「君きみたちはどう生いきるか」「ゴジラ-1.0」アカデミー賞しょうを受賞じゅしょう

アメリカ映画えいが界かいで最高さいこうの栄誉えいよとされるアカデミー賞しょうが発表はっぴょうされ、宮崎みやざき駿しゅん監督かんとくの「君きみたちはどう生いきるか」が長編ちょうへんアニメーション賞しょうを受賞じゅしょうしました。
また、山崎やまざき貴たか監督かんとくの「ゴジラ-1.0」が日本にっぽん映画えいがとして初はじめて視覚しかく効果こうか賞しょうを受賞じゅしょうし、日本にっぽんの2つの作品さくひんが同時どうじに受賞じゅしょうを果はたしました。

第だい96回かいとなるアカデミー賞しょうの授賞じゅしょう式しきは10日にち、ロサンゼルスのハリウッドで行おこなわれました。

今回こんかいは日本にっぽんから3つの作品さくひんが各かく部門ぶもんにノミネートされ、このうち長編ちょうへんアニメーション賞しょうには、宮崎みやざき駿しゅん監督かんとくの「君きみたちはどう生いきるか」が選えらばれました。

日本にっぽんの作品さくひんが長編ちょうへんアニメーション賞しょうを受賞じゅしょうしたのは2003年ねんに、同おなじく宮崎みやざき監督かんとくの「千せんと千尋ちひろの神隠かみがくし」が受賞じゅしょうして以来いらいで、宮崎みやざき監督かんとくがこの賞しょうを受賞じゅしょうするのは、2度目どめです。

また視覚しかく効果こうか賞しょうには、実写じっしゃのゴジラ映画えいがとしては30作品さくひん目めとなる山崎やまざき貴たか監督かんとくの「ゴジラ-1.0」が選えらばれました。

日本にっぽんの映画えいがが視覚しかく効果こうか賞しょうを受賞じゅしょうしたのは初はじめてです。

国際こくさい長編ちょうへん映画えいが賞しょうにはホロコーストをテーマにしたイギリスの作品さくひん「関心かんしん領域りょういき」が選えらばれ、ヴィム・ヴェンダース監督かんとくが手てがけ、役所やくしょ広司こうじさんが主演しゅえんした「PERFECT DAYS」は受賞じゅしょうとなりませんでした。

最多さいたの13部門ぶもんの候補こうほとなり注目ちゅうもくされた、原爆げんばくの開発かいはつを指揮しきした学者がくしゃを題材だいざいにした「オッペンハイマー」は作品さくひん賞しょうや監督かんとく賞しょうなど7部門ぶもんを受賞じゅしょうしました。

専門せんもん家か「日本にっぽんが積み重つみかさねてきた作品さくひん 世界せかいで高たかく評価ひょうか」

アメリカのアカデミー賞しょうで日本にっぽんから「ゴジラ-1.0」と「君きみたちはどう生いきるか」が受賞じゅしょうしたことについて、アニメや映画えいがのビジネスに詳くわしい数かず土ど直志ただしさんは「日本にっぽんが戦後せんご、何なん十じゅう年ねんも積み重つみかさねてきたキャラクターや作品さくひんが今いま、世界せかいで高たかく評価ひょうかされていて、ここ数すう年ねん、日本にっぽんのアニメや映画えいがが海外かいがいに進出しんしゅつしていく中なかでの受賞じゅしょうだった」と分析ぶんせきしています。

「ゴジラ-1.0」が視覚しかく効果こうか賞しょうを受賞じゅしょうしたことについては「アカデミー賞しょうで、ビジュアルエフェクツ＝VFXを何なんで評価ひょうかすべきかという点てんで皆みなが一いち石せきを投とうじたかったのではないか。どれだけお金おかねをかけたかではなく、限かぎられた予算よさんでも技術ぎじゅつ力りょくやイマジネーションを評価ひょうかすることが、本来ほんらいのあり方ありかただという見方みかたがあったと思おもう」としたうえで「今回こんかい、東宝とうほうがアメリカでの公開こうかいに力ちからを入いれていて、興業こうぎょうとしても成功せいこうしていた。映像えいぞうはもちろん、ドラマとしてもよい作品さくひんだったし、ゴジラが長年ながねん、愛あいされてきたという点てんで優位ゆういだった」としています。

また、「君きみたちはどう生いきるか」が長編ちょうへんアニメーション賞しょうを受賞じゅしょうしたことについては「宮崎みやざき駿しゅん監督かんとくを尊敬そんけいする人ひとが世界中せかいじゅうにいて、功労賞こうろうしょう的てきなところも大おおきかったと思おもう」としたうえで「CGアニメーションの広ひろがりで手描てがきアニメの技術ぎじゅつが途絶とだえていくなか、揺ゆり戻もどしのようなことが起おきていて、今回こんかい、他たの作品さくひんでも手描てがき風ふうのCGアニメや2Dアニメがノミネートされていた。その中なかでスタジオジブリがすばらしい手描てがきアニメをいまだに作つくり続つづけていることに驚おどろきがあったのではないか。ストーリーもファンタジー作品さくひんとしてはオーソドックスで、海外かいがいでも受け入うけいれられやすかった」と話はなしていました。

また、特撮とくさつやアニメといった日本にっぽんのコンテンツを代表だいひょうする2作品さくひんが受賞じゅしょうしたことについて「最近さいきんでは大だいヒットしたアニメ映画えいがの『スーパーマリオ』や実写じっしゃドラマ化かした『ワンピース』のように、日本にっぽんのコンテンツがますますグローバル化かしている。海外かいがいの人ひとたちが日本にっぽんのコンテンツを使つかって映画えいがを作つくり受賞じゅしょうすることも今後こんご、起おきてくるのではないか」と話はなしていました。

街まち声ごえ 「日本にっぽんの映画えいがが2つも賞しょうを取とったのはすごい」

アメリカのアカデミー賞しょうで長編ちょうへんアニメーション賞しょうに「君きみたちはどう生いきるか」、視覚しかく効果こうか賞しょうに「ゴジラ-1.0」と日本にっぽんの2作品さくひんが受賞じゅしょうしたことについて、都内とないでも喜よろこびの声こえが聞きかれました。

このうち、20代だいの女性じょせいは「『君きみたちはどう生いきるか』は映画えいが館かんで見みたので賞しょうを取とったと聞きいてうれしいです。ストーリーは難むずかしかったのですが、その分ぶん、考かんがえさせられる内容ないようだと感かんじました。『千せんと千尋ちひろの神隠かみがくし』が大好だいすきで、これまでのスタジオジブリの作品さくひんの要素ようそが詰つまっていると感かんじたので受賞じゅしょうしたのは納得なっとくできます」と話はなしていました。

また、50代だいの男性だんせいは「ゴジラの映画えいがはこれまでシリーズの作品さくひんすべて見みていて今回こんかいも映画えいが館かんで見みました。ストーリーもよかったし何なにより映像えいぞうの迫力はくりょくがすごかったです。予算よさんも多おおくなかったと聞きいているので、アカデミー賞しょうを取とったことはすごいなと思おもいます」と話はなしていました。

そして、40代だいの男性だんせいは「日本にっぽんの映画えいがが2つも賞しょうを取とったのはすごいなと思おもいます。ゴジラの映画えいがを見みるのは初はじめてでしたが、楽たのしめました。『君きみたちはどう生いきるか』も賞しょうを取とったということなので見みてみたいと思おもいます」と話はなしていました。

林はやし官房かんぼう長官ちょうかん「関係かんけい者しゃの皆様みなさまに深ふかく敬意けいい」

林はやし官房かんぼう長官ちょうかんは午前ごぜんの記者きしゃ会見かいけんで「快挙かいきょであり、関係かんけい者しゃの皆様みなさまに深ふかく敬意けいいを表ひょうするとともに心こころからお祝おいわいを申し上もうしあげたい。日本にっぽん映画えいがが国際こくさい的てきに高たかく評価ひょうかされたことは大変たいへん喜よろこばしいことであり、受賞じゅしょうをきっかけに、より一層いっそう、日本にっぽん映画えいがへの注目ちゅうもくが増まし、わが国わがくに文化ぶんかへの関心かんしんが高たかまることを期待きたいする」と述のべました。

ソース：NHK ニュース