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ヘルパンギーナやRSウイルス ども感染かんせん急増きゅうぞう 対策たいさくどうすれば

2023-06-27 10:29:38

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ねつやせきなどかぜのような症状しょうじょう「RSウイルス感染かんせんしょう」や、発熱はつねつくちなかみずぶくれができる「ヘルパンギーナ」など、おもどもひろがる感染かんせんしょう患者かんじゃ例年れいねんよりはやえています。

専門せんもんは「ウイルスが一気いっきひろがりやすい状況じょうきょうなので、基本きほんてき感染かんせん対策たいさく徹底てっていしてほしい」とはなしています。

症状しょうじょう対策たいさくは? 感染かんせんしたら? どうすればよいのか、後段こうだんには、専門せんもんいてQ&A形式けいしきくわしく掲載けいさいしています。

RSウイルス感染かんせんしょうやヘルパンギーナ 前週ぜんしゅうより増加ぞうか

「RSウイルス感染かんせんしょう」はおもども感染かんせんし、発熱はつねつやせきなどかぜに症状しょうじょう病気びょうきで、生後せいご6か月かげつ未満みまんあかちゃん先天せんてんせい心臓しんぞう病気びょうきあるどもなどは肺炎はいえんこして重症じゅうしょうすることがあります。

国立こくりつ感染かんせんしょう研究所けんきゅうじょによりますと、全国ぜんこくおよそ3000の小児しょうに医療いりょう機関きかんで、6つき18にちまでの1週間しゅうかんにRSウイルス感染かんせんしょう診断しんだんされた患者かんじゃは9093にんで、1医療いりょう機関きかんあたりでは2.9にんまえしゅうの2.64にんから増加ぞうかしました。
去年きょねんおな時期じきには0.43にんでしたが、ことしははやくからえていて患者かんじゃすうおおかった2021ねんとほぼおなじレベルになっています。

またいわゆるなつかぜとしてられ、発熱はつねつくちなかみずぶくれができる「ヘルパンギーナ」に感染かんせんする患者かんじゃ急増きゅうぞうしていて、6つき18にちまでの1週間しゅうかんで1まん4112にんで、1医療いりょう機関きかんあたりでは4.5にんまえしゅうの3.00にんから増加ぞうかしました。
「ヘルパンギーナ」はことしは5つきはいってから感染かんせんしゃ急増きゅうぞうし、この時期じきとしてはこの10年間ねんかんもっとおおくなっていて、和歌山わかやまけん宮崎みやざきけん鹿児島かごしまけん、それに大阪おおさか東京とうきょうなど、11の都府県とふけんでは、1医療いりょう機関きかんあたりの患者かんじゃすう警報けいほうレベルの「6」を上回うわまわっています。

クリニックでは検査けんさキットやくすり在庫ざいこ不足ふそく

東京とうきょう杉並すぎなみのクリニックでは6つきはいってから、いずれおさなどもがかかりやすく、発熱はつねつ鼻水はなみず、せきなど症状しょうじょう特徴とくちょうの「RSウイルス感染かんせんしょう」や、なつかぜの一種いっしゅの「ヘルパンギーナ」と診断しんだんされるどもが急増きゅうぞうしていて、近隣きんりん薬局やっきょく一部いちぶくすり在庫ざいこ不足ふそくしているなか対応たいおう苦慮くりょしています。
医院いいん発熱はつねつ外来がいらいでは5つきに「RSウイルス感染かんせんしょう」と診断しんだんされたどもは16にん、「ヘルパンギーナ」と診断しんだんされたどもは1にんでしたが、6つきは26にちまでで「RSウイルス感染かんせんしょう」が53にん、「ヘルパンギーナ」が49にん増加ぞうかしています。

27にちも、午前ごぜんちゅうだけでおよそ40にんども診察しんさつおとずれ、発熱はつねつとせきの症状しょうじょうがあった1さい女の子おんなのこ検査けんさ結果けっか、「RSウイルス感染かんせんしょう」と診断しんだんされていました。

医院いいんではこのところの患者かんじゃ増加ぞうかともない、「RSウイルス感染かんせんしょう」の検査けんさキットの在庫ざいこ不足ふそくすることがおおくなり、先週せんしゅうは1にちあたり100にん程度ていど患者かんじゃに対にたいして8にんぶんしかのこされていなかったため、より重症じゅうしょうしやすいとされる新生児しんせいじ乳児にゅうじ対象たいしょうしぼって検査けんさおこなったということです。

また近隣きんりん薬局やっきょくで、抗生こうせい物質ぶっしつやせきくすり一部いちぶ出荷しゅっか停止ていし出荷しゅっか制限せいげん品薄しなうす状態じょうたいとなっているといい、本来ほんらい処方しょほうしたいくすりではないもののたような作用さようあるくすりえて対応たいおうしているということです。
たむら医院いいん田村たむらつよし院長いんちょうは、「コロナでの感染かんせん対策たいさく結果けっかどもたちにほか感染かんせんしょうひろがらず、ここにきて免疫めんえきのないどもたちの感染かんせん相次あいついでいるとみられる。ただくすり不足ふそくこのままつづと、くすり処方しょほう日数にっすうらさないと対応たいおうしきれない状態じょうたいなるので、手洗てあらなど基本きほんてき感染かんせん対策たいさく徹底てっていするとともに、症状しょうじょう小児しょうに予約よやくれない場合ばあいはかかりつけ以外いがいのクリニックを受診じゅしんすることも検討けんとうしてほしい」とはなしていました。

RSウイルス 入院にゅういん患者かんじゃ増加ぞうか

「RSウイルス感染かんせんしょう」の患者かんじゃ増加ぞうかともなって、小児しょうに医療いりょう中核ちゅうかくにな東京とうきょう都内とない病院びょういんでは重症じゅうしょうして入院にゅういんする患者かんじゃえています。

東京とうきょう世田谷せたがやある国立こくりつ成育せいいく医療いりょう研究けんきゅうセンターでは、「RSウイルス感染かんせんしょう」で入院にゅういんするども相次あいついでいて、5つきまでは入院にゅういん患者かんじゃが10にん未満みまんでしたが、5つき下旬げじゅんからはじめ、26にち時点じてんでは41にん入院にゅういんしています。
生後せいご6か月かげつ以下いかあかちゃんも15にん入院にゅういんしており、ことしは生後せいご2か月かげつ以下いかあかちゃんも9にんおおくなっていて、なかには生後せいご2週間しゅうかんあまあかちゃんが入院にゅういんしたケースもあったということです。

病院びょういんでは水分すいぶんことができず、脱水だっすい症状しょうじょうどももいますが、特効薬とっこうやくがないため、酸素さんそ投与とうよ点滴てんてきでの対症たいしょう療法りょうほうおこなっているということです。

また、ことしは「ライノウイルス」や「ヒトメタニューモウイルス」など呼吸こきゅう感染かんせんしょう肺炎はいえんなどをこして入院にゅういんする例年れいねんよりおおく、「ライノウイルス」に感染かんせん入院にゅういんしている生後せいご10か月かげつあかちゃんはせきや気管支きかんしえん症状しょうじょうて、食事しょくじ水分すいぶんれず、点滴てんてきけていました。

【Q&A】症状しょうじょう対策たいさくは?感染かんせんしたら? 専門せんもん

ども感染かんせんしょう診療しんりょうおこなっている国立こくりつ成育せいいく医療いりょう研究けんきゅうセンター感染かんせんしょうだいむべりょく診療しんりょう部長ぶちょうに、いま感染かんせんひろがっているどもの感染かんせんしょうについてきました。
Q.いまえている「RSウイルス感染かんせんしょう」はどのような病気びょうきですか。

A.RSウイルスはいわゆる呼吸こきゅうウイルスといわれるもので、かぜのような症状しょうじょうこします。
一般いっぱんてきには2さいぐらいまでにはほぼ全員ぜんいんが1かいかかるといわれています。
とくちいさいお子おこさんまれてはじめてかかったときには症状しょうじょうおもくなり、肺炎はいえん気管支きかんしえんになったり呼吸こきゅう障害しょうがい酸素さんそひくくなったりして、息苦いきぐるしさで水分すいぶん食事しょくじれなくなることもあります。
1さい未満みまんとく生後せいご6か月かげつ未満みまんお子おこさんがRSウイルスに感染かんせんすると、基礎きそ疾患しっかんがなくても、かなり確率かくりつ具合ぐあいわるくなります。

Q.どのような治療ちりょうおこなわれますか。

A.インフルエンザなどちがって、RSウイルスに対にたいする特効薬とっこうやく残念ざんねんながらありません。
基本きほんてきには対症たいしょう療法りょうほうたとえば酸素さんそたもてないお子おこさんには酸素さんそ投与とうよ呼吸こきゅうたすける治療ちりょうをします。
ちいさいお子おこさんだと分泌ぶんぴつぶつはなまって、呼吸こきゅうくるしくなることもあるので、吸引きゅういんしてってあげるなど対応たいおうをします。
あとは呼吸こきゅうするのがつらくて水分すいぶんがとれないときには点滴てんてきをしたりします。

Q.最近さいきん患者かんじゃすうえているときますが。

A.国立こくりつ成育せいいく医療いりょう研究けんきゅうセンターでは5つき下旬げじゅんくらいから入院にゅういんする患者かんじゃ徐々じょじょえて、最近さいきんでは40にん以上いじょうがあります。
RSウイルスに感染かんせんして入院にゅういんする患者かんじゃさんが40にん以上いじょうというのは、とういんではいままでなかったことだとおもいます。
かなり急激きゅうげき増加ぞうかで、病院びょういんとしては必要ひつよう医療いりょうおこなことがむずかしくなるくらい切迫せっぱくしている状況じょうきょうです。

Q.なぜ感染かんせんしゃえているのでしょうか。

A.1つは、新型しんがたコロナにともな感染かんせん対策たいさくによってコロナ以外いがいいろいろ感染かんせんしょう流行りゅうこうおさえられたことがあります。
その結果けっか、RSウイルスだけでなく感染かんせんしょうに対にたいする免疫めんえきたないほうえ、地域ちいきなか割合わりあいおおくなったということだとおもいます。
こうしたなかで、5つきにコロナの感染かんせん対策たいさく緩和かんわされたため、感染かんせんしょう流行りゅうこうしやすい状況じょうきょうになっています。
感染かんせん対策たいさく緩和かんわされているので、いろいろなウイルスに感染かんせんしやすく一気いっき地域ちいきひろまりやすいことが背景はいけいとしてあるおもいます。

Q.どんな感染かんせん対策たいさく必要ひつようですか。

A.基本きほんてき感染かんせん対策たいさくしっかりということが大切たいせつです。
ちいさいお子おこさんとく2さい未満みまんお子おこさんの場合ばあいにはマスクはおすすめできないですしむずかしいですが、マスクができる年齢ねんれいとか成人せいじんほうにはしっかりマスクをしていただくことが大事だいじです。
またRSウイルスはおも感染かんせん経路けいろ接触せっしょく感染かんせんといわれているので、RSウイルスをふくんだ分泌ぶんぴつぶつがドアノブやおもちゃテーブルなどいて、それさわったはなくちさわとウイルスに感染かんせんします。手洗てあらしっかりしていただくことが大切たいせつです。

またちいさいお子おこさんはRSウイルスに感染かんせんすると非常ひじょう具合ぐあいわるくなることがおおので、そうした家庭かていではとく感染かんせん対策たいさくしっかりして、家庭かていないにウイルスを持ち込もちこまないことが重要じゅうようかとおもいます。

Q.感染かんせんした場合ばあいどう対応たいおうすればいいでしょうか。

A.呼吸こきゅうくるしそうとかんだりべたりできないなどといった状況じょうきょうなると、入院にゅういん必要ひつようになることもありますので、病院びょういん受診じゅしんすることをすすめます。

Q.「ヘルパンギーナ」も流行りゅうこうしていますが、どういう症状しょうじょうのでしょうか。

A.ヘルパンギーナはねつときとないときがありますが、おも症状しょうじょうとしてはくちなかみずぶくれや粘膜ねんまくがえぐれたような潰瘍かいようができます。
非常ひじょういたく、んだりべたりできないことが問題もんだいになります。
かぜのウイルスのいちしゅですが、RSウイルスとおなじく特効薬とっこうやくはなく、自然しぜんなおのをことになります。
その間そのかん水分すいぶんれず脱水だっすいになったりしますので、注意ちゅうい必要ひつようかとおもいます。

Q.治療ちりょうどのようにおこなのでしょうか。

A.基本きほんてきには自然しぜんなおりますが、なおまでのをいかに乗り切のりきかが大事だいじです。
くちなかいたので、水分すいぶんいたくてれないことが問題もんだいになります。
そういう場合ばあいは、たとえばアセトアミノフェンなどいたがそれなりに効果こうか発揮はっきします。
ある程度あるていど症状しょうじょうおさえられて水分すいぶんれるようであれば、からだがウイルスをコントロールできるまでって乗り切のりきことになります。
症状しょうじょうつづのはすうにちですが、もう少もうすこ長引ながびお子おこさんもいるとおもいます。
すうにちから1週間しゅうかんそんなところだとおもいます。

Q.自宅じたく看病かんびょうする場合ばあいどうすればいいですか。

A.ある程度あるていど食事しょくじがとれて意識いしきしっかりしていて、しょっちゅうということがなければ、自宅じたく熱冷ねつさましいた適宜てきぎ使つかいながら様子ようすをみるということでよいおもいます。
お子おこさんいたおもので、せめて水分すいぶんだけでもっていくというのが大事だいじだとおもいます。

Q.RSウイルス感染かんせんしょうとヘルパンギーナ以外いがい感染かんせんしょうについてはどうでしょうか。

A.「ヒトメタニューモウイルス」や「パラインフルエンザウイルス」それに「ライノウイルス」といった呼吸こきゅうのウイルスによる感染かんせんしょうおおくなっています。入院にゅういんまでいたようなお子おこさんおおです。
とく基礎きそ疾患しっかんあるお子おこさんは、かぜのウイルスに感染かんせんすると、かぜのレベルわらないことがおおくあります。なんらかの基礎きそ疾患しっかんあるお子おこさんまれてもない、生後せいご6か月かげつ未満みまんお子おこさんはとく注意ちゅうい必要ひつようです。

Q.こうした感染かんせんしょうこれから拡大かくだいつづのでしょうか。

A.いつまでつづかはからないですが、たとえばRSウイルス感染かんせんしょういままでの経験けいけんからかんがえると、まだピークをむかえていない可能かのうせい十分じゅうぶんあるおもいます。例年れいねんだとピークをむかえたあとにゆるやかに入院にゅういん患者かんじゃさんっていって、落ち着おちつまでに2か月かげつぐらいかかります。
基本きほんてきみなさんでできる感染かんせん対策たいさくしっかりやっていただくことが大事だいじです。コロナの感染かんせん対策たいさくつうじるところがありますが、手洗てあらそれマスクできるほうはしっかりしてほしいです。
いまお話おはなした感染かんせんしょうには現状げんじょうではいま使つかえるワクチンはないですが、予防よぼう接種せっしゅおかげ流行りゅうこうおさえられている感染かんせんしょうたくさんあるので、とく定期ていき予防よぼう接種せっしゅとう接種せっしゅできる機会きかいのがさずに確実かくじつけることも大切たいせつかなとおもいます。
ソース:NHK ニュース