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ベンチャー企業の小型ロケット 打ち上げ延期 北海道 大樹町
2019-12-29 07:17:43

北海道大樹町で29日、打ち上げられる予定だったベンチャー企業のロケットは、配管から窒素が漏れるトラブルが確認されたとして打ち上げが延期されました。会社は31日以降の打ち上げを目指すということです。
大樹町の宇宙ベンチャー企業「インターステラテクノロジズ」は、新たな小型ロケット「MOMO5号機」を29日朝、町内の発射場から打ち上げることを目指し、燃料を注入するなど作業を進めていました。
しかし、打ち上げ前に配管から窒素が漏れるトラブルが確認されたとして、29日の打ち上げは延期されました。
会社によりますと、30日は上空で強風が予想されるため最短で31日の打ち上げを目指すということです。
「MOMO5号機」は全長10メートル、直径50センチの小型ロケットで、インターステラテクノロジズが将来、打ち上げを目指している大型ロケットの開発に向けたデータ収集などにあたることになっています。
また、5号機は気象条件が厳しい冬に打ち上げる初めての機体で、バッテリーにヒーターを取り付けて温度低下を防ぐ対策などがとられていて、ことし5月に打ち上げられた3号機に続いて再び宇宙空間に到達できるか注目されています。
しかし、打ち上げ前に配管から窒素が漏れるトラブルが確認されたとして、29日の打ち上げは延期されました。
会社によりますと、30日は上空で強風が予想されるため最短で31日の打ち上げを目指すということです。
「MOMO5号機」は全長10メートル、直径50センチの小型ロケットで、インターステラテクノロジズが将来、打ち上げを目指している大型ロケットの開発に向けたデータ収集などにあたることになっています。
また、5号機は気象条件が厳しい冬に打ち上げる初めての機体で、バッテリーにヒーターを取り付けて温度低下を防ぐ対策などがとられていて、ことし5月に打ち上げられた3号機に続いて再び宇宙空間に到達できるか注目されています。
社長「トラブルは寒さ 影響か」
打ち上げの延期についてインターステラテクノロジズの稲川貴大社長は報道陣の取材に応じ「天候はコンディションがよかったので問題はなかったが、機体のバルブの開け閉めに使う窒素が配管から漏れ出していることがわかった。機体を発射台から一度組み立て所に戻して点検する必要が出てきたため、きょう中の打ち上げには間に合わないと判断した」と話しました。
そのうえで、トラブルの原因については「きょうは気温がマイナス15度近くまで冷え込んでいたので寒さの影響でトラブルが起きたのかもしれない。どういうことが起きたのか調べるとともに打ち上げ判断の基準も改めて考えていきたい」と話していました。
そのうえで、トラブルの原因については「きょうは気温がマイナス15度近くまで冷え込んでいたので寒さの影響でトラブルが起きたのかもしれない。どういうことが起きたのか調べるとともに打ち上げ判断の基準も改めて考えていきたい」と話していました。
パブリックビューイングの会場では…
パブリックビューイングが行われる予定だった大樹町の中心部にある生涯学習センターでは打ち上げ延期を知った人たちから落胆の声が上がりました。
幕別町から来た小学6年生の男の子は「きょうはいい天気だったので打ち上がって欲しかった。でも確実に打ち上がってほしいので、きょうの判断は1つの手段だと思う」と話していました。
北見市から訪れた小学2年生の男の子は「打ち上がって欲しかった。次のパブリックビューイングも見に行きたい」と話していました。
幕別町から来た小学6年生の男の子は「きょうはいい天気だったので打ち上がって欲しかった。でも確実に打ち上がってほしいので、きょうの判断は1つの手段だと思う」と話していました。
北見市から訪れた小学2年生の男の子は「打ち上がって欲しかった。次のパブリックビューイングも見に行きたい」と話していました。
小型ロケット「MOMO5号機」 大型機開発への実験に
「MOMO5号機」は大樹町のベンチャー企業インターステラテクノロジズが単独で開発・製造した小型のロケットです。
全長10メートル、直径50センチでことし7月に打ち上げた4号機と同じ大きさで、4号機は宇宙空間に到達できなかったことから電子部品の一部などを改良しています。
燃料はエタノールで、発射からおよそ4分後に高度100キロの宇宙空間に達します。その後、機体は落下し、海に着水する設計です。
この「MOMO5号機」の打ち上げでは大型ロケットの開発につなげる実証実験が行われる予定です。
インターステラテクノロジズは2022年以降に超小型人工衛星を軌道に投入することができる大型のロケット「ZERO」の打ち上げを計画していて「MOMO5号機」には位置や速度のデータを測定する新たなセンサーを積み「ZERO」の開発につなげたいとしています。
また、今回の打ち上げにかかる費用の一部はインターネットの「クラウドファンディング」で賄われていて、522人から目標の900万円を超える1000万円余りが集まりました。
人気漫画「宇宙兄弟」の作者、小山宙哉さんの協力を得て機体には宇宙兄弟のキャラクターを描いた特別なステッカーも貼られています。
全長10メートル、直径50センチでことし7月に打ち上げた4号機と同じ大きさで、4号機は宇宙空間に到達できなかったことから電子部品の一部などを改良しています。
燃料はエタノールで、発射からおよそ4分後に高度100キロの宇宙空間に達します。その後、機体は落下し、海に着水する設計です。
この「MOMO5号機」の打ち上げでは大型ロケットの開発につなげる実証実験が行われる予定です。
インターステラテクノロジズは2022年以降に超小型人工衛星を軌道に投入することができる大型のロケット「ZERO」の打ち上げを計画していて「MOMO5号機」には位置や速度のデータを測定する新たなセンサーを積み「ZERO」の開発につなげたいとしています。
また、今回の打ち上げにかかる費用の一部はインターネットの「クラウドファンディング」で賄われていて、522人から目標の900万円を超える1000万円余りが集まりました。
人気漫画「宇宙兄弟」の作者、小山宙哉さんの協力を得て機体には宇宙兄弟のキャラクターを描いた特別なステッカーも貼られています。
気象条件が厳しい冬 あえて打ち上げるねらいは
「MOMO5号機」打ち上げの最大の課題は冬の北海道の厳しい気象条件です。
大樹町の29日朝の最低気温はマイナス15.8度でこの時期は日中の最高気温が0度を下回る真冬日になることも少なくありません。
インターステラテクノロジズのロケットは4号機まではすべて春から夏の時期に打ち上げられていて、冬の打ち上げは今回の5号機が初めてです。
会社によりますと、マイナスの気温ではロケットのバッテリーへの負荷が大きいことや機体に使われている油が固まるおそれがあるなど冬の時期ならではのトラブルが起きるおそれがあるということです。
このため、ロケットのバッテリーにはヒーターを取り付けて温度低下を防ぐ対策をとっているほか、搭載する電子部品も事前に冷凍庫に入れて正常に作動するか確認を行っているということです。
また、今月に入ると打ち上げ当日と同じ作業を同じ時間帯に行うリハーサルを2回行って寒さが機体に及ぼす影響を確認するなど準備を進めてきました。
インターステラテクノロジズが条件の厳しい冬にあえてロケットを打ち上げるのは今後、打ち上げの頻度を高めていくねらいがあるためです。
稲川貴大社長は先月の記者会見で、来年は1年間で5機前後のロケットを打ち上げたいという考えを明らかにしています。
将来的には商業打ち上げの実現も目指していて、そのためにも年間を通じて打ち上げを実施できる体制の構築が不可欠としています。
会社は今回、打ち上げを成功させることで気象条件が厳しい冬の打ち上げに必要な技術力を備えていることを実証し、大樹町の発射場での打ち上げ可能な期間を広げたいという狙いがあります。
早いサイクルでの打ち上げを実現させることでロケットの量産化へも弾みをつけたい考えです。
稲川社長は「今回、冬の時期にもきちんと打ち上がることを実証できれば使えるロケットだと国内外にアピールできると思う」と話していました。
大樹町の29日朝の最低気温はマイナス15.8度でこの時期は日中の最高気温が0度を下回る真冬日になることも少なくありません。
インターステラテクノロジズのロケットは4号機まではすべて春から夏の時期に打ち上げられていて、冬の打ち上げは今回の5号機が初めてです。
会社によりますと、マイナスの気温ではロケットのバッテリーへの負荷が大きいことや機体に使われている油が固まるおそれがあるなど冬の時期ならではのトラブルが起きるおそれがあるということです。
このため、ロケットのバッテリーにはヒーターを取り付けて温度低下を防ぐ対策をとっているほか、搭載する電子部品も事前に冷凍庫に入れて正常に作動するか確認を行っているということです。
また、今月に入ると打ち上げ当日と同じ作業を同じ時間帯に行うリハーサルを2回行って寒さが機体に及ぼす影響を確認するなど準備を進めてきました。
インターステラテクノロジズが条件の厳しい冬にあえてロケットを打ち上げるのは今後、打ち上げの頻度を高めていくねらいがあるためです。
稲川貴大社長は先月の記者会見で、来年は1年間で5機前後のロケットを打ち上げたいという考えを明らかにしています。
将来的には商業打ち上げの実現も目指していて、そのためにも年間を通じて打ち上げを実施できる体制の構築が不可欠としています。
会社は今回、打ち上げを成功させることで気象条件が厳しい冬の打ち上げに必要な技術力を備えていることを実証し、大樹町の発射場での打ち上げ可能な期間を広げたいという狙いがあります。
早いサイクルでの打ち上げを実現させることでロケットの量産化へも弾みをつけたい考えです。
稲川社長は「今回、冬の時期にもきちんと打ち上がることを実証できれば使えるロケットだと国内外にアピールできると思う」と話していました。
ソース:NHK ニュース