天皇てんのう皇后こうごう両りょう陛下へいか きょうインドネシアへ 即位そくい後ご初はつの外国がいこく親善しんぜん訪問ほうもん

天皇てんのう皇后こうごう両りょう陛下へいかは17日にちから7日間にちかんの日程にっていでインドネシアを公式こうしき訪問ほうもんされます。即位そくい後ごでは初はじめての外国がいこくへの親善しんぜん訪問ほうもんになります。

両りょう陛下へいかは、17日にち午前ごぜん、政府せいふ専用せんよう機きで東京とうきょうの羽田はた空港くうこうを出発しゅっぱつし、午後ごご、インドネシアの首都しゅとジャカルタに到着とうちゃくされる予定よていです。

インドネシアへの滞在たいざいは23日にちまでの7日間にちかんの予定よていで、19日にち、ジョコ大統領だいとうりょう夫妻ふさいと会見かいけんし、大統領だいとうりょう夫妻ふさいが主催しゅさいする午ごさん会かいに出席しゅっせきするほか、20日にちには、太平洋たいへいよう戦争せんそうが終おわった後のちも現地げんちにとどまって独立どくりつ戦争せんそうに加くわわった、いわゆる「残留ざんりゅう日本にっぽん兵へい」も埋葬まいそうされているジャカルタ郊外こうがいの「カリバタ英雄えいゆう墓地ぼち」を訪おとずれ、花はなを手向たむけられます。

また、天皇てんのう陛下へいかは21日にちから22日にちにかけてジャワ島じゃわとう中部ちゅうぶのジョグジャカルタに移動いどうし、世界せかい遺産いさんの「ボロブドゥール寺院じいん」などを視察しさつされます。

両りょう陛下へいかが国際こくさい親善しんぜんのため外国がいこくを公式こうしき訪問ほうもんされるのは即位そくい後ご初はじめてで、皇太子こうたいし時代じだいを含ふくめると両りょう陛下へいかでの訪問ほうもんは今回こんかいが14か国かこく目めになります。

現地げんちでも高たかい関心かんしん

インドネシアでは、現地げんちメディアが両りょう陛下へいかの訪問ほうもん先さきを詳くわしく報ほうじるなど、高たかい関心かんしんが寄よせられています。

ジャワ島じゃわとう中部ちゅうぶのジョグジャカルタの王室おうしつで、天皇てんのう陛下へいかとの晩ばんさん会かいを主催しゅさいするハメンクブウォノ10世せいがNHKの取材しゅざいに応おうじ「日本にっぽんは一貫いっかんしてインドネシアの経済けいざい発展はってんを支援しえんしてくれた。今回こんかいの訪問ほうもんで交流こうりゅうが強化きょうかされるだろう」と話はなし、訪問ほうもんを心待こころまちにしていました。

そのうえで、インドネシアが太平洋たいへいよう戦争せんそう中ちゅうに日本にっぽんの統治とうち下かに置おかれた歴史れきしについて、ハメンクブウォノ10世せいは、「私わたしは独立どくりつ後ごに生うまれ、天皇てんのう陛下へいかも戦後せんご生うまれの新あらたな世代せだいだ。歴史れきしは歴史れきしだが、現在げんざいの両国りょうこくの関係かんけいにおいては人々ひとびとの見方みかたも異ことなる。未来みらいに目めを向むけることが最もっとも重要じゅうようだ」と強調きょうちょうしました。

また、20日にちに両りょう陛下へいかが訪たずねられる予定よていのジャカルタ郊外こうがいの「カリバタ英雄えいゆう墓地ぼち」に、戦後せんご、現地げんちに残のこって独立どくりつ戦争せんそうに加くわわった、いわゆる「残留ざんりゅう日本にっぽん兵へい」の曽そ祖父そふが埋葬まいそうされているヨガ・クスマ・バラタさんは「訪問ほうもんは大変たいへんうれしく感謝かんしゃしている。何なに世代せだいにもわたって両国りょうこくがよい関係かんけいを発展はってんさせることを願ねがっている」と話はなしていました。

皇室こうしつのインドネシア公式こうしき訪問ほうもんはこれまでに3回かい

宮内庁くないちょうによりますと、皇室こうしつによるインドネシアへの公式こうしき訪問ほうもんはこれまでに3回かい行おこなわれています。

このうち2回かいは、上皇じょうこうご夫妻ふさいによる訪問ほうもんで、皇太子こうたいし時代じだいの昭和しょうわ37年ねん、昭和しょうわ天皇てんのうの名代なだいとして訪たずねられたのが最初さいしょです。平成へいせい3年ねんには即位そくいして初はじめての外国がいこく訪問ほうもんとして、タイ、マレーシアとともに訪問ほうもんされました。

また、平成へいせい20年ねんには、秋篠宮あきしののみやご夫妻ふさいが訪たずねられています。

一方いっぽう、天皇てんのう陛下へいかは、即位そくい前まえも含ふくめてこれまでインドネシアを訪問ほうもんされたことはありません。

日本にっぽんとインドネシアの関係かんけい

インドネシアはかつて、およそ300年ねんにわたってオランダの統治とうち下かに置おかれていましたが、昭和しょうわ17年ねんから終戦しゅうせんまでの3年間ねんかん、日本にっぽんが統治とうちしました。

太平洋たいへいよう戦争せんそうで必要ひつようとなる石油せきゆなどの資源しげんを求もとめたことが背景はいけいにあり、日本にっぽんの統治とうち時代じだいには、多おおくのインドネシア人じんが過酷かこくな労働ろうどう作業さぎょうなどに動員どういんされ、亡なくなりました。

終戦しゅうせん後ごも一部いちぶの元もと日本にっぽん兵へいが現地げんちにとどまり、オランダとの4年ねんにわたる独立どくりつ戦争せんそうにおよそ1000人にんが参加さんかしたとされています。

この、いわゆる「残留ざんりゅう日本にっぽん兵へい」の半数はんすうが戦死せんししたとされていて、国家こっか建設けんせつに貢献こうけんしたとして、首都しゅとジャカルタ郊外こうがいにある「カリバタ英雄えいゆう墓地ぼち」にインドネシアの軍人ぐんじんや政治せいじ家かとともに埋葬まいそうされています。

戦後せんご、日本にっぽんとインドネシアは昭和しょうわ33年ねんに外交がいこう関係かんけいを樹立じゅりつし、65年ねんにわたり幅広はばひろい分野ぶんやで友好ゆうこう協力きょうりょく関係かんけいを築きずいてきました。

外務省がいむしょうによりますと、インドネシアで暮くらす在留ざいりゅう日本人にっぽんじんはおよそ1万まん6000人にん、日本にっぽんに住すむインドネシア人じんは8万まん3000人にん余あまりに上のぼっています。

ソース：NHK ニュース