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日銀にちぎん 植田うえだ総裁そうさい会見かいけん物価ぶっかだか 国民こくみんおおきな負担ふたん」【くわしく】

2023-06-16 08:02:59

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日銀にちぎんは16にちまでの2日間にちかん金融きんゆう政策せいさく決定けってい会合かいごうひらき、長期ちょうき金利きんり短期たんき金利きんり操作そうさ目標もくひょうもうけるいまのだい規模きぼ金融きんゆう緩和かんわさく維持いじすることをめました。

長期ちょうき金利きんり変動へんどうはばについてもプラスマイナス0.5%程度ていどと、これまでの内容ないよう維持いじしました。

16にち午後ごご3時半じはんからおこなわれた日銀にちぎん植田うえだ総裁そうさい記者きしゃ会見かいけんでの発言はつげんを、くわしくお伝おつたします。

金融きんゆう政策せいさくすみやか正常せいじょうにはリスクも」

消費しょうひしゃ物価ぶっか日銀にちぎんかかげる2%の目標もくひょう上回うわまわ水準すいじゅんまで上昇じょうしょうしていますが、日銀にちぎん粘り強ねばりづよ金融きんゆう緩和かんわつづける方針ほうしんです。

これ関連かんれんして植田うえだ総裁そうさいは、「すみやか金融きんゆう政策せいさく正常せいじょうした場合ばあい、2%の物価ぶっか安定あんてい目標もくひょう十分じゅうぶん達成たっせいするまえにインフレりつがってしまうリスクがある」とべました。

そのうえで「インフレりつがオーバーシュート=行き過いきすぎてしまう場合ばあいと、目標もくひょう達成たっせいせずにインフレりつがってしまう場合ばあいそれぞれどのような対応たいおうできる比較ひかく考量こうりょうすると、物価ぶっか目標もくひょう達成たっせいせずにがったときのほうむずかしいいま判断はんだんしている」とべました。

物価ぶっか目標もくひょう上回うわまわっても当面とうめん金融きんゆう緩和かんわつづけることが適切てきせつだという認識にんしきしめしたかたちです。

資産しさん価格かかく上昇じょうしょう行き過いきすぎるとリスクも」

植田うえだ総裁そうさい株価かぶかなど足元あしもと資産しさん価格かかく上昇じょうしょうについて、「根底こんてい日本にっぽん経済けいざい将来しょうらい見通みとお改善かいぜんしている、あるいは企業きぎょう収益しゅうえき見通みとおしがよくなっているこということがあるとすると将来しょうらいのそういう姿すがた先取さきどしてかぶうごいているということなので、将来しょうらいよいことがこるという可能かのうせいはあるのだとおもかぶないその他そのた資産しさん価格かかく上昇じょうしょう一部いちぶ消費しょうひあるいは設備せつび投資とうしプラス影響えいきょうあたえる可能かのうせいもあるかとおも」とべました。

そのうえで、「ただしもちろん行き過いきすぎるあるたね金融きんゆうてき均衡きんこうにつながって将来しょうらいどこかでマイナス影響えいきょうおよぼすというリスクもあるわけなので、注視ちゅうししていきたい」とべました。

株価かぶか上昇じょうしょうはバブルか「コメントひかえたい」

植田うえだ総裁そうさいは、日経にっけい平均へいきん株価かぶかが33ねんぶりの高値たかね更新こうしんするなどこのところの急速きゅうそく株価かぶか上昇じょうしょうはバブルではないかという指摘してきあるわれ、「申し訳もうしわけないが株価かぶかうご水準すいじゅんについて具体ぐたいてきにコメントすることは差し控さしひかえたい」とべました。

そのうえで、いまのかぶだかについて「日本にっぽん比較的ひかくてき堅調けんちょう成長せいちょうつづけ、企業きぎょう収益しゅうえき高水準こうすいじゅん推移すいいすると予想よそうされていることがおおきな原因げんいんではないかとおも」とべました。

そのうえで、日銀にちぎん金融きんゆう緩和かんわつづけていることがどの程度ていど株価かぶか上昇じょうしょう影響えいきょうしているとおもかという質問しつもんには「理論りろんてきには金融きんゆう緩和かんわ金利きんりひく状態じょうたいかぶにとってはプラス影響えいきょうをもたらす要素ようそだ。ただ金融きんゆう政策せいさくうごいていないので足元あしもとかぶだか要因よういんは、経済けいざい企業きぎょう収益しゅうえき見通みとおおおきいおも」とべました。

物価ぶっかだか国民こくみんおおきな負担ふたんつよ認識にんしき

植田うえだ総裁そうさいは、足元あしもと物価ぶっかだかについて「ヘッドラインのインフレりつは3.5%ということで、文字もじどおり2%のインフレ目標もくひょうくらべればおおきくうえれているわけで、これ国民こくみんおおきな負担ふたんになっていることはつよ認識にんしきしている」とべました。

そのうえで、「ただこの原因げんいん海外かいがいはつのコストプッシュインフレーションでそれ日本にっぽん金融きんゆう政策せいさく直接ちょくせつどうこうするということはなかなかできない。インフレでもげたいということであれば、ものすごい金融きんゆう引き締ひきしをして金利きんりげて、経済けいざいやすということはかんがわけだが、それそのことによるマイナスのほうがおおきいととらえている」とべました。

値上ねあ賃上ちんあ設定せってい行動こうどう変化へんかられる」

植田うえだ総裁そうさいこのところの企業きぎょう値上ねあげや賃上ちんあげのうごに、「変化へんかられる」という見方みかたしめしました。

植田うえだ総裁そうさいは「企業きぎょうこれまでは同業どうぎょう他社たしゃ価格かかくげないのではないかと懸念けねんして我慢がまんしてしていたが、自分じぶんげて他社たしゃげるだろうとなった。賃金ちんぎんをめぐっては他社たしゃげているなか自分じぶんげないと、労働ろうどうしゃやとことができないとなった。企業きぎょう賃金ちんぎん価格かかく設定せってい行動こうどう変化へんかられつつある。こうしたうご非常ひじょう重要じゅうようなものだ」とべました。

一方いっぽうで、「こうしたうごどの程度ていど持続じぞくするかについては非常ひじょう確実かくじつせいたか。さらなるデータ情報じょうほう収集しゅうしゅうくわえてわたしどものなかでもすこ分析ぶんせきふかめて長期ちょうきてきつづうごなのかどう認識にんしきふかめたい」とべました。

物価ぶっかがりかた ややおそ

日銀にちぎん植田うえだ総裁そうさいは、物価ぶっかは、今年度こんねんどなかにかけて上昇じょうしょうりつ縮小しゅくしょうしていくという見方みかたしめしています。

これについて、記者きしゃ会見かいけんで「このところてきたデータと、いまは、がってくる局面きょくめんあるが、がりかたおもってたよりもややおそかなという感触かんしょくっている」とべました。

そのうえで、先行さきゆについては、「まだがっていく局面きょくめんはじまったところにある段階だんかいだとおもっている。このさき年度ねんどなかにかけてさらにがっていくその段階だんかいで、4つき見通みとおよりもうえぶれたまま推移すいいをするのか、いままでややうえれていた部分ぶぶんがなくなるかたち急速きゅうそくがってくるのか、そこ確実かくじつせいたか」とべました。

長短ちょうたん金利きんり操作そうさある程度あるていどのサプライズやむを得やむをえない

植田うえだ総裁そうさいは、いまだい規模きぼ金融きんゆう緩和かんわ政策せいさくはしらである長期ちょうき金利きんり短期たんき金利きんり操作そうさする長短ちょうたん金利きんり操作そうさ=イールドカーブ・コントロール修正しゅうせい考え方かんがえかたについてわれ、「政策せいさく効果こうか副作用ふくさようについて、きちんと比較ひかく考慮こうりょしつつ、政策せいさくめていく。1つの決定けってい会合かいごうからつぎ決定けってい会合かいごうに、さまざまなあたらしいデータ情報じょうほうはいってくるので、それもとづいて前回ぜんかいちがった結果けっかなるということもふくめてある程度あるていどのサプライズが発生はっせいするということも、やむを得やむをえないというふうにおもっている」とべました。

えんやす具体ぐたいてきなコメントはひかえる

外国がいこく為替かわせ市場しじょうえん相場そうばふたた、1ドル=140えんだいえんやす水準すいじゅんになっていることについて植田うえだ総裁そうさいは「為替かわせ水準すいじゅん変動へんどう理由りゆうその評価ひょうかについて具体ぐたいてきにコメントすることは差し控さしひかえる」とべました。

そのうえで「えんやすでプラスの影響えいきょうけるセクターとマイナス影響えいきょうけるセクターとさまざまだが、いずれにせよファンダメンタルズ=経済けいざい基礎きそてき条件じょうけん沿って為替かわせレートが安定あんていてきうごいていくことが重要じゅうようだ」とべました。

物価ぶっか先行さきゆ確実かくじつせいきわめてたか

日銀にちぎん植田うえだ総裁そうさいはあしもとの物価ぶっかについて、「コストプッシュの影響えいきょう徐々じょじょ減衰げんすいして、今年度こんねんどなかにかけて物価ぶっか上昇じょうしょうりつのプラスはば縮小しゅくしょうしていくとみている」とべました。

一方いっぽう企業きぎょう価格かかく設定せってい行動こうどう変化へんかきざられているとおもっている。注目ちゅうもくしてみている」とべ、企業きぎょう値上ねあうご注目ちゅうもくしていくかんがしめしました。

そのうえで、物価ぶっか先行さきゆについて「企業きぎょう価格かかく設定せってい賃金ちんぎん引き上ひきあ影響えいきょうふくめ、確実かくじつせいきわめてたかかんがえている。具体ぐたいてきにどの程度ていど見通みとおなるかについては次回じかい、7つき展望てんぼうレポート数値すうちてき見通みとおしをことになる。丹念たんねん精査せいさしていきたい」とべました。

「25年間ねんかん金融きんゆう緩和かんわ政策せいさくのレビュー 専用せんようページ掲載けいさいへ」

植田うえだ総裁そうさいは、4つき決定けってい会合かいごうで1990年代ねんだい後半こうはん以降いこう金融きんゆう緩和かんわ政策せいさく多角たかくてきなレビューを実施じっしすると表明ひょうめいしました。

これについて「まずは過去かこ25年間ねんかん実施じっししてきた伝統でんとうてき金融きんゆう政策せいさく効果こうかについて、副作用ふくさようふくめて金融きんゆう市場しじょう金融きんゆうシステムおよぼす影響えいきょう分析ぶんせきしたいとおも。レビューでは多様たよう知見ちけん取り入とりいれつつ、客観きゃっかんせい透明とうめいせいたかめる観点かんてんから、日銀にちぎんないでの分析ぶんせきだけでなくさまざまな取り組とりくおこな来月らいげつちゅうをめどに日本にっぽん銀行ぎんこうのウェブサイトのなかに 多角たかくてきレビュー専用せんようページもうけ、順次じゅんじ掲載けいさいしていくことをかんがえている」とべました。

長短ちょうたん金利きんり操作そうさふくめて現状げんじょう維持いじ会見かいけん冒頭ぼうとう

植田うえだ総裁そうさい冒頭ぼうとう、16にち決定けってい内容ないようについて「長短ちょうたん金利きんり操作そうさふくめて現状げんじょう維持いじすることをぜん一致いっち決定けっていしました」とべ、いまのだい規模きぼ金融きんゆう緩和かんわさく維持いじめたことをあきらかにしました。

会見かいけん注目ちゅうもくてん

会見かいけんでは、まず植田うえだ総裁そうさい会合かいごうでの決定けってい事項じこう説明せつめいその後そのご記者きしゃからの質問しつもんこたえます。

記者きしゃ会見かいけん注目ちゅうもくてんです。

日銀にちぎんは、賃金ちんぎん上昇じょうしょうともなって物価ぶっか安定あんてい目標もくひょう実現じつげんするまで金融きんゆう緩和かんわさく粘り強ねばりづよつづける方針ほうしんです。

植田うえだ総裁そうさい実現じつげん道筋みちすじをいま、どのように見通みとおしているのか。

また東京とうきょう市場しじょうではこのところ株価かぶか急ピッチきゅうぴっち上昇じょうしょうし、日経にっけい平均へいきん株価かぶか今週こんしゅう、バブル以来いらいおよそ33ねんぶりに3まん3000えんだいをつけました。

そして、4つき消費しょうひしゃ物価ぶっか指数しすう生鮮せいせん食品しょくひんのぞいて3.4%の上昇じょうしょうと、上昇じょうしょうりつが3か月かげつぶりに拡大かくだいしました。

物価ぶっか上昇じょうしょう想定そうていよりうえれしているという見方みかたています。

こうした株価かぶか物価ぶっか動向どうこうについて植田うえだ総裁そうさい会見かいけんどのような認識にんしきしめのかも焦点しょうてんです。
ソース:NHK ニュース