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ロシア 東京とうきょう五輪ごりんパラは条件じょうけんたした選手せんしゅのみ個人こじん資格しかく参加さんか

2019-12-09 16:49:07

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ロシアの組織そしきてきなドーピング問題もんだいでWADA=世界せかいアンチドーピング機構きこうは、ロシアに対にたい来年らいねん東京とうきょうオリンピック・パラリンピックをふく国際こくさい大会たいかいへの参加さんかよん年間ねんかん禁止きんしするとともに東京とうきょう大会たいかいにはきびしい条件じょうけんたした選手せんしゅのみ個人こじん資格しかく参加さんかできるとする処分しょぶんめました。
これきゅうにち、スイスのローザンヌで非公開ひこうかいおこなわれたWADAの常任じょうにん理事りじかいまりました。

ロシアの組織そしきてきなドーピング問題もんだいで、WADAは隠蔽いんぺい工作こうさくおこなわれたモスクワの検査けんさしょ保管ほかんされている選手せんしゅのすべてのデータ提供ていきょうすることなど条件じょうけん去年きょねん、ロシアに対にたいする処分しょぶん解除かいじょしました。

しかし、ロシアがわから提供ていきょうされたデータすくなくともすうひゃくか所かしょ置き換おきかえや消去しょうきょがあったことがわかり、調査ちょうさおこなったWADAのコンプライアンス審査しんさ委員いいんかいは、「きわめて深刻しんこく規定きてい違反いはんだ」として常任じょうにん理事りじかいに対にたいしロシアにきびしい処分しょぶんおこなよう勧告かんこくしていました。

関係かんけいしゃによりますと、常任じょうにん理事りじかいでは出席しゅっせきした12にん理事りじ全員ぜんいん処分しょぶんあん賛成さんせいしロシアに対にたいして来年らいねん東京とうきょうオリンピック・パラリンピックをふく国際こくさい大会たいかいへの参加さんかよん年間ねんかん禁止きんしするとともに東京とうきょう大会たいかいにはきびしい条件じょうけんたした選手せんしゅのみ個人こじん資格しかく参加さんかできるとする処分しょぶんまりました。

このあと、WADAのクレイグ・リーディー会長かいちょう会見かいけんおこな処分しょぶん理由りゆうなど説明せつめいする予定よていです。

ロシアがわはCAS・スポーツ仲裁ちゅうさい裁判所さいばんしょ不服ふふく申し立もうしたてることはできますが、処分しょぶん確定かくていした場合ばあいにはピョンチャン大会たいかいつづいて東京とうきょうオリンピック・パラリンピックでもロシアはくにとして参加さんかできなくなります。

ロシアのドーピング問題もんだいとは

この問題もんだいは、2014ねんにロシアの陸上りくじょう選手せんしゅなど組織そしきてきなドーピング疑惑ぎわくをドイツの公共こうきょう放送ほうそう証言しょうげんしたことからはじまりました。

当時とうじ国際こくさい陸上りくじょう競技きょうぎ連盟れんめいいま世界せかい陸連りくれんや、WADA=世界せかいアンチドーピング機構きこう調査ちょうさすすめるなか、2015ねん8月はちがつにはドイツの公共こうきょう放送ほうそうなど独自どくじ入手にゅうしゅした陸上りくじょう選手せんしゅ血液けつえきデータ分析ぶんせきし、2001ねんから2012ねんにロシアが獲得かくとくした陸上りくじょうのメダルの80%以上いじょうはドーピングがうたがわれる選手せんしゅのものだったとつたえ、前例ぜんれいのないだい規模きぼ薬物やくぶつ疑惑ぎわく世界せかい注目ちゅうもくあつまりました。

WADAは、2015ねん11つきだいさんしゃ委員いいんかい調査ちょうさで、モスクワの検査けんさしょ所長しょちょうがドーピングを主導しゅどうし、検体けんたい意図いとてき破棄はきしたことなどロシアの組織そしきてきなドーピングを認定にんていし、RUSADA=ロシアアンチドーピング機構きこう適格てきかく組織そしきとしました。

さらに2016ねん7月しちがつには、ソチオリンピックでロシアのスポーツしょうなど関与かんよし、国家こっか主導しゅどうしたドーピングや隠蔽いんぺいおこなわれていたことを指摘してきしました。

これけてロシアは、リオデジャネイロオリンピックで陸上りくじょう中心ちゅうしんに100にん以上いじょう選手せんしゅだんから除外じょがいされ、リオデジャネイロパラリンピックでは、すべての競技きょうぎ参加さんかみとめられませんでした。

さらにピョンチャンオリンピック・パラリンピックでは、ロシア選手せんしゅだん自体じたい出場しゅつじょうみとめられず、きびしい条件じょうけんたした選手せんしゅについては個人こじん資格しかくでの参加さんかにとどまりました。

WADAは、去年きょねん9月くがつにRUSADAの適格てきかくせいあらためて判断はんだんし、資格しかく回復かいふくする決定けっていをしましたが、そのさい隠蔽いんぺい工作こうさくおこなわれたモスクワの検査けんさしょ保管ほかんされる選手せんしゅのすべてのデータ提供ていきょうすることなど条件じょうけんけました。

ロシアがわもとめにおうじて、ことし1月いちがつデータ提供ていきょうしましたが、WADAの委員いいんかい精査せいさするなかで、データにすくなくともすうひゃくか所かしょ置き換おきかえや消去しょうきょがあったことがかり、ロシアの主要しゅよう国際こくさい大会たいかいへの参加さんかよん年間ねんかん禁止きんしするとともに、東京とうきょうオリンピック・パラリンピックについては、きびしい条件じょうけんたした選手せんしゅのみ、個人こじん資格しかく参加さんかできるとする処分しょぶんあん常任じょうにん理事りじかいはかっていました。

過去かこ五輪ごりんでは

ロシアの組織そしきてきなドーピング問題もんだい発覚はっかくして以降いこう、オリンピックでは「クリーン」とみとめられた選手せんしゅのみが出場しゅつじょうしてメダルを獲得かくとくするなど結果けっかのこしています。

問題もんだい発覚はっかくして最初さいしょのオリンピックとなった2016ねんのリオデジャネイロ大会たいかいでは、女子じょし棒高跳ぼうたかとびの世界せかい記録きろく保持ほじしゃ、イシンバエワ選手せんしゅなど陸上りくじょう中心ちゅうしんに100にん以上いじょう選手せんしゅだんから除外じょがいされましたが、ロシアとしての参加さんかみとめられました。

かく競技きょうぎ国際こくさい競技きょうぎ団体だんたい出場しゅつじょうみとめた選手せんしゅについて、IOCあいお-し-専門せんもんチームがロシア以外いがいおこなわれたドーピング検査けんさ結果けっかや、過去かこにドーピングで制裁せいさいけていないかなどいちにんいちにんチェックして「クリーン」と認定にんていされた選手せんしゅ出場しゅつじょうし、シンクロナイズドスイミングやしん体操たいそう柔道じゅうどうなどの金メダルきんめだる19ふく56のメダルを獲得かくとくし、アメリカ、イギリス、中国ちゅうごくよん番目ばんめ成績せいせきのこしました。

2018ねんふゆのピョンチャン大会たいかいでは、くにとしての参加さんかみとめられませんでしたが、きびしい条件じょうけんたしクリーンだとみとめられた選手せんしゅが「OAR=ロシア出身しゅっしんのオリンピック選手せんしゅ」という個人こじん資格しかくで、168にん選手せんしゅ参加さんかしました。

くにとしての参加さんかではないため、入場にゅうじょう行進こうしんでは国旗こっきわり五輪ごりんのオリンピックはたかかげ、表彰ひょうしょうしきでもオリンピックはたと、国歌こっかわってオリンピック賛歌さんかもちいられました。

日本にっぽんのライバルとして注目ちゅうもくされた、フィギュアスケート女子じょしシングルのザギトワ選手せんしゅやメドベージェワ選手せんしゅは、個人こじん資格しかく出場しゅつじょうみとめられ、それぞれ金メダルきんめだる銀メダルぎんめだる獲得かくとくしました。

また団体だんたい種目しゅもくのアイスホッケー男子だんしでは、OARとして金メダルきんめだる獲得かくとくしました。

金メダルきんめだるふたつと、ソチ大会たいかいからはおおきくかずらしたものの、わせて17のメダルを獲得かくとくしています。

一方いっぽう問題もんだい発覚はっかくするまえなつのロンドン大会たいかいでは、陸上りくじょうとウエイトリフティングで15のメダルが剥奪はくだつされたのをはじめ、北京ぺきん大会たいかいふゆのソチ大会たいかいでも大会たいかい相次あいついでロシア選手せんしゅのドーピング違反いはん発覚はっかくし、おおくのメダルが剥奪はくだつされています。

ロシア選手せんしゅ 問題もんだい早期そうき解決かいけつもとめるこえ

東京とうきょうオリンピック出場しゅつじょう目指めざロシアの選手せんしゅからは、問題もんだい早期そうき解決かいけつもとめるこえかれます。

空手からて男子だんしぐみしゅのロシア代表だいひょうとして、去年きょねんヨーロッパ選手権せんしゅけん優勝ゆうしょうしたエフゲニー・プラフチン選手せんしゅ(25)は、「個人こじん資格しかくでの出場しゅつじょうとても残念ざんねんなことだ。すべての選手せんしゅにとって、表彰台ひょうしょうだい真ん中まんなかって母国ぼこく国歌こっかことが目標もくひょうであり、ゆめだ。国歌こっかがないなんてかんがえられない」とべ、ロシア代表だいひょうへのこだわりをしめしました。

そのうえで「解決かいけつするのはわたしたちではない。ロシアアンチドーピング機構きこうやWADA、それIOCあいお-し-国際こくさいオリンピック委員いいんかい話し合はなしあってすべてを解決かいけつし、選手せんしゅ全員ぜんいんがオリンピックに出場しゅつじょうできればいい」と、問題もんだい早期そうき解決かいけつもとめました。

一方いっぽう、ロシア政府せいふこれまで、国家こっかぐるみのドーピングをみとめていません。今回こんかいデータかいざん疑惑ぎわくについても、コロプコフ・スポーツしょう先月せんげつたがのデータにいくつ一致いっちしないてんつかったにすぎず、問題もんだい純粋じゅんすい技術ぎじゅつてきなものだ。かいざんはない」と反論はんろんしています。

またラブロフ外相がいしょうも「なにかに違反いはんしているとか、西側にしがわ不利ふりなことをしているなどとして、ロシアを被告ひこくにしたがるものがいる」とべ、いわゆるロシアはたきの一環いっかんだとして反発はんぱつしています。

WADA 処分しょぶん権限けんげん去年きょねん大幅おおはば強化きょうか

WADA=世界せかいアンチドーピング機構きこうは、去年きょねん4月しがつ規定きてい改定かいていし、組織そしきてきドーピングなど重大じゅうだい違反いはんがあった場合ばあい処分しょぶんについて、そのくに地域ちいきに対にたいし、国際こくさい大会たいかいへの出場しゅつじょう停止ていしなどのきびしい処分しょぶんせるようになり権限けんげん大幅おおはば強化きょうかされました。

あら発効はっこうしたWADAの規定きていではIOCあいお-し-国際こくさいオリンピック委員いいんかいや、IPC=国際こくさいパラリンピック委員いいんかいをはじめ、各国かっこくのオリンピック・パラリンピック委員いいんかい、それ国際こくさい競技きょうぎ連盟れんめいなど世界せかいスポーツ団体だんたいは、WADAの決定けっていしたがことが義務ぎむづけられています。

これは、ロシアの組織そしきてきなドーピング問題もんだいをめぐって、さんねんまえのリオデジャネイロオリンピックで、WADAがロシアのすべての選手せんしゅ出場しゅつじょう停止ていしとするよう勧告かんこくしたものの、IOCあいお-し-条件じょうけんつきでの出場しゅつじょうみとめた結果けっか、オリンピックとパラリンピックで対応たいおうかれて、WADAの役割やくわりわれるかたちとなったためでした。

WADAはきゅうにち臨時りんじ理事りじかいのあとに声明せいめい発表はっぴょうし、クレイグ・リーディー会長かいちょうは「WADAがあら規定きていもとづき意味いみある処分しょぶんくだせる権限けんげんたことで、常任じょうにん理事りじかい適切てきせつタイミング適切てきせつ決定けっていくだした」とコメントし、権限けんげん強化きょうか取り組とりくみで一定いってい成果せいかがあったと強調きょうちょうしました。

東京とうきょうオリンピックへの影響えいきょう限定げんていてき

WADAが問題もんだいしたデータかいざんは2016ねん認定にんてい取り消とりけされたモスクワの検査けんさしょ保管ほかんされていたもので、おおくは”過去かこ”の選手せんしゅたちのデータです。

現在げんざい世界せかい活躍かつやくするロシアの選手せんしゅたちはドーピングについてきびしいけられるなか、クリーンであることを証明しょうめいしたうえで、世界せかい選手権せんしゅけんなど国際こくさい大会たいかいすうおおくのメダルを獲得かくとくしてきました。

東京とうきょうオリンピックのプレシーズンとなったことしも、おおくのロシア選手せんしゅたちが、ほかくに地域ちいき選手せんしゅ同様どうようにドーピング検査けんさけながら国際こくさい大会たいかい出場しゅつじょう結果けっかのこしています。

このうち7月しちがつ韓国かんこくおこなわれた水泳すいえい世界せかい選手権せんしゅけんでは、アーティスティックスイミングを中心ちゅうしん金メダルきんめだる12、10つきにドイツでおこなわれた体操たいそう世界せかい選手権せんしゅけんでは、アメリカ金メダルきんめだるさん獲得かくとくし、くにとしての出場しゅつじょうみとめられなかった陸上りくじょう世界せかい選手権せんしゅけんでも、「中立ちゅうりつ選手せんしゅ」として出場しゅつじょうしたロシアの選手せんしゅ金メダルきんめだる獲得かくとくしました。

今回こんかいのWADAの決定けっていでは、選手せんしゅ個人こじん権利けんりまもためきびしい条件じょうけんたした選手せんしゅ個人こじん資格しかく出場しゅつじょうできるとしていて、世界せかい選手権せんしゅけんなどトップレベル国際こくさい大会たいかい出場しゅつじょうし、世界せかい基準きじゅんのドーピングコントロールのもと競技きょうぎつづけている選手せんしゅたちは、オリンピックへの出場しゅつじょうみとめられる可能かのうせいたかく、メダルあらそなどへの影響えいきょう限定げんていてきになるとられています。

大会たいかい組織そしき万全ばんぜん対策たいさくすすめていきたい」

東京とうきょうオリンピック・パラリンピックの大会たいかい組織そしき委員いいんかいは、「すべてのくに地域ちいきのアスリートが、アンチ・ドーピング規則きそく順守じゅんしゅうえ、オリンピック・パラリンピックに参加さんかできることをのぞみたい。組織そしき委員いいんかいとしては、引き続ひきつづ関係かんけい機関きかん連携れんけいし、ドーピング防止ぼうし対策たいさく万全ばんぜん準備じゅんびすすめていきたい」とコメントしています。

ガヌス会長かいちょう今後こんご対応たいおう検討けんとう

ロシアの組織そしきてきなドーピング問題もんだいに対にたいするWADA=世界せかいアンチドーピング機構きこう処分しょぶんについて、ロシアのドーピング検査けんさ機関きかん、RUSADAのユーリ・ガヌス会長かいちょうはモスクワで記者きしゃ会見かいけんおこない「決定けってい残念ざんねんだ」としたうえで、今月こんげつ19にち会議かいぎひらき、今後こんご対応たいおう検討けんとうする方針ほうしんあきらかにしました。

ガヌス会長かいちょう先月せんげつNHKえぬえいちけいインタビューに対にたいして、ロシアスポーツしょうがWADAに提出ていしゅつした選手せんしゅ検体けんたいデータについて「大量たいりょうかいざんがあった」と指摘してきし、責任せきにんはスポーツしょうとデータを保管ほかんしていた捜査そうさ委員いいんかいにあるという見方みかたしめしていました。

記者きしゃ会見かいけんでガヌス会長かいちょうは「今後こんご、ドーピング対策たいさくへのアプローチえることがきわめて重要じゅうようだ。旧態きゅうたい依然いぜんとしたやり方やりかたをした人物じんぶつ入れ替いれかえなければならない」とべ、スポーツしょう捜査そうさ委員いいんかい関係かんけいしゃあらためて批判ひはんしました。

ロシア首相しゅしょう「CASに提訴ていそすべき」

ロシアの組織そしきてきなドーピング問題もんだいに対にたいするWADA=世界せかいアンチドーピング機構きこう処分しょぶんけ、ロシアのメドベージェフ首相しゅしょうは「ロシアぎらいまつづいていることをしめしている」とべ、いわゆるロシアはたきの一環いっかんだと批判ひはんしたうえで、CAS=スポーツ仲裁ちゅうさい裁判所さいばんしょ提訴ていそするべきだというかんがあきらかにしました。

WADAはきゅうにちひらいた臨時りんじ常任じょうにん理事りじかいで、ロシアに対にたいし、来年らいねん東京とうきょうオリンピック・パラリンピックをふく国際こくさい大会たいかいへの参加さんかよん年間ねんかん禁止きんしするとともに、東京とうきょう大会たいかいにはきびしい条件じょうけんたした選手せんしゅのみ個人こじん資格しかく参加さんかできるとする処分しょぶんめました。

ロシアがわはこの決定けってい不満ふまんある場合ばあいさん週間しゅうかん以内いないにCASにうったえることができます。

ロシアでは、国営こくえいテレビがWADAの常任じょうにん理事りじかい会場かいじょうから中継ちゅうけいつたえるなどたか関心かんしんせられ、処分しょぶん内容ないよう発表はっぴょうされると下院かいん議員ぎいんなどからCASにうったえるべきだといったこえが、次々つぎつぎがっています。

ロシアに対にたいする処分しょぶん具体ぐたいてき内容ないよう

WADA=世界せかいアンチドーピング機構きこうはロシアに対にたいして、よん年間ねんかん、オリンピックやパラリンピックをふく主要しゅよう国際こくさい大会たいかいへのくにとしての参加さんかみとめない処分しょぶんおこないました。

そのうえで、ロシアの選手せんしゅやスタッフは不正ふせい関与かんよしていないと証明しょうめいできた場合ばあいのみ、主要しゅよう国際こくさい大会たいかい参加さんかできるが、くに代表だいひょうするものではないとして、東京とうきょうオリンピック・パラリンピックへの参加さんか個人こじん資格しかくでのみみとめています。

このほか具体ぐたいてき処分しょぶん内容ないよう以下いかのとおりです。

ロシアはいかなる主要しゅよう大会たいかい開催かいさい招致しょうちができないほか、すでに招致しょうちした主要しゅよう大会たいかい開催かいさいみとめられず、代替だいたい開催かいさいおこなことになります。

この処分しょぶんもとづき2021ねんにモスクワでおこなわれる予定よていだったスポーツクライミングの世界せかい選手権せんしゅけんなど複数ふくすう主要しゅよう国際こくさい大会たいかいのロシアでの開催かいさいができなくなり、わり開催かいさいさが必要ひつようてきます。

また、2032ねんなつのオリンピック・パラリンピックの招致しょうちができないほか、ロシアのオリンピック委員いいんかいとパラリンピック委員いいんかい会長かいちょう理事りじ主要しゅよう大会たいかいへの参加さんか出席しゅっせきができません。

さらに、ロシア政府せいふ関係かんけいしゃ代表だいひょうしゃはオリンピック・パラリンピックや世界せかい選手権せんしゅけんなど主要しゅよう大会たいかい参加さんか出席しゅっせきができないほか、WADAの規定きてい同意どういしているいかなる組織そしき理事りじなどをつとめることもできません。

このほか主要しゅよう大会たいかいでロシア国旗こっき使用しようができないとされています。

これらいずれよん年間ねんかんにわたってされる処分しょぶんで、ロシアアンチドーピング機構きこうに対にたいしては、この問題もんだいでWADAがようした経費けいひ罰金ばっきん支払しはらことをもとめています。

専門せんもんくに関与かんよなら個人こじん参加さんか禁止きんしを」

東京とうきょう大会たいかいくにとしての参加さんか禁止きんしし、きびしい条件じょうけんたした選手せんしゅ個人こじん資格しかく参加さんかできるとしたWADAのロシアへの処分しょぶんについて、スポーツ倫理りんりがく専門せんもん早稲田わせだ大学だいがくとも秀則ひでのり教授きょうじゅは「個人こじん選手せんしゅ連帯れんたい責任せきにんわせないという最近さいきんIOCあいお-し-路線ろせん踏襲とうしゅうされた妥当だとう判断はんだんだったとおも」と評価ひょうかしました。

一方いっぽうで「今回こんかい判断はんだん若干じゃっかんあまさがのこかんじるくにがドーピングに関与かんよしたときには、個人こじん参加さんか選手せんしゅみとめないという明文化めいぶんかした規定きていもうける時期じきているのではないか」とべ、組織そしきてきなドーピングをおもてよりきびしい対応たいおう必要ひつようだという見解けんかいしめしました。

またとも教授きょうじゅデータ置き換おきかえや消去しょうきょおこなったロシアの対応たいおうについて「真実しんじつよくからないが、わかってしまうにもかかわらずかいざんをやるのは、メダルをった選手せんしゅ入賞にゅうしょうした選手せんしゅたちの違反いはんあきらかなることをおそれたのではないか」とはなしました。

そのうえで「関係かんけいしゃ努力どりょくしても、たったいちにん選手せんしゅでもドーピングがまれてくると大会たいかいそのものの価値かちとしていくことにつながりかねない。東京とうきょう大会たいかいではドーピングがこらない、本当ほんとうにクリーンな大会たいかいなるようにこころからねがばかりだ」とべ、ドーピング違反いはんがオリンピックやパラリンピックという大会たいかい価値かち自体じたい低下ていかさせるそれ指摘してきしました。

ロシア スポーツしょう「CAS見通みとおあかるい

WADA=世界せかいアンチドーピング機構きこう決定けっていけて、ロシアのコロプコフ・スポーツしょうきゅうにち、モスクワで記者きしゃ会見かいけんひらき、「わたしとしてはすべて適正てきせいってきたつもりだ」とべ、ロシア政府せいふとしてWADAに最大限さいだいげん協力きょうりょくしてきたと強調きょうちょうしました。

そして処分しょぶん不服ふふくとしてCAS=スポーツ仲裁ちゅうさい裁判所さいばんしょうったえるどうかは、RUSADA=ロシアアンチドーピング機構きこうめることだとしながらも「見通みとおきわめてあかるい」と提訴ていそした場合ばあい、ロシアがわ主張しゅちょうみとめられ処分しょぶんくつがえるだろうと自信じしんしめしました。

また、ロシアオリンピック委員いいんかいのポズドニャコフ会長かいちょう会見かいけんし、「今回こんかい決定けっていには失望しつぼうした。この制裁せいさい不適切ふてきせつ論理ろんりてき行き過いきすぎだ」と批判ひはんしました。
ソース:NHK ニュース