マイナンバー 別人べつじんの障害しょうがい者しゃ手帳てちょうの情報じょうほうひも付づけ 静岡しずおかで62件けん

松野まつの官房かんぼう長官ちょうかんは20日にち午後ごごの記者きしゃ会見かいけんで、マイナンバーに別べつの人ひとの障害しょうがい者しゃ手帳てちょうの情報じょうほうがひも付つけられていたケースが、現時点げんじてんで、静岡しずおか県けんで62件けん確認かくにんされていると明あきらかにしました。

そのうえで「国民こくみんの皆みなさまにご心配しんぱいをかけていることを申し訳もうしわけなく思おもう。政府せいふとしてはすべての事案じあんを重おもく受け止うけとめ、データやシステムの総そう点検てんけん、新あらたな事案じあんが生しょうじないようにするための仕組しくみ作づくり、それに国民こくみんの不安ふあん払拭ふっしょくのための丁寧ていねいな対応たいおうという、3つの基本きほん方針ほうしんのもと取り組とりくんでいく」と述のべました。

厚あつ労ろう省しょう 全国ぜんこくの自治体じちたいに点検てんけんするよう通知つうち

厚生こうせい労働ろうどう省しょうによりますと、静岡しずおか県けんが障害しょうがい者しゃ手帳てちょうの情報じょうほうをマイナンバーの個人こじん番号ばんごうにひも付つける際さいに、誤あやまって同姓どうせい同名どうめいの別べつの人ひとの情報じょうほうを登録とうろくするなどのケースが数すう十じゅう件けん、起おきていたということです。

利用りよう者しゃがマイナンバーカードの専用せんようサイト「マイナポ－タル」を確認かくにんした際さいに、自分じぶんの障害しょうがい者しゃ手帳てちょうの情報じょうほうが出でてこなかったことから自治体じちたいに相談そうだんして発覚はっかくしたということです。

静岡しずおか県けんは、障害しょうがい者しゃ手帳てちょうの情報じょうほうのひも付づけを行おこなう際さいに、利用りよう者しゃの個人こじん情報じょうほうのうち「氏名しめいの漢字かんじ」と「読み方よみかた」それに「生年月日せいねんがっぴ」の情報じょうほうを使つかってマイナンバーの個人こじん番号ばんごうを特定とくていし、同姓どうせい同名どうめいの人ひとがいる場合ばあいには「住所じゅうしょ」も確認かくにんして区別くべつすることにしていますが、この対応たいおうが徹底てっていできていなかったということです。

このほか、利用りよう者しゃの障害しょうがい者しゃ手帳てちょうの情報じょうほうに加くわえて、誤あやまって別べつの人ひとの情報じょうほうをひも付つけてしまったケースもあったということで、これまでのところ、誤あやまって登録とうろくされた障害しょうがい者しゃ手帳てちょうの情報じょうほうを別べつの人ひとが閲覧えつらんしたというケースは確認かくにんされていないということです。

こうした事態じたいを受うけて厚生こうせい労働ろうどう省しょうは全国ぜんこくの自治体じちたいに対にたいして、障害しょうがい者しゃ手帳てちょうの情報じょうほうをマイナンバーにひも付つける作業さぎょうの状況じょうきょうなどについて7月つき20日にちまでに確認かくにんし、同おなじようなケースがないか点検てんけんを行おこない、9月つき末まつまでに報告ほうこくするよう通知つうちしました。

加藤かとう厚生こうせい労働ろうどう大臣だいじんは記者きしゃ会見かいけんで「障害しょうがい者しゃ手帳てちょうとのひも付づけにあたって、どう具体ぐたい的てきに注意ちゅういすればいいのか、確認かくにんすればいいのかが必かならずしも徹底てっていされていなかった。適切てきせつな対応たいおうをしていない自治体じちたいについては、すべての情報じょうほうを洗い出あらいだして確認かくにんしてもらう」と述のべました。

健康けんこう保険ほけん証しょうの誤あやま登録とうろく 医療いりょう機関きかんに対応たいおう周知しゅうちへ

一方いっぽう、マイナンバーカードと一体いったい化かした健康けんこう保険ほけん証しょうで患者かんじゃが一時いちじ全額ぜんがくを負担ふたんさせられるケースが一部いちぶにある問題もんだいで、加藤かとう厚生こうせい労働ろうどう大臣だいじんは「迷惑めいわくをおかけしている」と述のべ、医療いりょう機関きかんに対にたいし生なま年月としつき日びなどで本人ほんにん確認かくにんを行おこない、3割わりなどの自己じこ負担ふたん分ぶんに請求せいきゅうをとどめるよう求もとめました。

マイナンバーカードと一体いったい化かした健康けんこう保険ほけん証しょうをめぐっては、他人たにんの情報じょうほうが登録とうろくされていたケースが7300件けん余あまり確認かくにんされているほか、医療いりょう機関きかんで登録とうろく情報じょうほうを読み取よみとれず、患者かんじゃが窓口まどぐちで一時いちじ全額ぜんがくを負担ふたんさせられるケースも報告ほうこくされています。

加藤かとう厚生こうせい労働ろうどう大臣だいじんは閣議かくぎのあとの記者きしゃ会見かいけんで「情報じょうほうを確認かくにんできない場合ばあいの医療いりょう費ひの取り扱とりあつかいが、明確めいかくになっていないことから医療いりょう現場げんばで混乱こんらんが生しょうじ、ご迷惑めいわくをおかけしている」と述のべました。

そのうえで、保険ほけん料りょうを支払しはらっている人ひとが必要ひつような保険ほけん診療しんりょうを受うけられるよう医療いりょう機関きかんに対にたいし、マイナンバーカードに記載きさいされている生年月日せいねんがっぴなどで本人ほんにん確認かくにんを行おこない、3割わりなどの自己じこ負担ふたん分ぶんに請求せいきゅうをとどめるよう求もとめました。

厚生こうせい労働ろうどう省しょうは、今月こんげつ中ちゅうに、医療いりょう機関きかん向むけに対応たいおうマニュアルを周知しゅうちしたいとしています。加藤かとう大臣だいじんは「国民こくみん全員ぜんいんに利用りようしてもらうことを見据みすえ、課題かだいを洗い出あらいだし、マイナンバーカードと保険ほけん証しょうの一体いったい化かを円滑えんかつに進すすめていきたい」と述のべました。

自民じみん 世よ耕こう参院さんいん幹事かんじ長ちょう「政府せいふが一元いちげん的てきに対応たいおうできていない」

自民党じみんとうの世よ耕こう参議院さんぎいん幹事かんじ長ちょうは、記者きしゃ会見かいけんで「わざわざ窓口まどぐちに取とりに行いくようにして、顔かおで本人ほんにん確認かくにんまでしていたのにその漏もれが出でていることは極きわめて遺憾いかんだ。ほかにもいろんな事案じあんが出でてきているが、残念ざんねんながら政府せいふが一元いちげん的てきに対応たいおうできていない。総理そうり大臣だいじん官邸かんていが先頭せんとうに立たち、原因げんいんや再発さいはつ防止ぼうし、それにどれくらいの国民こくみんに影響えいきょうが出でているのかを一元いちげん的てきに説明せつめいしていくことが重要じゅうようではないか」と述のべました。

公明こうめい 山口やまぐち代表だいひょう「早はやく解決かいけつの展望てんぼうを示しめすべき」

公明党こうめいとうの山口やまぐち代表だいひょうは記者きしゃ会見かいけんで「政府せいふが自治体じちたいや関係かんけい機関きかんの協力きょうりょくを得えながら、再発さいはつ防止ぼうし策さくを確立かくりつすることが重要じゅうようであり、特別とくべつに厳きびしい姿勢しせいで臨のぞんでもらうよう要請ようせいする」と述のべました。

そのうえで「高齢こうれい者しゃや重おもい疾患しっかんを抱かかえた人ひと、その家族かぞくなどに、マイナンバーカードの取得しゅとくに不安ふあんを感かんじている人ひともいる。早はやく解決かいけつの展望てんぼうを示しめすべきで、政府せいふは世論せろんの反応はんのうが厳きびしい状況じょうきょうにあることを深ふかく受け止うけとめるべきだ」と述のべました。

立たつ民みん 安住あんじゅう国対こくたい委員いいん長ちょう「閉会へいかい中ちゅう審査しんさを強つよく求もとめていく」

立憲りっけん民主みんしゅ党とうの安住あんじゅう国会こっかい対策たいさく委員いいん長ちょうは、党とうの会合かいごうで「次々つぎつぎとマイナンバーカードをめぐる問題もんだいがあり、自民党じみんとうに対にたいしては、岸田きしだ総理そうり大臣だいじん出席しゅっせきの閉会へいかい中ちゅう審査しんさを強つよく求もとめていきたい。『紙かみの健康けんこう保険ほけん証しょうを残のこせ』という国民こくみんの偽いつわらざる気持きもちに背せを向むけて、岸田きしだ総理そうり大臣だいじんは廃止はいしに突っ走つっぱしっている。健康けんこう保険ほけん証しょうを守まもる夏なつにしたい」と述のべました。

維新いしん 藤田ふじた幹事かんじ長ちょう「行政ぎょうせいの執行しっこう能力のうりょくの低ひくさを露呈ろてい」

日本にっぽん維新いしんの会かいの藤田ふじた幹事かんじ長ちょうは記者きしゃ会見かいけんで、「行政ぎょうせいの執行しっこう能力のうりょくの低ひくさを露呈ろていしている。原因げんいんを追究ついきゅうし改善かいぜんしていかないと、国民こくみんの信頼しんらいを得えて制度せいどが成り立なりたっていくというステップを踏ふむことができない。マイナンバーにひも付つけて社会しゃかいインフラを構築こうちくするという構想こうそうや方向ほうこう性せいには賛同さんどうしており、完璧かんぺきに作り上つくりあげたい」と述のべました。

共産きょうさん 小池こいけ書記しょき局長きょくちょう「全面ぜんめん的てきな総そう点検てんけんを行おこなうべき」

共産きょうさん党とうの小池こいけ書記しょき局長きょくちょうは、記者きしゃ会見かいけんで「トラブルが続出ぞくしゅつし、マイナンバーカードに対にたいする信頼しんらいはほとんど地ちに落おちた。いったん運用うんようを停止ていしし、全面ぜんめん的てきな総そう点検てんけんを行おこなうべきだ。岸田きしだ政権せいけんに『聞きく力ちから』が少すこしでも残のこっているのであれば紙かみの健康けんこう保険ほけん証しょうの廃止はいしを撤回てっかいすべきで、国民こくみんの不安ふあんを解消かいしょうするためにも国会こっかいでの閉会へいかい中ちゅう審査しんさを強つよく求もとめていきたい」と述のべました。

国民こくみん 玉木たまき代表だいひょう「全体ぜんたいのロードマップ示しめすことが重要じゅうよう」

国民こくみん民主みんしゅ党とうの玉木たまき代表だいひょうは記者きしゃ会見かいけんで「マイナンバー制度せいどに対にたいする信頼しんらいが揺ゆらいでは元もとも子こもなく、不安ふあんを感かんじている人ひとがたくさんいるので、どういう手順てじゅんでいつまでに点検てんけんするのか全体ぜんたいのロードマップを示しめすことが重要じゅうようだ。行政ぎょうせいのデジタル化かは進すすめていく必要ひつようがあり、見直みなおしをどれだけ迅速じんそくにできるかがポイントだ」と述のべました。

ソース：NHK ニュース