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給与きゅうよ所得しょとく控除こうじょ見直みなおしへ 年収ねんしゅう850まんえんちょう会社かいしゃいん負担ふたんぞう

2019-12-30 06:01:24

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来月らいげついちにちから、所得しょとくぜい計算けいさんするさいの「給与きゅうよ所得しょとく控除こうじょなど金額きんがく見直みなおされます。年収ねんしゅう850まんえんえる会社かいしゃいんは、子育こそだ世帯せたいなどのぞいてぜい負担ふたんおもくなる一方いっぽう、フリーランスなどの自営業じえいぎょうしゃ減税げんぜいとなります。
今回こんかい所得しょとくぜい控除こうじょ見直みなおしは、昨年度さくねんど税制ぜいせい改正かいせいもとづくもので、会社かいしゃいん公務員こうむいん給料きゅうりょうから一定いっていがく必要ひつよう経費けいひなして差し引さしひ給与きゅうよ所得しょとく控除こうじょ」の金額きんがく一律いちりつ10まんえん引き下ひきさげます。

そのうえで、年収ねんしゅうが850まんえんえるひと控除こうじょがく上限じょうげんを、23さい未満みまんどもがいるひと重度じゅうど障害しょうがいあるひと生計せいけいをともにしているひとのぞいて、195まんえん引き下ひきさげ、ぜい負担ふたんおもくします。

また高齢こうれいしゃ年金ねんきん収入しゅうにゅうから差し引さしひ公的こうてき年金ねんきんとう控除こうじょ」も「給与きゅうよ所得しょとく控除こうじょ」とおなように一律いちりつ10まんえん引き下ひきさげたうえで、年金ねんきん収入しゅうにゅうが1000まんえんえるひと控除こうじょがくに、195まん5000えん上限じょうげんもうけるほか年金ねんきん以外いがい所得しょとくが1000まんえんえるひと控除こうじょがくをさらに引き下ひきさげます。

一方いっぽう企業きぎょうから仕事しごと請け負うけおって会社かいしゃいんおなような仕事しごとをするフリーランスなど自営業じえいぎょうしゃをはじめ、すべての納税のうぜいしゃ対象たいしょうなる基礎きそ控除こうじょ」の金額きんがくを10まんえん引き上ひきあげて48まんえんとし、多様たようするはたらかたちがによって格差かくさしょうじないようにします。この見直みなおしは、来月らいげついちにちから適用てきようされることになっています。

みっつの控除こうじょ見直みなおしが同時どうじ

今回こんかい改正かいせいでは、「給与きゅうよ所得しょとく控除こうじょ」、「公的こうてき年金ねんきんとう控除こうじょ」、「基礎きそ控除こうじょ」のみっつの控除こうじょ見直みなおしが同時どうじ実施じっしされます。

控除こうじょ」は、所得しょとくぜい計算けいさんするさいぜい負担ふたんかるくする仕組しくで、控除こうじょえればおさめる税金ぜいきんり、控除こうじょればぎゃく税金ぜいきんえることになります。

今回こんかい改正かいせいでは、会社かいしゃいん給料きゅうりょう年金ねんきん収入しゅうにゅうといった特定とくてい収入しゅうにゅう適用てきようされる「給与きゅうよ所得しょとく控除こうじょ」や「公的こうてき年金ねんきんとう控除こうじょ」を縮小しゅくしょうする一方いっぽうで、すべての納税のうぜいしゃ対象たいしょうなる基礎きそ控除こうじょ」を引き上ひきあげます。

これによって、企業きぎょうから仕事しごと請け負うけおって会社かいしゃいんおなような仕事しごとをするフリーランスなど自営業じえいぎょうしゃ子育こそだてをしながら在宅ざいたく仕事しごと請け負うけおひとなど、多様たようはたらかたささえるねらいがあります。

給与きゅうよ所得しょとく控除こうじょでは

給与きゅうよ所得しょとく控除こうじょ」は、会社かいしゃいん公務員こうむいんなど給与きゅうよ所得しょとくているひとたちの所得しょとくぜい計算けいさんするさい給料きゅうりょう一定いっていがく必要ひつよう経費けいひになっているとなして収入しゅうにゅうから差し引さしひ仕組しくで、フリーランスの自営業じえいぎょうしゃなどは「給与きゅうよ所得しょとく控除こうじょ」の対象たいしょうにはなりません。

今回こんかい改正かいせいでは、はたらかたによって控除こうじょないよう、「給与きゅうよ所得しょとく控除こうじょ」の金額きんがく一律いちりつ10まんえん引き下ひきさげ、そのかわりにすべての納税のうぜいしゃ対象たいしょうなる基礎きそ控除こうじょ」を38まんえんから10まんえん引き上ひきあげて48まんえんにします。

そのうえで、「給与きゅうよ所得しょとく控除こうじょ」の金額きんがく実際じっさいにかかっている経費けいひよりもたか水準すいじゅんあるとして、控除こうじょ上限じょうげんがく引き下ひきさげます。

これまでは、年収ねんしゅうが1000まんえんえるひと控除こうじょがく220まんえん上限じょうげんもうけられていましたが、今回こんかい改正かいせい一律いちりつ引き下ひきさぶん、10まんえんふくめて、控除こうじょがくを25まんえん引き下ひきさげ、年収ねんしゅうが850まんえんえるひとに195まんえん上限じょうげん適用てきようされるかたち見直みなおします。

この結果けっか、たとえば、年収ねんしゅう900まんえんひとはこれまでよりもとしいちまん5000えん程度ていど、950まんえんではとしさんまんえん程度ていど、1000まんえんではとしよんまん5000えん程度ていどぜい負担ふたんえることになります。

ただこの上限じょうげんがく引き下ひきさげは、23さい未満みまんどもがいるひと重度じゅうど障害しょうがいあるひと生計せいけいをともにしているひとには適用てきようしないようにします。

財務省ざいむしょうによりますと、負担ふたんえることになるのは、給与きゅうよ所得しょとくしゃのうち、およそ230まんにんりつにしてよん程度ていどだということです。

公的こうてき年金ねんきんとう控除こうじょでは

高齢こうれいしゃ年金ねんきん収入しゅうにゅうから差し引さしひ公的こうてき年金ねんきんとう控除こうじょ」も見直みなおします。「給与きゅうよ所得しょとく控除こうじょ」とおなように一律いちりつ10まんえん引き下ひきさげ、そのかわり、「基礎きそ控除こうじょ」を38まんえんから10まんえん引き上ひきあげて48まんえんにします。

給与きゅうよ」をもらい「年金ねんきん収入しゅうにゅう」もあるひとは、控除こうじょ減額げんがくじゅうにならないようにします。そのうえで、年金ねんきん収入しゅうにゅうが1000まんえんえるひと控除こうじょがくに195まん5000えん上限じょうげんもうけます。

さらに会社かいしゃ役員やくいん報酬ほうしゅうなど年金ねんきん以外いがい所得しょとくが1000まんえんえる場合ばあいは10まんえん、2000まんえんえると20まんえん、それぞれ控除こうじょがくらします。これにより、年金ねんきん収入しゅうにゅうが1000まんえんえるひと年金ねんきん以外いがい所得しょとくが1000まんえんえるひとぜい負担ふたんえることになります。

財務省ざいむしょうによりますと、年金ねんきん収入しゅうにゅうが1000まんえんえるひとは3000にん程度ていど年金ねんきん以外いがい所得しょとくが1000まんえんえるひと年金ねんきん受給じゅきゅうしゃのうちおよそ20まんにん程度ていどで、ぜい負担ふたんえることになるのは、年金ねんきん受給じゅきゅうしゃおよそ4000まんにんのうち0.5%程度ていどだということです。

基礎きそ控除こうじょでは

すべての納税のうぜいしゃ対象たいしょうの「基礎きそ控除こうじょ」は、いまより10まんえん引き上ひきあげて48まんえんにしますが、所得しょとくたかひと負担ふたんまで軽減けいげんする必要ひつようせいとぼしいとして、こう所得しょとくしゃについては、所得しょとくが2400まんえんえる控除こうじょがくはじめ、2500まんえんえるとゼロなるように段階だんかいてき控除こうじょらします。

具体ぐたいてきには、所得しょとくが2400まんえんえて2450まんえんまでのひと控除こうじょは32まんえんに、2450まんえんえて2500まんまでのひとは16まんえんに、そして、2500まんえんえたひとはゼロになります。

このようにみっつの控除こうじょ同時どうじ見直みなおことによって、特定とくてい収入しゅうにゅうにだけ適用てきようされる控除こうじょ在り方ありかた見直みなおし、所得しょとくたか会社かいしゃいん高齢こうれいしゃ原則げんそくぜい負担ふたんおもくする一方いっぽう、フリーランスの自営業じえいぎょうしゃなど減税げんぜいにして、多様たようするはたらかたちがによって格差かくさしょうじないようにします。

財務省ざいむしょうは、今回こんかい改正かいせいによって、最終さいしゅうてきには、くに地方ちほうわせて860おくえんあま税収ぜいしゅうえるとしています。

専門せんもんはたらかた多様たよう対応たいおう

今回こんかい所得しょとくぜい控除こうじょ見直みなおしについて、ニッセイ基礎研究所にっせいきそけんきゅうしょ矢嶋やじま康次やすじチーフエコノミストは「日本にっぽんでいま必要ひつようなのは、はたらかた多様たようどう社会しゃかい対応たいおうするかということであり、今回こんかい見直みなおしははたらかた公平こうへい中立ちゅうりつ方向ほうこううごいているというてん評価ひょうかできる家族かぞく在りありかたはたらかた多様たようすすなかで、それでも税制ぜいせいいついていないのが現状げんじょうで、今後こんごはさらに抜本ばっぽんてき議論ぎろん必要ひつよう時期じきがきているとおも」と指摘してきしました。

そのうえで、「税制ぜいせい非常ひじょう強力きょうりょく政策せいさくで、かならメリットがあるひととそうでないひとてくるため、自分じぶん生活せいかつ所得しょとくかかわる税制ぜいせいどうなるか、つね関心かんしんことが重要じゅうようだ」とはなしています。
ソース:NHK ニュース