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北海道の毛ガニ漁船とロシア船衝突 漁船乗組員3人死亡
2021-05-26 03:32:53

26日朝、北海道紋別市の沖合のオホーツク海で、毛ガニ漁船とロシア船籍の運搬船が衝突しました。海上保安部によりますと、この事故で毛ガニ漁船は転覆し乗っていた5人全員が救助されましたが、このうち3人の死亡が確認されました。
26日午前6時ごろ、紋別市にある紋別港の北東およそ23キロ沖合のオホーツク海で、紋別漁協所属の毛ガニ漁船「第八北幸丸」(9.7トン)とロシア・サハリンのネベリスク船籍の運搬船「AMUR」(662トン)が衝突しました。
紋別海上保安部によりますと、この事故で「第八北幸丸」は転覆して乗組員5人全員が「AMUR」に救助され、このうち3人は心肺停止の状態で紋別港に運ばれましたが、午前10時半ごろ死亡が確認されました。
亡くなったのは、機関長の沼端賢良さん(64)、いずれも甲板員の井上征俊さん(37)と今野俊介さん(39)の3人だということです。
また、ほかに甲板員1人が軽いけがをしました。
船長にけがはないということです。
「AMUR」の船舶代理店の話によりますと、25日サハリンを出発し、紋別港にカニを運ぶ途中だったということです。
事故当時、現場海域の波は穏やかだったということで、海上保安部は双方の船の関係者から話を聴くなどして衝突の原因を調べています。
事故現場付近の様子は
NHKのヘリコプターが事故現場付近で撮影した映像では「第八北幸丸」が船底を上に向けた状態で転覆しているのが分かります。
船の底や側面が大きく壊れています。
船の底や側面が大きく壊れています。
ロシア船「AMUR」の航跡は

船舶の位置情報をもとに運航ルートを公開している民間のホームページ「マリントラフィック」によりますと、毛ガニ漁船と衝突したロシア船籍の「AMUR」は、25日午後1時ごろサハリンを出港し、北海道に向かってオホーツク海を南に進んでいました。
衝突した時刻の26日午前6時ごろには、紋別港に向かって右側に方向転換した直後スピードが急激に遅くなり停止しました。
衝突した時刻の26日午前6時ごろには、紋別港に向かって右側に方向転換した直後スピードが急激に遅くなり停止しました。
ロシア当局「霧で視界不良か」
日本の漁船とロシアの運搬船が衝突したことについて、ロシア極東サハリン州の国境警備局の担当者はNHKの取材に対して、ロシア船籍の船「AMUR」が衝突したという事実を認め「日本側には死者とけが人が出ているようだ。ロシア側には船員23人が乗っていたがけが人はいない」と話しています。
そのうえで「この船はふだんからこの航路を航行していたが、けさは霧の影響で周辺の視界が悪かったために漁船に衝突したようだ」と話し、天候不良が要因だったという見方を示しています。
そのうえで「この船はふだんからこの航路を航行していたが、けさは霧の影響で周辺の視界が悪かったために漁船に衝突したようだ」と話し、天候不良が要因だったという見方を示しています。
加藤官房長官「2人は命に別状なし」
加藤官房長官は、午前の記者会見で「ロシア側から紋別海上保安部に連絡があり、午前8時半ごろ巡視船が現場に到着し、漁船が転覆していることを確認するとともに5人の引き渡しを受け、午前10時すぎに紋別港に到着して、5人を消防に引き渡した」と説明しました。
そのうえで「5人のうち3人は死亡が確認され、残り2人については負傷しているものの命に別状はないと聞いている」と述べました。
そのうえで「5人のうち3人は死亡が確認され、残り2人については負傷しているものの命に別状はないと聞いている」と述べました。
ソース:NHK ニュース