警察けいさつから返却へんきゃくの遺品いひんに孫まごたちの “息遣いきづかい” 世田谷せたがや一家いっか殺害さつがい事件じけん

東京とうきょう 世田谷せたがや区くの住宅じゅうたくで一家いっか４よん人にんが殺害さつがいされた事件じけんは、ことしで20年ねんとなり、警視庁けいしちょうが住宅じゅうたくの取り壊とりこわしを遺族いぞくに打診だしんする中なか、これまで保管ほかんしてきた遺品いひんも返却へんきゃくされ始はじめています。その中なかには亡なくなった女の子おんなのこが夢ゆめを描えがいたイラストなどもあり、遺族いぞくは４よん人にんの生いきた証あかしが残のこる住宅じゅうたくを取り壊とりこわす判断はんだんはできないとしています。

平成へいせい12年ねんのおおみそか、東京とうきょう 世田谷せたがや区くの住宅じゅうたくで会社かいしゃ員いんの宮沢みやざわみきおさん（当時とうじ44）、妻つまの泰子やすこさん（当時とうじ41）、長女ちょうじょで小学しょうがく２に年生ねんせいだったにいなちゃん（当時とうじ８はち）、長男ちょうなんの礼れいくん（当時とうじ６ろく）の一家いっか４よん人にんが殺害さつがいされているのが見みつかりました。

ことしの年末ねんまつで事件じけんから20年ねんとなります。
警視庁けいしちょうは住宅じゅうたく内ないの状況じょうきょうを証拠しょうことして保全ほぜんする作業さぎょうは終おわり、老朽ろうきゅう化かも進すすんでいるとして遺族いぞくに取り壊とりこわしを打診だしんしていますが、これまで保管ほかんしていた遺品いひんも返却へんきゃくされ始はじめています。

みきおさんの母はは、宮沢みやざわ節子せつこさん（88）のもとには孫まごのにいなちゃんと礼あやくんの遺品いひんが返却へんきゃくされてきました。

礼あやくんの誕生たんじょう日びをお祝おいわいする成長せいちょうの記録きろくには「おたんじょうびおめでとう」という手書てがきのことばとともに、４よん歳さいのときの礼れいくんの手形てがたが残のこされていました。

にいなちゃんが幼稚園ようちえんに通かよっていたときのカバンも返かえってきました。

「ことりぐみ」「みやざわにいな」と書かかれた名札なふだが付つけられていました。

カバンの中なかには、にいなちゃんが幼稚園ようちえんで着きていた服ふくが大切たいせつに畳たたまれて入いれられていました。

さらに、にいなちゃんの書かきかけのノートには将来しょうらいの夢ゆめがつづられていました。

バレリーナのイラストとともに「こんなの着きたいな」ということばが記しるされ、自分じぶんでデザインした衣装いしょうで踊おどる夢ゆめが込こめられていました。

宮沢みやざわ節子せつこさんは「これまでなかなか４よん人にんの息遣いきづかいを感かんじるものに触ふれることができませんでしたが、やっと見みることができ、今いまは何なにでも知しりたいと思おもえます。住宅じゅうたくがなくなると事件じけんが風化ふうかするのではないか不安ふあんなので、取り壊とりこわしを判断はんだんすることはできません」と苦くるしい胸むねのうちを語かたっていました。

ソース：NHK ニュース