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愛子あいこさま きょう大学だいがく卒業そつぎょうしき卒業そつぎょうにあたり文書ぶんしょ 全文ぜんぶん掲載けいさい

2024-03-20 00:32:29

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天皇てんのう皇后こうごうりょう陛下へいか長女ちょうじょ愛子あいこさまは、20にち学習がくしゅういん大学だいがく卒業そつぎょうしき出席しゅっせきされます。

愛子あいこさまは、学習がくしゅういん大学だいがく卒業そつぎょうするにあたって宮内みやうち記者きしゃかい質問しつもん文書ぶんしょ回答かいとうせられました。

このなか愛子あいこさまは、「4年間ねんかん大学だいがく生活せいかつ振り返ふりかえってみますと、中学ちゅうがく高校こうこうの3年間ねんかんそれ以上いじょうあっという間あっというまだったようにかんじられる一方いっぽうで、いちにちいちにち非常ひじょうく、まなおお日々ひびであったことをかんじます」と振り返ふりかえられました。

さらに、コロナその後そのご転換てんかん経験けいけんし、以前いぜん当たり前あたりまえだったことがいかにとうとものか実感じっかんする学生がくせい生活せいかつでもあったとしたうえで、「高校こうこうまでの友人ゆうじんたちとのうれしい再会さいかいとともに、大学だいがく入学にゅうがくあら友人ゆうじんたちとの交流こうりゅうはじまり、学年がくねんわくえ、友人ゆうじんたちと一緒いっしょ授業じゅぎょうけたり、じかはなしをしてわらったり、学内がくない様々さまざま場所ばしょおとずれたりしたことは、わたしにとってわすれることのできない一生いっしょう思い出おもいでとなりました」とつづられました。

また将来しょうらいてき海外かいがい留学りゅうがく大学院だいがくいん進学しんがく希望きぼうについての質問しつもんに対にたい、「将来しょうらい勉学べんがくについては、現在げんざいのところ具体ぐたいてきにはかんがえておりませんが、来月らいげつより日本にっぽん赤十字せきじゅうじしゃ嘱託しょくたく職員しょくいんとして勤務きんむさせていただくことになりましたので、皇族こうぞくとしてのつとたしながら、社会しゃかいじんとしての自覚じかく責任せきにんって、すこでも社会しゃかいのおやくてるよう、公務こうむ仕事しごと両立りょうりつつとめていきたいとおもっております」とこたえられました。


宮内みやうち記者きしゃかいからの質問しつもん愛子あいこさまの回答かいとう全文ぜんぶん

学習がくしゅういん大学だいがく卒業そつぎょうに際にさいして宮内くない記者きしゃかいからの質問しつもん愛子あいこさまの回答かいとう全文ぜんぶんです。


宮内みやうち記者きしゃかいからの質問しつもん

大学だいがく卒業そつぎょうむかえられる現在げんざい心境しんきょういかがでしょうか。

4年間ねんかん大学だいがく生活せいかつ振り返ふりかえり、とく印象いんしょうのこった出来事できごとやご友人ゆうじんとの思い出おもいで卒業そつぎょう論文ろんぶん内容ないよう執筆しっぴつ苦労くろうされたてんなどをご紹介しょうかいください。

将来しょうらいてき海外かいがい留学りゅうがくや、大学院だいがくいん進学しんがく希望きぼうちでしょうか。


愛子あいこさま 回答かいとう全文ぜんぶん

回答かいとう先立さきだちまして、今年ことし1つき1にち発生はっせいした能登のと半島はんとう地震じしんおおほうくなり、また被災ひさいされ、いまも9せんにんえるほう避難ひなん余儀よぎなくされていることにむねいたみます。

くなられた方々かたがたふか哀悼あいとうあらわし、遺族いぞく被災ひさいされた方々かたがたこころより見舞みま申し上もうしあげます。

さむさもきびしいなか被災ひさいされた皆様みなさま苦労くろうはいかばかりかとおもいます。

大変たいへんなこともおおおもいますが、今後こんごいちにちはや平穏へいおん日常にちじょうもどり、復旧ふっきゅう復興ふっこうすすんでいくことをせつねがっています。

このたび学習がくしゅういん大学だいがく文学部ぶんがくぶ日本語にほんご日本にっぽん文学ぶんがく卒業そつぎょうするにたり、まず、お世話おせわになりました先生せんせいかた職員しょくいん皆様みなさまはじめ、大学だいがく関係かんけいしゃ方々かたがた日頃ひごろからあたたかくせっしてくれた友人ゆうじんそして大学だいがく生活せいかつそばささえ、見守みまもってくださった天皇てんのう皇后こうごうりょう陛下へいかに、こころから感謝かんしゃお伝おつたしたいとおもいます。

4年間ねんかん大学だいがく生活せいかつ振り返ふりかえってみますと、中学ちゅうがく高校こうこうの3年間ねんかんそれ以上いじょうあっという間あっというまだったようにかんじられる一方いっぽうで、いちにちいちにち非常ひじょうく、まなおお日々ひびであったことをかんじます。

思い返おもいかえせば、新型しんがたコロナウイルス感染かんせんしょうつる(まん)のべどう時期じきはじまった大学だいがく生活せいかつでした。

経験けいけんしたことのないオンライン授業じゅぎょう、インターネットじょうでの課題かだい授受じゅじゅなど最初さいしょ操作そうさからず、不慣ふなつき恐る恐おそるおそ画面がめんひらき、授業じゅぎょう受講じゅこうしていたことをなつかしく思い出おもいだします。

先生せんせいかた学校がっこう関係かんけいしゃ方々かたがたにとっても、はじめてこころ苦労くろうされることもおおく、試行しこう錯誤さくご毎日まいにちであったこととおもいますが、皆様みなさま尽力じんりょくによって、自宅じたく授業じゅぎょうけられる環境かんきょうととのえていただいたことは、とても有り難ありがたことでした。

感染かんせんしょう流行りゅうこう徐々じょじょ落ち着おちついてきたなかで、4年生ねんせいからは大学だいがくキャンパスあしはこべるようになりました。

キャンパスでの学生がくせい生活せいかつでは、先生せんせいほか学生がくせいさんたちと、教室きょうしつおな空間くうかんおな時間じかん共有きょうゆうしながら授業じゅぎょうけることや、授業じゅぎょうされた課題かだい取り組とりくべく、やす時間じかん図書館としょかん研究けんきゅうしつ調しらぶつこと、そしてまた友人ゆうじんたちと対面たいめん交流こうりゅうすることができるようになりました。

その転換てんかん経験けいけんし、以前いぜん当たり前あたりまえであったこれらのことがいかにとうといものであるのか、実感じっかんすることとなった学生がくせい生活せいかつでもありました。

高校こうこうまでの友人ゆうじんたちとのうれしい再会さいかいとともに、大学だいがく入学にゅうがくあら友人ゆうじんたちとの交流こうりゅうはじまり、学年がくねんわくえ、友人ゆうじんたちと一緒いっしょ授業じゅぎょうけたり、じかはなしをしてわらったり、学内がくない様々さまざま場所ばしょおとずれたりしたことは、わたしにとってわすれることのできない一生いっしょう思い出おもいでとなりました。

また中世ちゅうせい和歌わか授業じゅぎょう履修りしゅうするなかで、和歌わかうつくしさや解釈かいしゃく多様たようさに感銘かんめいけたことから、大学だいがくにおける学業がくぎょう集大成しゅうたいせいとして書き上かきあげた卒業そつぎょう論文ろんぶんでは、中世ちゅうせい代表だいひょうする女流じょりゅう歌人かじんいちにんであった式子しょくし(しょくし)内親王ないしんのうその和歌わかあつかい、「式子しょくし内親王ないしんのうとその和歌わか研究けんきゅう」というだい執筆しっぴついたしました。

調しらべる資料しりょう範囲はんい膨大ぼうだいで、ひとのことを調しらべていると、つぎからつぎへと調しらべなければならない事柄ことがらてきてなかなかわらず、とく締切しめきりがちかづいた昨年さくねんまつは、とおくなるような毎日まいにちごしておりました。

また作成さくせいする文章ぶんしょうりょうが、授業じゅぎょうされる普段ふだんレポートくらべてかにおおかったため、(ちゅう)をける作業さぎょうなど論文ろんぶんとしての体裁ていさいととのえることにも時間じかんようしましたが、指導しどう教授きょうじゅ先生せんせいからのアドバイスと心強こころづよはげましの言葉ことば研究けんきゅうしつ皆様みなさまあたたかいサポートをいただき、無事ぶじ提出ていしゅつできたときには、ほっとした気持きも同時どうじおおきな達成たっせいかんがありました。

指導しどういただいた先生せんせいかたはじめ、関係かんけいしていただいた皆様みなさまふか感謝かんしゃしております。

将来しょうらい勉学べんがくについては、現在げんざいのところ具体ぐたいてきにはかんがえておりませんが、来月らいげつより日本にっぽん赤十字せきじゅうじしゃ嘱託しょくたく職員しょくいんとして勤務きんむさせていただくことになりましたので、皇族こうぞくとしてのつとたしながら、社会しゃかいじんとしての自覚じかく責任せきにんって、すこでも社会しゃかいのおやくてるよう、公務こうむ仕事しごと両立りょうりつつとめていきたいとおもっております。


感染かんせん拡大かくだい影響えいきょうつづなかでの学生がくせい生活せいかつ

愛子あいこさまは、りょう2ねんに、新型しんがたコロナウイルスの世界せかいてきだい流行りゅうこう加速かそくするなか大学だいがく入学にゅうがくし、感染かんせん拡大かくだい影響えいきょうつづなかで4年間ねんかん学生がくせい生活せいかつおくられました。

進学しんがくされたのは、天皇てんのう陛下へいかまなばれた学習がくしゅういん大学だいがく文学ぶんがく

感染かんせん拡大かくだいのため入学にゅうがくしき中止ちゅうしとなり、東京とうきょう目白めじろある大学だいがくはじめて通学つうがくされたのは、このとしの10つきでした。

マスク姿すがた報道ほうどうじん取材しゅざいおうじた愛子あいこさまは、このとき、「半年はんとしおくではありますが、キャンパス実際じっさいおとずれ、先生せんせいかた学生がくせいみなさんできることをうれしくおもいます。大学だいがくではあたらしい知識ちしきたときにかんじられるよろこ大切たいせつにしながら、さまざまなことに取り組とりくんでいければとおもっております」と抱負ほうふべられました。

オンラインによる授業じゅぎょうつづなか愛子あいこさまは、日本語にほんご日本にっぽん文学ぶんがく日本語にほんごがく日本にっぽん文学ぶんがくなど専門せんもん科目かもくほか歴史れきし英語えいごなど幅広はばひろ科目かもくまなばれました。

だい外国がいこくはスペイン選択せんたくし、課題かだいレポート提出ていしゅつするなどいそがしい毎日まいにちおくられました。

2年生ねんせいになったりょう3ねん4つきには、1ねんおく入学にゅうがくしきおこなわれ、愛子あいこさまは赤坂あかさか用地ようちないのおまいからオンライン活用かつようしてのぞまれました。

このとしの9つきには、天皇てんのう皇后こうごうりょう陛下へいかとともにまい皇居こうきょの「御所ごしょ」にうつし、あら生活せいかつはじめられました。

12つきには、20さい誕生たんじょうむかえて成年せいねん皇族こうぞくとなり、翌年よくねんりょう4ねん)の元日がんじつには、成年せいねん行事ぎょうじはじめて公務こうむとして皇居こうきょ宮殿きゅうでんおこなわれた新年しんねん祝賀しゅくが参列さんれつされました。

このとしの3つきには、はじめて記者きしゃ会見かいけんのぞみ、当面とうめん学業がくぎょう優先ゆうせんなる前置まえおしたうえで、「ひとひとつのつと大切たいせつにしながら、すこでもりょう陛下へいか皇族こうぞくかたお力おちからになれますよう、わたしできるかぎり、せいいっぱいつとめさせていただきたい」とはなされました。

日本語にほんごのルーツや文法ぶんぽうそれに日本にっぽん文学ぶんがくまな専攻せんこうえらんだ愛子あいこさまは、3年生ねんせいになってからもオンライン中心ちゅうしん授業じゅぎょうけ、「源氏げんじ物語ものがたり」や「しん古今ここん和歌集わかしゅう」、「おく細道ほそみちなどさまざまな古典こてんまなんで、日本にっぽん文学ぶんがくへの関心かんしんふかめられました。

そして去年きょねんりょう5ねん)4つき、4年生ねんせいなると、愛子あいこさまは大学だいがくキャンパス対面たいめんでの授業じゅぎょうけられるようになりました。

4年生ねんせいとしてはじめて登校とうこうしたさいには、報道陣ほうどうじん取材しゅざいに対にたい、「大学だいがく最後さいごの1年間ねんかんこのみどりゆたキャンパスまなができましたらとおもっております」と笑顔えがおはなされました。

この1ねん、オンライン授業じゅぎょうにはあじわうことのできなかった大学だいがく活気かっきはだかんじながら、日々ひび授業じゅぎょう課題かだい熱心ねっしん取り組とりくみ、卒業そつぎょう論文ろんぶん執筆しっぴつなどいそがしいなかにも充実じゅうじつした日々ひびおくられたということです。

卒業そつぎょう論文ろんぶんテーマ中世ちゅうせい和歌わかで、平安へいあんから明治めいじにかけての文学ぶんがく和歌わかなど文学ぶんがくへのまなふかめ、大学だいがく書庫しょこ図書館としょかん資料しりょうあつめながら執筆しっぴつされました。

また福祉ふくし活動かつどう全般ぜんぱん関心かんしんち、大学だいがくでは福祉ふくし授業じゅぎょう履修りしゅうされました。

りょう陛下へいか日本にっぽん赤十字せきじゅうじしゃ社長しゃちょうから活動かつどう内容ないよう説明せつめいけられるさい同席どうせきし、りょう陛下へいかとともに日赤にっせき本社ほんしゃおとずれて関東かんとう大震災だいしんさいでの救護きゅうご活動かつどう振り返ふりかえ企画きかくてん鑑賞かんしょうするなど日々ひび学業がくぎょう優先ゆうせんしながらもりょう陛下へいかとともに公務こうむのぞまれる機会きかいえていきました。

こうしたなか、ことし1つきには、日本にっぽん赤十字せきじゅうじしゃへの就職しゅうしょく内定ないてい発表はっぴょうされ、愛子あいこさまは、「日頃ひごろから関心かんしんせている日赤にっせき仕事しごとたずさわれることをうれしくおも同時どうじ引き締ひきしまるおもがいたします。これからもさまざまなまなつづけ、いち社会しゃかいじんとしての自覚じかくって仕事しごとはげことで、微力びりょくではございますが、すこでも人々ひとびと社会しゃかい役に立やくにたことができればとかんがえております」と側近そっきんを通をつうじて気持きもべられていました。


指導しどう教授きょうじゅ「さらなるご活躍かつやくこころよりお祈おいの申し上もうしあげます」

愛子あいこさまの卒業そつぎょう論文ろんぶん指導しどう担当たんとうした日本にっぽん中世ちゅうせい文学ぶんがく専門せんもん中野なかの貴文たかふみ教授きょうじゅ卒業そつぎょうしきまえ取材しゅざいおうじ、「ともに文学ぶんがくみ、議論ぎろんかさねられたことを本当ほんとううれしくおもっています。さらなるご活躍かつやくこころよりお祈おいの申し上もうしあげます」とはなむけのことばをべました。

中野なかの教授きょうじゅは、この1ねん面談めんだんによる個別こべつ指導しどうかさねてきた愛子あいこさまについて、「ほがらかひとあかるいほう、そして粘り強ねばりづよ真摯しんし(しんし)なほうというのが、指導しどう教員きょういんとしてのわたし印象いんしょうです。着眼ちゃくがんてんあたらしさやろんたしなどももちろんですけれども、最後さいごまで自分じぶんのことばでおおのことに目配めくばしながら配慮はいりょした文章ぶんしょうこうとする真摯しんし姿勢しせい非常ひじょう印象いんしょうてきです」とはなしました。

また、「古典こてん文学ぶんがく受け継うけつということがどのようなものかという議論ぎろんかさねるなかで、ただまものではなくいまわたしたちの表現ひょうげん生活せいかつにいかすことだということがなん話題わだいにのぼりました」と振り返ふりかえったうえで、膨大ぼうだい先行せんこう研究けんきゅうある日本にっぽん古典こてん文学ぶんがく和歌わか文学ぶんがくは、これまでどのようにろんじられいまなに問題もんだいになっているかということにきっちり向き合むきあことが重要じゅうようで、愛子あいこさまの論文ろんぶんとくそこがすぐれていたとべました。

そして、「わたし紹介しょうかいした資料しりょう論文ろんぶんなど丁寧ていねい読み込よみこまれ、またみずからのことばで粘り強ねばりづよろんじられたとおもいます。完成かんせいした論文ろんぶんは、和歌わか文学ぶんがく研究けんきゅう今日きょうてき課題かだいよく理解りかいされたうえでさらにご自身じしんのオリジナルな見解けんかいくわえたすばらしいものだったとおもいます」とかたりました。

さらに、「ご卒業そつぎょう、ご就職しゅうしょくおめでとうございます。コロナにおいても真摯しんし粘り強ねばりづよ学問がくもん向き合むきあってこられました。それは、知的ちてき好奇こうきしんにあふれ、つね誠実せいじつで、何事なにごとにもほがらか向き合むきあってこられたからだとおもいます。ともに文学ぶんがくみ、議論ぎろんかさねられたことを本当ほんとううれしくおもっています。さらなるご活躍かつやくこころよりお祈おいの申し上もうしあげます」とはなしました。

ソース:NHK ニュース