“コインハイブ”「プログラムはウイルス」２に審しんは有罪ゆうざい判決はんけつ

サイトを閲覧えつらんした人ひとのパソコンを無断むだんで利用りようしていわゆる仮想かそう通貨つうか＝暗号あんごう資産しさんを獲得かくとくするプログラムを使つかったウェブデザイナーが、コンピューターウイルスを保管ほかんした罪つみに問とわれた裁判さいばんで、２に審しんの東京とうきょう高等こうとう裁判所さいばんしょはプログラムはウイルスにあたるとして、１いち審しんの無罪むざい判決はんけつを取り消とりけし、罰金ばっきん10万まん円えんの有罪ゆうざい判決はんけつを言い渡いいわたしました。

都内とないに住すむ32歳さいの男おとこのウェブデザイナーは、サイトを閲覧えつらんした人ひとのパソコンを無断むだんで利用りようして暗号あんごう資産しさんを獲得かくとくするプログラム、「コインハイブ」を自分じぶんのサイトに設置せっちしたとして、コンピューターウイルスを保管ほかんした罪つみに問とわれ、１いち審しんの横浜よこはま地方ちほう裁判所さいばんしょではプログラムはウイルスではないとして無罪むざいを言い渡いいわたされていました。

７なな日にちの２に審しんの判決はんけつで、東京とうきょう高等こうとう裁判所さいばんしょの栃木とちぎ力りょく裁判さいばん長ちょうは「プログラムはサイトを見みた人ひとに無断むだんでパソコンの機能きのうを提供ていきょうさせて利益りえきを得えようとするもので、社会しゃかい的てきに許ゆるされる点てんは見当みあたらない。プログラムによってサイトを見みた人ひとのパソコンで電力でんりょくが消費しょうひされるといった不ふ利益りえきが認みとめられる」と指摘してきしました。

そのうえで、「コンピューターウイルスとは使用しよう者しゃのパソコンを破壊はかいしたり、情報じょうほうを盗ぬすんだりするプログラムに限定げんていされない。今回こんかいのプログラムはウイルスに当あたる」と判断はんだんし、１いち審しんの無罪むざい判決はんけつを取り消とりけして、罰金ばっきん10万まん円えんを言い渡いいわたしました。

立命館大学りつめいかんだいがく 上原うえはら哲太郎てつたろう教授きょうじゅ「判決はんけつはバランス欠かく」

警察けいさつや行政ぎょうせいで情報じょうほうセキュリティーのアドバイザーを務つとめている立命館大学りつめいかんだいがくの上原うえはら哲太郎てつたろう教授きょうじゅは今回こんかいの判決はんけつについて「マイニングが社会しゃかいに許容きょようされるかどうかはまだ、議論ぎろんが分わかれている段階だんかいだ。インターネットのサービスでは閲覧えつらんした人ひとに利益りえきをもたらさないプログラムはほかにもたくさんある。今回こんかいのケースはマイニングが珍めずらしいから取り締とりしまられたように感かんじ、バランスを欠かいていると感かんじる。こうした判断はんだんが続つづくと、インターネットの分野ぶんやでイノベーションが起おこせなくなってしまうおそれがある。データの破壊はかいなど明あきらかな実害じつがいがない場合ばあいは警察けいさつがすぐに不正ふせいと決きめつけるのではなく、社会しゃかいの議論ぎろんを待まつべきだ」とコメントしています。

ソース：NHK ニュース