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大阪おおさか 医療いりょう破綻はたん危機きき限界げんかいえている」66%の病院びょういん回答かいとう

2021-05-14 10:00:21

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コロナ患者かんじゃ治療ちりょうにあたる大阪おおさか府内ふないおもな50の病院びょういんいま医療いりょう提供ていきょう体制たいせいについてNHKがアンケート形式けいしきいたところ、回答かいとうせたうち、66%の病院びょういんが「現在げんざい状況じょうきょう病院びょういん機能きのう限界げんかいえている」とこたえ、医療いりょう提供ていきょう体制たいせい破綻はたん危機きき直面ちょくめんしている実態じったいあらためて浮き彫うきぼになりました。

また、88%の病院びょういんが「一般いっぱん診療しんりょう影響えいきょうている」とこたえ、地域ちいき医療いりょう現場げんばにもおおきな影響えいきょうている実態じったい裏付うらづけられました。

大阪おおさかでは、新型しんがたコロナの急速きゅうそく感染かんせん拡大かくだいで、重症じゅうしょう病床びょうしょう入院にゅういんできない患者かんじゃ中等ちゅうとうしょう病床びょうしょう治療ちりょうけざるをなくなったり、入院にゅういんっている患者かんじゃ自宅じたくなど死亡しぼうするれい相次あいつなど、医療いりょう提供ていきょう体制たいせい破綻はたん危機きき直面ちょくめんしています。

NHKは、医療いりょう現場げんば実態じったいため、大阪おおさか府内ふないでコロナ患者かんじゃ受け入うけいれるおもな50の病院びょういん今月こんげつ7にちから13にちにかけてアンケート形式けいしき取材しゅざいし、このうち64%にあたる32の病院びょういんから回答かいとうました。

このなかで、りつにして66%、21の病院びょういんが「直近ちょっきんの1週間しゅうかんでコロナ患者かんじゃ入院にゅういん要請ようせいことわったことがある」とこたえました。

またこのうち76%、21病院びょういんのうち16の病院びょういんが「コロナ患者かんじゃ治療ちりょう支障ししょうている」とこたえました。

理由りゆうについてと、複数ふくすう病院びょういんが「重症じゅうしょう患者かんじゃ医師いし看護かんごのマンパワーをとられ、中等ちゅうとうしょう患者かんじゃ十分じゅうぶん対応たいおうができなかった」とこたえたほか「中等ちゅうとうしょう患者かんじゃ対応たいおうする設備せつびしかないまま、重症じゅうしょう患者かんじゃ受け入うけいれるには、できる治療ちりょう限界げんかいがあった」とこたえたところもあり、重症じゅうしょう患者かんじゃ急増きゅうぞう中等ちゅうとうしょう患者かんじゃ治療ちりょう深刻しんこく影響えいきょうおよんでいる実態じったい浮き彫うきぼになりました。

さらに回答かいとうせた88%、28の病院びょういんが「コロナ以外いがい一般いっぱん医療いりょう支障ししょうている」とこたえました。

具体ぐたいてきには、複数ふくすう病院びょういんが「いそがない手術しゅじゅつ入院にゅういん延期えんきしてもらった」とこたえたほか通常つうじょうなら集中しゅうちゅう治療ちりょうしつ治療ちりょうするコロナ以外いがい患者かんじゃを、通常つうじょう病床びょうしょうれざるをえない」といった回答かいとうもあり、必要ひつよう医療いりょうとどけることができず地域ちいき医療いりょう深刻しんこく影響えいきょうおよんでいるとうったえました。

そしてりつにして66%、21の病院びょういんが「現在げんざい状況じょうきょう病院びょういん機能きのう限界げんかいえている」とこたえ、医療いりょう提供ていきょう体制たいせい破綻はたん危機きき直面ちょくめんしている実態じったいあらためて浮き彫うきぼになりました。

現場げんばからは「患者かんじゃ重症じゅうしょうになっても行き場いきばがない」とか「専門せんもんてき治療ちりょう必要ひつよう患者かんじゃへの対応たいおうができない状況じょうきょうで、自分じぶんたちがたすべき地域ちいき医療いりょうへの貢献こうけんまった崩壊ほうかいしている」といった悲痛ひつうこえがっていました。

病院びょういんいのち選択せんたくちかようなことがおこなわれている」

大阪おおさか市内しないで、おも中等ちゅうとうしょう新型しんがたコロナウイルスの患者かんじゃ受け入うけいれている病院びょういんはNHKの取材しゅざいに対にたい受け入うけいれが想定そうていされていない重症じゅうしょう患者かんじゃ次々つぎつぎ運び込はこびこまれ、ほか病棟びょうとうから看護かんごなど応援おうえんんで対応たいおうしても、コロナ患者かんじゃ一般いっぱん患者かんじゃことわらざるをえないケースている。本意ほんいだが、いのち選択せんたくちかようなことがおこなわれている状況じょうきょうだ」とはなし、病院びょういん機能きのうえる状況じょうきょうおちいっているとうったえました。

大阪おおさか 福島ふくしまの「地域ちいき医療いりょう機能きのう推進すいしん機構きこう大阪おおさか病院びょういん」は軽症けいしょう中等ちゅうとうしょう患者かんじゃ病床びょうしょうを20もう今月こんげつ7にち時点じてんで18にん患者かんじゃ入院にゅういんし、それとはべつ、6にん重症じゅうしょう患者かんじゃ治療ちりょうにあたっています。

大阪おおさか病院びょういんでは8しょうあるICU=集中しゅうちゅう治療ちりょうしつをこれまでは一般いっぱん患者かんじゃ使用しようしていましたが、受け入うけいれる重症じゅうしょう患者かんじゃえ、さらに、入院にゅういんちゅう重症じゅうしょうした患者かんじゃ対応たいおうする必要ひつようがあるとして、ICUの部屋へや半分はんぶん区切くぎり、先月せんげつ16にち仮設かせつでコロナ患者かんじゃようのICUをもうけました。

病院びょういんちょう西田にしだ俊朗としろう医師いしは「重症じゅうしょう患者かんじゃ多数たすう受け入うけいれることが想定そうていされていないため、重症じゅうしょう患者かんじゃ容体ようだい確認かくにんする設備せつびなど十分じゅうぶんでない。ほか病棟びょうとうから看護かんごなど応援おうえんび、なんとか乗り切のりきっているような状況じょうきょうだ。この影響えいきょう人手ひとでりなくなり、コロナ患者かんじゃ一般いっぱん患者かんじゃことわらざるをえないケースている」とはなし、重症じゅうしょう患者かんじゃよう十分じゅうぶん設備せつびがないまま対応たいおうせざるをえない実態じったいかたりました。

こうした状況じょうきょうなかで、病院びょういんではおおときでは1にち10すうけんのコロナ患者かんじゃ受け入うけいことわらざるをえない状況じょうきょうになっていると証言しょうげんしました。

さらに、コロナ患者かんじゃへの対応たいおうおお人手ひとでをとられるため、一般いっぱん医療いりょうにもおおきな影響えいきょうていて、今月こんげつ6にちと7にち予定よていされていた緑内障りょくないしょう手術しゅじゅつなど比較的ひかくてき緊急きんきゅうたか判断はんだんしていた手術しゅじゅつうち10けんについて延期えんきせざるをえなくなったと説明せつめいしました。

西田にしだ病院びょういんちょうは、病院びょういん機能きのう限界げんかいえていると指摘してきしたうえで「救急きゅうきゅうことわらざるをえない状況じょうきょうにもなっていて、本意ほんいだが、いのち選択せんたくちかことがおこなわれている状況じょうきょうだ。災害さいがいのようなパンデミックをおさえるため、みんなちからわせて感染かんせんしゃらしていくしかない」とべ、感染かんせんしないための行動こうどうをとってほしいとつようったえました。

病院びょういん協会きょうかい自転車じてんしゃ操業そうぎょうてきになんとか急場きゅうばをしのいでいる」

NHKがおこなったアンケート結果けっかについて、大阪おおさか府内ふない病院びょういんでつくる大阪おおさか病院びょういん協会きょうかい佐々木ささきひろし会長かいちょうは「結果けっかからもおお病院びょういん重症じゅうしょう患者かんじゃための設備せつび医療いりょうスタッフの不足ふそく痛感つうかんするが、すぐには補充ほじゅうできず、自転車じてんしゃ操業そうぎょうてきになんとか急場きゅうばをしのいでいるのが現状げんじょうだ」と指摘してきしました。

そのうえで「いま大阪おおさかは、想定そうていがい患者かんじゃすう対応たいおうれていない状況じょうきょうだ。通常つうじょう医療いりょうかなり縮小しゅくしょうしていて、病気びょうきになっても十分じゅうぶん治療ちりょうけられない可能かのうせいおおきい」と現状げんじょう説明せつめいしました。

さらに佐々木ささき会長かいちょうは「医療いりょうひっ迫ひっぱくした状況じょうきょうはすぐには解消かいしょうしない。行政ぎょうせいには、新規しんき感染かんせんしゃらす努力どりょく継続けいぞくしてもらうとともに、感染かんせんりょくつよ変異へんいかぶに対にたいする感染かんせん予防よぼう対策たいさく個人こじん個人こじんきっちりつづけるしかない」とうったえていました。

そしていま全国ぜんこく各地かくち感染かんせんしゃ拡大かくだいしていることについて「大阪おおさかきているような医療いりょうひっ迫ひっぱく地域ちいきでも十分じゅうぶんこり大切たいせつなのは、感染かんせんしゃすうすくないうち最悪さいあく事態じたい想定そうていして医療いりょう提供ていきょう体制たいせいどうするか十分じゅうぶん議論ぎろん準備じゅんびすることだ。まん延まんえんしてからでは手遅ておくで、もう一刻いっこく猶予ゆうよもないとおもってほしい」と警鐘けいしょうらしました。
ソース:NHK ニュース