News
Show Furigana

ローマ教皇きょうこう 長崎ながさき 爆心ばくしんから核兵器かくへいき廃絶はいぜつメッセージ発信はっしん

2019-11-24 01:57:19

avatar
ローマ・カトリック教会きょうかいのフランシスコ教皇きょうこう長崎ながさき爆心ばくしん公園こうえんスピーチおこない、「この場所ばしょわたしたち人間にんげんどれだけひどい苦痛くつうかなしみをもたらすかをふか認識にんしきさせる」とべて、核兵器かくへいき人道じんどうせいつよ非難ひなんしました。そのうえで「核兵器かくへいき大量たいりょう破壊はかい兵器へいきことは平和へいわ安定あんていにつながらずむしろさまたげになる」とべて核兵器かくへいきのない世界せかい実現じつげんけて各国かっこく政府せいふをはじめ、すべひと一致いっち団結だんけつして取り組とりくことをびかけました。

平和へいわ安定あんてい核兵器かくへいき保有ほゆうではのぞめない」

冒頭ぼうとうで、被爆ひばくしゃとその家族かぞくけたくるしみにおもいをせたあと、「人々ひとびとが、こころなかもっとふかのぞんでいることのーつは、平和へいわ安定あんていです。しかし核兵器かくへいき大量たいりょう破壊はかい兵器へいき保有ほゆうしていてはこののぞこたえることはできません。それどころか、わたしたちをえず試練しれんにさらすことになるのです」とべ、核兵器かくへいき保有ほゆうつよ反対はんたいする姿勢しせいしめしました。

そしていま世界せかい現状げんじょうについて「わたしたちはいまえないほど分裂ぶんれつした世界せかいなかで、平和へいわ安定あんていもとめています。その足元あしもとでは、恐怖きょうふ相互そうご不信ふしんがはびこっていて、これひとひと関係かんけいをむしばみ、たがいに対話たいわすることをはばんでいるのです」とべ、懸念けねんしめしました。

長崎ながさき核兵器かくへいき悲劇ひげきてき結末けつまつ証人しょうにん

そして、フランシスコ教皇きょうこうは、被爆ひばくある長崎ながさきについてれ、「長崎ながさきは、核兵器かくへいき環境かんきょう人間にんげんに対にたいしていかに悲劇ひげきてき結末けつまつをもたらすかをしめ証人しょうにんです。しかし軍拡ぐんかく競争きょうそう反対はんたいするこえはわずかです」とべ、被爆ひばくうったみみかたむけるべきだと強調きょうちょうしました。

さらに、本来ほんらい貧困ひんこん対策たいさく自然しぜん環境かんきょう保護ほご使つかわれるべき費用ひよう武器ぶき製造せいぞう開発かいはつなど軍備ぐんびついやされているのは「途方とほうもないテロ行為こういだ」とつよ非難ひなんしました。

そのうえで「核兵器かくへいきから解放かいほうされた平和へいわ世界せかいこそが、数え切かぞえきれないすべひと熱望ねつぼうするものです。このねが実現じつげんするには、すべひと理想りそう実現じつげんけて取り組とりく必要ひつようあるのです」とべ、各国かっこく政府せいふ核兵器かくへいきをなくす取り組とりくみを一致いっち団結だんけつしてすすめるよううったえました。

多国たこくかん主義しゅぎ衰退すいたい

フランシスコ教皇きょうこうは、国家こっかかん相互そうご不信ふしん核兵器かくへいき規制きせいする国際こくさいてき枠組わくぐみをおびやかしているとしたうえで、「わたしたちは、多国たこくかん主義しゅぎ衰退すいたいするのを目の当まのあたりにし、最新さいしん兵器へいき技術ぎじゅつ開発かいはつすすなかでは非常ひじょう深刻しんこく状況じょうきょうあるのです。あらゆるくにのリーダーがいますぐこの問題もんだい注意ちゅういはらい、取り組とりくべきなのです」とべて、各国かっこくのリーダーに対にたいし、多国たこくかん核兵器かくへいき問題もんだい取り組とりくむべきだとうったえました。

核兵器かくへいき軍備ぐんび削減さくげんはたらきかけつづける

フランシスコ教皇きょうこうスピーチなかで、バチカンがおととしいち早いちはや批准ひじゅんした核兵器かくへいき禁止きんし条約じょうやくについて「カトリック教会きょうかいとしては、核兵器かくへいき禁止きんし条約じょうやくふく核兵器かくへいき軍備ぐんび削減さくげんけてこれからはたらきかけをつづけていきます」とべて、各国かっこく引き続ひきつづ参加さんかびかけていくかんがしめしました。

そしてお互おたが合意ごういもとめ、粘り強ねばりづよ対話たいわびかけていくことがわたしたちの武器ぶきでありますように」とべ、国際こくさい社会しゃかい連帯れんたいびかけました。

核兵器かくへいきのない世界せかい 可能かのう必要ひつよう確信かくしん

そして、フランシスコ教皇きょうこうあらためて、「核兵器かくへいきのない世界せかい可能かのうであり、必要ひつようあるということを確信かくしんしています。政治せいじリーダーの方々かたがた核兵器かくへいき国際こくさい社会しゃかい国家こっか安全あんぜん保障ほしょうおびやかすものからわたしたちをまもってくれるものではないということをこころきざんでください」とうったえました。

さらに「核兵器かくへいき使用しようひと環境かんきょうおよぼす壊滅かいめつてき破壊はかいをもたらすということをかんがえなくてはなりません。核兵器かくへいきによる平和へいわ理論りろんてる必要ひつようがあります」と強調きょうちょうしました。

世界せかいのリーダーの協力きょうりょくことが重要じゅうよう

フランシスコ教皇きょうこうは「核兵器かくへいきかく開発かいはつそれ環境かんきょう問題もんだいなど解決かいけつのためには、相互そうご発展はってん信頼しんらい関係かんけいきずこと、そして世界せかいのリーダーの協力きょうりょくることが重要じゅうようです。さらに、わたしたちいちにんいちにんかかわりももとめられています。おおくのひとくるしみに関心かんしんであってはいけません」とべました。

過去かこあやま繰り返くりかえさないよう」

フランシスコ教皇きょうこうは、最後さいごに、みずからの名前なまえ由来ゆらいあるきよしフランシスコにちなむとされる「平和へいわもとめるいの」とよばれるいのりをささげました。

そして、「このいのわたしたち全員ぜんいんいのりとなることを確信かくしんしています。関心かんしんながされ、過去かこあやま繰り返くりかえさないようこの場所ばしょ記憶きおくにとどめましょう」とべてスピーチめくくりました。
ソース:NHK ニュース