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安藤忠雄さんが改修設計 歴史的建物が美術館として開館 パリ
2021-05-22 20:18:56

世界的な建築家として知られる安藤忠雄さんが改修の設計を手がけた、フランス・パリの歴史的な建物が美術館として新たに開館しました。
22日、美術館として開館したのは、パリ中心部にある「ブルス・ド・コメルス」です。
18世紀以降、穀物や商品の取引所などとして使われてきましたが、安藤忠雄さんの設計で、およそ3年かけて改修されました。
ガラスのドームなど歴史的な外観はそのままに、内部に展示スペースとして、高さ9メートルのコンクリート製の円筒を設置し、フランスの実業家で、世界有数の現代アートの収集家として知られるフランソワ・ピノーさんのコレクションを展示しています。
円筒の頂上部分からは、ドームを囲む壁に描かれた19世紀の壁画を間近で見ることもでき、訪れた人たちは上からの眺めを楽しんだり、写真を撮ったりしていました。
美術館は去年、完成していましたが、新型コロナウイルスの影響で開館が遅れていました。
訪れた30代の建築家の男性は「歴史的な建築と、安藤忠雄さんの現代的な建築の違いを見るのが楽しい。2つの対比が美術館をおもしろくしている」と話していました。
また、広告業の30代の女性は「とてもすばらしい。展示スペースに初めて入ったとき、闘技場にいるような錯覚を覚えた。現代と過去が非常にうまく融合している」と話していました。
安藤忠雄さん「文化は心の勇気を与えてくれる」
安藤忠雄さんはNHKの取材に対し「コロナの中で開館という勇気のいる判断をして下さり、感謝したい。文化は心の勇気を与えてくれるものです。美術館に来ていただく方には、そこで勇気を受け取ってコロナに立ち向かい、地球で生きていくことを考えてもらい、これからも生きていくんだという気合いを感じてもらえればと思います」と話しています。
ソース:NHK ニュース