ヤフー ＬＩＮＥと経営けいえい統合とうごうに向むけ交渉こうしょう

ソフトバンクグループのＩＴ大手おおてヤフーが通信つうしんアプリ大手おおてのＬＩＮＥとの間まで経営けいえい統合とうごうに向むけた交渉こうしょうを進すすめていることが明あきらかになりました。通信つうしんアプリ事業じぎょうの顧客こきゃく基盤きばんを取り込とりこみ、スマートフォン決済けっさいなどのサービスを一気いっきに拡大かくだいするねらいがあるとみられます。

関係かんけい者しゃによりますと、ヤフーとＬＩＮＥは、経営けいえい統合とうごうに向むけた交渉こうしょうを進すすめています。

ヤフーの親しん会社かいしゃにあたるソフトバンクと、ＬＩＮＥの親しん会社かいしゃにあたる韓国かんこくのＩＴ企業きぎょう、ネイバーが50％ずつを出し合だしあって新しん会社かいしゃを設立せつりつし、その傘下さんかに持ち株もちかぶ会社かいしゃを置おいてヤフーやＬＩＮＥを子会社こがいしゃとする案あんが検討けんとうされているということです。

ソフトバンクとネイバーも交まじえて交渉こうしょうが行おこなわれていて、実現じつげんすれば、設立せつりつされる新しん会社かいしゃはソフトバンクのグループ会社かいしゃになる見込みこみで、今月こんげつ中ちゅうの合意ごういを目指めざしているとしています。

ＬＩＮＥは、国内こくないだけで8000万まん人にんを超こえる利用りよう者しゃを抱かかえ、最近さいきんは、スマートフォン決済けっさいをはじめ、アプリを通つうじた総合そうごう的てきな金融きんゆうサービスに力ちからを入いれていますが、利用りよう者しゃの獲得かくとくに向むけた先行せんこう投資とうしの負担ふたんが大おおきく、決算けっさんでは赤字あかじになっています。

こうした中なかで、ヤフーとしては、ＬＩＮＥと統合とうごうすることで、通信つうしんアプリ事業じぎょうの顧客こきゃく基盤きばんを取り込とりこみ、スマートフォン決済けっさいなどのサービスを一気いっきに拡大かくだいするねらいがあるとみられます。

ヤフーはことし９月くがつ、およそ4000億おく円えんを投とうじてファッション通販つうはんサイトのＺＯＺＯの買収ばいしゅうを決きめたばかりでＬＩＮＥとの統合とうごうが実現じつげんすれば、競争きょうそうが激はげしいインターネット業界ぎょうかいで大おおきな再編さいへんの動うごきが続つづくことになります。

ヤフー ネット通販つうはん事業じぎょうを拡大かくだいする方針ほうしん示しめす

ヤフーは、ソフトバンクの創業そうぎょう者しゃの孫まご正義まさよし氏しらがインターネットの検索けんさくサイトを運営うんえいする会社かいしゃとして1996年ねんに設立せつりつしました。

ネットを利用りようする際さいの玄関げんかん口ぐち、いわゆるポータルサイトとして検索けんさくだけでなくニュース配信はいしんや電子でんしメールなどのサービスにも乗り出のりだしました。

1999年ねんにはネット通販つうはんの事業じぎょうに参入さんにゅう。利用りよう者しゃどうしが品物しなものを出品しゅっぴんして売買ばいばいするオークションサイトが人気にんきになりました。

2012年ねんには通販つうはん大手おおてのアスクルと資本しほん・業務ぎょうむ提携ていけいを結むすび、家庭かてい向むけの日ひ用品ようひんや食品しょくひんの通販つうはんサービス、「ＬＯＨＡＣＯ」を始はじめネット通販つうはん事業じぎょうを強化きょうかしてきました。

またヤフーは去年きょねん10月つき、ソフトバンクと共同きょうどうでスマホ決済けっさい、「ＰａｙＰａｙ」を始はじめたほか、ソフトバンクの携帯けいたい電話でんわを利用りようしている人ひとにネット通販つうはんのポイントを優遇ゆうぐうし利用りよう者しゃの拡大かくだいに力ちからを入いれています。

そしてことし９月くがつには国内こくない最大さいだい級きゅうのファッション通販つうはんサイトを運営うんえいするＺＯＺＯの買収ばいしゅうを発表はっぴょうし、ライバルのアマゾンや楽天らくてんに対抗たいこうしてネット通販つうはん事業じぎょうを一気いっきに拡大かくだいする方針ほうしんを示しめしていました。

ヤフーは、先月せんげつ、持ち株もちかぶ会社かいしゃの体制たいせいに移行いこうし、Ｚずぃ-ホールディングスという持ち株もちかぶ会社かいしゃの傘下さんかに事業じぎょうを担になうヤフーが入はいる形かたちになっています。

ＬＩＮＥ 新規しんき事業じぎょうへの先行せんこう投資とうしが膨ふくらむ

ＬＩＮＥは韓国かんこくのＩＴ企業きぎょう、ネイバーの子会社こがいしゃです。東京とうきょう・新宿しんじゅくに本社ほんしゃを置おき、2011年ねんに無料むりょうでメッセージをやりとりできるアプリのサービスを始はじめました。

ＬＩＮＥはスマートフォンの普及ふきゅうにあわせて手軽てがるに連絡れんらくを取り合とりあえるスマホのメッセージアプリとして利用りよう者しゃが年々ねんねん拡大かくだいしました。

会社かいしゃによりますと、アプリの日本にっぽんでの月間げっかんの利用りよう者しゃ数すうはことし９月くがつ末まつ時点じてんでおよそ8200万まん人にんにのぼり、感情かんじょうや表情ひょうじょうがユニークに表現ひょうげんできるというスタンプと呼よばれる機能きのうが特徴とくちょうです。

ＬＩＮＥはユーザーの利用りよう頻度ひんどの高たかさを武器ぶきにしてメッセージアプリ上じょうに表示ひょうじされる広告こうこくを主おもな収益しゅうえき源げんにしています。さらに、無料むりょうの通信つうしんアプリで利用りよう者しゃを集あつめることで、ＬＩＮＥを入り口いりくちに多おおくのサービスを提供ていきょうしています。

スマホ決済けっさいの「ＬＩＮＥＰａｙ」を提供ていきょうし、コンビニや飲食いんしょく店てんなどでの支払しはらいのほか、利用りよう者しゃどうしで送金そうきんできるサービスやＡえいＩあいスピーカーの開発かいはつなど幅広はばひろい事業じぎょうを手てがけています。

ことし６月ろくがつには利用りよう者しゃの情報じょうほうを元もとにして点数てんすうを付つけて利用りよう者しゃにさまざまな優待ゆうたいを提供ていきょうする「スコアリング」と呼よばれるサービスを始はじめています。

目指めざしていたのは、生活せいかつに必要ひつような情報じょうほうやサービスをＬＩＮＥで完結かんけつできる仕組しくみ、いわば“ＬＩＮＥ経済けいざい圏けん”の構築こうちくですが、去年きょねんの決算けっさんで最終さいしゅう赤字あかじとなるなど新規しんき事業じぎょうへの先行せんこう投資とうしが膨ふくらんでいました。

ソース：NHK ニュース