「息子むすこへの感染かんせんを恐おそれていたが…」家族かぞく5人にん全員ぜんいん感染かんせんの40代だい夫婦ふうふ

「息子むすこへの感染かんせんが私わたしたちの恐おそれていたことでした」

愛媛えひめ県けんに住すむ40代だいの夫婦ふうふの家庭かていでは、3人にんの子こどもを含ふくむ5人にん全員ぜんいんが感染かんせんしました。家庭かてい内ないでの子こどもたちへの感染かんせんを最もっとも恐おそれながら、感染かんせんを防ふせぎきれなかったことにやりきれない気持きもちになったという夫婦ふうふからのメッセージです。

職場しょくばで1人にん、また1人にんと感染かんせんが…

愛媛えひめ県内けんないで暮くらすケンイチさん（仮名かめい）48歳さいです。

運転うんてん代行だいこうの会社かいしゃを夫婦ふうふで営いとなんでいます。

ケンイチさんは、常つねに従業じゅうぎょう員いんに消毒しょうどくを徹底てっていさせ、利用りよう者しゃにはマスク着用ちゃくようを求もとめるなど、感染かんせん対策たいさくに積極せっきょく的てきに取り組とりくんできました。

しかし4月つき8日にち、従業じゅうぎょう員いん2人にんの感染かんせんを確認かくにん。

その晩ばん、ケンイチさんの体からだにも異変いへんが起おきます。

39.5度どの高熱こうねつが出でたのです。

そして、翌よく9日にちに検査けんさを受うけた結果けっか、感染かんせんが確認かくにんされました。

さらに翌日よくじつには従業じゅうぎょう員いんで3人にん目めの感染かんせんも確認かくにん。

職場しょくばでの相次あいつぐ感染かんせん確認かくにんで、運転うんてん代行だいこうの仕事しごとの休業きゅうぎょうを決きめました。

ケンイチさん
「39.5度どくらいまで熱ねつが上あがり体調たいちょうは一気いっきに悪化あっかして体からだを動うごかせない状態じょうたいになりました。仕事しごと中ちゅうに感染かんせんしたものなのか、もしくは私わたし生活せいかつ上じょうのことでどこかで感染かんせんしたものか、まったくわからないところが怖こわいです」。

家族かぞくへの感染かんせんが心配しんぱい、でも「自宅じたく療養りょうよう」に

ケンイチさんは、45歳さいの妻つまのジュンさん（仮名かめい）と、17歳さい、15歳さい、それに5歳さいの3人にんの子こどもと暮くらしています。

ケンイチさんの濃厚のうこう接触せっしょく者しゃとして、すぐに全員ぜんいん検査けんさを受うけましたが、結果けっかは陰性いんせいでした。

ケンイチさんは、大切たいせつな家族かぞくへの感染かんせんを心配しんぱいして、宿泊しゅくはく療養りょうようのホテルに入はいることを希望きぼうしていました。

しかし、保健所ほけんじょからの求もとめで、感染かんせんの確認かくにんからホテルに入はいるまでの5日間にちかん、自宅じたくで待機たいき・療養りょうようせざるを得えませんでした。

このとき、特とくに心配しんぱいだったこと。

それは、肺はいの病気びょうきにかかったことがある5歳さいの息子むすこに感染かんせんさせてしまうことでした。

妻つまのジュンさん
「肺はいに疾患しっかんがある方ほうは病気びょうきが重じゅう篤あつし化かしてしまうと聞きいていたので、息子むすこへの感染かんせんがいちばん私わたしたちの恐おそれていることでした」

10日にち後ご 妻つまに症状しょうじょう… 家族かぞく全員ぜんいんの感染かんせん確認かくにん

自宅じたくでは、ケンイチさんは「寝室しんしつ」に。

妻つまのジュンさんは「自宅じたく内ないの事務所じむしょ」、子こどもたちは「子こども部屋へや」と、できるだけ離はなれて過すごしました。

外出がいしゅつも極力きょくりょく避さけることで感染かんせんリスクを減へらしました。

しかし、ケンイチさんの感染かんせん確認かくにんから10日にち余あまりあと、突然とつぜん、妻つまのジュンさんに、味あじがほとんどわからなくなる症状しょうじょうが出でました。

味覚みかく障害しょうがいでした。

のどの痛いたみもあり、再ふたたび家族かぞくで検査けんさを受うけたところ、ジュンさんと子こども3人にん全員ぜんいんの感染かんせんが確認かくにんされました。

心配しんぱいしていた5歳さいの息子むすこは無む症状しょうじょうでしたが、全員ぜんいん、ホテルで宿泊しゅくはく療養りょうようすることになりました。

夫婦ふうふは、ケンイチさんの自宅じたくでの待機たいき・療養りょうよう中ちゅうに家族かぞくに感染かんせんが広ひろがったのではないかと振り返ふりかえります。

妻つまのジュンさん
「接触せっしょくしないようにと言いっても無理むり。トイレやお風呂ふろ、台所だいどころは共有きょうゆう部分ぶぶんで、顔かおを合あわせることもあります。5歳児さいじには“感染かんせんするから近寄ちかよるな”と言いっても無理むりな相談そうだんでした。リスクの高たかい5歳さいの末っ子すえっこの感染かんせんを知しったとき、リスクを知しりながら防ふせげなかったことにやりきれない気持きもちになりました」

「自宅じたく療養りょうようのリスクをもっと知しってほしい」

ケンイチさんと家族かぞくは5月つきはじめまでに宿泊しゅくはく療養りょうよう先さきのホテルを出でて、運転うんてん代行だいこうの仕事しごともおよそ1か月かげつぶりに再開さいかいできました。

しかし、療養りょうようを終おえてから2週間しゅうかんほどたった5月つき中旬ちゅうじゅん、妻つまのジュンさんに、味あじがわからなくなる症状しょうじょうが再発さいはつしました。

新型しんがたコロナの後遺症こういしょうではないかとみられています。

みずからの経験けいけんをもとに、ケンイチさんに、大切たいせつな家族かぞくを守まもるためのメッセージを聞ききました。

ケンイチさん
「クラスターであるとか感染かんせんの拡大かくだいを防ふせぐために可及的かきゅうてきすみやかに隔離かくりをするのが大事だいじだと思おもいます。自宅じたく療養りょうようといっても家族かぞく間かんの感染かんせんを防ふせぐことについては全まったく無む防備ぼうびで、何なにもできませんでした。自宅じたく療養りょうようのリスクについてもっと知しってほしいし、考かんがえてほしいです」

（取材しゅざい:松山まつやま放送ほうそう局きょく チーフディレクター 中川なかがわ丈たけ士し）

ソース：NHK ニュース