日銀にちぎん議事ぎじ録ろく公開こうかい 政府せいふのデフレ判断はんだんへの対応たいおうに苦慮くりょ 2009年ねん

日銀にちぎんは、2009年ねんの政権せいけん交代こうたいがあった当時とうじの金融きんゆう政策せいさく決定けってい会合かいごうの議事ぎじ録ろくを公開こうかいしました。当時とうじ、政府せいふが日本にっぽん経済けいざいはデフレに陥おちいっていると判断はんだんしたことに対にたいして日銀にちぎん内ないでは、デフレという表現ひょうげんを使つかうと個人こじんや企業きぎょうの心理しんりをかえって悪化あっかさせてしまうという懸念けねんが相次あいつぎ、対応たいおうに苦慮くりょした様子ようすがうかがえます。

今回こんかい公開こうかいされたのは2009年ねん７月しちがつから12月つきまでの議事ぎじ録ろくで、政権せいけん交代こうたいで旧きゅう民主みんしゅ党とうを中心ちゅうしんとした鳩山はとやま政権せいけんが誕生たんじょうした時期じきです。

前まえの年としの「リーマンショック」で落ち込おちこんだ景気けいきは回復かいふく傾向けいこうにありましたが、物価ぶっかの下落げらくが続つづき、その年としの11月つき、政府せいふは日本にっぽん経済けいざいはデフレに陥おちいっていると判断はんだんしました。

しかし、同おなじ日ひに開ひらかれた日銀にちぎんの会合かいごうでは「デフレだ、デフレだと繰り返くりかえせば、国民こくみんは、デフレだと感かんじてしまうものだ」とか、「ことばがひとり歩ひとりあるきしてしまう」という発言はつげんが出席しゅっせき者しゃから相次あいつぎ、デフレという表現ひょうげんを使つかえば個人こじんや企業きぎょうの心理しんりを悪化あっかさせかねないと、対応たいおうに苦慮くりょした様子ようすがうかがえます。

白川しらかわ方ほう明あきら総裁そうさいも「日銀にちぎんが以前いぜんから示しめしている判断はんだんと異ことなっていない」と述のべ、「デフレ」の表現ひょうげんを使つかうことには消極しょうきょく的てきな姿勢しせいを示しめしました。

結局けっきょく、白川しらかわ総裁そうさいは、その後そのご、ゆるやかなデフレに陥おちいっているという認識にんしきを示しめし、翌よく、12月つきには臨時りんじの会合かいごうを開ひらいて、さらなる金融きんゆう緩和かんわに踏み切ふみきりました。

日銀にちぎんは、その時ときから10年ねん以上いじょうたったいまも大だい規模きぼな金融きんゆう緩和かんわを続つづけていますが、２に％の物価ぶっか上昇じょうしょうの目標もくひょうには届とどいていません。

ソース：NHK ニュース