News
Show Furigana

試験しけん中止ちゅうしアメリカ新型しんがた宇宙うちゅうせん 日本にっぽん時間じかんあすよるまでに帰還きかん

2019-12-21 07:18:40

avatar
アメリカ開発かいはつされている新型しんがた有人ゆうじん宇宙うちゅうせん試験しけん最終さいしゅう段階だんかいとして20にち無人むじん宇宙うちゅうせん打ち上うちあげられました。しかし宇宙うちゅうせんのエンジンが正常せいじょう作動さどうしなかったため予定よていされていた国際こくさい宇宙うちゅうステーションとのドッキングを中止ちゅうしし、地球ちきゅうへの帰還きかん目指めざことになりました。
航空こうくう大手おおて、ボーイングが開発かいはつちゅう宇宙うちゅうせん「スターライナー」は、国際こくさい宇宙うちゅうステーションを目指めざして20にち午前ごぜんろく時半じはんすぎ、日本にっぽん時間じかん午後ごごはち時半じはんすぎに南部なんぶフロリダしゅうのケープ・カナベラル空軍くうぐん基地きちからアトラスぶいロケット打ち上うちあげられました。

宇宙うちゅうせんは、打ち上うちあげのおよそ15ふん切り離きりはなされましたが、エンジン正常せいじょうタイミング作動さどうせず、予定よていされていた軌道きどうはいことができませんでした。

NASAなさとボーイングは打ち上うちあ記者きしゃ会見かいけんで、宇宙うちゅうせん時計とけい問題もんだいしょうじたことが原因げんいん可能かのうせいがあるとしたうえで、宇宙うちゅうせん十分じゅうぶん燃料ねんりょうがないため国際こくさい宇宙うちゅうステーションとのドッキングを中止ちゅうしし、当初とうしょ予定よていよりはや地球ちきゅう帰還きかんさせることを目指めざ発表はっぴょうしました。

ただ宇宙うちゅうせん安定あんていした軌道きどうにあり、ほか機器きき正常せいじょううごいているとして、センサー人形にんぎょう打ち上うちあげや着陸ちゃくりく衝撃しょうげき計測けいそくする試験しけんなど引き続ひきつづ実施じっしするということです。

宇宙うちゅうせんは、日本にっぽん時間じかんの22にちよるまでにアメリカ南西なんせいのニューメキシコしゅう砂漠さばく地帯ちたい帰還きかんさせ、回収かいしゅうするということです。

今回こんかい無人むじん飛行ひこう目的もくてき

今回こんかい無人むじん飛行ひこうは、実際じっさい宇宙うちゅう飛行ひこうせて飛行ひこうするまえ最終さいしゅう段階だんかい試験しけんです。

船内せんないには「ロージー」と名付なづけられた等身とうしんだい人形にんぎょうせられ、さまざまなセンサーで宇宙うちゅう飛行ひこうかかる衝撃しょうげきなど計測けいそくするほかこれまでの宇宙うちゅうせんくらべて高度こうど自動じどうされた操縦そうじゅうシステム設計せっけいどおり動作どうさするかを確認かくにんするのが目的もくてきでした。

計画けいかくでは、20にち打ち上うちあげられたあと、宇宙うちゅうせんはエンジンを噴射ふんしゃしてISS=国際こくさい宇宙うちゅうステーションとおな軌道きどうはいり、翌日よくじつの21にちにドッキングすることになっていました。

ドッキングのあとは、国際こくさい宇宙うちゅうステーションに滞在たいざいする宇宙うちゅう飛行ひこう船内せんないはいって搭載とうさいされていた荷物にもつ取り出とりだし、宇宙うちゅうせんは27にち国際こくさい宇宙うちゅうステーションからはなれ、28にちにアメリカ南西なんせいのニューメキシコしゅう砂漠さばく地帯ちたいにパラシュートで帰還きかんする予定よていでした。

べい今後こんご宇宙うちゅう計画けいかく

アメリカあら有人ゆうじん宇宙うちゅうせん開発かいはついそ背景はいけいには、各国かっこく宇宙うちゅう開発かいはつ次々つぎつぎ参入さんにゅうする一方いっぽうで、スペースシャトルの引退いんたい、みずからのちから宇宙うちゅう飛行ひこう送り出おくりだ能力のうりょくたないことへの危機ききかんあらわれとみられています。

スペースシャトルは運用うんようかかる費用ひようがあまりに高額こうがくだったのが引退いんたい決定けっていづけた理由りゆうひとでした。次世代じせだい宇宙うちゅうせん開発かいはつつきへの着陸ちゃくりく目指めざとした「コンステレーション計画けいかく」がオバマ政権せいけん時代じだい中止ちゅうしされたのも、おなじく費用ひよう問題もんだいからでした。

このためNASAなさは、あたらしい有人ゆうじん宇宙うちゅうせん開発かいはつ運用うんよう民間みんかん企業きぎょう委託いたくし、宇宙うちゅう飛行ひこう地球ちきゅう国際こくさい宇宙うちゅうステーションを往復おうふくするのにかかかる費用ひよう支払しはらというかたちをとってコストを削減さくげんしようとしています。

また開発かいはつされている宇宙うちゅうせん民間みんかんじん搭乗とうじょうして国際こくさい宇宙うちゅうステーションに滞在たいざいするときにも使つかわれることを想定そうていしています。

その一方いっぽうで、アメリカは、つきやそのさき火星かせい目指めざ国家こっかプロジェクトもすすめています。トランプ政権せいけんは2024ねんふたた月面げつめん宇宙うちゅう飛行ひこうことを目指めざ「アルテミス計画けいかく」を策定さくていし、有人ゆうじん宇宙うちゅうせん「オリオン」やつき着陸ちゃくりくせん開発かいはつつづけているほか、50ねんまえの「アポロ計画けいかく」で使つかわれた巨大きょだいロケット、「サターンぶい」に匹敵ひってきする「SLS」=スペース・ローンチ・システム製造せいぞうすすめています。

つきまわ軌道きどうには小型こがた宇宙うちゅうステーション、「ゲートウェイ」を設置せっちして、さらにとお火星かせいへの有人ゆうじん飛行ひこう拠点きょてんとしても利用りようする計画けいかくで、火星かせい着陸ちゃくりく一番乗いちばんのりを目指めざし、アメリカ宇宙うちゅう開発かいはつ加速かそくさせています。
ソース:NHK ニュース