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もと警察官けいさつかん 妻子さいしさんにん殺害さつがい事件じけん死刑しけい判決はんけつ 福岡ふくおか地裁ちさい

2019-12-13 06:06:23

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おととし福岡ふくおかけん小郡おごおりつまどもわせてさんにん殺害さつがいしたつみわれ、死刑しけい求刑きゅうけいされたもと警察官けいさつかん裁判さいばんで、福岡ふくおか地方ちほう裁判所さいばんしょは、無罪むざい主張しゅちょう退しりぞけ、求刑きゅうけいどおり死刑しけい言い渡いいわたしました。

福岡ふくおかけん警察けいさつ本部ほんぶ通信つうしん指令しれい巡査じゅんさ部長ぶちょうだった中田なかたたかし被告ひこく(41)は、おととし6月ろくがつ小郡おごおり自宅じたくつま由紀子ゆきこさん(38)と長男ちょうなん小学しょうがくよん年生ねんせい涼介りょうすけくん(きゅう長女ちょうじょ小学しょうがくいち年生ねんせいじつゆうさん(ろく)を殺害さつがいしたとして殺人さつじんつみわれました。

直接ちょくせつてき証拠しょうこがないなか裁判さいばんでは、もと巡査じゅんさ部長ぶちょうさんにん殺害さつがいしたかどうかがあらそわれました。

検察けんさつは、だいさんしゃ侵入しんにゅうした形跡けいせきがないことやつまくびつめからDNAでぃ-えぬえいもと巡査じゅんさ部長ぶちょうのものがふくまれているとしても矛盾むじゅんしないという鑑定かんてい結果けっかていることなどげ、死刑しけい求刑きゅうけいしました。

一方いっぽう弁護べんごがわは、だいさんしゃ侵入しんにゅうした可能かのうせい否定ひていできず、日常にちじょう生活せいかつなかもと巡査じゅんさ部長ぶちょうDNAでぃ-えぬえいくびなど付着ふちゃくすることがあり、証明しょうめいりょくには限界げんかいあるとして、無罪むざい主張しゅちょうしていました。

判決はんけつ言い渡いいわたしは、午後ごご時半じはんすぎから福岡ふくおか地方ちほう裁判所さいばんしょはじまり、柴田しばた寿宏としひろ裁判さいばんちょう死刑しけい言い渡いいわたしました。

事件じけん経緯けいい

おととし6月ろくがつ福岡ふくおかけん小郡おごおり小板井こいたい住宅じゅうたくで、母親ははおやどもにん親子おやこさんにん死亡しぼうしているのをたずねてきた親族しんぞくつけ、警察けいさつ通報つうほうしました。

小学しょうがくよん年生ねんせい中田なかた涼介りょうすけくん(当時とうじきゅう)と、いもうと小学しょうがくいち年生ねんせいじつゆうさん当時とうじろく)は、かい部屋へや布団ふとんうえよこたわり、母親ははおや由紀子ゆきこさん(当時とうじ38)はいちかい台所だいどころたおれていました。

警察けいさつ当初とうしょらされたりあらそったりした形跡けいせきがないことから、無理むり心中しんじゅううたがいもあるとみて捜査そうさしましたが、遺体いたいくわしく調しらべた結果けっかさんにんともくびめられ殺害さつがいされたうたがいがあることがかりました。

そのにち警察けいさつは、さんにんのうちつま由紀子ゆきこさん殺害さつがいしたうたがいで、おっとで、福岡ふくおか県警けんけい通信つうしん指令しれい巡査じゅんさ部長ぶちょうだった中田なかたたかし被告ひこく(41)を逮捕たいほしました。

一方いっぽうどもにんについては捜査そうさ長期ちょうきしました。

警察けいさつは、状況じょうきょう証拠しょうこ積み重つみかさねると被告ひこく以外いがい犯人はんにんはいないとして、事件じけんからおよそはちか月かげつたった去年きょねん2月にがつどもにん殺害さつがいしたうたがいでさい逮捕たいほしました。

直接ちょくせつてき証拠しょうこはなし 裁判さいばん争点そうてん

今回こんかい事件じけんは、直接ちょくせつてき証拠しょうこがなく、被告ひこくさんにん殺害さつがいしたかどうかが真っ向まっこうからあらそわれました。

検察けんさつは、スマートフォンの記録きろくなどから被告ひこく犯行はんこう時間じかんたい自宅じたくにいたとかんがえられ、防犯ぼうはんカメラなどの映像えいぞうからだいさんしゃ侵入しんにゅうした形跡けいせきはないと主張しゅちょうしました。

また被告ひこくうでにはつま抵抗ていこうされたさいにできたとかんがえられるきずがあることや、つまくびつめからDNAでぃ-えぬえい被告ひこくのものがふくまれているとしても矛盾むじゅんしないという鑑定かんてい結果けっかていることをげました。

検察けんさつはこうした間接かんせつてき証拠しょうこをもとに「これだけの事実じじつ偶然ぐうぜんかさなることはありえない」として、犯人はんにんだと主張しゅちょうしました。

一方いっぽう弁護べんごがわは、遺体いたい状況じょうきょう確認かくにんした消防しょうぼう隊員たいいん証言しょうげん医師いし証言しょうげんなどをもとに、被告ひこく自宅じたくにいた午前ごぜんろく時半じはんまでにさんにんとも死亡しぼうしていたという検察けんさつ主張しゅちょうには疑問ぎもんのこ主張しゅちょうしました。

まただいさんしゃ侵入しんにゅうした可能かのうせい否定ひていできず、つまくびつめからDNAでぃ-えぬえいについては、日常にちじょう生活せいかつなか被告ひこくのものがくびなど付着ふちゃくすることがあり、証明しょうめいりょくには限界げんかいあるとして、無罪むざい主張しゅちょうしました。

被告ひこく本人ほんにんも、「いち切身きりみおぼえがなく、事実じじつ無根むこんです。間違まちがなくえん罪えんざいです」、「どうか家族かぞくのために、もう一度もういちど捜査そうさ見直みなおして、犯人はんにんつかまえてほしい」と法廷ほうていべるなど、一貫いっかんして無罪むざい主張しゅちょうしました。
ソース:NHK ニュース