政府せいふ 中東ちゅうとう地域ちいきに護衛ごえい艦かんと哨戒しょうかい機きを派遣はけん きょう閣議かくぎ決定けってい

中東ちゅうとう地域ちいきで日本にっぽんに関係かんけいする船舶せんぱくの安全あんぜん確保かくほに必要ひつような情報じょうほう収集しゅうしゅう態勢たいせいを強化きょうかするため、政府せいふは、日本にっぽん独自どくじの取り組とりくみとして、護衛ごえい艦かんと哨戒しょうかい機きを派遣はけんすることを27日にち、閣議かくぎ決定けっていします。安倍あべ総理そうり大臣だいじんは、来月らいげつ中旬ちゅうじゅんにもサウジアラビアなどの関係かんけい国こくへの訪問ほうもんを調整ちょうせいしていて、派遣はけんへの理解りかいを得えたい考かんがえです。

中東ちゅうとう地域ちいきでは、イランをめぐる核かく合意ごういから、アメリカが一方いっぽう的てきに離脱りだつして以降いこう、緊張きんちょうが高たかまっています。

政府せいふは、地域ちいきの緊張きんちょう緩和かんわと情勢じょうせいの安定あんてい化かに向むけ、外交がいこう努力どりょくを続つづけるとともに、日本にっぽんに関係かんけいする船舶せんぱくの安全あんぜんを確保かくほするのに必要ひつような情報じょうほう収集しゅうしゅう態勢たいせいを強化きょうかするため、日本にっぽん独自どくじの取り組とりくみとして、護衛ごえい艦かんと哨戒しょうかい機きを派遣はけんすることを27日にち、閣議かくぎ決定けっていします。

防衛ぼうえい省しょう設置せっち法ほうに規定きていされた「調査ちょうさ・研究けんきゅう」に基もとづいて行おこなうもので、護衛ごえい艦かん１いち隻せきを新あらたに派遣はけんするほか、アフリカ東部とうぶのジブチを拠点きょてんに海賊かいぞく対策たいさくにあたっているＰぴ-３さんＣし-哨戒しょうかい機きを活用かつようします。

活動かつどう範囲はんいは、オマーン湾わん、アラビア海かい北部ほくぶ、バベルマンデブ海峡かいきょう東側ひがしがわのアデン湾わんの沿岸えんがん国こくの排他はいた的てき経済けいざい水域すいいきを含ふくむ公海こうかいで、ホルムズ海峡かいきょうやペルシャ湾ぺるしゃわんは含ふくまれていません。

活動かつどう期間きかんは１いち年間ねんかんとし、延長えんちょうする際さいには国会こっかいへの報告ほうこくと、改あらためて閣議かくぎ決定けっていを行おこなうとしています。

不測ふそくの事態じたいが発生はっせいするなど状況じょうきょうが変化へんかした場合ばあいには、海上かいじょう警備けいび行動こうどうを発令はつれいして、対応たいおうにあたるとしていて、政府せいふは、準備じゅんびや訓練くんれんなどが終おわり次第しだい、部隊ぶたいを派遣はけんすることにしています。

今回こんかいの派遣はけんをめぐって、安倍あべ総理そうり大臣だいじんは、今月こんげつ20日にちに日本にっぽんを訪おとずれたイランのロウハニ大統領だいとうりょうに、直接ちょくせつ説明せつめいして、日本にっぽんの取り組とりくみへの理解りかいを求もとめたほか、その翌日よくじつにはアメリカのトランプ大統領だいとうりょうと電話でんわ会談かいだんを行おこない、会談かいだんの内容ないようを説明せつめいしました。

安倍あべ総理そうり大臣だいじんは、来月らいげつ中旬ちゅうじゅんにも、サウジアラビアなど関係かんけい国こくへの訪問ほうもんを調整ちょうせいしていて、こうした内容ないようを直接ちょくせつ伝つたえ、理解りかいを得えたい考かんがえです。

中東ちゅうとう派遣はけん これまでの流ながれ

アメリカとイランの対立たいりつで中東ちゅうとう地域ちいきの緊張きんちょうが高たかまるなか、ことし６月ろくがつ、中東ちゅうとうのホルムズ海峡かいきょう付近ふきんのオマーン湾わんで、タンカー２に隻せきが攻撃こうげきを受うけ、うち１いち隻せきは日本にっぽんの海運かいうん会社かいしゃが運航うんこうする船ふねでした。

緊張きんちょう緩和かんわに向むけた建設けんせつ的てきな対応たいおうを働はたらきかけるため、安倍あべ総理そうり大臣だいじんが、日本にっぽんの総理そうり大臣だいじんとして41年ねんぶりにイランを訪問ほうもんしているさなかの出来事できごとでした。

アメリカの無人むじん偵察ていさつ機きをイランが撃墜げきついするなど、緊張きんちょうがさらに高たかまるなか、アメリカのトランプ大統領だいとうりょうはツイッターで「すべての国々くにぐには、自国じこくの船ふねを自分じぶんで守まもるべきだ」などと投稿とうこうしました。

そしてアメリカは、ホルムズ海峡かいきょうの安全あんぜんを確保かくほするためとして、日本にっぽんを含ふくむ同盟どうめい国こくや友好国ゆうこうこくに有志ゆうし連合れんごうの構想こうそうを説明せつめいし、参加さんかを呼よびかけました。

こうした中なか、政府せいふは、同盟どうめい国こくのアメリカや、伝統でんとう的てきな友好国ゆうこうこくイランとの関係かんけいを踏ふまえて外交がいこう努力どりょくを続つづけるとともに、10月つき、ＮＳＣえぬえすし-＝国家こっか安全あんぜん保障ほしょう会議かいぎを開ひらき、アメリカが結成けっせいを目指めざしていた有志ゆうし連合れんごうには参加さんかせず、独自どくじの取り組とりくみで情報じょうほう収集しゅうしゅう態勢たいせいを強化きょうかするためとして、自衛隊じえいたいの中東ちゅうとう地域ちいきへの派遣はけんを検討けんとうする方針ほうしんを決きめました。

これを受うけて、政府せいふは、茂木もぎ外務がいむ大臣だいじんや河野こうの防衛ぼうえい大臣だいじんが、アメリカや中東ちゅうとう各国かっこくの閣僚かくりょうに対にたいし、派遣はけんの方針ほうしんについて説明せつめいを進すすめました。

一方いっぽう、国内こくないでは、今月こんげつに入はいってから、与党よとう側がわの党内とうない手続てつづきが始はじまり、公明党こうめいとうからは、派遣はけんに慎重しんちょうな立場たちばから、必要ひつよう性せいや派遣はけん期間きかんを明確めいかくにするよう求もとめる意見いけんが出だされました。

このため政府せいふは、派遣はけん期間きかんを１いち年ねんごとに更新こうしんし、活動かつどうの結果けっかを国会こっかいに報告ほうこくすることなどを盛り込もりこんだ案あんをまとめ、与党よとう側がわの了承りょうしょうを得えました。

今月こんげつ20日にちには、安倍あべ総理そうり大臣だいじんが、日本にっぽんを訪おとずれたイランのロウハニ大統領だいとうりょうと会談かいだん。粘り強ねばりづよく外交がいこう努力どりょくを続つづけるとした日本にっぽんの立場たちばを伝つたえるとともに、自衛隊じえいたい派遣はけんをめぐる具体ぐたい的てきな検討けんとう状況じょうきょうを説明せつめいし、ロウハニ大統領だいとうりょうは、「日本にっぽんが、みずからのイニシアチブにより、航行こうこうの安全あんぜん確保かくほに貢献こうけんする意図いとは理解りかいしている。透明とうめい性せいをもって説明せつめいしていることを評価ひょうかする」と応おうじました。

また、安倍あべ総理そうり大臣だいじんは、アメリカのトランプ大統領だいとうりょうと電話でんわで会談かいだんし、ロウハニ大統領だいとうりょうとの会談かいだん内容ないようを説明せつめい。中東ちゅうとう地域ちいきの緊張きんちょう緩和かんわと情勢じょうせいの安定あんてい化かに向むけて、アメリカと緊密きんみつに連携れんけいしつつ、引き続ひきつづき外交がいこう努力どりょくを続つづける考かんがえを伝つたえました。

自衛隊じえいたいの活動かつどう範囲はんいなど

政府せいふは、自衛隊じえいたいの活動かつどう範囲はんいについて、オマーン湾わん、アラビア海かい北部ほくぶ、バベルマンデブ海峡かいきょう東側ひがしがわのアデン湾わんで、沿岸えんがん国こくの排他はいた的てき経済けいざい水域すいいきを含ふくむ公海こうかいとしています。イランにより近ちかい、ホルムズ海峡かいきょうやペルシャ湾ぺるしゃわんは含ふくまれていません。

政府せいふは、日本にっぽんに関係かんけいする船舶せんぱくの航行こうこうが、年間ねんかんでホルムズ海峡かいきょうはおよそ3900隻せき、うちおよそ2600隻せきがタンカー、またバベルマンデブ海峡かいきょうは1800隻せきが通過つうかするとしています。

護衛ごえい艦かんが燃料ねんりょうの補給ほきゅうなどを行おこなう際さいは、活動かつどう範囲はんい内ないにある港みなとに寄港きこうして行おこなうとしていて、オマーンの南部なんぶにあり、アラビア海かいに面めんするサラーラ港こうという港みなとなどを活用かつようする方向ほうこうです。

一方いっぽう、哨戒しょうかい機きでの情報じょうほう収集しゅうしゅう活動かつどうは、現在げんざい、取り組とりくんでいる海賊かいぞく対策たいさくに支障ししょうを及およぼさない範囲はんいで行おこなうとしていて、海賊かいぞく対策たいさくの活動かつどう範囲はんいでもあるアデン湾わんを中心ちゅうしんとする方針ほうしんです。

「調査ちょうさ・研究けんきゅう」と「海上かいじょう警備けいび行動こうどう」の違ちがい

今回こんかいの派遣はけんについて、政府せいふは、中東ちゅうとう地域ちいきでの情報じょうほう収集しゅうしゅう態勢たいせいを強化きょうかするため、防衛ぼうえい省しょう設置せっち法ほうで定さだめられた「調査ちょうさ・研究けんきゅう」に基もとづいて行おこなうとしています。

「調査ちょうさ・研究けんきゅう」に基もとづく自衛隊じえいたいの活動かつどうは、防衛ぼうえい大臣だいじんの権限けんげんで行おこなうことができ、政府せいふは通常つうじょう、この規定きていを自衛隊じえいたいによる、日本にっぽん周辺しゅうへんでの警戒けいかいや監視かんし活動かつどうの根拠こんきょとしています。

今回こんかいの派遣はけんにあたっては、公明党こうめいとうを中心ちゅうしんに、派遣はけんの長期ちょうき化かを防ふせぐなど、「歯止はどめ」を求もとめる意見いけんが出でました。

このため政府せいふは、派遣はけんについて、本来ほんらいは必要ひつようのない閣議かくぎ決定けっていを行おこなうほか、派遣はけん期間きかんを１いち年ねんと区切くぎり、延長えんちょうする際さいには改あらためて閣議かくぎ決定けっていを行おこない、国会こっかいに活動かつどうの結果けっかを報告ほうこくをするといった、手続てつづきを盛り込もりこみました。

ただ、「調査ちょうさ・研究けんきゅう」に基もとづく活動かつどうは、あくまでも情報じょうほう収集しゅうしゅう活動かつどうが目的もくてきで、日本にっぽんに関係かんけいする船舶せんぱくであっても、この法的ほうてき根拠こんきょに基もとづいて護衛ごえいを行おこなうことは難むずかしいとしています。

政府せいふは、日本にっぽん船籍せんせきのタンカーが何者なにものかによって襲撃しゅうげきされるなど不測ふそくの事態じたいが生しょうじた場合ばあいは、「調査ちょうさ・研究けんきゅう」を「海上かいじょう警備けいび行動こうどう」に切り替きりかえて対応たいおうするとしています。

「海上かいじょう警備けいび行動こうどう」は、自衛隊じえいたい法ほうに基もとづいて、閣議かくぎ決定けっていにより、防衛ぼうえい大臣だいじんが、海上かいじょうで人命じんめいや財産ざいさんを守まもり治安ちあんを維持いじするために、自衛隊じえいたいに必要ひつような行動こうどうをとるよう命めいじるものです。

発令はつれいされれば、不審ふしん船せんなどを見みつけた場合ばあい、拡声かくせい器きを使つかった警告けいこくや針路しんろ妨害ぼうがいのほか、憲法けんぽうで禁きんじられる「武力ぶりょくの行使こうし」に至いたらない範囲はんいで、警告けいこく射撃しゃげきなど武器ぶきの使用しようも認みとめられます。

ただ、国際こくさい法ほう上じょう、船舶せんぱくの保護ほごは、船籍せんせきを登録とうろくしている国くにの政府せいふが行おこなう原則げんそくがあることなどから、防衛ぼうえい省しょうは、外国がいこく籍せきの船ふねの場合ばあい、日本人にっぽんじんが乗船じょうせんしていたり日本にっぽんの会社かいしゃが運航うんこうしていたりしても、武器ぶきを使用しようした実力じつりょく行使こうしは難むずかしいとしています。

日本にっぽん船主せんしゅ協会きょうかいによりますと、日本にっぽんの海運かいうん会社かいしゃが運航うんこうする船舶せんぱくのうち、船籍せんせきが日本にっぽんのものは、10.5％だということです。

「海上かいじょう警備けいび行動こうどう」の発令はつれいにあたって政府せいふは、意思いし決定けっていを迅速じんそくに行おこなうため、必要ひつように応おうじて電話でんわなどで閣議かくぎ決定けっていを行おこなうこともあり得えるとしています。

海上かいじょう警備けいび行動こうどうが初はじめて発令はつれいされたのは、平成へいせい11年ねんに、日本海にほんかいの能登のと半島はんとう沖おきで見みつかった北朝鮮きたちょうせんの工作こうさく船せんと見みられる不審ふしん船せんが領海りょうかい侵犯しんぱんした際さいで、これまでに合あわせて３さん回かい発令はつれいされています。

「調査ちょうさ・研究けんきゅう」に基もとづく長期ちょうきの海外かいがい派遣はけんは初はつ

自衛隊じえいたいが、防衛ぼうえい省しょう設置せっち法ほうの「調査ちょうさ・研究けんきゅう」に基もとづいて１いち年ねん単位たんいの長期ちょうき間かんにわたり海外かいがいに派遣はけんされるのは初はじめてのケースとなります。

防衛ぼうえい省しょう設置せっち法ほうの「調査ちょうさ・研究けんきゅう」は、自衛隊じえいたいの艦艇かんていや航空こうくう機きが日本にっぽん周辺しゅうへんの海域かいいきで行おこなっている警戒けいかい監視かんしや情報じょうほう収集しゅうしゅう活動かつどうの根拠こんきょとされていますが、過去かこに一いち時期じき、自衛隊じえいたいの部隊ぶたいが「調査ちょうさ・研究けんきゅう」に基もとづいて海外かいがい派遣はけんされたことがあります。

平成へいせい13年ねんのアメリカ同時どうじ多発たはつテロを受うけて海上かいじょう自衛隊じえいたいがインド洋いんどようで行おこなった給油きゅうゆ活動かつどうでは、当初とうしょ、「調査ちょうさ・研究けんきゅう」に基もとづいて艦艇かんていが派遣はけんされました。

このときは、本格ほんかく的てきな活動かつどうに先立さきだち、派遣はけん先さきの海域かいいきの気象きしょうや港湾こうわんの状況じょうきょうを調査ちょうさする一時いちじ的てきな措置そちと位置いちづけられ、およそ２に週間しゅうかん後ごには、新あらたに作つくられた「テロ対策たいさく特別とくべつ法ほう」に基もとづいて艦艇かんていが派遣はけんされました。

当時とうじ、一いち時期じきとはいえ、「調査ちょうさ・研究けんきゅう」に基もとづいて海外かいがい派遣はけんを行おこなうことには「法ほうの拡大かくだい解釈かいしゃくではないか」という指摘してきもありました。

今回こんかい、活動かつどう期間きかんは１いち年間ねんかんとされ、自衛隊じえいたいを「調査ちょうさ・研究けんきゅう」に基もとづいて長期ちょうき間かんにわたり海外かいがいに派遣はけんする初はじめてのケースとなります。

自衛隊じえいたい活動かつどう範囲はんい周辺しゅうへんの情勢じょうせい

中東ちゅうとうに派遣はけんされる自衛隊じえいたいの活動かつどう範囲はんいになるオマーン湾わん、アラビア海かい北部ほくぶ、アデン湾わんは、世界せかいのエネルギー供給きょうきゅうやアジアと中東ちゅうとう、ヨーロッパをつなぐ物流ぶつりゅう網もうにとって重要じゅうような海域かいいきになっています。

このうちオマーン湾わんは、ペルシャ湾ぺるしゃわんからホルムズ海峡かいきょうを抜ぬけてアラビア海かいに向むかう上うえで必かならず経由けいゆする海域かいいきで、湾岸わんがんの産油さんゆ国こくから原油げんゆを輸入ゆにゅうする各国かっこくにとって重要じゅうような海上かいじょう交通こうつう路ろとなっています。

今回こんかい自衛隊じえいたいが派遣はけんされる活動かつどう範囲はんいには含ふくまれませんが、オマーン湾わんと接せっするホルムズ海峡かいきょうは、世界せかいに供給きょうきゅうされる原油げんゆのおよそ２に割わりが通過つうかしています。

このうち原油げんゆの多おおくを湾岸わんがん諸国しょこくに依存いぞんする日本にっぽんは、輸入ゆにゅう量りょうの８はち割わり以上いじょうがホルムズ海峡かいきょうを通過つうかし生命せいめい線せんともいえる航路こうろとなっています。

この海域かいいきではことし６月ろくがつ、ホルムズ海峡かいきょうを抜ぬけてオマーン湾わんを航行こうこうしていた、日本にっぽんの海運かいうん会社かいしゃが運航うんこうするタンカーなど２に隻せきが何者なにものかに攻撃こうげきを受うける事件じけんが起おきています。

アメリカは、攻撃こうげきにはイランが関与かんよしていると主張しゅちょうしていますが、イランは否定ひていしており、真相しんそうは明あきらかになっていません。

さらに、同おなじ６月ろくがつにはアメリカの大型おおがたの無人むじん偵察ていさつ機きがイランに撃墜げきついされたほか、７月しちがつにはイギリス船籍せんせきのタンカーが国際こくさい的てきな航行こうこう規則きそくに従したがわなかったとして、イランに拿捕だほ（だほ）され緊張きんちょうが高たかまりました。

一方いっぽう、アラビア半島はんとうの南側みなみがわ、イエメンとソマリアの沖合おきあいにあるアデン湾わんは、アジアと中東ちゅうとう、ヨーロッパを結むすぶ、海上かいじょう交通こうつう路ろになっています。

アデン湾わんの東端ひがしばたには紅海こうかいにつながるバベルマンデブ海峡かいきょうがあります。

この海峡かいきょうは湾岸わんがん諸国しょこくからヨーロッパなどに向むかう原油げんゆタンカーの輸送ゆそうルートになっており世界せかいの原油げんゆ供給きょうきゅう量りょうの５ご％近ちかくが通過つうかします。

海峡かいきょうの北側きたがわの紅海こうかいでは、イランが支援しえんするイエメンの反はん政府せいふ勢力せいりょくが、敵対てきたいするサウジアラビアのタンカーを攻撃こうげきする事件じけんが起おきています。

一方いっぽう、紅海こうかいでは10月つき、イランのタンカーで爆発ばくはつが起おき、イランは国家こっかレベルの関与かんよがあった可能かのう性せいがあると主張しゅちょうしています。

米べい主導しゅどうの事実じじつ上じょうの新あらたな有志ゆうし連合れんごう 活動かつどう開始かいし

ホルムズ海峡かいきょうやオマーン湾わん、そしてバベルマンデブ海峡かいきょうでは、アメリカ主導しゅどうの事実じじつ上じょうの新あらたな有志ゆうし連合れんごうも先月せんげつから活動かつどうを始はじめています。

この有志ゆうし連合れんごうはことし７月しちがつ、アメリカがイランへの圧力あつりょくを強つよめることをねらって各国かっこくに結成けっせいを呼よびかけましたが、対話たいわによる緊張きんちょうの緩和かんわを目指めざすフランスやドイツが参加さんかを見合みあわせ、イランとの関係かんけいを重視じゅうしする日本にっぽん政府せいふも慎重しんちょうな姿勢しせいを示しめしました。

この結果けっか、参加さんかした国くにはアメリカと同盟どうめい国こくのイギリス、オーストラリアのほかイランと対立たいりつするサウジアラビアやＵＡＥゆ-えいい-＝アラブ首長しゅちょう国こく連邦れんぽう、それにバーレーン、アルバニアの７ななか国かこくとなっています。

アメリカは各国かっこくの懸念けねんも踏ふまえ、現在げんざいでは当初とうしょの有志ゆうし連合れんごうという呼よび方かたを控ひかえ「国際こくさい的てきな海洋かいよう安全あんぜん保障ほしょうを構築こうちくする活動かつどう」としていて、近ちかくカタールとクウェートも参加さんかする見通みとおしだとしています。

この活動かつどうでは司令しれい部ぶをアメリカ第だい５ご艦隊かんたいの拠点きょてんがあるバーレーンに置おき、参加さんか国こくは艦艇かんていなどを派遣はけんして、警戒けいかい・監視かんし活動かつどうにあたっています。

活動かつどう海域かいいきはペルシャ湾ぺるしゃわんからホルムズ海峡かいきょう、そしてオマーン湾わんに至いたる海域かいいきとアラビア半島はんとうの西側にしがわの紅海こうかい、そしてバベルマンデブ海峡かいきょうで、アメリカとしては周辺しゅうへんで活動かつどうするイランとイランが支援しえんするイエメンの反はん政府せいふ勢力せいりょく「フーシ派は」を念頭ねんとうに置おいているとみられています。

これらの海域かいいきは自衛隊じえいたいの活動かつどうを予定よていしている海域かいいきとも一部いちぶ、重かさなっていて、中東ちゅうとう地域ちいきを管轄かんかつするアメリカ中央ちゅうおう軍ぐんのマッケンジー司令しれい官かんは先月せんげつ、バーレーンで開ひらかれた国際こくさい会議かいぎでＮＨＫえぬえいちけいの取材しゅざいに「日本にっぽんもおおむね同おなじ活動かつどうをすると見みている。同盟どうめい国こくとして多おおくの情報じょうほうを共有きょうゆうできるだろう」と述のべて、自衛隊じえいたいとの連携れんけいに期待きたいを示しめしています。

ソース：NHK ニュース