「ながら運転うんてん」１いち日にちから厳罰げんばつ化か 企業きぎょうの間まで対策たいさくに関心かんしん

スマートフォンを見みながら車くるまを運転うんてんする「ながら運転うんてん」の反則はんそく金きんや違反いはん点数てんすうが12月つき１いち日にちから引き上ひきあげられます。企業きぎょうの間までは、社員しゃいんの「ながら運転うんてん」対策たいさくに関心かんしんが高たかまっています。

道路どうろ交通こうつう法ほうの改正かいせいに伴ともなって、運転うんてん中ちゅうにスマートフォンの画面がめんを見みるといった行為こういの反則はんそく金きんや違反いはんの点数てんすうは1日にちから、普通ふつう車しゃの場合ばあいで３さん倍ばいに引き上ひきあげられます。

こうした中なか、車くるまのリースなどを行おこなうオリックス自動車じどうしゃによりますと、「ながら運転うんてん」を検知けんちするドライブレコーダーの法人ほうじん向むけの販売はんばいが伸のびていて、ことし９月くがつまでの３さんか月かげつ間かんの販売はんばい台数だいすうが前まえの３さんか月かげつに比くらべて２に倍ばいに増ふえたということです。

このドライブレコーダーは、ドライバーの視線しせんや首くびの角度かくどなどをカメラで分析ぶんせきし、スマホを見みている場合ばあいに警告けいこく音おんを鳴ならすほか、警告けいこく音おんが鳴なった履歴りれきを会社かいしゃ側がわが確認かくにんできるようになっています。

オリックス自動車じどうしゃリスクコンサルティング部ぶの竹村たけむら成史せいじ部長ぶちょうは「運転うんてん中ちゅうに携帯けいたいの利用りようを禁きんじる社内しゃないルールがあっても、これまでは確認かくにんするすべがなかった。ルールを徹底てっていしたいという声こえが増ふえている」と話はなしています。

一方いっぽう、三井みつい住友すみとも海上かいじょうは12月つきから運転うんてん中ちゅうはスマホが使つかえなくなるアプリを企業きぎょうに提供ていきょうします。

専用せんようの機器ききを車くるまに取り付とりつけて時速じそく20キロ以上いじょう出だすと、アプリが入はいったスマホは操作そうさができなくなる仕組しくみで、物流ぶつりゅうや小売こうり企業きぎょうからの引き合ひきあいが多おおいということです。

アプリを利用りようする企業きぎょうに対にたいして自動車じどうしゃ保険ほけんの割り引わりびきなども検討けんとうしていて、「ながら運転うんてん」の防止ぼうしにつなげたい考かんがえです。

「ながら運転うんてん」で家族かぞく失うしなった遺族いぞくから切実せつじつな声こえ

今回こんかいの厳罰げんばつ化かについて、「ながら運転うんてん」で家族かぞくを失うしなった人ひとからは、同おなじような事故じこの根絶こんぜつにつながってほしいという切実せつじつな声こえが上あがっています。

愛知あいち県けん一宮いちのみや市しの則のり竹たけ崇たかし智さとしさんは平成へいせい28年ねん、小学しょうがく４よん年生ねんせいだった息子むすこの敬けい太ふとしくん（当時とうじ９きゅう）をスマートフォン向むけのゲームアプリ「ポケモンＧＯ」をしながら運転うんてんしていた男おとこのトラックにはねられて亡なくしました。

10月つきで事故じこから３さん年ねんがたちましたが、気持きもちの整理せいりはつかないままです。

事故じこの悲惨ひさんさを伝つたえようと、敬たかし太ふとしくんが事故じこの際さいに持もっていた水筒すいとうを今いまも大切たいせつに保管ほかんしています。

みずからも「ながら運転うんてん」の罰則ばっそく強化きょうかを訴うったえてきた則のり竹たけさんは「スマホがこれだけ普及ふきゅうしていますから、『ながら運転うんてん』が危険きけんだという認識にんしきがだんだんなくなってきているのではないか。ここでもう一度もういちど、自分じぶんの行動こうどうを見直みなおしてほしい。事故じこを起おこしてからでは遅おそいので、本当ほんとうに、これをきっかけに『ながら運転うんてん』をやめてほしい」と話はなしています。

そのうえで「水筒すいとうを見みると、当時とうじの衝撃しょうげきを物語ものがたっていて、本当ほんとうに痛いたかっただろうな、怖こわかっただろうなと、いまだに悲かなしみが込み上こみあげてきます。こうした交通こうつう死亡しぼう事故じこの一ひとつ一ひとつに、悲かなしんだり苦くるしんだりする家族かぞくが何なん人にん、何なん十じゅう人にんといるということを皆みなさんに知しってほしい。行動こうどうを変かえていただければ、敬たかし太ふとしの供養くようにもつながると思おもいます」と話はなしています。

ソース：NHK ニュース