多摩たま川がわ氾濫はんらんの影響えいきょう 河川敷かせんしきの運動うんどう場じょう200面めん以上いじょう 今いまも利用りようできず

各地かくちに大おおきな被害ひがいをもたらした台風たいふう19号ごうから12日にちで２にか月かげつになります。多摩たま川がわが氾濫はんらんした影響えいきょうで、流域りゅういきでは河川敷かせんしきにある野球やきゅう場じょうやサッカー場じょうなど合あわせて200面めん以上いじょうが、今いまも利用りようできないままになっています。

10月つきの台風たいふう19号ごうでは、多摩たま川がわが氾濫はんらんした影響えいきょうで河川敷かせんしきのグラウンドに泥どろや土砂どしゃが流れ込ながれこんだり流木りゅうぼくが堆積たいせきしたりして、多おおくの運動うんどう施設しせつや公園こうえんが使つかえなくなっています。

ＮＨＫえぬえいちけいが取材しゅざいしたところ、東京とうきょうと神奈川かながわの16自治体じちたいの32の施設しせつで野球やきゅう場じょうやサッカー場じょう、それにテニスコートなど合あわせて206面めんが利用りようできない状態じょうたいになっています。

自治体じちたい別べつに見みると、
▽東京とうきょう 大田おおた区くが最もっとも多おおく、野球やきゅう場じょうやテニスコートなど合あわせて79面めん、
▽次ついで、川崎かわさき市しが野球やきゅう場じょうや陸上りくじょう競技きょうぎ場じょうなど合あわせて41面めん、
▽東京とうきょう 昭島あきしま市しがソフトボール場じょうやテニスコートなど合あわせて19面めん、
▽世田谷せたがや区くが野球やきゅう場じょうやサッカー場じょうなど合あわせて15面めんなどとなっています。

一部いちぶの自治体じちたいでは、堆積たいせきしている土砂どしゃやゴミを取り除とりのぞいたり、施設しせつを修復しゅうふくしたりする工事こうじが始はじまっていますが、被害ひがいの範囲はんいが広ひろいため、復旧ふっきゅうは早はやくても来年らいねん春はる以降いこうとなる見込みこみです。

さらに今後こんごも、多摩たま川がわの増水ぞうすいで繰り返くりかえし被害ひがいを受うけるおそれがあるため、財政ざいせい的てきなコストを踏ふまえて施設しせつの縮小しゅくしょうを検討けんとうしている自治体じちたいもあり、河川敷かせんしきを活用かつようしたスポーツ施設しせつの運営うんえいが課題かだいとなっています。

東京とうきょう 世田谷せたがや区く 二子ふたご玉川たまがわ緑地りょくち運動うんどう場じょう

このうち、東京とうきょう 世田谷せたがや区くの二子ふたご玉川たまがわ緑地りょくち運動うんどう場じょうは、野球やきゅう場じょうやサッカー場じょうなど合あわせて15面めんを備そなえ、年間ねんかんの利用りよう者しゃはおよそ15万まん人にんに上のぼりますが、今いまも使つかえない状態じょうたいです。

このうち野球やきゅう場じょうは、70センチほど土砂どしゃで覆おおわれているところがあるほか、周囲しゅういを囲かこむネットの支柱しちゅうも横倒よこだおしになって流木りゅうぼくがからまったままになっています。

現場げんばでは土砂どしゃを取り除とりのぞいたり、測量そくりょうしたりする作業さぎょうが行おこなわれていますが、再ふたたび川かわが増水ぞうすいするおそれがある来年らいねんの梅雨つゆまでに作業さぎょうを終おえられる被害ひがいの軽かるいグラウンドを優先ゆうせんしています。

被害ひがいが大おおきいか所しょについては、増水ぞうすいで被害ひがいを受うけないのか、復旧ふっきゅう方法ほうほうや設備せつびについて今後こんご、検討けんとうが必要ひつようだとしています。

世田谷せたがや区くスポーツ推進すいしん課かの須藤すとう剛志たけし課長かちょうは「これまでも台風たいふうや大雨おおあめで砂すなや土どが流出りゅうしゅつする被害ひがいはありましたが、これほど泥どろや流木りゅうぼくが堆積たいせきする被害ひがいはなく、正直しょうじき、途方とほうに暮くれました。復旧ふっきゅうしたあとに同おなじような被害ひがいを受うけないよう対策たいさくを検討けんとうする必要ひつようがある」と話はなしています。

東京とうきょう 府中ふちゅう 総合そうごう体育館たいいくかん 電気でんき制御せいぎょ室しつが浸水しんすい

東京とうきょう 府中ふちゅう市しでは、川岸かわぎしから300メートル以上いじょう離はなれた総合そうごう体育館たいいくかんで、地下ちかの電気でんき制御せいぎょ室しつが浸水しんすいして照明しょうめいや空調くうちょう、給水きゅうすい設備せつびなどが使つかえないため休館きゅうかんしています。

市しによりますと、台風たいふう19号ごうの当時とうじ、体育館たいいくかん周辺しゅうへんは冠水かんすいしていませんでしたが、地下ちか２に階かいの電気でんき制御せいぎょ室しつの装置そうちが天井てんじょうからの漏水ろうすいで壊こわれました。

多摩たま川がわの増水ぞうすいや台風たいふうに伴ともなう気圧きあつの低下ていかで、周辺しゅうへんの地下ちか水位すいいが上あがり、コンクリートの亀裂きれつなどからしみこんだ水みずが漏もれたとみられています。

復旧ふっきゅうには１いち年ねん程度ていどかかる見通みとおしで、東京とうきょうオリンピックの事前じぜんキャンプでオーストリアの卓球たっきゅうチームがこの体育館たいいくかんを利用りようする予定よていでしたが、別べつの体育館たいいくかんで受け入うけいれるということです。

府中ふちゅう市しスポーツ振興しんこう課かの市ノ川いちのかわ恵一けいいち課長かちょうは「漏水ろうすいの原因げんいんについて詳くわしい調査ちょうさを行おこない、防水ぼうすい対策たいさくをしっかり取とるなど被害ひがいの再発さいはつ防止ぼうしに取り組とりくみたい」と話はなしています。

対応たいおうに追おわれるスポーツ団体だんたい

河川敷かせんしきのグラウンドで活動かつどうしていたスポーツ団体だんたいは、予定よていしていた大会たいかいを中止ちゅうしするなどの対応たいおうに追おわれています。

このうち世田谷せたがやサッカー協会きょうかいでは、中学生ちゅうがくせいからシニアまで124チームが参加さんかして行おこなう今年度こんねんどのリーグ戦せんを、３さん割わり余あまりの試合しあいを残のこして、ことし10月つき、中止ちゅうしにしました。

また、例年れいねん８月はちがつから12月つきにかけて開催かいさいしている区民くみん大会たいかいは会場かいじょうを変更へんこうしたほか、期間きかんを来年らいねん２月にがつまで２にか月かげつ延長えんちょうしました。

世田谷せたがやサッカー協会きょうかいの上村うえむら直路ちょくろ事務じむ局長きょくちょうは「来年度らいねんどのリーグ戦せんは予定よていどおり４月しがつから開始かいししたいが、サッカー場じょうの復旧ふっきゅうの見通みとおしは立たっていないと聞きいているので縮小しゅくしょうも検討けんとうしなければいけない。砂利じゃりの除去じょきょなどに協力きょうりょくして早期そうき再開さいかいを期待きたいしたい」と話はなしていました。

ソース：NHK ニュース