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井上いのうえやすしが1969ねんのノーベル文学ぶんがくしょう候補こうほ川端かわばた康成やすなり受賞じゅしょう翌年よくねん

2020-01-02 15:20:34

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シルクロードを題材だいざいにした歴史れきし小説しょうせつなどおおのこしたことでられる小説しょうせつ井上いのうえやすしが、川端かわばた康成やすなり受賞じゅしょうしたよくねんにあたる1969ねんのノーベル文学ぶんがくしょう選考せんこうはじめて候補こうほとなっていたことがあきらかになりました。
ノーベル文学ぶんがくしょう選考せんこう資料しりょうは、スウェーデン・アカデミーが50ねんたったあと情報じょうほう公開こうかい請求せいきゅうおうじて開示かいじし、川端かわばた康成やすなり日本人にっぽんじんとしてはじめて受賞じゅしょうした翌年よくねんにあたる1969ねん選考せんこう議事ぎじろくが、にちはじめて公開こうかいされました。

それによりますと、このとし候補こうほしゃは103にんのぼり、このなか小説しょうせつ井上いのうえやすし名前なまえがあり、このとしはじめて候補こうほとなっていたことがかりました。

井上いのうえはドイツの文学ぶんがく研究けんきゅうしゃ推薦すいせんけていましたが、議事ぎじろくには「ことし、またあら日本にっぽんしょうあたえることはかんがえられないため、この候補こうほしゃについては調査ちょうさおこなわない」とだけしるされ、川端かわばた翌年よくねん日本人にっぽんじん作家さっかへの授賞じゅしょうふたた議論ぎろんする状況じょうきょうではなかったことがうかがえます。

井上いのうえやすしはシルクロードを題材だいざいにした歴史れきし小説しょうせつなどおおのこしたことでられ、国内こくないではこのときまでに、『あすなろ物語ものがたり』や『氷壁ひょうへき』、『敦煌とんこう』などの代表だいひょうさく発表はっぴょうしていました。

このとし議事ぎじろくっていた日本人にっぽんじん井上いのうえだけで、1963ねんと67ねん最終さいしゅう候補こうほのこなどたか評価ひょうかけてきた三島みしま由紀夫ゆきお名前なまえはありませんでした。このとしのノーベル文学ぶんがくしょうはアイルランド出身しゅっしんげき作家さっか、サミュエル・ベケットが受賞じゅしょうしています。

専門せんもん候補こうほのうわさ裏付うらづけされた」

ノーベル文学ぶんがくしょう選考せんこう歴史れきし調しらべている日本にっぽん大学だいがく大学院だいがくいん秋草あきくさ俊一郎しゅんいちろうじゅん教授きょうじゅは「井上いのうえやすしは1980年代ねんだい初頭しょとう国内こくない新聞しんぶん報道ほうどうで“ノーベルしょう候補こうほ”として取り沙汰とりざたされたことがあったが、今回こんかい資料しりょうで、実際じっさい候補こうほしゃであったことがはじめて裏付うらづけされた。井上いのうえ作品さくひんは1950年代ねんだい後半こうはんから英訳えいやくはじめ、60年代ねんだいにかけてはイタリアやドイツなどヨーロッパの言語げんごへも翻訳ほんやくえていた。その後そのご、80年代ねんだいには世界せかい文学ぶんがくしゃ組織そしきする国際こくさいペンクラブのふく会長かいちょうつとめていて、アカデミーの井上いのうえへの評価ひょうかが、このあとどのようにわっていったのかも興味深きょうみぶかい」とはなしています。
ソース:NHK ニュース