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能登のと半島はんとう地震じしん こまりごと「居住きょじゅう環境かんきょう」91% NHK被災ひさいしゃアンケート

2024-06-30 22:09:48

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能登のと半島はんとう地震じしんから半年はんとしなるに当にあたり仮設かせつ住宅じゅうたく入居にゅうきょしゃ対象たいしょうにNHKが専門せんもん共同きょうどうおこなったアンケートで、現在げんざいこまりごとをたずねたところ9わりあまひとが「居住きょじゅう環境かんきょう」と回答かいとうしました。今回こんかい調査ちょうさで、地震じしんに対にたい不安ふあんつのらせながら仮設かせつ住宅じゅうたく環境かんきょうストレスかかえる被災ひさいしゃ姿すがた浮き彫うきぼになりました。

NHKは6つき東京とうきょう大学だいがく関谷せきや直也なおや教授きょうじゅ研究けんきゅうしつ共同きょうどうおく能登のと地域ちいきてられた仮設かせつ住宅じゅうたく入居にゅうきょしゃ対象たいしょうアンケートおこな270にんから回答かいとうました。

現在げんざいこまりごと】
このなかで、現在げんざいこまりごとについて複数ふくすう回答かいとういたところ
▽「居住きょじゅう環境かんきょう」が91%ともっとおお
▽「生活せいかつ環境かんきょう」が72%
▽「仕事しごと」が48%
▽「医療いりょう福祉ふくし」が47%となりました。


居住きょじゅう環境かんきょうについて具体ぐたいてきに】
さらに、居住きょじゅう環境かんきょうについての具体ぐたいてきこまりごとについては
▽「いえこわれてめない」が50%
▽「こわれたいえ撤去てっきょのめどがたたない」が32%などと、自宅じたく損壊そんかいに関にかんするなやおおかった一方いっぽう
▽「仮設かせつ住宅じゅうたく環境かんきょうわる」が23%
▽「プライバシーの確保かくほむずかしい」が19%と、
現在げんざいまいある仮設かせつ住宅じゅうたくについての課題かだいもあげられました。

復旧ふっきゅう復興ふっこう進捗しんちょく(しんちょく)】
また復旧ふっきゅう復興ふっこう進捗しんちょくについて、どのようにかんじているかいたところ
▽「すすんでいない」が43%
▽「あまりすすんでいない」が42%
▽「ややすすんでいる」が10%
▽「順調じゅんちょうすすんでいる」が3%と
8わり以上いじょうひと復興ふっこうへの実感じっかんまだかんじていないという結果けっかになりました。

復興ふっこうけてかんじていること】
さらに、復興ふっこうかんじていることを複数ふくすう回答かいとういたところ
▽「またおおきな地震じしんのではないかとこわ」が77%ともっとおお
▽「仕方しかたないのでまた頑張がんばしかない」が46%
▽「んでいたいえもどれないというあきらめがある」が42%
▽「今後こんご生活せいかつどうすればよいからない」と
▽「復興ふっこうまちのイメージがわかない」がいずれも39%でした。


今後こんご生活せいかつ拠点きょてんきたい地域ちいき
そのうえで、今後こんご生活せいかつ拠点きょてんきたい地域ちいきについては
▽「被災ひさいまえんでいた場所ばしょ」が54%ともっとおお
▽「まえおな地区ちく」が13%
▽「まえおな自治体じちたい」が6%と
わせて70%あま住み慣すみなれたまち生活せいかつつづけたいとかんがえていることがわかりました。

このほか
▽「県内けんないべつ自治体じちたい」は8%
▽「けんがいでもかまわない」は4%でした。

今後こんご住居じゅうきょ
今後こんご住居じゅうきょについて複数ふくすう回答かいとういたところ
▽「もと場所ばしょ建て直たてなおしたい」が53%
▽「もと住居じゅうきょ修繕しゅうぜんしたい」が14%となった一方いっぽう
▽「公営こうえい住宅じゅうたくみたい」が27%
▽「集合しゅうごう住宅じゅうたくみたい」が8%と
戸建こだ住宅じゅうたく以外いがいまい希望きぼうするひとは、およそ3わりとなりました。

自由じゆう記述きじゅつでは、穴水あなみずまちの70だい女性じょせいが「1にんらしだったので、ひとおおきな物音ものおとれず、きゅうこえるのでこわ地震じしんのちおおきなおとがすると、こわくて身構みがまえてしまう」とつづっています。

石川いしかわけん珠洲すずの50だい女性じょせいは「なやみながらどうしてもはなれられず、不安ふあんなかごしています。ほうがいるかぎり、自然しぜんゆたうつくしい能登のとのこしてほしい」としるしていました。


仮設かせつ住宅じゅうたく環境かんきょうストレス生活せいかつ負担ふたん

アンケート回答かいとうした輪島わじまやまあいおもて令子れいこさん(75)は、仮設かせつ住宅じゅうたく環境かんきょうにストレスをかんじているといいます。

地震じしんきるまえひょうさんは児童じどうクラブ指導しどういんとして下校げこうどもたちとあそんだり勉強べんきょうおしえたりしていました。

ひょうさんは「お話おはなししたりうたうたったりするのが地域ちいき合唱がっしょうだんはいってコンサートたり、近所きんじょひとたちと懇親こんしんかいあつまったりしてたのしんでいました」とはなしていました。

ひょうさんの自宅じたく半壊はんかいし、車中しゃちゅうはく自宅じたく台所だいどころでの避難ひなん生活せいかつて4か月かげつほどまえ仮設かせつ住宅じゅうたく入居にゅうきょしました。

しかし仮設かせつ住宅じゅうたくでの生活せいかつ負担ふたんおおきいといいます。

ひょうさんは「台所だいどころ料理りょうりをするスペースりず、部屋へやなかせまくて布団ふとんのがやっとです。入居にゅうきょしゃすくないという理由りゆう談話だんわしつ使つかわせてもらえずひととの交流こうりゅうりました」とはなしていました。

仮設かせつ住宅じゅうたく入居にゅうきょひょうさんは頭痛ずつうなやまされるようになり、医師いしからは地震じしん影響えいきょうしていると診断しんだんされたといいます。

ひょうさんは「食欲しょくよくもなくなって、ごはんをべないこともえました。やる気やるきもなくなってこまめにつけていた家計かけい簿は5つきからつけていません」とはなしていました。

ふたた地震じしんこることへの恐怖きょうふあるいますが、ひょうさんはまたこのまち自宅じたく再建さいけんしたいというつよおもっています。

ひょうさんは「ずっとここそだってきたので、かわんぼも、友達ともだち一緒いっしょやっぱりここにいたいです。いまたのしいことはなににもないですが、はやたのしいことをつけいままでの自分じぶんもどれればいいんだけど」とはなしていました。


復興ふっこうすすんでいない」回答かいとうしたひと現状げんじょう

輪島わじま仮設かせつ住宅じゅうたく入居にゅうきょする干場ほしば典子のりこさん(68)は、アンケートに「復興ふっこうすすんでいない」と回答かいとうしました。

干場ほしばさん自宅じたく地震じしん全壊ぜんかいし、おっとと91さい義母ぎぼとともに仮設かせつ住宅じゅうたくで3にんらし

夫婦ふうふ自宅じたくかたづけをすすめていますがおっとそう一郎いちろうさん(72)は地震じしんかたむいたいえはいめまいこすようなったということです。

干場ほしばさんは「1つき中頃なかごろから2にんかたづけをしているがずっとすすんでいないかんです。まちても1けん解体かいたいしていないとおもほど、復興ふっこうあしがかりすらできていないかんがします」とはなしていました。

干場ほしばさん自宅じたく併設へいせつしていた仕事場しごとば全壊ぜんかいし、なりわいだったはし製造せいぞうする機械きかいたおれ、完成かんせいした大量たいりょうはしゆか散乱さんらんしました。

災害さいがいボランティアにかたづけをたのむこともかんがえましたが、らばったはしこまかく仕分しわけする必要ひつようがあり、自分じぶんたちでかたづける以外いがい方法ほうほうはないといいます。

仕事しごと再開さいかいできる見込みこたず、従業じゅうぎょういんやとつづけることができなくなりました。

干場ほしばさんはことばにまりながら「再開さいかいのめどはさっぱりとらん。すこずつできることをやしていこうと、いまそういうかんでいます」とはなしていました。

干場ほしばさん現在げんざい目標もくひょう公費こうひ解体かいたい申請しんせい締め切しめきられる11つき29にちまでにかたづけをわらせ、解体かいたい申請しんせいをすることです。

干場ほしばさんは「父親ちちおやだいからずっとやってきたから輪島わじまへのおもかな。わたしらはすごいいいとこやとおもし、ここんでここで仕事しごとをしたい」とはなしていました。


専門せんもんんでいた場所ばしょ再建さいけん意思いし 明確めいかくに」

今回こんかいアンケート結果けっかについて、災害さいがい社会しゃかいがく専門せんもん東京とうきょう大学だいがく関谷せきや直也なおや教授きょうじゅは「都市とし以外いがいこった災害さいがいでは復興ふっこうまでに時間じかんかかることもあって、再建さいけんあきらめるひとおお今回こんかい能登のとでの調査ちょうさで、おおひと自分じぶんんでいた場所ばしょ再建さいけんしたいという意思いしつよっていることが明確めいかくになった」と分析ぶんせきしました。

そのうえで「いま公的こうてきすすめている復興ふっこう取り組とりくと、被災ひさいしゃ個人こじんいている生活せいかつ再建さいけん住居じゅうきょ復旧ふっきゅうへの意思いしがずれているのが結果けっかとしてえてきた」と指摘してきしたうえで「住宅じゅうたく再建さいけん支援しえん制度せいどなど住民じゅうみんへの情報じょうほう提供ていきょう非常ひじょう不足ふそくしていて、今後こんごどのように地域ちいき復興ふっこうすすかわからないという疑念ぎねんにつながっている。行政ぎょうせいには、これから復興ふっこう進め方すすめかた個人こじん生活せいかつ再建さいけんどのような選択せんたくあるのか、きちんと情報じょうほう提供ていきょうしていくことがもとめられる」とはなしていました。

ソース:NHK ニュース