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べい大使館たいしかん占拠せんきょ事件じけん40ねん イランでだい規模きぼ反米はんべい集会しゅうかい

2019-11-04 16:22:36

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アメリカとイランが国交こっこう断絶だんぜつするきっかけとなったアメリカ大使館あめりかたいしかん占拠せんきょ事件じけんから40ねんとなり、イランの首都しゅとテヘランではだい規模きぼ反米はんべい集会しゅうかいひらかれ、参加さんかしゃは、イランに対にたいしてきびしい経済けいざい制裁せいさいトランプ政権せいけんつよ非難ひなんしました。
イランでは1979ねん親米しんべい王政おうせい打倒だとうされ反米はんべいのイスラム体制たいせい樹立じゅりつされましたが、このとしの11つき学生がくせいグループ首都しゅとテヘランのアメリカ大使館あめりかたいしかん占拠せんきょして400にち以上いじょうにわたって外交がいこうかんらを人質ひとじちにとり、両国りょうこく国交こっこう断絶だんぜつするきっかけとなりました。

事件じけんからよんにちで40ねんとなるのにあわせて、かつてのアメリカ大使館あめりかたいしかんまえでは反米はんべい集会しゅうかいひらかれ、保守ほしゅ強硬きょうこう若者わかもの政府せいふ関係かんけいしゃらが参加さんかしました。

あつまったひとたちは、「アメリカを」などとシュプレヒコールを繰り返くりかえし、去年きょねんかく合意ごういから離脱りだつきびしい経済けいざい制裁せいさいすなど、イランに強硬きょうこう政策せいさくつづけるトランプ政権せいけん非難ひなんしました。

参加さんかした30さい男性だんせいは、「トランプあくだ。世界中せかいじゅうしいたげている。アメリカ信用しんようできないことはながきにわたって証明しょうめいされている」とはなしていました。

アメリカきびしい制裁せいさいなかでイランでは、経済けいざい悪化あっかしていて市民しみんからは関係かんけい改善かいぜんけて対話たいわすべきだというこえもあがっています。

ただ保守ほしゅ強硬きょうこうから支持しじける最高さいこう指導しどうしゃのハメネイさんにち、アメリカとの交渉こうしょう拒否きょひする姿勢しせいあらためて強調きょうちょうし、両国りょうこくはげしく対立たいりつする状況じょうきょうつづいています。

べい大使館たいしかん占拠せんきょ事件じけんとは

イランでは、1979ねん親米しんべいだったパーレビ王政おうせい民衆みんしゅうデモによって打倒だとうされ、反米はんべいのイスラム体制たいせい樹立じゅりつしました。

国民こくみんは、パーレビ国王こくおう拘束こうそくしたうえで、裁判さいばんかけることをもとめましたが、アメリカ国王こくおう亡命ぼうめい受け入うけいれたため、このとしの11つきよんにち暴徒ぼうとした学生がくせいすうひゃくにんアメリカ大使館あめりかたいしかん押し寄おしよせ、50にんえる外交がいこうかんらを拘束こうそくしました。

学生がくせいたちは、パーレビ国王こくおう死去しきょして事態じたい解決かいけつするまでの444日間にちかんにわたって外交がいこうかんらを人質ひとじちにとり、両国りょうこく関係かんけい決定けっていてき影響えいきょうあたえました。

この事件じけんけてアメリカとイランは翌年よくねん国交こっこう断絶だんぜつし、現在げんざいにいたるまで敵対てきたい関係かんけいつづいています。

2013ねんには、この事件じけん題材だいざいにした映画えいが、「アルゴ」がアメリカ映画えいがかい最大さいだい祭典さいてん、アカデミーしょう作品さくひんしょうなどさん部門ぶもん受賞じゅしょうしました。

イラン経済けいざい苦境くきょう 関係かんけい改善かいぜんもとめるこえ

アメリカ制裁せいさいによりイラン経済けいざい苦境くきょうおちいなかで、市民しみんではアメリカとの関係かんけい改善かいぜん模索もさくすべきだというこえもあがっています。

アメリカトランプ政権せいけん去年きょねん5月ごがつかく合意ごういから一方いっぽうてき離脱りだつしたうえで、経済けいざい制裁せいさい強化きょうかさせました。これによりイラン政府せいふ歳入さいにゅうおよそさんわりめる原油げんゆに対にたいして禁輸きんゆ措置そちがとられたほか、イランの銀行ぎんこう国際こくさいてき送金そうきんもうから遮断しゃだんされたことなどで、ビジネス環境かんきょう悪化あっかしています。

このため、IMFあいえむえふ国際こくさい通貨つうか基金ききんは、イランのことしの経済けいざい成長せいちょうりつについてマイナス9.5%に落ち込おちこ予想よそうしています。

このため、首都しゅとテヘランではアメリカとの対話たいわねがこえおおかれ、このうち24さい建設けんせつ作業さぎょういん男性だんせいは「建設けんせつ仕事しごとすくなくなり、収入しゅうにゅうった。制裁せいさいわたしだけではなく、わたし家族かぞく全体ぜんたい影響えいきょうしている。アメリカ交渉こうしょうすべきで、それ以外いがいみちはないとおも」とはなしていました。

また40さい医師いしは、「アメリカというちょう大国たいこくとの関係かんけいが、いつまでも現状げんじょうのままではよくない。関係かんけいきずことは、降伏ごうぶくすることにはならないはずだ」とべ、アメリカとの関係かんけい改善かいぜんもとめていました。

イランふく大統領だいとうりょうべい敵視てきし政策せいさくあらためよ」

アメリカとイランの国交こっこう断絶だんぜつのきっかけとなったアメリカ大使館あめりかたいしかん占拠せんきょ事件じけんから40ねんとなるのにあわせて、イランのエブテカールふく大統領だいとうりょうがインタビューにおうじ、当時とうじ学生がくせいたちには正当せいとう動機どうきがあったと強調きょうちょうしたうえで、圧力あつりょく強化きょうかするトランプ政権せいけんに対にたいしては敵視てきし政策せいさくあらためるようもとめました。

イランのエブテカールふく大統領だいとうりょうは、1979ねん11つききたアメリカ大使館あめりかたいしかん占拠せんきょ事件じけん学生がくせいグループメンバーとしてくわわり、りゅうちょうな英語えいごをいかして広報こうほう担当たんとうとして連日れんじつ学生がくせいがわ主張しゅちょう世界せかい各国かっこく発信はっしんしました。

事件じけんから40ねんとなるのにあわせて、エブテカールふく大統領だいとうりょうNHKえぬえいちけいインタビューおうじ、「当時とうじ参加さんかした学生がくせいは、みなとてもわかく、これまでに直面ちょくめんしたことのない経験けいけんだったので、心配しんぱいかかえていた。しかし自分じぶんたちの行動こうどうには信念しんねんがあった。学生がくせいたちは、イランの自主じしゅ自立じりつ確実かくじつなものにしたいとかんがえていた」とべ、学生がくせいたちには、外国がいこくによる干渉かんしょうからイランをまもという正当せいとう動機どうきがあったと強調きょうちょうしました。

そのうえで去年きょねんかく合意ごういから一方いっぽうてき離脱りだつ圧力あつりょく強化きょうかするトランプ政権せいけんについては「イランに対にたいする制裁せいさい圧力あつりょくそれおどしは役に立やくにたたない。アメリカ方針ほうしんえるべきだ。アメリカによる干渉かんしょうわり、イランの人々ひとびと平和へいわらせることをねが」とべて、イランへの敵視てきし政策せいさくあらためるようもとめました。

こめ壊滅かいめつてき打撃だげきあたえる制裁せいさいつづける]

アメリカのホワイトハウスは声明せいめいし、「40ねんまえのきょう、イランの武装ぶそう勢力せいりょくがテヘランにあるアメリカ大使館あめりかたいしかん襲撃しゅうげきし、444日間にちかんにわたり50にん以上いじょうのアメリカじん人質ひとじちにした」として、事件じけん非難ひなんしました。

そして、「イランの体制たいせいは、人質ひとじちとして使つかためにつみのない市民しみん標的ひょうてきにしつづけている」とべ、イランが、アメリカじんふく外国がいこくじん国内こくないはん体制たいせいなどたびたび拘束こうそくしていることを念頭ねんとういた批判ひはんとみられます。

そのうえで「イランがこうした態度たいどほか悪意あくいある行動こうどうあらためるまでは、アメリカはイランに対にたい壊滅かいめつてき打撃だげきあたえる制裁せいさいつづける」として、イランに対にたい圧力あつりょく維持いじしていくかんが強調きょうちょうしました。
ソース:NHK ニュース