日にち韓かん協議きょうぎは平行へいこう線せん 韓国かんこくがWTO提訴ていそに踏み切ふみきるかが今後こんごの焦点しょうてん

韓国かんこく向むけの輸出ゆしゅつ管理かんりを厳きびしくした日本にっぽんの措置そちをめぐって対立たいりつする日にち韓かん両りょう政府せいふは、WTO＝世界せかい貿易ぼうえき機関きかんの紛争ふんそう解決かいけつの手続てつづきに基もとづき、２に回かい目めとなる２に国こく間かん協議きょうぎをスイスで行おこないましたが、双方そうほうの主張しゅちょうに歩み寄あゆみよりはありませんでした。韓国かんこく側がわはWTOの裁判所さいばんしょに当あたる機関きかんでの審理しんりを求もとめることを含ふくめ、対応たいおうを協議きょうぎするとしており、提訴ていそに踏み切ふみきるかが焦点しょうてんになります。

２に国こく間かん協議きょうぎは、日本にっぽん政府せいふが韓国かんこく向むけの半導体はんどうたいの原材料げんざいりょうなど３さん品目ひんもくの輸出ゆしゅつ管理かんりを厳きびしくしたことに対にたいし韓国かんこく政府せいふがWTO に提訴ていそする手続てつづきに入はいったことを受うけて行おこなわれたもので、２に回かい目めとなった今回こんかいの協議きょうぎはスイスのジュネーブにあるWTOの本部ほんぶで、日本にっぽん時間じかんの20日にち未明みめいにかけ、およそ６ろく時間じかん半はんにわたって行おこなわれました。

終了しゅうりょう後ごの記者きしゃ会見かいけんで、日本にっぽん政府せいふの代表だいひょうを務つとめる経済けいざい産業さんぎょう省しょうの黒田くろだ淳あつし一郎いちろう通商つうしょう機構きこう部長ぶちょうは「軍事ぐんじ転用てんようの可能かのう性せいがある品目ひんもくの適切てきせつな管理かんりのためで、WTO違反いはんの指摘してきは当あたらないことを主張しゅちょうした」と述のべ、従来じゅうらいの立場たちばを繰り返くりかえしたことを明あきらかにしました。

また韓国かんこく政府せいふの代表だいひょうの、産業さんぎょう通商つうしょう資源しげん省しょうのチョン・ヘグァン新しん通商つうしょう秩序ちつじょ協力きょうりょく官かんは日本にっぽんの措置そちについて「差別さべつ的てきな貿易ぼうえき制限せいげん」だと批判ひはんし、双方そうほうの主張しゅちょうに歩み寄あゆみよりはありませんでした。

そのうえで、チョン新しん通商つうしょう秩序ちつじょ協力きょうりょく官かんは「３さん回かい目めの２に国こく間かん協議きょうぎが行おこなわれる可能かのう性せいは高たかくない。協議きょうぎの結果けっかを元もとに小しょう委員いいん会かいの設置せっちを含ふくめ今後こんごの対応たいおうを検討けんとうしていく」と述のべ、WTOへの提訴ていそを含ふくめ、韓国かんこく政府せいふの対応たいおうを検討けんとうするという見通みとおしを示しめしました。

一方いっぽう、今月こんげつ23日にちに失効しっこうする日にち韓かんの軍事ぐんじ情報じょうほう包括ほうかつ保護ほご協定きょうてい＝「GSOMIA」については、日にち韓かん双方そうほうとも今回こんかいの協議きょうぎでは言及げんきゅうが無なかったとしています。

WTOの規定きていでは協議きょうぎ要請ようせいから60日にち以内いないに当時とうじ国こくどうしの協議きょうぎで解決かいけつできなかった場合ばあい、WTOの裁判所さいばんしょにあたる小しょう委員いいん会かいでの審理しんりを求もとめることができます。

今回こんかいのケースではすでに60日にちが過すぎており、韓国かんこく政府せいふがWTOの審理しんりを求もとめて提訴ていそに踏み切ふみきるかが今後こんごの焦点しょうてんになります。

日本にっぽん側がわ「歩み寄あゆみより無なかった」

日本にっぽん政府せいふ代表だいひょうで経済けいざい産業さんぎょう省しょうの黒田くろだ淳あつし一郎いちろう通商つうしょう機構きこう部長ぶちょうは記者きしゃ会見かいけんで「２に回かい目めの協議きょうぎでお互おたがいの理解りかいは深ふかまったが日にち韓かんいずれも従来じゅうらいの主張しゅちょうを変かえたわけではない」と述のべ、歩み寄あゆみよりが無なかったことを明あきらかにしました。

そのうえで「今後こんごの進め方すすめかたについては協議きょうぎを要請ようせいしている韓国かんこくが検討けんとうする。日本にっぽんとしては３さん回かい目めの協議きょうぎの要請ようせいがあれば検討けんとうするし韓国かんこくが小しょう委員いいん会かいの設置せっちを求もとめるなら、それに対応たいおうする」と述のべました。

また、GSOMIAに関にかんする議論ぎろんがあったかどうかについては、「今回こんかいの協議きょうぎの対象たいしょうではない。防衛ぼうえいの問題もんだいとは次元じげんや質しつが違ちがう問題もんだいだ」と述のべるにとどまりました。

韓国かんこく側がわ「恣意しい的てき（しいてき）で差別さべつ的てきな貿易ぼうえき制限せいげん」

韓国かんこく政府せいふの代表だいひょうを務つとめる、産業さんぎょう通商つうしょう資源しげん省しょうのチョン・ヘグァン新しん通商つうしょう秩序ちつじょ協力きょうりょく官かんは協議きょうぎのあとの記者きしゃ会見かいけんで、日本にっぽんの措置そちについて、「恣意しい的てきで差別さべつ的てきな貿易ぼうえき制限せいげんだ」と述のべ、日本にっぽんの対応たいおうを改あらためて批判ひはんしました。

今後こんごの手続てつづきは...

今後こんご、この問題もんだいはWTOの紛争ふんそう解決かいけつの手続てつづきのもとで、どのように扱あつかわれることになるのでしょうか。

WTOの規定きていによると、２に国こく間かん協議きょうぎの要請ようせいが行おこなわれてから60日にち以内いないに折り合おりあいがつかない場合ばあい、協議きょうぎを要請ようせいした国くにはWTOの裁判所さいばんしょにあたる「小しょう委員いいん会かい」の設置せっちを求もとめることができます。

今回こんかいのケースでは韓国かんこくが協議きょうぎ要請ようせいを行おこなってからすでに60日にち以上いじょうがたっており、当事とうじ国こくどうしで解決かいけつできていないことから、規定きてい上じょうは韓国かんこく政府せいふがいつでも提訴ていそできる状態じょうたいにあります。

提訴ていそした場合ばあい、「小しょう委員いいん会かい」が日本にっぽんと韓国かんこくのそれぞれの主張しゅちょうの内容ないようを審理しんりして判決はんけつにあたる報告ほうこくを出だすことになり、日本にっぽんと韓国かんこくは「小しょう委員いいん会かい」の判断はんだんに従にしたがって、必要ひつような措置そちを取とることが求もとめられます。

「小しょう委員いいん会かい」の判断はんだんに異議いぎがある場合ばあいは、日本にっぽんと韓国かんこくのいずれも２に審しんにあたる「上級じょうきゅう委員いいん会かい」に申し立もうしたてることができ、ここでもそれぞれの主張しゅちょうが審理しんりされ、報告ほうこくが出だされることになります。

ソース：NHK ニュース