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新型しんがたコロナウイルス 感染かんせんしたら症状しょうじょうその治療ちりょう

2020-01-29 07:23:08

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WHOだぶりゅ-えいちお-世界せかい保健ほけん機関きかんなどによりますと、今回こんかい新型しんがたコロナウイルスに感染かんせんし、発症はっしょうしたさいおも症状しょうじょうは、
発熱はつねつ
▽せき、
息苦いきぐるしさなど呼吸こきゅう症状しょうじょう
それに、筋肉きんにくつうけん怠けんたいかんなどが報告ほうこくされているということです。
重症じゅうしょうした場合ばあい
肺炎はいえん呼吸こきゅう困難こんなん引き起ひきおこしたり、
腎臓じんぞう機能きのう低下ていかしたりすることがあるということです。

WHOだぶりゅ-えいちお- やく20%で重症じゅうしょう

症状しょうじょうおもさについてWHOだぶりゅ-えいちお-ほとんどひとかる症状しょうじょうですが、およそ20%で重症じゅうしょうするとみられるとしています。

一方いっぽうで、中国ちゅうごく保健ほけん当局とうきょくによりますと、あまり発熱はつねつせず、ほぼ平熱へいねつだった患者かんじゃもいたということです。

潜伏せんぷく期間きかん 最短さいたんいちにち 最長さいちょう14にち

また感染かんせんしてから症状しょうじょうまでの潜伏せんぷく期間きかんについて、中国ちゅうごく保健ほけん当局とうきょく比較的ひかくてき症状しょうじょうかる患者かんじゃではおよそ10にち前後ぜんごで、もっとみじかいちにち最長さいちょうで14にちだとしています。

死亡しぼうした患者かんじゃ 免疫めんえき低下ていかさせる持病じびょうひとおお

患者かんじゃ年齢ねんれいについては、WHOだぶりゅ-えいちお-によりますと、これまでのところおも成人せいじんだということですが、ちいさなどもから高齢こうれいしゃまで幅広はばひろ世代せだい患者かんじゃ報告ほうこくされているということです。

WHOだぶりゅ-えいちお-などによりますと死亡しぼうした患者かんじゃこう血圧けつあつ糖尿とうにょうびょうそれ心臓しんぞう血管けっかん病気びょうきといった免疫めんえき低下ていかさせるような持病じびょうがあったひとおおかったということです。

致死ちしりつ %~さん程度ていど推移すいい

発症はっしょうした患者かんじゃうち死亡しぼうしたひと割合わりあいしめ致死ちしりつについては、1月いちがつ29にち現在げんざい%からさん程度ていど推移すいいしています。

症状しょうじょう致死ちしりつなどデータ今後こんご、さらに患者かんじゃかずえるわる可能かのうせいがあります。このため正確せいかく致死ちしりつやどれぐらい重症じゅうしょうしやすいかなどまだよくわかっていません。

ワクチンや特効薬とっこうやくなく対症たいしょう療法りょうほう

今回こんかい新型しんがたコロナウイルスは、ひとたびたび感染かんせんひろがっていたこれまでの「コロナウイルス」とはちがため、すでに感染かんせんしたひと以外いがいだれもこのウイルスに対にたいする免疫めんえきっていないとかんがえられています。

新型しんがたコロナウイルスに対にたいしては、インフルエンザのようにワクチンや特効薬とっこうやくはありません。このため発症はっしょうした場合ばあい症状しょうじょうおうじた治療ちりょういわゆる対症たいしょう療法りょうほうおこなわれます。

たとえば呼吸こきゅう困難こんなんには酸素さんそ吸入きゅうにゅうおこなったりおも場合ばあい人工じんこう呼吸こきゅうけたりするほか脱水だっすいなど点滴てんてきおこなったり、細菌さいきん感染かんせんして肺炎はいえん悪化あっかするのをふせため、抗生こうせい物質ぶっしつ投与とうよしたりと、症状しょうじょうわせてさまざまな治療ちりょう組み合くみあわせて対処たいしょします。

国立こくりつ感染かんせんしょう研究所けんきゅうじょによりますと、こうした治療ちりょうおこなっているに、患者かんじゃ自身じしん免疫めんえき獲得かくとくし、ウイルスが排出はいしゅつされるのをということです。

医師いしかい医療いりょう機関きかんまえにまず電話でんわを」

日本にっぽん医師いしかい松原まつばらふく会長かいちょう記者きしゃ会見かいけんで、今回こんかい新型しんがたコロナウイルスについて「当初とうしょ中国ちゅうごく発表はっぴょうではSARSよりもかるということだったが、いまはかなり危険きけんなものである認識にんしきしている」とべました。

そのうえで「感染かんせん可能かのうせいがあるほう医療いりょう機関きかんまえにまず電話でんわをしていただき、どこ施設しせつ対応たいおうできるのか確認かくにんをしてもらいたい」とべ、病院びょういんでの感染かんせんふせため、まず最寄もよりの保健所ほけんじょ医療いりょう機関きかん電話でんわ相談そうだんしたうえで、専門せんもん医療いりょう機関きかん受診じゅしんするようびかけました。

確定かくてい診断しんだん 遺伝子いでんしレベルでの検査けんさ

新型しんがたのコロナウイルスの確定かくてい診断しんだんには遺伝子いでんしレベルでの検査けんさおこなわれます。

国立こくりつ感染かんせんしょう研究所けんきゅうじょ作成さくせいしたマニュアルでは、検査けんさおこなさいには、のどやはなおくにある粘膜ねんまく分泌ぶんぴつぶつのほか、たんや血液けつえき尿にょうなど、さまざまな検体けんたい使つかわれます。

国立こくりつ感染かんせんしょう研究所けんきゅうじょ各地かくち地方ちほう衛生えいせい研究所けんきゅうじょでは、おくられてきた検体けんたいふくまれる遺伝子いでんしをPCRとばれる方法ほうほうなど増幅ぞうふくさせて調しらべます。

この方法ほうほう使つかと、コロナウイルスの遺伝子いでんし断片だんぺんふくまれていれば検出けんしゅつすることができ、ウイルスの感染かんせんがあったかどうかを確定かくていすることができます。

このほか検体けんたいふくまれるウイルスの遺伝子いでんし直接ちょくせつ解析かいせきする装置そうち使つかって診断しんだんすることもできるということです。

厚生こうせい労働ろうどうしょうなどによりますと、検査けんさ結果けっかまでには、「リアルタイムPCR」とばれる検査けんさでは、よん時間じかんからはち時間じかんほど、また、ウイルスの遺伝子いでんし詳細しょうさい解析かいせきする装置そうち使つかった場合ばあいには、いちにちからさんにち程度ていどかかるということです。

ひとからひとへの感染かんせん 世界せかいでは

中国ちゅうごく感染かんせん拡大かくだいする新型しんがたのコロナウイルスについて、これまでに中国ちゅうごく以外いがいよっつのくに地域ちいきで、ひとからひとへの感染かんせんきたとみられています。

このうちベトナムのケースでは、湖北こほくしょう武漢ぶかんからおとずれた60だい男性だんせい感染かんせん確認かくにんされたのにくわえて、この男性だんせいの20だい息子むすこでこのすうか月かげつかん武漢ぶかん訪問ほうもんしていなかった20だい息子むすこにも感染かんせん確認かくにんされ、WHOだぶりゅ-えいちお-今月こんげつ24にち父親ちちおやから息子むすこへの感染かんせんきたとみられると発表はっぴょうしています。

台湾たいわんでは、武漢ぶかん滞在たいざいしたあと台湾たいわんもどってコロナウイルスへの感染かんせん確認かくにんされた女性じょせいの50だいおっと感染かんせん確認かくにんされ、保健ほけん当局とうきょくは28にち家庭かていない感染かんせんきた可能かのうせいがあるという見方みかたしめしました。

ドイツでは南部なんぶバイエルンしゅう自動車じどうしゃ部品ぶひんメーカーはたら33さいのドイツじん男性だんせい感染かんせん確認かくにんされましたが、この男性だんせいいち週間しゅうかんまえ参加さんかした講習こうしゅうかい中国人ちゅうごくじん講師こうしは、その後そのご、ウイルスの感染かんせん確認かくにんされたということで保健ほけん当局とうきょく講習こうしゅうかいひとからひとへの感染かんせんきた可能かのうせいがあるという見方みかたしめしています。

さらに、この男性だんせいおなメーカーではたらいていたさんにんあら感染かんせん確認かくにんされたということで、社員しゃいんについても感染かんせんしていないか検査けんさおこなことにしています。

このほか日本にっぽんでは奈良ならけんみ、武漢ぶかんへの渡航とこうれきい60だい日本人にっぽんじん男性だんせいがウイルスに感染かんせんしていることが確認かくにんされています。

ワクチン 治療ちりょうやく開発かいはつ

今回こんかいのワクチンや治療ちりょうやく開発かいはつはじめられています。

オーストラリアのメルボルンにあるピーター・ドハーティー感染かんせん免疫めんえき研究所けんきゅうじょは29にち患者かんじゃサンプルからウイルスを分離ぶんりし、培養ばいようすることに成功せいこうしたと発表はっぴょうしました。

研究所けんきゅうじょによりますと、中国ちゅうごく以外いがい新型しんがたのコロナウイルスを培養ばいようできたのははじめてだということで、ウイルスはWHOだぶりゅ-えいちお-世界せかい保健ほけん機関きかんを通をつうじて各国かっこく研究所けんきゅうじょにも提供ていきょうされ、潜伏せんぷく期間きかんちゅうでも感染かんせん有無うむ調しらべられる検査けんさほうやワクチンの開発かいはつなど役立やくだてられるということです。

キャットンふく所長しょちょうは「今回こんかい培養ばいようによって停滞ていたいしていたものごとが前進ぜんしんする」とべ、新型しんがたのコロナウイルスに対応たいおうするための研究けんきゅうが、今後こんご加速かそくしていくことになる意義いぎ強調きょうちょうしました。

またアメリカ国立こくりつアレルギー・感染かんせんしょう研究所けんきゅうじょのアンソニー・ファウチ所長しょちょうは、アメリカメディア取材しゅざいに対にたいして「さんか月かげつ以内いないにワクチンの効果こうか安全あんぜんせいたしかめるための臨床りんしょう試験しけんはじめる」とはなしています。

WHOだぶりゅ-えいちお-は、おなコロナウイルスの一種いっしゅで、おも肺炎はいえん引き起ひきおこす「MERS」の対策たいさくとして開発かいはつちゅうのワクチンなどが、新型しんがたのコロナウイルスにも効果こうかがないかさぐっていくとしています。

さらに、治療ちりょうやく開発かいはつについて、エイズの発症はっしょうふせために使つかわれている種類しゅるいくすりが、おなコロナウイルスのSARSの治療ちりょう効果こうかがあったという報告ほうこくあるということで、中国ちゅうごく北京ぺきん保健ほけん当局とうきょくは、複数ふくすう病院びょういん肺炎はいえん患者かんじゃ状態じょうたいおうじて、これらくすり投与とうよするかんがしめしているということです。
ソース:NHK ニュース