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出入国管理法などの改正案 今国会成立見送る方針 政府・与党
2021-05-18 03:36:44

外国人の収容の在り方などを見直す出入国管理法などの改正案をめぐり、野党側が収容施設でスリランカ人女性が死亡した真相の解明が欠かせず採決に応じられないとしていることなどを踏まえ、政府・与党は改正案の今の国会での成立を見送る方針を固め、立憲民主党に伝えました。
出入国管理法などの改正案は、先週行われた、与野党の修正協議で内容は大筋で一致したものの、収容施設で死亡したスリランカ人女性の施設内での様子などを映した映像の開示をめぐって折り合いがつかず、野党側は、採決を阻止するため、衆議院法務委員長の解任決議案を提出しています。
こうした中、立憲民主党、共産党、国民民主党の国会対策委員長が18日午前、会談し、少なくとも、日本を訪れているスリランカ人女性の遺族らに映像が開示されないかぎり、改正案の採決には応じない方針を確認しました。
これを受けて、政府・与党は、野党側の理解を得られないまま改正案を採決するのは望ましくないとして、今の国会での成立を見送る方針を固め、自民党が、立憲民主党にこうした方針を伝えました。
このあと、両党の幹事長が会談する予定で、野党側は、衆議院に提出していた法務委員長の解任決議案を取り下げる方向で調整しています。
森山 国対委員長「国会正常化に向け重い決断しなければ」

自民党の森山国会対策委員長は、記者団に対し「委員長の解任決議案が上程されるのは国会が正常化されていないということを意味する。終盤国会で、審議が尽くされないような状況であることは極めて遺憾であり、国会の正常化に向けて、特に出入国管理法などの改正案の取り扱いについて重い決断をしなければならない」と述べました。
立民 安住国対委員長「事実上改正案の成立断念と判断しても」

立憲民主党の安住国会対策委員長は、記者団に対し「事実上、改正案の成立断念と判断してもいいのではないか。ビデオの公開の話はまだ解決していないが、国会審議での与党側の決断が、われわれの意に沿った対応であるのであれば大変評価したい。当然、衆議院法務委員長の解任決議案の取り下げも今から検討したい」と述べました。
ソース:NHK ニュース