政府せいふ 東京とうきょう電力でんりょく管内かんないであすから節電せつでん要請ようせい 家庭かてい・企業きぎょうでの対策たいさくは？

政府せいふはこの夏なつの電力でんりょく需給じゅきゅうについて、東京とうきょう電力でんりょくの管内かんないでは非常ひじょうに厳きびしくなるおそれがあるとして、7月つき1日にちから無理むりのない範囲はんいで節電せつでん要請ようせいを行おこないます。

厳きびしい暑あつさのなかでも無理むりのない範囲はんいで、家庭かていや企業きぎょうでできる節電せつでん効果こうかの高たかい取り組とりくみなどをまとめました。

東電とうでん管内かんない 想定そうてい外がいの暑あつさの場合ばあい「非常ひじょうに厳きびしく」

政府せいふは、この夏なつの電力でんりょく需給じゅきゅうについて供給きょうきゅうの余力よりょくを示しめす「予備よび率りつ」が、全国ぜんこくすべての地域ちいきで安定あんてい供給きょうきゅうに最低さいてい限げん必要ひつような3％を確保かくほできる見通みとおしだとしています。

ただ、東京とうきょう電力でんりょくの管内かんないでは7月つきの予備よび率りつが3.1％、8月つきは4.8％となる見通みとおしで、想定そうてい外がいの暑あつさになるなどした場合ばあい、電力でんりょく需給じゅきゅうが非常ひじょうに厳きびしくなるおそれがあります。

⇒電力でんりょくひっ迫ひっぱく状況じょうきょう（東京とうきょう電力でんりょく管内かんない）

このため、政府せいふは東京とうきょう電力でんりょくの管内かんないで7月つき1日にちから8月つき31日にちまでの2か月かげつ間かん、無理むりのない範囲はんいで節電せつでんを呼よびかけることにしています。

7月つき1日にちからの節電せつでん要請ようせいは冬ふゆに続つづいて数値すうち目標もくひょうは設定せっていされておらず、経済けいざい産業さんぎょう省しょうでは家庭かていに対にたいし、▽不要ふような照明しょうめいを消けすことや、▽リビングや寝室しんしつの照明しょうめいの明あかるさを下さげること、それに▽室内しつない温度おんどの設定せっていを無理むりのない範囲はんいで上あげることなどを呼よびかけます。

また、企業きぎょうに対にたいしても▽可能かのうな範囲はんいでオフィスや店舗てんぽの照明しょうめいを減へらすことや、▽カーテンやブラインドを活用かつようし、冷房れいぼうの効率こうりつを高たかめることなどを呼よびかけることにしています。

7月つき1日にちからの節電せつでん要請ようせいについて西村にしむら経済けいざい産業さんぎょう大臣だいじんは30日にちの閣議かくぎのあとの会見かいけんで「体調たいちょうを一番いちばんに考かんがえて無理むりのない範囲はんいで使つかっていない部屋へやや廊下ろうかの照明しょうめいを消けすなどさまざまな取り組とりくみをお願おねがいしたい。1つ1つ小ちいさな取り組とりくみが積み重つみかさなれば大おおきな効果こうかになる」と述のべました。

家庭かていや企業きぎょうでできる省エネしょうえねの取り組とりくみは

7月つき1日にちからの東京とうきょう電力でんりょく管内かんないの節電せつでん要請ようせいにあわせて資源エネルギー庁しげんえねるぎ-ちょうのホームページでは家庭かていや企業きぎょうでできる省エネしょうえねの具体ぐたい的てきな取り組とりくみをまとめています。

この中なかで、午後ごご5時じから午後ごご8時じごろの時間じかん帯たいが太陽光たいようこうによる発電はつでん量りょうが減少げんしょうして電力でんりょく需給じゅきゅうが厳きびしくなるとして、この時間じかん帯たいは特とくに節電せつでんの取り組とりくみが重要じゅうようだとしています。

その上うえで、家庭かていでは電力でんりょく使用しよう量りょうのおよそ4割わりを冷房れいぼうが占しめるとして、無理むりのない範囲はんいで室内しつない温度おんどの設定せっていを上あげるよう呼よびかけています。

例たとえば、室内しつない温度おんどの設定せっていを26度どから28度どに上あげると5.4％の節電せつでん効果こうかがあるとするほか、目め詰つまりしたフィルターを清掃せいそうすると1.9％の節電せつでん効果こうかがあるとしています。

また、部屋へやの明あかるさを抑おさえると2.5％、不要ふような照明しょうめいを消けすと1.5％、それぞれ節電せつでん効果こうかがあるとしています。

また、企業きぎょうに対にたいしては可能かのうな範囲はんいでオフィスや店舗てんぽの照明しょうめいを減へらすよう求もとめていて、オフィスビルの照明しょうめいを半分はんぶん程度ていどに減へらした場合ばあい、建物たてもの全体ぜんたいで12.7％の節電せつでん効果こうかがあるとしています。

節電せつでんに応おうじて「ポイント」付与ふよのサービスも

こうした中なかで、電力でんりょくの小売こうり事業じぎょう者しゃも要請ようせいにあわせる形かたちで、利用りよう者しゃに対にたいして節電せつでんを促うながす取り組とりくみを行おこなっています。

このうち、「東京とうきょう電力でんりょくエナジーパートナー」は6月つき19日にちから節電せつでんした量りょうに応おうじて電子でんしマネーと交換こうかんできるポイントを付与ふよするサービスを始はじめました。

会社かいしゃが指定していした時間じかん帯たいに利用りよう者しゃごとの平均へいきん的てきな使用しよう量りょうよりも節電せつでんできれば、取り組とりくみに応おうじたポイントがもらえる仕組しくみです。

また、東京ガスとうきょうがすも7月つき1日にちから節電せつでんを促うながす取り組とりくみを始はじめ、対象たいしょうとなる時間じかん帯たいに節電せつでんできれば、電子でんしマネーと交換こうかんできるポイントをもらえるということで、各社かくしゃではこうしたサービスを通をとおして、利用りよう者しゃにできる限かぎりの節電せつでんを働はたらきかけたいとしています。

電気でんきの使用しよう量りょうが半減はんげん 都内とない印刷いんさつ会社かいしゃの取り組とりくみとは

夏なつの節電せつでん要請ようせいにあわせて東京とうきょう都内とないの印刷いんさつ会社かいしゃでは、設備せつびの稼働かどうを一部いちぶ休止きゅうしするなどして、電気でんきの使用しようを少すくなくする取り組とりくみを進すすめています。

東京とうきょう 千代田ちよだ区くに本社ほんしゃがある従業じゅうぎょう員いんおよそ60人にんの印刷いんさつ会社かいしゃでは、夏なつの電気でんき代だいが去年きょねんまでの3年間ねんかんで、50％近ちかく増ふえました。

会社かいしゃではコストの削減さくげんにもつながるとして、節電せつでんに向むけた対応たいおうを進すすめています。

これまで3つのフロアでそれぞれ印刷いんさつ機きを稼働かどうさせて納期のうきに間に合まにあわせていましたが、このうち、1つのフロアでは原則げんそく、稼働かどうを休止きゅうしし、作業さぎょうを集約しゅうやくしました。

稼働かどうを休止きゅうししたフロアでは、空調くうちょうや照明しょうめいも使つかわずに済すむということで、こうした工夫くふうで電気でんきの使用しよう量りょうを少すくなくしようとしています。

一部いちぶの印刷いんさつ機きの稼働かどうを止とめる形かたちとなりますが、納期のうきをこれまでより長ながめにするなど取引とりひき先さきの理解りかいを得えながら節電せつでんに取り組とりくみたいとしています。

またオフィスでは会議かいぎ室しつのエアコンを運転うんてん開始かいしから1時間じかんたつと自動じどうで消きえる設定せっていにしたり、消けし忘わすれ防止ぼうし機能きのうを活用かつようしたりして、余分よぶんな電気でんきを使つかわないようにしています。

この会社かいしゃでは4年ねん前まえに国くにの補助ほじょ金きんを活用かつようして省エネしょうえね性能せいのうの高たかい空調くうちょうや照明しょうめい設備せつびに改修かいしゅうした結果けっか、オフィスの電気でんきの使用しよう量りょうが半分はんぶん近ちかく減へったということで、今後こんご、さらなる設備せつびの更新こうしんも検討けんとうすることにしています。

共立きょうりつ速記そっき印刷いんさつの笹井ささい靖夫やすお社長しゃちょうは、「エアコンや印刷いんさつ機きの稼働かどう調整ちょうせいなど、できることをひとつずつ確実かくじつに行いって、省エネしょうえねに貢献こうけんしたいです。改修かいしゅうのための投資とうし費用ひようはかかりますが、国くにの補助ほじょ金きんも活用かつようしながら取り組とりくみます」と話はなしています。

熱中ねっちゅう症しょうリスク高たかい高齢こうれい者しゃや乳幼児にゅうようじなど “我慢がまんせずエアコンを”

例年れいねん、7月つき1日にちから8月つき31日にちまでの時期じきは厳きびしい暑あつさとなり熱中ねっちゅう症しょうで搬送はんそうされる人ひとが急増きゅうぞうする時期じきにも重かさなります。

東京とうきょう 板橋いたばし区くでは民生みんせい委員いいんが熱中ねっちゅう症しょうのリスクの高たかい高齢こうれい者しゃを訪たずねてエアコンを適切てきせつに使つかうなど必要ひつような対策たいさくも呼よびかけました。

東京とうきょう 板橋いたばし区くでは夏なつの厳きびしい暑あつさが始はじまるこの時期じきに、熱中ねっちゅう症しょうのリスクが高たかくなる高齢こうれい者しゃのうち75歳さい以上いじょうを対象たいしょうに民生みんせい委員いいんが自宅じたくを訪問ほうもんし、熱中ねっちゅう症しょうの対策たいさくを呼よびかけています。

東京とうきょうの都心としんの最高さいこう気温きおんが33.8度どと厳きびしい暑あつさとなった29日にち、担当たんとう者しゃが地域ちいきのお年寄としよりの自宅じたくを訪おとずれました。

担当たんとう者しゃは「体調たいちょうは変かわりないですか」などと声こえをかけ、エアコンを使つかっているかなどを確認かくにんしていました。

その上うえで、この夏なつ、政府せいふが節電せつでん要請ようせいをする中なかでもエアコンや扇風機せんぷうきを併用へいようして室内しつないの温度おんどが28度ど以下いかになるようにしたり、水みずを飲のんだりするなど熱中ねっちゅう症しょうの対策たいさくを続つづけてほしいと呼よびかけました。

これに対にたいし、息子むすこと暮くらしている89歳さいの女性じょせいは「体調たいちょうを崩くずさないように暑あつい日ひは我慢がまんせずにエアコンを使つかいたいです」と応こたえていました。

板橋いたばし区くの民生みんせい・児童じどう委員いいんの醍醐だいご範はん暁あきらさんは「この時期じき、熱中ねっちゅう症しょうへの対策たいさくは最もっとも重要じゅうようなことです。地区ちくの中なかから熱中ねっちゅう症しょうで運はこばれる人ひとが出でないように今後こんごも取り組とりくんでいきたい」と話はなしています。

熱中ねっちゅう症しょうに詳くわしい、医師いしで帝京ていきょう大学だいがく医学部いがくぶ附属ふぞく病院びょういん高度こうど救命きゅうめい救急きゅうきゅうセンターの三宅みやけ康史やすしセンター長ちょうは「7月つき下旬げじゅんから8月つき上旬じょうじゅんは医療いりょう機関きかんにかかる熱中ねっちゅう症しょう患者かんじゃが圧倒的あっとうてきに多おおい時期じきにあたる。特とくに高齢こうれい者しゃや乳幼児にゅうようじ、体からだに障害しょうがいのある方ほうなど暑あつさに弱よわい人ひとにとってエアコンは特効薬とっこうやくで、快適かいてきな室温しつおんになるよう我慢がまんせずにエアコンを使つかってほしい全員ぜんいん一律いちりつに同おなじように節電せつでんするのではなく、メリハリをつけることが必要ひつようだ」と話はなしています。

ソース：NHK ニュース