急きゅう拡大かくだいの「人事じんじにＡえいＩあい」 大手おおて企業きぎょうなどの団体だんたいがガイドライン案あん

ＡえいＩあい＝人工じんこう知能ちのうを使つかって従業じゅうぎょう員いんの情報じょうほうを分析ぶんせきし、人事じんじなどに活用かつようする企業きぎょうが増ふえていて、思おもわぬプライバシーの侵害しんがいなどにつながるリスクがあることから、大手おおて企業きぎょうなどで作つくる団体だんたいが人事じんじにＡＩを活用かつようする際さいの具体ぐたい的てきな注意ちゅうい点てんを盛り込もりこんだガイドラインの案あんを取とりまとめました。業界ぎょうかい団体だんたいとしてこうしたガイドラインを作つくるのは珍めずらしく、団体だんたいでは今年度こんねんど中ちゅうに正式せいしきに決定けっていすることにしています。

このガイドラインの案あんはさまざまな業界ぎょうかいの大手おおて企業きぎょうなど90社しゃ余あまりが参加さんかして、人事じんじ情報じょうほうを分析ぶんせきする技術ぎじゅつの普及ふきゅうを進すすめている「ピープル・アナリティクス＆ＨえいちＲあ-るテクノロジー協会きょうかい」の理事りじ会かいがまとめました。

企業きぎょうの間までは従業じゅうぎょう員いんのさまざまな情報じょうほうをＡＩを使つかって分析ぶんせきすることで人事じんじや採用さいように活用かつようする技術ぎじゅつの導入どうにゅうが始はじまっていますが、ＡえいＩあい技術ぎじゅつの進歩しんぽにより、プライバシーに関かかわる内容ないようなどが本人ほんにんの知しらないところで推測すいそくされてしまうリスクが指摘してきされています。

ガイドラインの案あんでは、ＡＩなどを使つかって分析ぶんせきする際さいの原則げんそくとして９ここのつの項目こうもくを挙あげています。

具体ぐたい的てきには、従業じゅうぎょう員いんに対にたいして分析ぶんせきを行おこなっていることやその目的もくてきなどをあらかじめ示しめすこと、分析ぶんせきによりプライバシーに関かかわる重要じゅうような情報じょうほうなどが推測すいそくされる場合ばあいは本人ほんにんに同意どういを得えること、それにデータの取り扱とりあつかいに責任せきにんを持もつ専門せんもんの役職やくしょくを設もうけることなどが盛り込もりこまれています。

協会きょうかいでは今後こんご、参加さんかする企業きぎょうから意見いけんを聞きいたうえで今年度こんねんど中ちゅうに正式せいしきに決定けっていすることにしています。

協会きょうかいの理事りじで、策定さくていに携たずさわった慶応けいおう大学だいがくの山本やまもと龍彦たつひこ教授きょうじゅは、「人工じんこう知能ちのうによる個人こじんデータの分析ぶんせきについて、初はじめて産業さんぎょう界かいとして一定いっていの考え方かんがえかたを示しめした点てんで重要じゅうような意義いぎがある。指針ししんが正式せいしきに決きまれば資格しかく制度せいどを設もうけるなどして実効じっこう性せいを高たかめていきたい」と話はなしています。

人事じんじや採用さいようでのＡえいＩあい分析ぶんせき 急速きゅうそくに広ひろがる

人工じんこう知能ちのう＝ＡＩを使つかって予測よそくするなど、人事じんじや採用さいようにデータ分析ぶんせきを取り入とりいれる動うごきは急速きゅうそくに広ひろがっています。

たとえば、特定とくていの従業じゅうぎょう員いんが４よんか月かげつ後ごに退職たいしょくする確率かくりつを予測よそくするシステムは過去かこ３さん年ねん分ぶんのすべての従業じゅうぎょう員いんの出退勤しゅつたいきんや退職たいしょくのデータを分析ぶんせきすることで高たかい精度せいどで予測よそくできるということです。

また別べつのシステムでは出勤しゅっきんした際さいに撮影さつえいした笑顔えがおや勤務きんむ記録きろくから意欲いよくが低下ていかしている従業じゅうぎょう員いんをいち早いちはやく見つけ出みつけだすことができるということです。

このほかインターネットで採用さいよう面接めんせつができるシステムでは、カメラを通つうじた声こえの抑揚よくようや言葉ことばづかい、それに視線しせんなど２に万まん5000の項目こうもくをＡＩが分析ぶんせきし、将来しょうらい、活躍かつやくする可能かのう性せいを点数てんすう化かするということです。

ＡえいＩあい分析ぶんせきで不適切ふてきせつなケースも

ＡＩを使つかった分析ぶんせきをめぐっては、就職しゅうしょく情報じょうほうサイト「リクナビ」を運営うんえいする会社かいしゃが、就職しゅうしょく活動かつどう中ちゅうの学生がくせいの内定ないてい辞退じたい率りつを予測よそくし、同意どういを得えないまま企業きぎょうに販売はんばいしていたことが明あきらかになり、政府せいふの個人こじん情報じょうほう保護ほご委員いいん会かいがことし８月はちがつ、情報じょうほうの管理かんりが不適切ふてきせつだったなどとして、勧告かんこくと指導しどうを行おこなっています。

ソース：NHK ニュース