神奈川かながわ 真鶴まなづる町長ちょうちょうリコール署名しょめい 地元じもと住民じゅうみんグループが町まち選管せんかんに提出ていしゅつ

神奈川かながわ県けん真鶴まなづる町まちの町長ちょうちょうが、選挙せんきょ人じん名簿めいぼを不正ふせいにコピーして持ち出もちだし、選挙せんきょに利用りようしていた問題もんだいで、地元じもとの住民じゅうみんグループは町長ちょうちょうのリコール＝解職かいしょく請求せいきゅうの手続てつづきに必要ひつような有権者ゆうけんしゃの3分ぶんの1以上いじょうの署名しょめいが集あつまったとして、15日にち、選挙せんきょ管理かんり委員いいん会かいに提出ていしゅつしました。
署名しょめいが有効ゆうこうだと認みとめられれば、リコールの賛否さんぴを問とう住民じゅうみん投票とうひょうが行おこなわれることになります。

真鶴まなづる町まちの松本まつもと一彦かずひこ町長ちょうちょうは、町まちの職員しょくいんだった3年ねん前まえの2月つきに、選挙せんきょ人じん名簿めいぼを不正ふせいにコピーして持ち出もちだし、自身じしんの選挙せんきょに利用りようしたなどとして、おととし辞職じしょくしましたが、直後ちょくごの選挙せんきょで再ふたたび当選とうせんしました。

しかし、町まちの職員しょくいんが相次あいついで辞職じしょくしたり、副ふく町長ちょうちょうの人事じんじ案あんが議会ぎかいで否決ひけつされたりと、混乱こんらんが続つづいていることから、地元じもとの住民じゅうみんグループは先月せんげつから町長ちょうちょうのリコールに向むけた署名しょめい活動かつどうを行おこない、15日にち、集あつまった署名しょめいを選挙せんきょ管理かんり委員いいん会かいに提出ていしゅつしました。

リコールの手続てつづきを進すすめるには、有権者ゆうけんしゃの3分ぶんの1に当にあたる2073人にん以上いじょうの署名しょめいが必要ひつようですが、住民じゅうみんグループによりますと2426人にん分ぶんが集あつまったということです。

署名しょめいが有効ゆうこうだと確認かくにんされれば、リコールの賛否さんぴを問とう住民じゅうみん投票とうひょうが行おこなわれ、過半数かはんすうが賛成さんせいすると町長ちょうちょうは失職しっしょくすることになります。

住民じゅうみんグループの青木あおき巖いわお代表だいひょうは、「集あつまった署名しょめいは町民ちょうみんからのメッセージだ。町長ちょうちょうはこの重おもみを受け止うけとめてほしい」と話はなしていました。

松本まつもと一彦かずひこ町長ちょうちょう「真摯しんし（しんし）に受け止うけとめる」

真鶴まなづる町まちの松本まつもと一彦かずひこ町長ちょうちょうは、「リコールにかかる署名しょめい簿ぼが提出ていしゅつされたことについて、真摯しんしに受け止うけとめております。今後こんご、町まち選挙せんきょ管理かんり委員いいん会かいにおける手続てつづきを経へて正式せいしきに請求せいきゅうが行おこなわれた場合ばあいには、改あらためてコメントいたします」としています。

住民じゅうみんからは…

住民じゅうみんからはさまざまな声こえが聞きかれました。

70代だいの男性だんせいは、「町まち役場やくばは機能きのう不全ふぜんに陥おちいっていて、今いまの町長ちょうちょうが頑張がんばってもいい方向ほうこうには転てんじていかない。ここで変かわらなければ真鶴まなづるは古ふるいままになる。町長ちょうちょうは早はやく身みを引ひいてほしい」と話はなしていました。

別べつの70代だいの男性だんせいは、「町長ちょうちょうの任期にんきは残のこり1年ねんとなっていて、リコールは必要ひつようないと思おもう。町まちにお金おかねがない中なか、住民じゅうみん投票とうひょうや選挙せんきょなどをガタガタやる必要ひつようはないのではないか」と話はなしていました。

70代だいの女性じょせいは、「前回ぜんかいの選挙せんきょでは、悪わるいことをやった今いまの町長ちょうちょうを応援おうえんできなかった。ただ、ほかに町長ちょうちょうの候補こうほもいないし、まとめられる人ひともいない。次つぎの選挙せんきょまでは、今いまのままで、なんとかまとまっていくしかないと思おもう。リコールなんて小ちいさな町まちでみっともない」と話はなしていました。

「住民じゅうみん投票とうひょう」までの流ながれ

地方ちほう自治じち法ほうや施行しこう令れいには、署名しょめい提出ていしゅつから住民じゅうみん投票とうひょうまでの手続てつづきに、選挙せんきょ管理かんり委員いいん会かいの審査しんさ、住民じゅうみんによる名簿めいぼの縦覧じゅうらん、リコール＝解職かいしょく請求せいきゅうの本ほん請求せいきゅうが定さだめられています。

まず、署名しょめいの提出ていしゅつを受うけた選挙せんきょ管理かんり委員いいん会かいは、16日にちから20日にち以内いないに署名しょめいが有効ゆうこうなものかどうかを審査しんさします。

その後そのご、署名しょめい簿ぼを住民じゅうみんが直接ちょくせつ確認かくにんできる「縦覧じゅうらん」が行おこなわれます。

ここで、異議いぎが申し立もうしたてられた場合ばあい、選挙せんきょ管理かんり委員いいん会かいが14日にち以内いないに改あらためて署名しょめいが有効ゆうこうかどうか審査しんさします。

異議いぎ申し立もうしたてがない場合ばあい、署名しょめい簿ぼは選挙せんきょ管理かんり委員いいん会かいから住民じゅうみんグループに返却へんきゃくされることになります。

その後そのご、有効ゆうこうと認みとめられた署名しょめいを選挙せんきょ管理かんり委員いいん会かいに提出ていしゅつする「本ほん請求せいきゅう」が行おこなわれます。

そして、「本ほん請求せいきゅう」が行おこなわれた翌日よくじつから60日にち以内いないに、リコールの賛否さんぴを問とう住民じゅうみん投票とうひょうが行おこなわれることになっています。

住民じゅうみん投票とうひょうは手続てつづきがスムーズに進すすめば9月つきにも行おこなわれる見通みとおしで、投票とうひょう者しゃの過か半数はんすうがリコールに賛成さんせいすると、町長ちょうちょうは失職しっしょくします。

混乱こんらん続つづく真鶴まなづる町まち政せい 5月つき末まつまでに町まち職員しょくいん22人にん辞職じしょく

真鶴まなづる町まちでは問題もんだいが明あきらかになった、おととしの10月つき以降いこう、5月つき末まつまでに職員しょくいんの5分ぶんの1に当にあたる22人にんが辞職じしょくしました。

水道すいどう事業じぎょうのノウハウがある職員しょくいんも不足ふそくしているということで、去年きょねん9月つきの議会ぎかいでは、水道すいどう事業じぎょうの会計かいけいで町まちが提出ていしゅつした決算けっさん書しょに数字すうじの誤あやまりが見みつかりました。

さらに、去年きょねん12月つきとことし3月つきの議会ぎかいでも水道すいどう事業じぎょうの会計かいけいで数字すうじに誤あやまりが見みつかり、3回かい続つづいて町議ちょうぎ会かいで臨時りんじ会かいが開ひらかれる異例いれいの事態じたいとなりました。

また斎場さいじょうの運営うんえいについて、町まちは1600万まん円えん余あまりで民間みんかん業者ぎょうしゃと随意ずいい契約けいやくを結むすぼうとしましたが、地方ちほう自治じち法ほうの施行しこう令れいでは、こうした業務ぎょうむ委託いたくを随意ずいい契約けいやくにする場合ばあいは、原則げんそく50万まん円えん以内いないと定さだめられていて、ことし3月つきの議会ぎかいで指摘してきを受うけ、競争きょうそう入札にゅうさつに切り替きりかえました。

町まちは、「入札にゅうさつすべき契約けいやくを随意ずいい契約けいやくにしようとしたことは不適切ふてきせつで、競争きょうそう原理げんりを働はたらかせるべきだった」としています。

神奈川かながわ県けんは町まちに職員しょくいん2人にんを派遣はけんして対応たいおうに当あたっています。

ソース：NHK ニュース