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テレワーク 実施じっしりやめた企業きぎょう継続けいぞくさせるポイント

2021-05-25 23:08:31

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3かい緊急きんきゅう事態じたい宣言せんげんされて1か月かげつがたちました。政府せいふが「出勤しゅっきんしゃすうの7わり削減さくげん」をびかけるなか、テレワークがひろがっていますが、いち実施じっししたものの、いまりやめたという企業きぎょうおおことがわかりました。

民間みんかん調査ちょうさ会社かいしゃ東京商工リサーチとうきょうしょうこうりさ-ちが、ことし3つき上旬じょうじゅん全国ぜんこくの9800しゃあま対象たいしょうった調査ちょうさでは、在宅ざいたく勤務きんむやテレワークについて「現在げんざい実施じっししている」とこたえた企業きぎょうは3754しゃりつにして38%で、この2か月かげつまえのことし1つき実施じっししたおな調査ちょうさより3ポイント増加ぞうかしていました。

会社かいしゃ規模きぼべつにみると、資本しほんきんが1おくえん以上いじょう企業きぎょうでは69%だったのに対にたい、1おくえん未満みまん企業きぎょうは33%で、規模きぼおおきな企業きぎょう実施じっしりつたかくなっています。

ただ新型しんがたコロナウイルスの感染かんせん拡大かくだいして以降いこう実施じっししたが、現在げんざいりやめた」とこたえた企業きぎょうが17%にあたる1725しゃにのぼり、在宅ざいたく勤務きんむやテレワークの継続けいぞく課題かだいあることもうかがえます。

こうした課題かだいについて、パソナ総合そうごう研究所けんきゅうじょ去年きょねん10つき在宅ざいたく勤務きんむ経験けいけんした1000にんあま複数ふくすう回答かいとうでたずねたところ、業務ぎょうむじょう課題かだいとして、半数はんすうちか48%が「チームコミュニケーション機会きかい確保かくほ」をげ、もっとおおくなりました。

また家庭かていない課題かだいについては「インターネット環境かんきょう改善かいぜん」がおなじく半数はんすうちか47%でした。

チームデー」もうけてテレワーク継続けいぞく

テレワークならではの課題かだい克服こくふくし、今後こんごつづけていくために独自どくじルール取り入とりいれるうごもあります。

商用しょうようしゃメーカー三菱みつびしふそうトラックバスは、ことし1つきから生産せいさんラインで勤務きんむするひとのぞき、平日へいじつ5日間にちかんうち出勤しゅっきんしていいのは2にちまでで、のこはすべてテレワークとすることを就業しゅうぎょう規則きそく盛り込もりこみました。

事務じむけい社員しゃいんだけでなくエンジニア対象たいしょうにしています。

ただおお社員しゃいんから「テレワークでは上司じょうし同僚どうりょうどうしのコミュニケーションがうまくとれない」といった意見いけんせられました。

そこで会社かいしゃでは、部署ぶしょごとにメンバー全員ぜんいんがそろって出社しゅっしゃし、かおわせて仕事しごとをするチームデー」をもうけるというあたらしいルール導入どうにゅうしました。

仕事しごと気付きづいたことやわからないことなど上司じょうし同僚どうりょうどうしで話し合はなしあ「リアル」のコミュニケーションをあえてつくることでテレワークを効率こうりつてきすすめようというねらいです。

5つき下旬げじゅんにはあたらしいバス開発かいはつする部署ぶしょチームデーがもうけられました。

東京とうきょう緊急きんきゅう事態じたい宣言せんげんていることもあって、このオンラインでの開催かいさいとなりましたが、10にんあまエンジニア参加さんかし、地方ちほうから異動いどうしてきたばかりの社員しゃいんが「部品ぶひん開発かいはつ全体ぜんたい状況じょうきょう把握はあくするソフトウエアのあつかかたからない」とたずね、べつ社員しゃいんおしえる場面ばめんもありました。

開発かいはつ本部ほんぶ伊藤いとう貴之たかゆきバス開発かいはつ部長ぶちょうは「自宅じたく仕事しごとをしてもパソコンでできるので機能きのうてきには問題もんだいはないが、わたし自身じしん在宅ざいたく勤務きんむでふとしたとき孤独こどくかんかんじるときもある。『チームデー』では、ざっくばらんに全員ぜんいん会話かいわできるようこころがけています」とはなしていました。

また人事じんじ本部ほんぶかわレナ本部ほんぶちょうは「『やってもいいですよ』とわれるより、『やらないとダメです』とわれるほうがいかにうまくやれるかかんがえる意識いしき改革かいかくこすためにはときには強制きょうせいりょく必要ひつようだ」とはなしています。

テレワークの社員しゃいんすこむずかしさをかんじている」

バス開発かいはつチームデーに参加さんかしたエンジニア福島ふくしま吉宏よしひろさん(56)は、先月せんげつ単身たんしん赴任ふにんさき富山とやまけんから本社ほんしゃ異動いどうとなり、横浜よこはま自宅じたくでテレワークをしています。

IT企業きぎょうつとめている長女ちょうじょもテレワークをしていて、お互おたが企業きぎょう秘密ひみつにつながる機微きび情報じょうほう取り扱とりあつかっているため、福島ふくしまさんはタンスなどをしまってある収納しゅうのうスペースで、長女ちょうじょはリビングと別々べつべつ場所ばしょでテレワークをしています。

福島ふくしまさん就業しゅうぎょう規則きそくに従にしたがって会社かいしゃ出勤しゅっきんするのはしゅう2かいまでです。通勤つうきん往復おうふく1時間じかんはん以上いじょう、かかっていたため、負担ふたんすくなくなったのはメリットだとかんじています。

一方いっぽう異動いどうしたばかりであたらしい部署ぶしょのソフトウエアやシステムあつかかたをできるだけはやおぼえたいとかんじていますが、テレワークではなかなかいつかないといます。

福島ふくしまさんは「かおわせていれば気軽きがる質問しつもんをすることもできるが、オンラインだとすこためらう部分ぶぶんがありスムーズに仕事しごと進行しんこうをするうえではすこむずかしさをかんじている」とはなしていました。

テレワーク継続けいぞく 3つのポイントとは?

テレワークの実情じつじょうくわしいパソナの湯田ゆだ健一郎けんいちろうリンクワークスタイル推進すいしん統括とうかつは、テレワークをつづけるためのポイントを3つげています。

1つは『できるところから』です。
湯田ゆださんは「できるひと、できる部門ぶもん、できる時間じかんからおこない、できたひと事例じれい会社かいしゃなかひろめていくといい。テレワークをずっとしている大手おおて企業きぎょうでも一気いっきやれたわけではなく、トライの積み重つみかさでできるようになった。すこずつトライすることが中小ちゅうしょう企業きぎょうでもすすめやすくなる心構こころがまだ」と指摘してきします。

2つは『最新さいしんのツールを組み合くみあわせる』です。
湯田ゆださんは「スケジュール管理かんりするアプリでチームメンバー業務ぎょうむえるするなど無料むりょう使つかえる便利べんりなツールがたくさんあるかく自治体じちたいあるテレワーク推進すいしん部署ぶしょではツールを比較ひかくすることができるほか相談そうだんにもおうじている」としています。

3つは『仕事しごと以外いがい会話かいわ機会きかい意識いしきてきやす』です。
湯田ゆださんは「ある企業きぎょうでは午後ごご3なる一緒いっしょ体操たいそうをしてからだうごかすなどして、一体いったいかんをつくる工夫くふうをしている。こうした取り組とりくなかお互おたが率直そっちょくはなしあえるきっかけやしていくことが重要じゅうようだ」と指摘してきしています。
ソース:NHK ニュース