戦没せんぼつ者しゃ遺骨いこつ取り違とりちがえ「問題もんだい意識いしき低ひくく 感度かんど鈍にぶい」調査ちょうさ結果けっか報告ほうこく書しょ

戦没せんぼつ者しゃの遺骨いこつ取り違とりちがえ問題もんだいについて検証けんしょうを進すすめてきた厚生こうせい労働ろうどう省しょうの調査ちょうさチームが23日にち、調査ちょうさ報告ほうこく書しょを公表こうひょうしました。調査ちょうさチームは取り違とりちがえの疑うたがいを指摘してきされながら事実じじつ上じょう放置ほうちしていた要因よういんについて「遺骨いこつ収集しゅうしゅう事業じぎょうが止とまってしまうという懸念けねんを担当たんとう者しゃが抱だいていた」などとしたうえで「組織そしきとしての問題もんだい意識いしきが低ひくく感度かんどが鈍にぶいということにほかならない」と指摘してきしました。

シベリア抑留よくりゅう者しゃの遺骨いこつをめぐっては、厚生こうせい労働ろうどう省しょうが取り違とりちがえの疑うたがいを14年ねん前まえに把握はあくしながら事実じじつ上じょう放置ほうちしていたことがＮＨＫえぬえいちけいの報道ほうどうで明あきらかになり、厚生こうせい労働ろうどう省しょうは外部がいぶの弁護士べんごしらによる調査ちょうさチームを設置せっちし23日にち、対応たいおうの問題もんだい点てんなどについて調査ちょうさ報告ほうこく書しょを公表こうひょうしました。

この中なかで、調査ちょうさチームは一連いちれんの問題もんだいについて「公表こうひょうの必要ひつよう性せいが検討けんとうされた形跡けいせきは全まったくない」としたうえで、その要因よういんについては「遺族いぞくが高齢こうれい化かする中なか、担当たんとう者しゃには遺骨いこつ収集しゅうしゅうのスピードアップが最大さいだいのタスクだという意識いしきがあった」、「遺骨いこつの返還へんかんについてロシア側がわと協議きょうぎを開始かいしすれば遺骨いこつ収集しゅうしゅう事業じぎょうが止とまってしまうという懸念けねんを担当たんとう者しゃが抱だいていた」などと指摘してきしました。

そして「組織そしきとしての問題もんだい意識いしきが低ひくく、感度かんどが鈍にぶいということにほかならない。情報じょうほう共有きょうゆうや引き継ひきつぎもなされず組織そしき的てきな問題もんだいだ」と指摘してきしました。

また調査ちょうさチームはフィリピンで収集しゅうしゅうした遺骨いこつの一部いちぶについて専門せんもん家かから取り違とりちがえの疑うたがいを指摘してきされていたにもかかわらず、その後そのご、報告ほうこく書しょを公表こうひょうした際さいに「フィリピン人じんの遺骨いこつの混入こんにゅうは認みとめられない」などと、うその説明せつめいをしていた問題もんだいについても検証けんしょうを行おこないました。

この問題もんだいについて調査ちょうさチームは「専門せんもん家かからは絶対ぜったいに日本人にっぽんじんではないと断言だんげんされ『この結果けっかを公表こうひょうしてほしい』とまで言いわれていたのに、対応たいおうしなかったのは行政ぎょうせいの国民こくみんに対にたいする説明せつめい責任せきにんという観点かんてんからも問題もんだいがあった」と指摘してきしました。

厚あつ労相ろうしょう「遺骨いこつ収集しゅうしゅう事業じぎょうの在り方ありかた 体制たいせいを見直みなおす」

戦没せんぼつ者しゃの遺骨いこつ取り違とりちがえ問題もんだいについての調査ちょうさ報告ほうこく書しょが公表こうひょうされたことについて加藤かとう厚生こうせい労働ろうどう大臣だいじんは23日にちの記者きしゃ会見かいけんで「ＤＮＡでぃ-えぬえい鑑定かんていの精度せいどが上あがっていることを十分じゅうぶんに認識にんしきすることなく対応たいおうし、危機きき管理かんりができていないと厳きびしい評価ひょうかもらった。二度にどとこのようなことが起おこらないよう遺骨いこつ収集しゅうしゅう事業じぎょうの在り方ありかた、体制たいせいの見直みなおしをしっかり図はかっていきたい」と述のべました。

またフィリピンでの遺骨いこつ収集しゅうしゅう事業じぎょうでうその説明せつめいをしていた問題もんだいについては「当時とうじの対応たいおうははなはだ不適切ふてきせつだったと言いえる。当時とうじの大臣だいじんの答弁とうべんのミスリードにつながる大おおきな問題もんだいがあったと思おもっている」と述のべました。

ソース：NHK ニュース