がオリンピックやパラリンピックという大会の価値自体を低下させるおそれを指摘しました。
ロシア スポーツ相「CAS見通し明るい」
WADA=世界アンチドーピング機構の決定を受けて、ロシアのコロプコフ・スポーツ相は9日、モスクワで記者会見を開き、「私としてはすべて適正に行ってきたつもりだ」と述べ、ロシア政府としてWADAに最大限協力してきたと強調しました。
そして、処分を不服としてCAS=スポーツ仲裁裁判所に訴えるかどうかは、RUSADA=ロシアアンチドーピング機構が決めることだとしながらも「見通しは極めて明るい」と述べ提訴した場合、ロシア側の主張が認められ処分が覆るだろうと自信を示しました。
また、ロシアオリンピック委員会のポズドニャコフ会長も会見し、「今回の決定には失望した。この制裁は不適切だし、非論理的で行き過ぎだ」と批判しました。
そして、処分を不服としてCAS=スポーツ仲裁裁判所に訴えるかどうかは、RUSADA=ロシアアンチドーピング機構が決めることだとしながらも「見通しは極めて明るい」と述べ提訴した場合、ロシア側の主張が認められ処分が覆るだろうと自信を示しました。
また、ロシアオリンピック委員会のポズドニャコフ会長も会見し、「今回の決定には失望した。この制裁は不適切だし、非論理的で行き過ぎだ」と批判しました。
ソース:NHK ニュース