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イスラエル政府せいふ ハマスがわとの停戦ていせん承認しょうにん発表はっぴょう

2021-05-20 23:26:30

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イスラエルとパレスチナのガザ地区ちく実効じっこう支配しはいするイスラム原理げんり主義しゅぎ組織そしきハマスとのつづいている攻撃こうげき応酬おうしゅうについて、イスラエル政府せいふは20にち閣議かくぎ停戦ていせん承認しょうにんしたと発表はっぴょうし、ハマスがわ停戦ていせんおうじるとしています。停戦ていせん日本にっぽん時間じかんの21にち午前ごぜん8からはじまり、今後こんご停戦ていせんどこまでまもられるかが焦点しょうてんです。

イスラエル政府せいふ現地げんち時間じかんの20にちよる閣議かくぎでハマスがわとの停戦ていせん承認しょうにんしたと発表はっぴょうしました。

今回こんかい停戦ていせんはエジプトが主導しゅどうしたもので、停戦ていせんのための前提ぜんてい条件じょうけんもうけていないとしています。

これに対にたいハマスがわも「イスラエルがまもかぎ我々われわれおうじる」としていて、停戦ていせんは、現地げんち時間じかんの21にち午前ごぜん2日本にっぽん時間じかんの21にち午前ごぜん8からはじまりました。

双方そうほう停戦ていせんおうじる姿勢しせいしめしたかたちですが、過去かこには停戦ていせん合意ごういしたあとに攻撃こうげきおこなわれたこともあり、今後こんご停戦ていせんどこまでまもられるかが焦点しょうてんです。

イスラエルとハマスとのでは今月こんげつ10にち以降いこうロケットだん空爆くうばくなどによるはげしい攻撃こうげき応酬おうしゅうつづき、死者ししゃかずはガザ地区ちくで232にん、イスラエルがわで12にんにのぼっています。

停戦ていせんをめぐっては、アメリカのバイデン大統領だいとうりょうが19にち、ネタニヤフ首相しゅしょうに対にたい期限きげんもうけるかたち事態じたい収束しゅうそくさせるよううながしていたほか、エジプトやカタールなどによる各国かっこく調停ちょうてい大詰おおづむかえていました。

エジプト国営こくえい通信つうしん「エジプトの提案ていあん停戦ていせんに」

エジプトの国営こくえい通信つうしんは20にち「エジプトの提案ていあんにより、ガザ地区ちく双方そうほう同時どうじ停戦ていせんはいことで合意ごういした。停戦ていせん現地げんち時間じかんの21にち午前ごぜん2はじまる」とつたえました。

また国営こくえいテレビによりますと、エジプトのシシ大統領だいとうりょう停戦ていせんまもられているかどうかを確認かくにんするためイスラエルとパレスチナに代表だいひょうだんおくよう指示しじしたということです。

バイデン大統領だいとうりょう 関係かんけいこく対応たいおう評価ひょうか

アメリカのバイデン大統領だいとうりょうは20にち、ホワイトハウスで演説えんぜつし、イスラエルのネタニヤフ首相しゅしょう電話でんわ会談かいだんしたとしたうえで、イスラエルとハマスの双方そうほう条件じょうけん停戦ていせんおうじるとネタニヤフ首相しゅしょうつたえてきたことをあきらかにしました。

そのうえで「ネタニヤフ首相しゅしょうに対にたい11日間にちかんほどで衝突しょうとつえる決断けつだんをしたことを称賛しょうさんした」とべるとともに、アメリカ停戦ていせんけた外交がいこう努力どりょくをしてきたエジプトなど関係かんけいこく対応たいおう評価ひょうかしました。

バイデン大統領だいとうりょう エジプト大統領だいとうりょう事態じたい収束しゅうそく協議きょうぎ

アメリカ ホワイトハウスのサキ報道ほうどうかんは、バイデン大統領だいとうりょうがエジプトのシシ大統領だいとうりょう電話でんわ会談かいだんし、事態じたい収束しゅうそくけた協議きょうぎおこなったことをあきらかにしました。

エジプトはこれまでもイスラエルとハマスによる衝突しょうとつ仲介ちゅうかいやくつとめていてバイデン大統領だいとうりょうとしては停戦ていせんけたはたらきかけをさらに強化きょうかしたかたちです。

一方いっぽう、バイデン大統領だいとうりょうが19にち、イスラエルのネタニヤフ首相しゅしょう電話でんわ会談かいだんしたさい「きょう大幅おおはば緊張きんちょう緩和かんわすることを期待きたいしている」とつたえたのに対にたいして、ネタニヤフ首相しゅしょうは「平穏へいおん安全あんぜん実現じつげんできるまで、作戦さくせんつづけるつもりだ」とべました。

これについて記者きしゃだんから「バイデン大統領だいとうりょう緊張きんちょう大幅おおはば緩和かんわしたと受け止うけとめているのか」と質問しつもんされると、サキ報道ほうどうかんは「日々ひびうご評価ひょうかすることはしない。戦闘せんとうわらせるためにわれわれは水面すいめんでの集中しゅうちゅうてき外交がいこうつづけていく」とべるにとどまりました。

停戦ていせんけた各国かっこくうご

今回こんかい攻撃こうげき応酬おうしゅうでは、イスラエルと関係かんけいふかアメリカのほか、イスラエルとパレスチナの双方そうほうとつながりのある中東ちゅうとうのエジプトやヨルダンなど水面すいめん仲介ちゅうかいけた外交がいこう展開てんかいしてきました。

このうちアメリカのバイデン政権せいけんは14にち、イスラエルに国務省こくむしょう高官こうかん派遣はけんし、現地げんちメディアによりますとイスラエル政府せいふ閣僚かくりょうやパレスチナ自治じち政府せいふのアッバス議長ぎちょうらと相次あいついで会談かいだんし、事態じたい沈静ちんせいはたらきかけました。

一方いっぽう攻撃こうげき応酬おうしゅうはじまった当初とうしょは「いまのところ過剰かじょう反応はんのうはみられない」とべるなど、イスラエルの攻撃こうげき一定いってい配慮はいりょしめしネタニヤフ首相しゅしょうも「イスラエルの自衛じえいけんへの支持しじ感謝かんしゃする」として、アメリカうしたて背景はいけいにガザ地区ちくへの攻撃こうげきつづけました。

ただ、バイデン大統領だいとうりょうは19にち攻撃こうげきはじまってから4度目どめとなったネタニヤフ首相しゅしょうとの電話でんわ会談かいだんで「きょう、大幅おおはば緊張きんちょう緩和かんわするよう期待きたいしている」とつたえ、期限きげんしめして対応たいおうせまっていました。

一方いっぽう中東ちゅうとうくにではエジプトのシシ大統領だいとうりょうとヨルダンのアブドラ国王こくおうが18にち、フランスのマクロン大統領だいとうりょう会談かいだん停戦ていせんけた具体ぐたいてき提案ていあん検討けんとうするため、協議きょうぎ開始かいししていました。

こうしたなか、ハマスの幹部かんぶは、中東ちゅうとうメディアが19にちつたえたインタビューで「停戦ていせんけた努力どりょく成功せいこうするだろう。双方そうほう合意ごういにより、すうにちのうちに停戦ていせん実現じつげんすると期待きたいしている」とべて、ちか停戦ていせんする可能かのうせいがあるという見方みかたしめしていました。

またイスラエルのメディア政府せいふ高官こうかんはなしとして、ちか停戦ていせんする見通みとおあるという見方みかたつたえていました。

国連こくれん総会そうかいでも即時そくじ停戦ていせんもとめるこえ相次あいつ

イスラエル政府せいふ閣議かくぎでパレスチナの武装ぶそう勢力せいりょくとの停戦ていせん承認しょうにんしたのに先立さきだち、ニューヨークの国連こくれん総会そうかいひらかれた会合かいごうでは、即時そくじ停戦ていせんもとめるこえ相次あいつぎました。

会合かいごうは、チュニジアとニジェールの要請ようせいけて20にち、ニューヨークの国連こくれんそう会議かいぎじょうひらかれ、国連こくれんのグテーレス事務じむ総長そうちょうが「すべての当事者とうじしゃがただちに戦闘せんとうをやめることをあらためてびかける」とべたのをはじめ各国かっこく代表だいひょうからも停戦ていせんもとめるこえ相次あいつぎました。

アメリカのトーマスグリーンフィールド国連こくれん大使たいしは「イスラエルが衝突しょうとつ収束しゅうそくさせる方向ほうこううごはじめているとしんじている。ここすうにちのうちに緊張きんちょうおおきく緩和かんわされることを期待きたいしている」とべ、アメリカ関係かんけいこくとのおこなってきた停戦ていせんけた協議きょうぎ大詰おおづむかえていることをあきらかにしました。

この会合かいごうでは、停戦ていせんがいつどのような条件じょうけん実現じつげんするかが最大さいだい関心かんしんごととなっていました。

イスラエルとパレスチナ 対立たいりつ歴史れきし

双方そうほう対立たいりつ歴史れきしは1948ねんのイスラエルの建国けんこくまでさかのぼります。

イスラエルの建国けんこく宣言せんげんされた直後ちょくご、エジプトなど周辺しゅうへんアラブ諸国しょこく宣戦せんせん布告ふこくし、だい1中東ちゅうとう戦争せんそう勃発ぼっぱつしました。

この戦争せんそうによっておおのパレスチナじんいえわれ、難民なんみんとなりました。

その後そのご、1967ねんだい3中東ちゅうとう戦争せんそうでは、イスラエルは当時とうじヨルダンりょうだった東エルサレムひがしえるされむヨルダン川よるだんがわ西岸せいがんそれにエジプトりょうだったガザ地区ちく占領せんりょうし、エルサレムの全域ぜんいき支配しはいきました。

パレスチナをめぐってイスラエルとアラブ諸国しょこく四半しはん世紀せいきに4にわたって戦火せんかまじえました。

パレスチナでは、アラファト議長ぎちょうひきいるPLO=パレスチナ解放かいほう機構きこうが、イスラエルに対にたいする武力ぶりょく闘争とうそう先頭せんとうようになり、1987ねんにはパレスチナじん投石とうせきなど占領せんりょう抵抗ていこうする民衆みんしゅう蜂起ほうき「インティファーダ」がひろがりました。

双方そうほう対立たいりつおおひとたちが犠牲ぎせいなるなか、1993ねん電撃でんげきてき発表はっぴょうされたのが、暫定ざんてい自治じち合意ごういいわゆる「オスロ合意ごうい」で、イスラエルぐんは、パレスチナから段階だんかいてき撤退てったいし、暫定ざんてい自治じち政府せいふ行政ぎょうせい治安ちあん権限けんげん移譲いじょうはじまりました。

しかし和平わへい交渉こうしょう難航なんこうし、パレスチナでは、イスラエルの存在そんざいみとめないイスラム原理げんり主義しゅぎ組織そしきハマスが台頭たいとうし、自爆じばくテロと武力ぶりょく弾圧だんあつという暴力ぼうりょく応酬おうしゅうとなりました。

こうしたなか、イスラエルは2002ねん治安ちあん維持いじ名目めいもくヨルダン川よるだんがわ西岸せいがん分離ぶんりかべ検問けんもんしょ建設けんせつはじめ、ガザ地区ちくでもたかへいやフェンスを建設けんせつしてひとやモノのきびしい封鎖ふうさつづけ、ガザ地区ちくは「天井てんじょうのない監獄かんごく」とばれるようになりました。

2008ねんには、ハマスによるロケットだん阻止そしすることを理由りゆうに、イスラエルぐんがガザ地区ちくへのだい規模きぼ空爆くうばく侵攻しんこう作戦さくせんおこない、市民しみんふく1300にん死亡しぼうし、2014ねんには、ハマスがガザ地区ちくとイスラエルを行き来いききするトンネル破壊はかい理由りゆうふたたガザ地区ちく侵攻しんこうし、市民しみんふくむ2200にん死亡しぼうしました。
ソース:NHK ニュース