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「障害あっても一生懸命生きている」遺族たちから被告へ
2020-01-07 21:07:38

犠牲となった19人の遺族は、この3年半の間に手記などで被告に対する怒りや悲しみ、裁判への思いをつづってきました。
犠牲となった41歳の男性の家族は、事件から2年余りがすぎたころにNHKに寄せた手記の中で「たとえ犯人の刑が決まり裁判が終わっても、私たち遺族にとって、それは事件の終わりではありません。それでも1日も早く裁判が始まって欲しいと願うのは、犯人がどうしてこういう事件をおこしたのか、息子が死ななければならなかったのか知りたいからです。そして犯人に聞きたいからです。もしあなたの家族、親、兄弟、子どもが障害者となったら、同じような行動がとれるのか、自身も含めていつ障害者の立場になるかわからないのに」とつづっていました。
65歳の女性の弟は、事件から1年をすぎたころに寄せた手記の中で「子どもの頃、障害のせいでいじめられていた姉が、このような形で命を奪われることになり、本当にかわいそうでなりません。被告人のことは絶対に許すことはできません」と記していました。
55歳の男性の家族は、事件の1年後に寄せた手記で「被告は『生きている価値がない人間』だと言ったが、それは違います。周囲を笑わせたり、大切なことを教えたりできる人間でした。被告には被害者の声をよく聞いて考え方を改めて欲しいです」と記していました。
また、26歳の女性の母親は、事件から2年となるのを前に寄せた手記で「つらい思いは増すばかりで、かけがえのない命を奪われてしまいどれだけたくさんの人たちが悲しみに打ちひしがれていることか、被告には自分のしたことを認識し、罪をつぐなってもらいたい。もう私の娘は二度と戻ってこないから」と記していました。
そして、事件から3年となった去年7月には「たとえ重度の障害があっても一生懸命生きている。その存在を決して無理やり奪うことは絶対に許されない。娘のためにも早く裁判が始まって欲しいと思っています」と手記につづっていました。

65歳の女性の弟は、事件から1年をすぎたころに寄せた手記の中で「子どもの頃、障害のせいでいじめられていた姉が、このような形で命を奪われることになり、本当にかわいそうでなりません。被告人のことは絶対に許すことはできません」と記していました。
55歳の男性の家族は、事件の1年後に寄せた手記で「被告は『生きている価値がない人間』だと言ったが、それは違います。周囲を笑わせたり、大切なことを教えたりできる人間でした。被告には被害者の声をよく聞いて考え方を改めて欲しいです」と記していました。
また、26歳の女性の母親は、事件から2年となるのを前に寄せた手記で「つらい思いは増すばかりで、かけがえのない命を奪われてしまいどれだけたくさんの人たちが悲しみに打ちひしがれていることか、被告には自分のしたことを認識し、罪をつぐなってもらいたい。もう私の娘は二度と戻ってこないから」と記していました。
そして、事件から3年となった去年7月には「たとえ重度の障害があっても一生懸命生きている。その存在を決して無理やり奪うことは絶対に許されない。娘のためにも早く裁判が始まって欲しいと思っています」と手記につづっていました。
入所者は何を望むか「意思決定支援」の取り組み
現場となった相模原市にある知的障害者施設「津久井やまゆり園」では、事件当時、157人の入所者が暮らしていました。現在は再建に向けた施設の解体に伴い、多くの人が横浜市港南区にある仮住まいの施設に身を寄せています。
事件のあと、神奈川県は入所者一人ひとりがどのような暮らしを望んでいるかを探る「意思決定支援」という、大規模な施設では全国でも例のない取り組みを進めています。自分の気持ちや意思をことばでうまく表せない人もいますが、外出の機会やグループホームでの体験などを通じてその意思をくみ取ろうとしています。
ただ「意思決定支援」の対象となる122人のうち、専門家を交えた担当者会議で今後暮らしていく場所について方向性が決まった人は、まだ数人程度にとどまるということです。
事件のあと、神奈川県は入所者一人ひとりがどのような暮らしを望んでいるかを探る「意思決定支援」という、大規模な施設では全国でも例のない取り組みを進めています。自分の気持ちや意思をことばでうまく表せない人もいますが、外出の機会やグループホームでの体験などを通じてその意思をくみ取ろうとしています。
ただ「意思決定支援」の対象となる122人のうち、専門家を交えた担当者会議で今後暮らしていく場所について方向性が決まった人は、まだ数人程度にとどまるということです。
施設再建に向け 追悼モニュメントも

現場となった県立の知的障害者施設「津久井やまゆり園」の事件当時の建物は再建に向けて解体され、現在はさら地になっています。
神奈川県は再建にあたり元の場所と、現在、入所者の多くが仮住まいをしている横浜市の施設の近くの2か所にそれぞれ定員66人の新しい施設を整備する計画です。
県は当初、元の施設と同じ大規模施設をつくる予定でしたが、障害者団体などから地域に根ざした小規模な施設を求める声があがったことから「ユニット」と呼ばれる小さな居住スペースに分けられた施設に変更しました。
地域の人たちとの日常的な関わりを増やすため、日中は誰でも訪れることができる「交流ゾーン」も設けられる計画で、県は令和3年度(2021年度)には2つの施設の運営を始めたいとしています。
また、相模原市の同じ場所で建て替えられる施設には、犠牲となった19人を追悼するモニュメントが設けられる予定ですが、犠牲者の名前が刻まれるどうかは決まっていません。
神奈川県は再建にあたり元の場所と、現在、入所者の多くが仮住まいをしている横浜市の施設の近くの2か所にそれぞれ定員66人の新しい施設を整備する計画です。
県は当初、元の施設と同じ大規模施設をつくる予定でしたが、障害者団体などから地域に根ざした小規模な施設を求める声があがったことから「ユニット」と呼ばれる小さな居住スペースに分けられた施設に変更しました。
地域の人たちとの日常的な関わりを増やすため、日中は誰でも訪れることができる「交流ゾーン」も設けられる計画で、県は令和3年度(2021年度)には2つの施設の運営を始めたいとしています。
また、相模原市の同じ場所で建て替えられる施設には、犠牲となった19人を追悼するモニュメントが設けられる予定ですが、犠牲者の名前が刻まれるどうかは決まっていません。
ソース:NHK ニュース